キャッシュレス決済とは? 今さら聞けない種類やメリット、使い方などを解説

2022.10.28

2022.02.21

クレジットカードをはじめ、スマートフォンを使った決済など、現金ではない方法での支払いが一般化している。キャッシュレス決済の現金が手元になくても素早く支払いができ、ポイントが貯まったり割引があったりする点が魅力だ。

キャッシュレス対応の店舗が増え、日常の買物でますます使いやすくなっている。キャッシュレス決済の種類や支払い方法など改めて詳しく紹介する。

キャッシュレス決済とは何か

キャッシュレス決済とは、文字通りキャッシュレス、現金以外の支払いや決済のことをいう。クレジットカードは広く知られ使われている。以前から一般的に使われている口座引き落としや銀行振込なども、キャッシュレス決済の一部といえるだろう。

最近ではSuicaやPASMOなどの交通系、QRコードやバーコードを読み取って支払いができるものも普及して、さまざまな場所でキャッシュレス決済が利用できるようになっている。

キャッシュレス決済の普及率は

キャッシュレス決済の普及率は、かなり進んでいる。特にコロナ禍で多くの人が直接触れる現金よりも、スマートフォンをかざしたりカードを差し込んだりするだけで支払いが済むキャッシュレスは、感染症対策にも有効である。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2021年9月28日に発表した「キャリア決済を中心としたキャッシュレス決済の動向整理」によると、20年のキャッシュレス 決済の比率は29.7%で、右肩上がりの上昇が続いている。

キャッシュレスにおける支払方法の種類

キャッシュレス決済の種類は、大きく分けると3つある。支払いするタイミングによってキャッシュレスの種類は分かれているが、使い勝手にはそれほど差がないといえるだろう。

プリペイド

プリペイド方式は、前払いの意味である。キャッシュレス決済を行う前に、カードやアプリ、スマートフォンなどに一定の金額をチャージする方法である。交通系ICや流通系ICなどはプリペイドタイプのキャッシュレス決済だ。

事前に必要になる金額をチャージできるが、チャージ金額が減っていることに気づかず、いざ支払いの段階になってチャージ金額が不足していることが分かる場合がある。

即時払い

キャッシュレス決済を行った時点で、指定した銀行口座からお金が引き落とされるタイプが即時払いである。リアルタイムペイなどとも呼ばれる。銀行系や国際ブランドのついたデビットカードなどは、即時払いに当たる。

支払時に現金のやりとりはないが、リアルタイムでの取引になるため、プリペイドのようなチャージ不足の心配がない。また、銀行口座にある金額の分だけしか使えないため、使いすぎることがない点もメリットといえるだろう。

ポストペイ(後払い)

後払いのことをポストペイという。支払い時には銀行口座からの引き落としはなく、後日請求が来て支払うタイプだ。クレジットカードが代表的だが、ICカードや磁気タイプのカードなども後払いになる。取引の時点では、支払いはせず先に品物やサービスを利用できるため、信用取引になる。

海外では、クレジットカードが身分証明や所持者の信用を表すものになるのもうなずけるだろう。クレジットカードの申し込みをしても、年収が低い人、社会的地位がない人、過去に延滞している人などは、審査に落ちる場合がある。

キャッシュレス決済の型

キャッシュレス決済の方法について説明しよう。キャッシュレスの種類によって決済方法は分かれているが、どの方法も支払い完了までの時間は短く、スムーズに決済ができる。

接触型

接触型は、カードの読み取り機などを使って直接カード情報を読み決済する方法である。クレジットカードなどは接触型になる。

ただし、クレジットカードの種類によっては、カードリーダーの上に置くだけで決済ができるものも登場しており、従来の支払い方法よりもより簡単でスピーディな決済ができるようになってきている。置くだけで決済できるタイプのクレジットカードは、非接触型といえるだろう。

非接触型

非接触型は、読み取り機にカードやスマートフォンなどを近づけるだけで、情報を読み取って決済ができるタイプである。交通系ICやスマートフォンに入っているアプリなどを使った支払いは、非接触型に分類される。

決済が完了すると読み取り機から音が鳴り知らせてくれる。非接触型は、店員などにカードやスマートフォンを渡さずに読み取り機にかざすだけで支払いができるので、外出時の感染症対策にもなる。

読み取り型

読み取り型は、スマートフォンのアプリでQRコードやバーコードを表示してレジや店舗にある専用端末で読み取る方法、店頭にあるQRコードをスマートフォン専用アプリで読み取る方法がある。

読み取り型も、機械に接触させたり店員などにカードやスマートフォンを渡したりする必要なく決済が行える。最近のキャッシュレス決済は、非接触型や読み取り型などの決済方法を取っているものが多い。

キャッシュレス決済が利用できる場所

キャッシュレス決済は、すでにとても身近な存在になっている。店頭またはレジに対応しているキャッシュレスの種類が表示されているため、それに該当するタイプなら支払いが可能である。

デパートやショッピングセンターなどの大規模な商業施設だけでなく、日頃の買物でよく利用する店などでも、キャッシュレス決済を導入しているところが増えてきた。支払いの際は、現金払いにする前に自分が利用しているキャッシュレス決済に対応しているか確認してみるといいだろう。

小売店

個人の小売店などでもキャッシュレス決済を導入しているところが増えている。政府がキャッシュレス決済の導入を促進したいために、補助金などを設けている点も追い風になっているだろう。

中小企業でも条件に当てはまれば、自己負担なしでキャッシュレス決済の端末を導入できるケースがある。キャッシュ決済と比べて支払いにかかる時間を短縮できるため、人手が足りない小売店などでは積極的にキャッシュレス決済を取り入れている店も少なくない。

飲食店

飲食店でもキャッシュレス決済できるところが増えている。ファミレスや牛丼などのチェーン店などはもちろん、個人で経営しているレストランなどでもクレジットカード払いに対応しているところは多い。

飲食店のキャッシュレス決済導入は、大手の方が進んでいるといえる。ファストフード店や居酒屋、ファミレスなどは、クレジットカード以外のキャッシュレス決済に対応しているところが多くあり、支払いの選択肢が増えている。

ドラッグストア

普段の日用品や雑貨を購入するドラッグストアでも、キャッシュレス決済が利用できる。多店舗を経営しているドラッグストアなら、クレジットカードをはじめ、各種キャッシュレス決済での支払いが可能だ。

また、ドラッグストアオリジナルのポイントカードなどを発行し、そのカードにチャージして支払いができるようなシステムを導入している店もある。ほかにもスーパーマーケットなど日常の買い物でよく使うお店でも、キャッシュレス決済に対応しているところは多い。

キャッシュレス決済のメリット

キャッシュレス決済にはさまざまなメリットがある。キャッシュレス決済に対応している店の増加に伴い、キャッシュレス決済で支払いをする人が増えていることを見れば、現金での支払いよりも利便性が高いと感じている人が多いことが分かる。

キャッシュレス決済の仕組みがよくわからず、使いこなせるか不安に感じる人も、使ってみれば便利で簡単なことがわかるだろう。まだ使ったことがない人は、自分の生活パターンに合ったキャッシュレス決済を選んで利用してみることをおすすめする。

現金が手元になくても支払えて便利

キャッシュレス決済の最大のメリットは、現金が手元にないときでも支払いが可能な点だ。財布を忘れてしまったときや、銀行口座からお金を引き出していないときでも、スマートに買物ができる。

多くの現金を持ち歩く必要がないため、落としたり盗まれたりするリスクも減らせる。スマートフォンにキャッシュレス決済のアプリを入れて使っている場合は、出かけるときも鍵とスマートフォンさえ手にすれば、問題なく公共交通機関を利用したり買い物したりできるだろう。

利用履歴が分かる

キャッシュレス決済を利用すると、過去の利用履歴をいつでも見られる。いつどこで、いくら使ったか知りたいときに確認できるので、家計簿をつける必要がない。

また、残高もすぐに分かる」ので、足りないときはすぐにチャージもできる。交通系ICなどの場合は、どこで電車やバスを乗り降りしたのか、いくらだったのかなど細かい行動履歴も調べられるので便利である。

支払いがスピーディ

キャッシュレス決済なら、支払いがスピーディに済ませられる。現金払いの場合、支払い総額を計算し、その分の札や小銭などを財布から取り出す、お釣りを受け取るなどの手間がかかる。

一方、キャッシュレス決済は細かい端数があっても、カードを読み取ったり、バーコードにアプリをかざしたりするだけで支払いが完了する。特定の時間にレジが混み合う小売店などでも、キャッシュレス決済を導入すれば支払いまでの時間が短くなり、顧客満足度にもつながるだろう。

ポイント還元や割引などがあ

キャッシュレス決済の種類はさまざまあるが、中には利用することでポイントが貯まったり、割引が使えたりするサービスがある。

たとえばクレジットカードなら、利用する金額に合わせてポイントが貯まり、貯まったポイントを支払いにあてたり、商品やサービスと交換したりできることは多くの人が知っているだろう。

他のキャッシュレス決済でもポイント制や割引還元などのサービスを行っているところは多いので、積極的に利用することでさらにお得に買物ができる。

主なキャッシュレス決済の種類

キャッシュレス決済の主な種類を紹介していこう。まだ使ったことがないキャッシュレス決済でも、便利なものがあればぜひ利用してみてほしい。使ってみることで、キャッシュレス決済のメリットもよく分かるだろう。

また多くの人が利用しているキャッシュレス決済法は、自社のお店でも導入しておいた方が利用する顧客にとっても便利で、リピーターを増やすきっかけになる。

クレジットカード

もっとも広く普及しているのは、クレジットカードだろう。多くの人が1枚はクレジットカードを持っているのではないだろうか。カードの種類によっては学生や主婦でも作れるものもある。家族カードを発行できる場合も多く、家計管理の面でも便利である。

カード利用して支払いをするたびにポイントが貯まるので、貯まったポイントを支払いに利用したり、お目当ての商品と交換したりできる。また、クレジットカードは、多くの店で利用できる点も魅力だ。大型の商業施設や飲食店だけでなく、個人経営の小売店などでもクレジットカード払いに対応しているところは多い。

クレジットカードは、公共料金の支払いや年金の引き落としなどにも使える。

電子マネー

電子マネーは、お金の価値をデータ化して、カードやスマートフォンなどに現金の機能をもたせたものをいう。SuicaやiD、nanacoなどさまざまな種類がある。電子マネーを使うごとにクレジットカードと同じようにポイントが貯まるものもあるため、メインの支払いに利用している人も少なくない。

電子マネーは非接触型なので、読み取り機にタッチしたりかざしたりするだけで支払いが完了する。控えにサインしたり暗証番号の入力をしたりする必要がないため、クレジットカードよりも手軽に使えるだろう。電子マネーでも公共料金の支払いができる。

プリペイドカードプリペイドカードは、あらかじめ一定の金額がチャージされたカードなどを使って決済する方法。プリペイドカードを購入して使い切った時点で終わりになる使い捨てタイプと、残金が少なくなったら繰り返しチャージして使うタイプがある。使い切りタイプには、QUOカードなどがある。

またチャージできるタイプの場合は、VISAやMastercard、JCBなどの国際ブランドがついたプリペイドカードがあり、クレジットカードと同じように利用できる。ポイントやキャッシュバックなどのサービスもあり、メリットが多い。

デビットカード

デビットカードは、決済した時点で登録した自分の口座から利用料金が引き落とされるタイプ。銀行のキャッシュカードをそのまま使えるJ-Debitや、国際ブランド加盟店でも利用可能な国際ブランド付きデビットカードがある。即時決済なので預金残高以上の支払いはできず、使いすぎる心配がない点がメリットだ。

キャッシュレス決済を使いこなそう

キャッシュレス決済といっても、種類はいろいろある。ポイントや割引などの特典で選んでもいいし、携帯電話の会社など普段利用しているものと提携しているものを利用するのもおすすめだ。それぞれのキャッシュレス決済のメリットを比較して、賢く使いこなしていこう。

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