イトーヨーカ堂、日本総研など連携して「食品ロス削減の実証実験」を開始。ダイナミックプライシングや購買・消費データ活用

2022.01.12

株式会社イトーヨーカ堂、株式会社日本総合研究所、今村商事株式会社、株式会社サトー、シルタス株式会社、凸版印刷株式会社、株式会社日立ソリューションズ西日本は、参画する SFC 構想研究会の活動として、産地から小売店舗、消費者までのフードチェーン全域を 3 つの領域に分け、それぞれ食品ロス削減に関する実証実験を行う。

今回の実証実験は、経済産業省委託事業「令和 3 年度 流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(IoT 技術を活用した食品ロス削減の事例創出)」を一部活用し、2022 年1月12 日〜 2022 年 2 月 28 日まで東京都内で実施する。

■実証実験の概要・背景

国内における食品ロス量は、令和元年度時点で 570 万トン、それを企業等が排出する事業系(309 万トン)と消費者排出する家庭系(261 万トン)でおよそ半々ずつ分け合っていると推計されている。

■実証実験の概要
フードチェーン全域を、産地~小売店舗(実証実験①)、小売店舗(実証実験②)、小売店舗~消費者(実証実験③)の 3 つの領域に分け、それぞれ実証実験を実施。

【実証実験①:(産地~小売店舗)青果物の新たな価値を訴求する販促による食品ロス削減】

青果物が持つ様々な情報のうち、これまであまり利用されてこなかった情報を活用した新たな価値を消費者に提供する販促を店頭で実施し、食品ロス削減への効果を検証。

◆検証テーマ

①青果物の持つ多様な情報による販促収穫時の状態のほか、形や色味等の青果物の多様な情報をタイムリーに消費者に伝えることで、消費者の商品選択の幅が広げられるか検証。

②リアルタイムの流通状況に応じた販促IoT を活用して商品の流通過程をリアルタイムで追跡しながら、流通状況に応じた販促(店頭およびスマート
フォン上)が可能か検証。

◆実施概要
実施場所: イトーヨーカドー曳舟店
実施期間: 2022 年 1 月 12 日(水)~2022 年 1 月 31 日(月) 計 20 日間
対象商品: アイコトマト、なめこ、ほうれん草
実施主体: イトーヨーカ堂、凸版印刷、日本総研
協力先: アイワイフーズ、アイワイフーズ取引先産地

◆実施の流れ
産地で生産者が入力した青果物の情報を販促用に加工し、店頭のデジタルサイネージや電子チラシアプリ(Shufoo!)を通じて発信。その情報を受け取った消費者は、店頭で商品を確認し購入する。青果物の流通状況は、生産出荷時にコンテナに取り付ける電子タグ(ZETag®)を通じて、卸売業者、小売店舗での入出荷時に把握する。電子タグを通じて青果物の流通状況をリアルタイムで追跡しながら、消費者への販促を適切なタイミングで実施する。

【実証実験②:(小売店舗)ダイナミックプライシングを活用した売り切り促進による食品ロス削減】

賞味・消費期限別に在庫を可視化し、電子棚札を活用したダイナミックプライシングを導入することによる、店舗における業務効率化と食品ロス削減への効果を検証。

◆検証テーマ

①店舗業務の効率化
商品の価格変更の際に必要となる、値札の差替えや値引きラベルの貼付作業は、現場にとって少なくない負担となっている。実証実験②では、店舗バックヤードから店頭の価格表示を更新できる電子棚札を活用することによる負担軽減について検証する。

②効果的・効率的な売り切り促進
従来は1SKU=1価格であったところを、1SKU を賞味・消費期限別の複数の価格に分けるダイナミックプライシングを実施する。また、電子棚札を活用し、手作業による値引きラベルの貼付等では難しかった、より細かな金額幅での値段変更を行うことで、売上や粗利の向上、売り切り期間に変化があるか検証する。

◆実施概要
実施場所: イトーヨーカドー曳舟店
実施期間: 2022 年 1 月 12 日(水)~2022 年 1 月 31 日(月)
2022 年 2 月 9 日(水) ~2022 年 2 月 28 日(月) 計 40 日間
対象商品: デイリー・日配品から 10SKU(同じ棚に陳列される同一 SKU 内で、賞味・消費期限のバラツキが発生
することが多いものを選択)
実施主体: イトーヨーカ堂、サトー、日本総研

◆実施の流れ
商品の入荷時に、賞味・消費期限別のコードが印字されたラベルを発行し貼り付ける。ラベルの発行データ(SKU×賞味・消費期限)を専用ツール「サトー・ダイナミック・プライシング・ソリューション(SDPS)」に取り込むことで、可視化された賞味・消費期限別の在庫状況を踏まえたダイナミックプライシングを行う。消費者は、電子棚札と商品に貼り付けられたラベルを確認し、商品を通常通り POS レジで購入する。

【実証実験③:(小売店舗~消費者)「健康」を価値とした食品の購入・調理・保管の支援による食品ロス削減】

購買データや消費・廃棄データを「健康」という切り口で活用しながら、食品の購入・調理・保管を支援する消費者サービスとして提供し、家庭内での食品ロス削減への効果を検証する。

◆検証テーマ

①購買データを活用した購買支援
買い物リストや栄養バランスを考慮した商品レコメンドをスマートフォンに表示させることによって、消費者の購買行動の支援が可能か検証する。

②消費・廃棄データの取得による在庫管理
購買データと消費・廃棄データを連携させることによって、家庭内の在庫管理が可能か検証する。消費・廃棄データは、Bluetooth®タグと重量センサの組み合わせ、あるいは手入力により消費・廃棄時に取得する。また、商品購入等に使えるポイントを付与するインセンティブによって、消費者による消費・廃棄データの登録作業が促進されるか検証する。

③データを活用した調理支援
栄養バランスや家庭の在庫情報、そして食品ごとのおおよその賞味・消費期限を勘案したレシピ提案を行うことで、期限の近い食品の優先消費を支援できるか検証する。

④ゲーミフィケーションを活用した購買促進
健康状態を購買データから予測してキャラクターの姿に反映させる、というゲーム要素を取り入れた形(ゲーミフィケーション)で提示し、不足する栄養素の購入を促すことで、健康的な買い物の支援と購買促進が可能か検証する。

⑤消費・廃棄データによるデマンド型の需給予測
小売りにおける需給予測で一般に用いられることが多い来店客数等よりも、さらに川下の情報源である消費・廃棄データを活用した需給予測が可能か検証する。

◆実施概要
実施場所: イトーヨーカドー曳舟店、参加者自宅
実施期間: 2022 年 1 月 12 日(水)~2022 年 1 月 31 日(月)
2022 年 2 月 9 日(水) ~2022 年 2 月 28 日(月) 計 40 日間
参加者: 20~60 代の男女、約 100 名
実施主体: イトーヨーカ堂、今村商事、サトー、シルタス、日立ソリューションズ西日本、日本総研

◆実施の流れ
<購入プロセス>
参加者は、食事管理アプリ(SIRU+)上に買い物リストを作成した上で、セルフスキャンアプリを利用しながら店頭で買い物を行う。食事管理アプリは、セルフスキャンアプリによってスキャンされたカート内の商品データを基に、家庭の在庫状況および栄養バランスを考慮した商品の購入を促すレコメンドを買い物中に出すこともできる。また、買い物の完了後には、購買データがセルフスキャンアプリから食事管理アプリに連携され、家庭の在庫情報として管理される。

<消費プロセス>
購入した商品の消費状況をスマートフォンからモニタリングするため、商品には自宅で Bluetooth®タグを貼り付ける。消費データは、調理の際に残った商品を重量センサで計測することで取得し、イエナカデータクラウドを通じて、食事管理アプリ上の在庫情報を更新する。また、この在庫情報は、参加者自身で消費量・廃棄量を手入力することが可能となっている。消費・廃棄データを取得・入力した際には、買い物に利用できるポイントが食事管理アプリ内で付与される。また、健康的な食生活を楽しみながら行えるように、ゲーミフィケーションを取り入れ、購入した商品の栄養バランスに応じて見た目が変わるキャラクターを表示させるさらに在庫情報は、栄養バランスや食品のおおよその賞味・消費期限との組み合わせによるレシピの表示にも活用し、家庭内の食品の使い切りを促す。

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