ワタミ、ラクスルとのポスティング実証実験でエリアによる商圏傾向を発見
2022.04.19
ワタミ株式会社とラクスル株式会社は、チラシのポスティングに関するOMOマーケティングの実証実験で、エリアによる商圏の傾向を発見したと発表した。

■実証実験結果サマリー
①エリアにより読み込まれるコンテンツ(QRコード)ボリュームに差が発生
クリスマスメニューが多く読まれるエリア、グランドメニューが多く読まれるエリア、公式アプリへのアクセスが多いエリア、デリバリーが多いエリア、クリエイティブによる反響など、エリアにより読み込まれるコンテンツに差が発生した結果になった。特に、駅前店舗ではデリバリー需要が高く、かつ関東ではUber Eats(35.7%)、関西では出前館(19.5%)が多く読み込まれるなど、同じ駅前店舗でも利用意向が異なることが判明した。
②読込まれたコンテンツ(QRコード)からエリア内の居住者のユーザー属性が異なる可能性を発見
クリスマスメニューが多く読み込まれ注文のあったエリアとグランドメニューが多く読み込まれお弁当1個の注文があったエリアでは、注文者のユーザー属性が異なる(一般世帯・単身世帯など)傾向があると考えた。また、同じ首都圏エリアでも半径数100メートルの差で読込まれる内容、注文内容が異なり、エリア内の居住者属性が数100メートル単位で異なる可能性があることを発見した。
- 実施の背景
■OMOマーケティング実証実験結果詳細
ワタミ「から揚げの天才」にて2021年12月14日(火)よりポスティングのテストを実施。店舗業態(ロードサイド店、商店街内店舗など)ごとに商圏となるエリアを選定し、チラシデザインのABテスト、チラシ内のどのQRコードが読込まれたか、タイミングなどを分析し傾向を調査。

【配布期間】12/14~12/24
【実施店舗】
①ロードサイド店舗(関東)
②駅前店舗(関東)
③商店街内店舗(関東)
④駅前店舗(関西)
【エリア分け】A:0~800m B:800~1,500m
【配布数】A:8,000部 B:8,000部

エリアが異なってもほぼ同じアクセス傾向
特にクリスマスメニューに関する関心が50%以上の結果となった。

エリアA、Bにより読み込まれるコンテンツに大きく差が発生。エリアAではUber Eats、公式アプリの順、エリアBでは特別価格、クリスマスプレートメニューの順でアクセスが伸びたこのAエリアのみUber Eatsへのアクセスが他エリアと比較し顕著に多い。

商店街に近いエリアに住んでいるAのユーザーは裏面公式アプリへのアクセスが多く、情報収集と持ち帰り傾向にあることが分かった
商店街から少し離れたエリアBのユーザーでは①のロードサイド店舗と似た傾向ではあるものの、デリバリー需要が少し高い

エリアA、Bともに特別価格とクリスマスメニューへのアクセスで半数近くを占めることになったエリアBでは他エリアに比べ、出前館へのアクセスが多い傾向
に。
■ワタミ株式会社 外食事業 マーケティング部 部長 竹下 慎一 氏
「ラクスル様との連携により、これまで効果計測が困難だったオフライン販促の成果を可視化することに一歩近づくことができました。エリアによっては意外性のある結果となった部分もあり有意義な実証を行えたと思います。今後においては角度を変えながら実証を重ねる中で一定の法則を導き出しながら、より効率的なエリアマーケティングを実現し、店舗への後方支援を強化したいと考えております。_
■ラクスル株式会社 ラクスル事業本部 インキュベーション統括 近藤 賢志氏
「今回の調査を通じて、店舗にはそれぞれ商圏があり、その商圏に住んでいる人たちは地域性を帯びていることがわかってきました。地域性はユーザーの意思決定のプロセスにかなり起因することから、エリア販促の最適化の鍵はこの地域性の種明かしが重要であると考えております。
ラクスルが培ってきた販促の経験値を用いて、「生活者に合わせた最適な販促」をより簡単に実施できる世の中を目指していきたいと考えております。」