需要が伸びる豆腐、中華麺、納豆、パン、チーズ、ケーキ | 日配編・2022年5月 「これは押さえたい」重点商品と売場展開

2022.03.01

2022.11.11

5月のイベントは、ゴールデンウィーク(休みを取れば4月29日~5月8日まで10連休)、メーデー(5月1日)、憲法記念日(5月3日)、みどりの日(5月4日)、こどもの日(5月5日)、母の日(5月8日)と月前半にイベントが集中するため、売り逃しがないようにしたい。月後半は節約ムードが高まるため基礎食品を中心に販売する。

5月に需要が伸びるカテゴリーは、生うどん、そば、中華麺、ちくわ、卵、豆腐、納豆、梅干し、他の漬物、パン、調理パン、チーズ、マーガリン、ケーキ、ゼリー、プリン、和洋生菓子、アイスクリーム、ギョーザ、コーヒー飲料、果物、野菜ジュース。

5月に需要が減るカテゴリーは、揚げかまぼこ、魚介つくだ煮、油揚げ、がんも、こんにゃく、シューマイ。

需要が変化しないカテゴリーは、大根漬け、白菜漬け、昆布つくだ煮、冷凍食品、スナック、牛乳、ヨーグルト、バター、乳飲料、乳酸菌飲料。

2021年の家計調査では、食費(外食除く)は前月比108%の伸びであった。5月は需要が伸びる月であるため、需要が伸びるカテゴリー、商品は積極的に販売したい。一方、需要が減るカテゴリー、商品はフェースを縮小し売れる商品にスペースを譲りたい。

豆腐

豆腐は気温が上昇するに連れて「冷ややっこ」需要が高まる。5月から8月までうなぎ上りだが、昨年は6月から8月までは購入数量は増えたが、平均単価が下がったことで消費支出の減少につながってしまった。今年は平均単価を下げず購入数量アップを図りたい。

家計調査の月別消費支出をグラフ化したもの。平均単価×購入数量=支出金額

購入数量は1g~1kgと幅があるため小数点を変更して計算する必要もある。前年に比べ「支出金額」「平均単価」「購入数量」が伸びた場合は「赤字」の「○」。前年に比べて数字が下がったものは「黒字」の「×」で表記

売場展開

「おいしい豆腐食べ比べ」を企画して、冷ややっこで食べておいしい豆腐を販売したい。味の濃さをアピールするため豆乳濃度を表示するのも一案。陳列ケース最下段で3品ほど陳列して展開。

組み合わせ販売では、「豆腐+そぼろあんかけのもと」を提案。豆腐に袋物惣菜のそぼろあんをかけ、電子レンジで温めれば豆腐料理が一品できるといった提案をする。

中華麺

昨年2月までは中華麺は好調であったが、3月から需要が落ちてしまった。4月から6月にかけて平均単価が上がったのも原因かもしれない。今年は小麦粉の値上げもあり価格に敏感になっているが、焼きそば、冷し中華、あんかけ焼きそば、ラーメン、ちゃんぽんの価格設定には注意したい。

売場展開

節約ムードが高まる中旬から月末にかけて、焼きそば、あんかけ焼きそば、担々麺、ラーメン、冷し中華などで「中華麺祭り」を企画する。

組み合わせ販売では、「焼きそば+練り製品の焼きそばの具」を提案。九州ではさつま揚げやかまぼこ、ちくわをスライスした「ちゃんぽんの具」や「焼きそばの具」が販売されている。焼きそばだけでなく「野菜炒め」にも使えるため品揃えしてみたい。

納豆

納豆は昨年の2月から11月まで不振が続いた。購入数量や平均単価は調査されていないが、購入数量が減ったのではないかと推測する。5月は年間で2番目に売れる月だけにもう一度納豆の健康効果をアピールし前年をクリアしたい。

売場展開

売場は粒納豆とひきわり納豆の品揃えがメインだがマンネリ化しているため新しく「そぼろ納豆」「塩麴納豆」「テンペ」などに注力して販売する。テンペは代替肉として料理に使えるため、POPや料理サンプルで訴求する。

組み合わせ販売では「納豆+温泉卵」を提案。納豆売場に3個入りの温泉卵を関連販売する。納豆のたれと温泉卵のたれの相性も良い。

パン

昨年のパンは4月から6月まで消費支出が伸びた。購入数量が下がったものの平均単価が上がったためである。今年は小麦粉の値上げからパンの値上げがあるため、価格と需要のバランスに気をつけなければならない。

売場展開

インストアベーカリーでよく見られる「ミニデニッシュアソートパック」「ミニパンアソート袋詰め」「ミニドーナツアソート袋詰め」の販売をホールセールパンでも実施したい。平台を活用して袋詰め商品を398円くらいで販売する。

組み合わせ販売では、「パン+オリーブオイルスプレッド」を提案。食パンにバター、マーガリン、ジャムは定番だが、昨今のプラントベースブームでオリーブオイルやココナッツミルクを使ったスプレッドも提案したい。

チーズ

チーズの売れる月は12月のクリスマスシーズンのように思われるが、5月もよく売れる。昨年は3月から5月の売上が伸び悩んだため、今年は力を入れて販売したい。ただ平均単価は上がっているが、購入数量が減っているため、低単価のベビーチーズなども販促に加えて購入数量を上げることが必要。

売場展開

5月は「母の日」までは、おつまみ用、料理用のナチュラルチーズの訴求。「母の日」明けからは、低単価のベビーチーズ、キャンディチーズ、ステックチーズを冷蔵平ケースで展開する。

組み合わせ販売は、「ピザ+フレッシュモッアレラチーズ」を提案。チルド、冷凍ピザにスライスしたフレッシュモッツァレラチーズをトッピングして焼けば本格ピザになることを提案。あまったモッツァレラチーズはサラダにも使える。母の日にぜひ提案したい。

ケーキ

ケーキの消費支出は13カ月連続前年をクリアしている。好調カテゴリーだ。和洋生菓子は3月、5月、8月、10月、12月の行事、記念日の多い月によく売れる。ケーキも12月のクリスマスケーキをトップに同じような動きをしている。5月は「こどもの日」、「母の日」があるためケーキの予約販売に力を入れたい。

売場展開

「こどもの日」のちまき、柏餅、草餅は常温平ケースで販売。ケーキ、ショートケーキ、シュークリーム、エクレアは冷蔵平ケースで販売する。「こどもの日のケーキ」「母の日のケーキ」は予約販売を行い、当日の廃棄ロスをなくすようにする。

組み合わせ販売では、「ショートケーキ+ホイップクリーム+カットフルーツ」を提案。「こどもの日」「母の日」に、ショートケーキやロールケーキのトッピングにホイップクリームとカットフルーツを組み合わせ販売し、「わが家のオリジナルケーキ」を提案する。

トレンド商品

充てん豆腐の小分け商品

充填豆腐は3、4パックセットなど小分けが進んでいる。包丁、まな板を使わずそのままみそ汁、湯豆腐、肉豆腐、あんかけ豆腐、冷ややっこなどに使える。使ってみればとても便利であるだけでなく、自分の必要な分だけ食べられというメリットがある。定番コーナーの3段目くらいで販売したい。

宮崎名物「釜揚げうどん」

宮崎県の釜揚げうどんは、細麺を湯がいてゆず味の効いたつゆで食べる。讃岐うどんが「こし」で食べるのに対し、宮崎釜揚げうどんは柔らかく「のど越し」で食べるうどん。チルド麺売場で「諸国うどん」などのコーナー展開で販売したい。夏は冷しうどんにしてもつるつる食感が楽しめそうだ。

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