情報・サービス

  • 2024.02.19

    ID-POSで分かった消費者の購買行動|「これから注目したい年代、カテゴリー」

    分析:株式会社True Data データマーケティング部 竹村博徳 アナリティクス&テクノロジー部 吉岡治哉 データマーケティング部 中村匡佑 データ出典:True Data、業態:食品スーパーマーケット、以下同 第6回の今回は、「これから注目したい年代、カテゴリー」を取り上げる。背景として、2023年5月から新型コロナウイルスが5類感染症に移行したことによって、本格的な「アフターコロナ」に突入したと言って良い状況がある。 これによって世間はコロナ前に近い状況になったが、「果たして顧客の購買行動も19年の状況に戻った」といえるのか、それとも「コロナ前と比較して変化しているのか」というと…

  • 2023.08.16

    ベルクが手掛ける話題のディスカウント新フォーマット「クルベ」分析

    アズライト 榎本博之 ベルクがディスカウントフォーマットの「クルベ」を群馬県高崎市の江木店を改装する形で7月29日(土)にオープン、有力企業が手掛ける新たなディスカウントフォーマットということで、話題になっている。今回、同店の売場のレポートを通じて、ディスカウントの可能性などを考察したい。 訪店したのは8月7日(月)で、チラシは日曜立ち上がりの第3弾となっていた。表面は土曜日までの日替わりアイテム、裏面が日配、グロサリー等の通しアイテムで構成している。14時時点の駐車場は、1階部分はほぼ満車で盛況であった。各部門の特徴を説明していきたい。 青果は目視カウントで野菜75SKU、果物25SKUの合…

  • 2023.07.06

    ID-POSで分かった消費者の購買行動|「商品選定の3つのアプローチ」

    分析:株式会社True Data データマーケティング部 竹村博徳アナリティクス&テクノロジー部 吉岡治哉データマーケティング部 中村匡佑データ出典:True Data、業態:食品スーパーマーケット、以下同 小売業は、売上げ、利益を上げるためにさまざまな業務を行っている。一例としては図表①にあるように、お店では接客、商品の説明、出店においては店舗開発、オペレーションの部分では物流、在庫の管理、よりお客にお店に来てもらうためにチラシやクーポンなどの販促活動、また、メーカーなどと商談をして商品を実際の仕入れる活動、さらに近年関心が高まっている小売り独自のプライベートブランドの開発といったこ…

  • 2023.03.27

    ID-POSで分かった消費者の購買行動|来店頻度を上げるための「リピート顧客」獲得のシナリオ

    分析:株式会社True Data データマーケティング部 竹村博徳アナリティクス&テクノロジー部 吉岡治哉データマーケティング部 中村匡佑データ出典:True Data、業態:食品スーパーマーケット、以下同 小売業の中で、一番の目標に置かれるのは「店の売上げを上げること、増加させること」だと思う。今回はこのテーマについて分析を行った。 「店の売上げを増加させたい」と考えたとき、例えば商品の購入率を上げる、あるいはより高単価の商品を買ってもらうことで「客単価を上げる」こともあるが、今回はレシートの枚数を増やす、つまり、「買物の回数を増やす」ことに着目する。 レシートの枚数を増やすというこ…

  • 2022.12.16

    ID-POSで分かった消費者の購買行動|鍋つゆを展開するときにどのような食材を訴求すべきか? 同時購買と関係性の両方を押さえることで見えてくる世界

    分析:株式会社True Dataデータマーケティング部 竹村博徳データ出典:True Data、業態:食品スーパーマーケット、以下同 最初に図表①で「鍋つゆ」のトレンドを確認したい。 まず、前提として今回の「鍋つゆ」の定義から。True Dataの分類で「鍋つゆ」が含まれる「めんつゆ・ラーメンスープ・鍋つゆ・白だし」カテゴリーのうち、商品名に「鍋」「なべ」「ナベ」が入っている商品をピックアップしている。 その上で、「鍋つゆ」のトレンド全体ではやはり12月が伸びているということになる。分析では2021年12月を起点として、どういった「味」が買われているのか、また、メイントピックとしてどのような食…

  • 2022.09.13

    ID-POSで分かった消費者の購買行動|昭和レトロブームもあってじわじわ売上げ伸ばす「パインアメ」が若年層の集客に効果的な理由をひも解く

    分析:株式会社True Dataデータマーケティング部 竹村博徳データ出典:True Data、業態:食品スーパーマーケット、以下同 昨今、さまざまなところで「昭和レトロ」が話題になっている。昭和が終わってから30年以上が経過していることから、特に若年層には新鮮に映ることもあるようだ。 今回は、まさにそうした昭和レトロの代表的な菓子ともいえる「パインアメ」に注目してみたい。誕生は70年以上前の1951年(昭和26年)。 実は、昭和レトロの盛り上がりと軌を一するように、このパインアメの売上げも徐々に伸びている。ちなみに、「8月8日」はパインアメの日となっている。 実際に直近2年間でどれだけ売上げ…

  • 2022.06.21

    ID-POSで分かった消費者の購買行動|伸び盛りの「乳酸菌飲料」、年代別の支持の違いが品揃えすることの意義につながる

    分析:株式会社True Dataデータマーケティング部 竹村博徳 データ出典:True Data、業態:食品スーパーマーケット、以下同 「True Data」は、ビッグデータプラットフォームを運営する株式会社True Dataによる、全国のドラッグストア、スーパーマーケットなどの消費者購買情報を統計化した標準データベースです。全国の延べ6000万人規模の購買情報から構成され、性別、年代情報をカバーしています。 この連載では、True Dataから食品スーパーマーケットのデータを抽出したデータを用いながら、そこから導き出されるさまざまな商品の特徴を紹介します。 今回は、2022年4月の特徴的なカ…

  • 2022.05.31

    経営に生かすための「データサイエンス」の実践、「推計の統計学」を発注公式に使う

    システムズリサーチコンサルタント 吉田繁治 データサイエンスとして、目指すべき方向と方法の2回目です。今回は「推計の統計学」について示します。これが小売業のデータサイエンスの基礎になるものです。といっても推計の統計学が何かを説明できる人は大学の数学科を出た人だけでしょう。 本稿では、具体例を中学の数学のレベルで示して、解説します。数学は純粋論理なので、基礎から示すと理解が進みます。 まず確認すべきことは、小売業の数値管理は、「商品へのアクションと対策のために行う」ことです。商品政策の結果である出力帳票の売上金額や数量を見るだけでは、結果観察(モニター)でしかない。 前年比の売上げが良かった、あ…

  • 2022.03.01

    「データサイエンス」を経営に生かすために目指すべき方向と方法

    システムズリサーチ コンサルタント 吉田繁治 100万店(年商130兆円)の小売業で、とりわけ遅れているデータサイエンスと、わが社が目指すべき方向と方法について示します。 科学界のものだった「データサイエンス」は、産業へのAI(人工知能)の利用と共に、また、深層学習に必要な「データセットづくり」と共に、2015年ころから浮上してきた概念ですが一般には、まだなじみのないものです。 チェーンストアで「数値管理」と言われてきたものが原始的なデータサイエンスです。ところが、その数値管理の徹底が、全品プライベートブランド(PB)開発の真正のチェーンストア、ユニクロ、ニトリ、コンビニ以外ではほとんどないの…