INTERVIEW

インタビュー

  • 独自カラーのフォーマットで、一般的なスーパーとすみ分ける 神戸物産 沼田博和社長

    タピオカブームで若年層にまで客層拡大、その後はずっと好調  「業務スーパー」を日本全国に1084店(2024年10月末現在)の他、惣菜店やレストランをフランチャイズチェーン(FC)展開する神戸物産。直近の24年10月期の決算は、売上高が前期比10%増の5078億8300万円、営業利益が同11.8%増の343億5000万円と絶好調だった。同期の売上高営業利益率は前期比0.1%ポイント改善の6.8%。  実際、ここのところ、メディアなどで「業務スーパー」の名前を見る機会は確実に増えているように思える。同社の特徴ある商品開発の考え方、さらにはあえてFC展開による店舗網の拡大にこだわる理由などについて…

    2025.03.17

  • 売場づくり、提案次第で魚は売れる 角上魚類ホールディングス株式会社 栁下浩伸社長

    年商450億円超、増収増益で好調維持  角上魚類は、鮮魚専門店チェーンとしてユニークな存在感を放っている。日本では長らく「魚離れ」が叫ばれ、消費支出も長期的に減少傾向が続いている。他の食材に比べ食べる際に手間がかかることも要因の1つであろう。調達面では世界的なインフレ傾向、円安など逆風が吹くなど、ますます魚を食べるための環境は悪化している。人件費がかかる一方でロスが出やすいなど、販売における難易度が高く、赤字を避けたい企業には売場を縮小するところも多い。  一方で、「実は魚を食べたい」という声が根強いことも指摘される。「不」を取り除けば消費を盛り上げることができる可能性はある。問題は調達と運営…

    2025.03.17

  • 「100円ショップ」の市場はまだまだ増える 大創産業矢野靖二社長

    100円売価の比率はやや下がったものの80%を維持  日本では、100円(本体価格、以下同)ショップは日常の買物の場としてすっかり定着している。店全体を表す「業態」としてだけでなく、例えば1つのコーナーなどとしても「100円均一」は多くの企業が導入する魅力ある売場になっている。  催事の移動販売からスタートした大創産業は、現在の100円ショップのパイオニアの1社であり、圧倒的な売上高ナンバーワン企業でもある。現在では日本のみならず、世界26の国と地域に店舗網を広げ、「世界中の人々の生活をワンプライスで豊かに変える~感動価格、感動品質~」との社是の下、日本発のグローバル小売業の道を歩む。  今回…

    2025.02.26

  • 新フォーマットは追加ではない、企業自体を変えていく マミーマート岩崎裕文社長

    コンベンショナルなSMでは生き残れない  埼玉県を地盤に首都圏に80店のスーパーマーケット(SM)を展開するマミーマートは、減益圧力が高まる中にあって2024年9月期決算でも増収増益を達成。営業収益、経常利益は過去最高と好調を維持している。ドライバーとなっているのが、数年かけて磨き上げてきた「生鮮市場TOP!」と「マミープラス」という2つの新フォーマットだ。  積極的に既存「マミーマート」バナーの店からの転換を進める他、新規出店も開始し、全体に占める比率ももうすぐ半数に届きそうな勢いとなっている。まさに「転換期」にあるともいえる同社の現在と未来について、岩崎裕文(いわさき・ひろふみ)社長に聞く…

    2025.01.21

  • SMだからこそ「メニューでの提案」ができる オギノ荻野寛二社長

    お客は「上手に節約するように」なっている  山梨県を地盤に、新商勢圏の静岡県、長野県を含め47店のスーパーマーケット(SM)を展開するオギノは、利用するお客の需要をデータなどで把握し、さまざまな施策で応える「フリークエント・ショッパーズ・プログラム(FSP)」を長年に渡って実践してきたことでも知られるローカルチェーンである。  多くの店が山梨県という山に囲まれた、ある種の「閉鎖商圏」にある中にあってはFSPの重要性は特に高く、また、人口減少局面に入った日本においては1人1人の需要に向き合う姿勢が一層重要性を増していることは言うまでもない。同社のトップを30年近く務める荻野寛二(おぎの・かんじ)…

    2025.01.10

  • 全ては「生きる糧を分かち合う」ために サミット服部哲也社長

    上期減益も、特段心配せず、「総買上点数は増えている」  人口が集中する首都圏に123店、東京都だけでも90店を展開するサミットは、レイバースケジューリングプログラム(L.S.P)に代表されるようにもともと高いマネジメントレベルの店舗運営を実践する企業として知られていた。2017年からは「サミットが日本のスーパーマーケット(SM)を楽しくする」という事業ビジョンを掲げ、従業員の自律的な取り組みを尊重する運営に転換するなど組織運営を進化させてきた。現在、SM業界は原料、経費が高騰する一方で節約志向が指摘されるなど舵取りが難しい状況が続く。服部哲也(はっとり・てつや)社長はサミットの現在をどう捉え、…

    2024.12.23

  • 毎日使い続けるからこそ、「おいしさ」を「ドまん中」に アクシアル リテイリング原 和彦 代表取締役社長・CEO

    こだわりの新本部が完成、なぜ、柱が1本だけ赤く塗られているのか  新潟県を地盤とする原信・ナルス、そして群馬県を地盤とするフレッセイを擁し、商勢圏を拡大し続けているアクシアル リテイリング。日々の課題に対してPDCA(Plan、Do、Check、Action)を回すことで事業活動の品質を向上させるTQM(Total Quality Management、総合的品質管理)を「お客様のご満足を目的とした全員参加の組織的継続的な経営活動」と定義し、経営の根幹に据ながら着実に業績を向上させている。グループを率いる原 和彦(はら・かずひこ) 代表取締役社長・CEOの今後のビジョンに迫る。  アクシアル …

    2024.12.02

  • 小売業が目指すべきは「デジタルマーケティング業」 西友大久保恒夫社長

    異端の店舗担当が経営戦略担当に抜擢、そして業務改革の事務局に  総合量販店のナショナルチェーンだった西友は現在では本州での展開に特化したスーパーマーケット(SM)企業になっている。買収によってウォルマート流のディスカウントに向かっていた時期もあったが、昨今では株主変動によって、その要素は残しつつも独自の商品・販売政策の質販店を志向する。まさに激動の西友の社長を務めるのはイトーヨーカ堂出身、コンサルタントの経験も豊富な大久保恒夫氏。大久保氏が目指すとする「デジタルマーケティング業」の姿とは。  西友社長の大久保恒夫(おおくぼ・つねお)氏は、小売業の専門経営者といえる。イトーヨーカ堂出身で、その後…

    2024.11.13

  • 「ライフらしさ」という独自性の追求 岩崎高治社長

    企業改革により売上高業界ナンバーワンSMへ、協会会長として業界全体も変えていく  巨大企業のトップとして着実に改革を進め、さらに業界団体のトップとして業界全体のために行動を起こしていく。ライフコーポレーション社長にして日本スーパーマーケット協会会長を務める岩崎高治氏はいま、何を目指すのか。  ライフコーポレーションは売上高約8000億円、売上高規模で日本一のスーパーマーケット(SM)である(※)。しかも、M&A(合併・買収)などではない自前での成長だけでこの規模を築いた。  2024年10月時点で首都圏に144店、近畿圏に168店の全312店を展開する巨大SM企業を率いるのが、06年3…

    2024.10.29