ニトリと島忠ホームズが経営統合後初の融合型店舗「ニトリホームズ宮原店」をオープン

2021.06.04

2021.07.08

ニトリホールディングスは、6月11日、家具・ホームファッションを展開するニトリとホームセンターの島忠とを初めて融合させた店舗となるニトリホームズ宮原店をオープンした。島忠・ホームズ宮原店を改装しての融合型店舗への転換となる。

ニトリグループ初の「新たなトータルコーディネート店舗」として客層の拡大を図り、お客に豊かな暮らしを提供していくとしている。

融合型店舗の1号店となったニトリホームズ宮原店。施設内にスーパーマーケットのオーケーが出店している
1階はホームセンターだが、入口ではコーディネート提案も実施

1階をホームセンターとし、2階はニトリと島忠相互の家具・ホームファッションを展開。ニトリと島忠のほぼ全ての商品を取り扱うことで、「住まいのことなら何でもそろう幅広い品揃え」とした。

「ニトリのホームファニシングは家の中が主体であったが、家の中、庭などの外も含めて、住生活の総合提案型の本格的な新しい専門店が、日本で初めて生まれたのではないかと思う」(似鳥昭雄・ニトリホールディングス会長兼CEO)

「ニトリのロゴと、島忠の20年代のロゴであるホームズの2つを掛け合わせてできた、ニトリと島忠の良いところ取りの店舗になっている」(須藤文弘・島忠会長CEO/COO)

似鳥昭雄・ニトリホールディングス会長兼CEO
須藤文弘・島忠会長CEO/COO。島忠出身で、ニトリホールディングス取締役執行役員副社長兼任のまま島忠会長に就任

ロゴのカラーは島忠のオレンジを採用。ニトリのグリーンにするか、島忠のオレンジにするかといったことを経営統合委員会で討議し、最終的には多数決でオレンジに決まったという。

全国に展開するニトリに対し、島忠の店は現状1都3県に9割方集中していることから、今後広域に出店する際の新しいブランドとして、ニトリホールディングスの「大きなピース」としていきたいとの意味もある。

商品については、ニトリはほとんどが自主開発のプライベートブランド(PB)商品であるのに対し、島忠はナショナルブランド(NB)商品がほとんどを占める。融合型店舗にすることには、品揃えの強化によって売場の魅力を高めると共に、粗利益率の高いニトリのPBが加わることによる粗利益率の向上が期待できる面もある。

改装の形になった宮原店では、売上げで2、3割増を見込むと同時に、特に利益面での大幅な改善を期待している。

実際、須藤会長は、今後はニトリの海外を含めた形での商品開発力を生かして島忠としてもPBを強化し、利益を高めていきたいとした。

須藤会長は、融合が良く表れた部分として、1階の洗濯用品売場を挙げた。ところどころでニトリと島忠の商品を混ぜた展開としている。洗濯機など家電でも、低価格を強みとするニトリの商品を差し込む
2階で2社の融合を象徴する1人用のパーソナルチェア売場。ニトリと島忠の商品を通路を挟んで展開。ニトリのPBが2~5万円の価格帯に対し(右側)、島忠の商品は17万~37万円ほどと(左側)、「品揃えの幅」を出している
ソファやダイニングでは、ニトリと島忠の商品を融合させた売場づくりとしている。写真右手はニトリ、左手は島忠の商品。価格帯が全く違う。両者を混ぜ合わせた提案もある
体験型の「寝具ソリューション」(2階)
接触冷感素材の「Nクール」を使用したニトリのPB寝具売場は最大パターンでの陳列。売場の広さを生かし、2階ではホームファッションを大々的に展開
ベビー用品売場も融合させることで、島忠として初の品種を展開(2階)
2階のカーテン売場ではコーディネート別陳列を採用

須藤会長は、現在の標準的な売場面積について、ニトリが1500坪、島忠2000坪と説明した。その品揃えを一から見直して、ニトリについては2階を中心に最大店舗と同じ商品を入れ、1階のホームセンターではニトリとの融合しつつ、1800坪のホームセンターを形成した。

「家の中から外、家具については低価格帯から高価格帯までの品揃えが、1つの店ででき上がっている。この店1カ所でワンストップショッピングができる。島忠、ニトリの将来がかかっている。オープンをしてから、状況を見ながら、売場、品揃え等を見直ししながら、どんどん融合のレベルを上げていって、今後のニトリホールディングの発展に寄与していきたい」(須藤会長)

似鳥会長によると、ニトリのホームファニシングの客層は女性約65%であるのに対し、ホームセンターは男性が約65%となっているという。そのため、1階にホームセンターに来店した男性客が2階に上がる、あるいは2階のニトリに来店した女性客が1階でついで買いをするといった効果にも期待している。

1階の紙製品売場。大量に売れる商品だけに平台を活用して大量陳列
1階のキッチン、ダイニング用品ではニトリのPBを差し込み、さらに棚照明などを活用したニトリと同様の陳列としている
タオル売場は1階の主通路沿いで展開。ニトリの商品が加わることで、改装前と比べ3倍の品揃えとなっている
ホームセンターらしく、グリーン、園芸用品の外売場を設ける。この辺りはニトリにはなかった要素。家の外も含めた「住生活の総合提案型専門店」となっている

まずは既存店の改装で検証し、その後は全国展開も視野

今後は、より多くのお客に豊かな暮らしを提供するため融合型店舗の「ニトリホームズ」を増やしていく。

島忠は、これまで島忠、エッサン、ホームズ、島忠ホームズの主に4種のフォーマットを展開してきたが、2000年以降出店した店舗はほぼ全て「ホームズ」または「島忠ホームズ」のフォーマットで出店してきた。

今後は「島忠」フォーマットを出店する予定はなく、店舗規模および品揃えによって、「ニトリホームズ」もしくは「ホームズ」の名称で出店する予定。

ただし、社名、商号としての「島忠」は今後も維持する。

既存の「島忠」フォーマットには小規模の店舗も多いことから、まずは、来年から3、4年かけて行うリニューアルのタイミングで「ニトリホームズ」「ホームズ」へ変更していき、店としての検証を実施。

それを踏まえた上でのことだが、その後は新規出店も模索していく。候補地もすでに探す方向性で動いているという。全国展開しているニトリの宅配も含めた物流網を活用できることから、ニトリホームズとしても全国的に物件を探していく意向だ。「将来、相当の出店ができるのではないかと考えている」(須藤会長)

似鳥会長は、「改善、改革を加えて、地域の住民の皆さまに喜んでいただけるような、なくてはならない、愛されるお店を作っていきたい」と力を込めた。

さらに「うちとホームセンターと家具が合体する。テナントで家電が入っている店もあり、『総合住宅提案企業』にだんだんなっていくのではないか」とも語る。

「衣食住の食は自前でやらなくても、衣料は自前でN+をやっている。どんどん変化していくのではないか。単なるホームファニシングやホームセンターよりも、融合した方が、お客さまにとって便利。いままで別々の店に時間をかけて行っていたのが、1カ所に行けば何でもそろう。今後、ニトリホームズでは基本的に衣食住全部揃えたい。アメリカは完全にショートタイムショッピングで、これは世界的な流れ。郊外型の店も、そういう風に収れんしていくのではないか。今後も、同業ではなく異業種同士の提携や合併が行われていくのではないかと思う。なぜならば、それがお客さまにとって便利だから。あくまで売上げや儲けは二の次」(似鳥会長)

また、現在2店で実験しているチキンステーキ、チキングラタンなどフードサービス業のニトリダイニングは、「やろうと思ってやったわけではない。物件が空いたので仕方なしに始めた。まだ儲かっている状態ではないが、好評なので今後、実験を重ね、時期が来たらチェーン展開していくことも考えられる」(似鳥会長)という。

ニトリダイニングについては今後、8月~9月に成増店(東京・練馬)に3店目をオープンさせる予定だ。

1階のフードコート跡のスペースに、グループのNプラスの衣料品のショップを導入。同社18店目でこれまで50坪タイプだったが初めて約100坪の規模にした
Nプラスはカラーコーディネートに注力している。ニトリ店内とショッピングセンター内に出店しているが、ニトリ店内の店の方が、売上げが高い傾向にあるという

ニトリホームズ宮原店概要

所在地/埼玉県さいたま市北区植竹町1-820-5

リニューアルオープン日/2021年6月11日

営業時間/10時~20時

駐車台数/635台

駐輪台数/561台

売場面積/3589坪(1階:約1809坪、2階:約1780坪)

フロア構成/2階:家具・ホームファッション、ファッションセンターしまむら

      1階:ホームセンター・ホームファッション、N+、オーケー、他

売場構成比/家具:35%、ホームファッション:19%、ホームセンター:46%

取扱SKU数/6万3820アイテム

家具:2000アイテム(ニトリ1000、島忠1000)

ホームファッション:1万2820アイテム(ニトリ1万2000、島忠820)

ホームセンター:4万9000アイテム

       (構成の高い分類DIY:1万8000、ペット:6800、

        日用品:6400、文具:4500、ガーデン:4300)

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