玉川髙島屋S・Cが屋内もナビゲーションできるアプリ「PinnAR(ピナー)」を導入、商業施設で初

2021.07.21

髙島屋グループのデベロッパー企業である東神開発が運営する玉川髙島屋ショッピングセンター(玉川髙島屋S・C)が、モバイルサービス通信事業を手がけるテレコムスクエアが開発、提供するAR(拡張現実)ナビゲーションアプリの「PinnAR(ピナー)」を館内、外のルート案内に導入した。商業施設にピナーが導入されるのは全国で初めての試みとなる。

6月22日からメインの商業エリアである百貨店を含む本館、南館に導入。今後順次、西館、東館、マロニエコートなどの館内、周辺エリアにも対象を拡大していく予定だという。

ピナーは、世界で130万以上ダウンロードされ、利用されているナビゲーションアプリで、ARを導入している点が大きな特徴となっている。スマートフォンにアプリをインストールし、会員登録することで、無料で利用できる。

スマートフォンのカメラ越しに実際の風景が映し出され、目的地までのルートがオレンジ色の線で表示されるため、それに沿って進むことで目的地に到着できる。地図の場合、直観的にどちらに進むのかがなかなか分かりづらいこともあるが、ピナーはARによって、どの方向に進めば良いかがすぐに分かることが強みとなっている。

今回の導入に当たって、屋内ナビゲーション機能が新たに搭載された。これまでは屋外での現在地の測位にはGPSを活用する一方、屋内の場合、GPSの信号を真っすぐ受信できないことから課題となっていた。

今回、GPSに頼らずにビーコンやWi-Fiなどを掛け合わせる技術で現在地を測位する手法を取り入れることでその課題を解決。屋外の場合、ルートはオレンジ色で表示されるのに対し、屋内では青色の線でルートが表示されるようにした。

屋外はオレンジ色、屋内は青色の線でルートが表示される

また今回、途中で見かけた店に立ち寄るなど、ルートから外れた場合でも新たにルートを再設定できる「リルート機能」や、高さを測位することで階層をまたぐルートを、エスカレーターなどを利用するといった形でナビゲーションすることができたりといった屋内ならではの事象にも対応している。

OSもiOSとAndroidの双方にも対応している他、日本語の他、英語、韓国語、繁体字、簡体字に対応するなど、使い勝手にも配慮している。

販促やマーケティング活動にも活用できる

玉川髙島屋S・Cではこれまで館内、別館へのアクセスについてインフォメーションへの問い合わせが多くあった。インフォメーションコーナーの業務の8割方が館内案内ともいわれている。今回の導入はその部分での省人化への貢献が見込まれる。さらにコロナ禍で人と人との接触機会を減らすことが求められる中にあって、館内での対話を極力避けるという点で感染予防対策にもつながる。

玉川髙島屋S・Cへの導入責任者である東神開発の宇都宮優子副社長営業本部長は次のように語る。「ホームページや当社アプリでご案内機能を強化しようと取り組んできたが、それらは2次元の内容であるので、やはり分かりやすさでは課題があった。ピナーは3次元で、ご自分がお持ちのスマホを使って、分かりやすく目的地まで案内していただけるということで、いまの時代に合ったナビ機能だと捉えた」

また、ピナーはナビゲーション機能以外に、クーポン機能、店の情報、動画などの周辺機能も搭載しているため、お客としては旅先や初めて訪れる場所の買物などにも使え、店側としては集客に活用できる。デジタルメディアであることから紙媒体と比べて、更新機能に優れていることからリアルタイムでの更新ができることも強み。

テレコムスクエアとしても、今回、ピナーが商業施設である玉川髙島屋S・Cに導入されたことを受け、「販促の部分」での活用に期待を寄せる。

屋内ナビゲーションによってお客が行った場所やルートのデータを収集し、分析することで、店などの配置、あるいは購買情報を結び付けることでさらにマーケティング活動に生かせるとも考えている。

ピナーは、ビーコンの設置などによる人数の把握とは異なり、ルートによる回遊データが取れることが強みで、そこからお客の心理なども踏まえた活用が期待できる。

また、さまざまな場所に行くなど行動データであることから、それを施設だけでなく、街、エリアといったより広い範囲での活用にもつなげることができる。その上で、ピナー自体の情報発信の他、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)とYouTubeを活用した情報発信によって、より効果的な販促につなげていくという活用の仕方も考えられる。すでにその取り組みも、二子玉川エリアにある約120施設の10%ほどの参加によって始まっている。

導入に当たっては、導入側には地図を作ったり、ビーコンが設置していないなど必要であればビーコンの追加設置などの初期費用の他、月額の運用費がかかる。そこにはクーポンや店の情報更新、地図の更新など運用補修も含まれる。

逆に言えば、それがテレコムスクエアとしての収益となる。同社としては国内だけでなく海外も含め、1年後に100施設、3年後には600施設に導入を拡大していきたいという。同時に、普及が進んでいく中で将来的には広告による収益モデルも視野に入れる。

テレコムスクエアの吉竹雄次社長は、「この機会を1つのスタートとして、行動、引いては旅のDX化を推進していきたいと考えている。このアプリが世界に広がっていくことで、より安全で便利な、楽しいショッピングや街歩きができて、引いては海外旅行の行動そのものが変わっていくようなことを実現させていきたいと考えている」と意気込む。

PinnAR概要

サービス名/屋内ナビゲーション機能玉川髙島屋S・C

価格/無料

屋内ARナビゲーション対応端末OS/Android ARCore対応端末(OS 7.0以上)、iOS11.4以上

屋内ARナビゲーション以外の機能 /Android4.4以上、iOS11.0以上

ダウンロードURL/https://pinnar.onelink.me/3IhY/a03c4e56

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