タブレットPOSレジとは?導入のメリット・デメリット、代表的なサービスなどを解説

2022.10.28

2022.02.28

タブレットやスマートフォンに専用のアプリをダウンロードしてレジ機能を持たせたタブレットレジ。多機能で手軽に利用できることから、飲食店や美容サロン、小売店などで幅広く活用され始めている。

本記事では、業務の効率化が図れるタブレットPOSレジの特徴や機能、導入するメリット・デメリットとともに、おすすめのタブレットPOSレジサービスについて解説する。

タブレットPOSレジとは

タブレットPOSレジとは、iPadなどのタブレット端末にレジ機能が搭載されたPOSシステムのことを指し、タブレットPOSレジやiPadレジとも呼ばれる。

タブレットやスマートフォンに専用のアプリをダウンロードするだけで、POSレジ機能が利用できる。

利便性が高く店舗の雰囲気を壊さないため、飲食店や美容サロン、小売企業など、業種や業態、規模にかかわらず、店舗を持つさまざまな企業において、ここ数年で急激にシェアを広げている。

タブレット端末を利用したレジシステムの特徴と機能

従来のレジスターが持つ決済機能はもちろん、店舗運営をサポートし、業務を効率化する多種多様な機能が搭載されているのが、タブレット端末を利用したレジシステムの特徴である。

会計や顧客情報など店舗運営に必要な管理機能を搭載

タブレットPOSレジには、会計機能のほかにも店舗運営に必要な機能が搭載されている。商品管理や在庫管理、顧客情報管理、売上管理・分析、勤怠管理、予約管理といった多種多様な管理機能が利用できる。

リアルタイムでデータが更新され、蓄積されたデータはクラウド上で管理できるので、どこにいてもアクセスが可能になる。そのほかにも、楽天ポイントやリクルートポイントのような各種ポイントサービス、集客サイトや求人サイトとの連携が可能なタブレットレジもある。

レシートプリンターと連携できる

タブレットレジの中には、領収メールを送付できる機能を持つタイプもあるが、都度手書きやメールで領収書を発行していてはレジ業務の負担が大きくなる懸念がある。

また小規模店舗でレシート自体を発行していない企業もあるが、商品の返品や交換、トラブル時にレシートが必要になるケースが多いため、レシートプリンターと連携できる機能を持つタブレットレジを選ぶとよいだろう。

クレジットカード決済が可能

タブレットレジにはキャッシュレス決済機能が搭載されている。カードリーダーを用いれば、クレジットカードはもちろんデビッドカードや電子マネー、QRコード決済など幅広い支払い方法に対応可能だ。

会計時の金額の入力ミスやおつりの用意、レジ締めなどの手間が省けて、業務の効率化が図れる。さらにキャンペーンなどを利用することで、集客効果も期待できる。

タブレットPOSレジを導入するメリット

タブレットレジを店舗に導入することで得られるメリットを紹介する。

機能も豊富で操作も簡単

タブレットレジの基本的な機能を把握する必要はあるが、スマートフォンと近い操作性のため、慣れていれば簡単に利用が始められる。

便利な機能が多数搭載されていながら、使い方が複雑ではなく、端末や周辺機器を用意し、アプリをダウンロードするのみ。タブレットレジを活用することで、特定の従業員だけでなく、すべてのスタッフが業務をより効率的に進められるようになる。

コンパクトで場所を選ばず活用できる

タブレットレジは、据え置き型のレジと比較しても軽量でコンパクトなため、場所を選ばす活用できるメリットがある。

どこにでも簡単に持ち運べる便利さがあるので、レジの場所までお客様に移動してもらう必要もなくなり、店内だけでなく野外イベントや移動販売などでも使用できる。もともとレジが設置されていたスペースが空いた場合は、客席数を増やすなどして空間を有効に活用できるのも利点のひとつといえるだろう。

低コストで導入しやすい

タブレットレジの中には、初期費用や月額料金を無料で始められるサービスもあり、予算の都合で据え置き型のPOSレジシステムの導入が難しい小規模店舗でも、手軽に取り入れられる魅力がある。

月額料金が必要なタイプでも、従来のPOSレジと比べても低コストで利用できるものが多い。手持ちのタブレットや周辺機器があれば、初期費用をかけずに導入することも可能だ。

タブレットレジを導入するデメリット

メリットが多いタブレットレジだが、導入するうえでデメリットも少なからず存在する。どのようなデメリットがあるのか、導入前に確認しておこう。

無線LANによるネットワーク環境が必要

タブレットレジを利用するうえで、無線LANに接続できるネットワーク環境が必要になり得る。業種や店舗規模によっては、いまだWi-Fi環境が構築されていない店舗もあるだろう。

ベンダーでは通信環境に関するサポートは行っていないことも多く、その場合には自店で事前に準備しておく必要がある。とはいえ複雑なネットワーク環境は必要なく、インターネットに快適に接続できればよいため、セキュリティに気を付ければ、それほど問題にはならないだろう。

周辺機器の用意が必要な場合も

タブレットレジをより快適に利用するために、導入を検討すべき周辺機器がいくつかある。タブレット端末がない場合はiPadやAndroid対応のタブレットが必要になる。

さらに、従来のレジに付随していた機能がタブレットだけでは利用できないため、レシートプリンターやキャッシュドロア、バーコードリーダー、カードリーダーなど、必要に応じて揃えなければならないのが、デメリットのひとつといえる。また、タブレットレジのアプリが所持するタブレットのOSに対応していない場合もあるので、導入前に確認しておくとよいだろう。

停電や故障、電波障害時のリスク

タブレット自体が故障した場合、地震や台風といった外的要因による停電や電波障害が発生した場合は、接客中の会計処理はもちろん、さまざまな管理機能が使用できなくなる可能性がある。

クラウド環境に都度データを保管・更新するためには通信が必要になるので、ネットワーク環境が不安定だと、会計時にタブレットがフリーズしてお客様に迷惑をかけてしまう恐れも。無線LAN接続が不安定にならないよう、タブレットレジ専用の回線を用意しておくのが望ましい。

代表的なタブレットPOSレジサービス

数多くあるタブレットレジの中から自店に適したサービスを選ぶには、どの業種や業態向けにサービスを提供しているか、どのような機能が搭載されているか、予算感はマッチしているかといったポイントを踏まえて、導入を検討する必要がある。代表的なタブレットPOSレジサービスの特徴を紹介する。

ユビレジ

出所:ユビレジ

「ユビレジ」は、iPadを利用したPOSシステムで、基本的な会計機能の以外にも、リアルタイムでの売上データの管理や分析機能、単品での商品情報の登録・管理、顧客データの管理、在庫管理、複数店舗の管理など多彩な機能を持つ。

ユビレジは業種を問わず利用可能だが、特に飲食業や小売業、サービス業の企業での導入が多い。専任のコンサルタントが厚いサポートを行っている。

スマレジ

出所:スマレジ

iPadやiPhone、iPod touchなどのiOS端末で利用可能なPOSシステム「スマレジ」。レジ機能に加え、豊富な管理機能を搭載しており、オフラインでも販売情報が管理できる。

アパレル向けの複雑な在庫管理にも対応し、アパレル・小売業や薬局、クリニックなどの導入実績を持つ。徹底したアフターサポートが受けられるのも安心だ。

エアレジ(Airレジ)

出所:エアレジ

リクルート社が提供する「エアレジ(Airレジ)」は、iPadやiPhoneで利用できるPOSレジアプリである。売上データを簡単にグラフ化できるため、販売戦略にも役立てられる。

Airペイと連携することで、キャッシュレス決済に対応可能だ。飲食業や小売業、サービス業を中心に、さまざまな業種・業態で活用されている。導入後もチャットやメール、電話で相談ができる。

NECモバイルPOS

出所:NECモバイルPOS

「NECモバイルPOS」は、多店舗を持つ居酒屋チェーン店やカフェ、レストランなどの飲食店、物販店に特化したPOSシステム。業種ごとに必要な機器をピックアップしてくれるので、無駄な費用を抑えて利用できる。リアルタイムで売り上げデータが更新され、日報や月報も自動で作成してくれる。月額料金は企業の規模や使い方によって異なり、出張サポートにも対応している。

Uレジ

出所:Uレジ

「Uレジ」は、USENが提供するiPadを利用したタブレットPOSレジ。飲食店向け、理美容院向け、小売店向け、整体院向けと業種や業態に合わせたきめ細やかなサービスを提供している。

レジの基本機能以外にも、顧客管理や商品登録、売上データ分析などさまざまな機能を搭載。オプションでハンディ端末やセルフオーダーシステムを付与することもできる。登録や設置、使い方のレクチャーも行ってくれるので、IT機器が苦手な人でも導入しやすい。

タブレットPOSレジまとめ

手持ちのタブレットやスマートフォンを利用すれば、規模の小さい店舗であっても、システム化、業務のスマート化を進めることは可能だ。

今後タブレットレジの利用は急速に進むと推測されており、小規模店舗のみならず、多店舗経営の企業や大規模店舗においても、従来のレジからタブレットレジへ移行する企業が増えていくに違いない。作業の効率化やコスト削減が図れるタブレットレジを店舗に取り入れて、売上アップ、接客サービスの向上を目指そう。

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