インタビュー

  • 2024.02.19

    ザ・トップマネジメント サミット 服部哲也社長

    実績積み重ねてきた生鮮総菜が強みに、ネットスーパーは店の1つの「部門」、実店舗のプラスの要素と捉える ――中期経営計画の「頂2025」のアクションプランにはMD(マーチャンダイジング)強化、コストコントロール、プロセスセンター&物流改革、DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組み推進などの項目があった。うまくいったところ、逆に課題について。 服部 まだまだ全然、方針どおりの状態になっていないのが、MDの強化。そんなに簡単に結果が出るものでもないと思っているので、改装店などでチャレンジしたり、コンサルタントにも入っていただいたりしながらやっている。 特に加工食品などは、まず「整理…

  • 2024.01.05

    ザ・トップマネジメント ヤオコー 川野澄人社長

    「1品単価が既存店売上げを押し上げ、高い伸びが実現、落ち着いてくる今後は会社の力が試される」 ――2023年の振り返りと24年の方針について。24年からは新中期経営計画が始まるが、その大方針を含めて。 川野 お陰さまでこの(2023年)11月までの数値では売上げ、利益共に非常に当初想定を上回るような状況で来ている。予想外に1品単価の上昇が業績を引っ張ったなという1年になったと思っている。 来期(24年度)以降、第11次の中期経営計画がスタートするわけだが、対外的な発表を5月以降に行う予定で、まだまとまっていないところもあるが、大きな方向性等についてお話をさせていただきたい。 今期(23年度)で…

  • 2024.01.04

    ザ・トップマネジメント 日本スーパーマーケット協会 岩崎高治会長

    「業績堅調傾向続き、インフレ期待の一方で、深刻化する人手不足、物流問題、環境対応急ぐ」 ――2023年の振り返りと24年の展望は。 岩崎 2023年は、原材料高やエネルギー価格の高騰、円安もあって輸入に頼るわが国経済は大きな影響を受けた。そのような中にあって、5月にコロナ感染症が5類に移行をした。その結果、行動制限もすべて解除されたということで、人の動きが非常に活発になった。加えてインバウンドも非常に増えているということがあって、国内の社会経済活動を正常化してきているかと。 いま、国内の小売りは総じて(業績が)良いだろうと捉えている。ちょっと特殊な事情があって、内的な要因で少し厳しい企業もある…

  • 2023.08.21

    ザ・トップマネジメント 「新」スーパーマーケット論 カスミ 山本慎一郎社長

    アプリの後にあえてプラスチックカードを導入、デジタルの買物の入口に ――カスミは茨城県地盤で、どちらかというと地方での展開が中心だ。首都圏の人口密集地とは違う難しさがある。 山本 人口動態の問題がある。われわれのところでも、(自社で手掛ける)移動スーパーがどんどん増えていて、いま60台ぐらい展開している。増えていくのは買物アクセス困難者の数が増えているということだろうし、やはり高齢者が増えて、胃袋が小さくなる、あるいは施設に入り家庭内での喫食の機会がどんどん減っていく。 短期ではなくて、中長期的な課題に対して、どうやって対応していくかということが、まずある。1つは高齢者が増えるなど、世代がシフ…

  • 2023.08.07

    ザ・トップマネジメント バローグループの「現在」 バローホールディングス 小池孝幸社長

    生鮮に強いデスティネーション・ストアの店を拡大しつつ、これからは多業態抱えるグループの強みにさらに磨き ――「中期3ヵ年経営計画」(2022年3月期~24年3月期)の最終年度の総括は。 小池 大きいところでは、「商品、顧客、社会を繋(つな)ぐというところに向けて」という中長期の話の中でやっているが、やはり商品のところでは、商品力を向上させるのは製造小売業を進化させることだろうなと思ってやってきている。顧客、社会をつなぐというところではDXを使って、情報連携していくところをやってきている。 大体のところはうまくいっている。この中計でやろうとしている「繋がっていこう」というところに関しては、具体的…

  • 2023.06.05

    「ドムドムハンバーガー復活」の鍵となった藤﨑忍社長流、「思いやり」経営戦略

    「はみでる!アジフライバーガー」「餃子バーガー」「手作り厚焼きたまごバーガー」…。洋のイメージが強いハンバーガーに日本風の要素を加えた個性的なラインアップが並ぶ。これらの個性的な商品を提供しているのは、ドムドムフードサービスが展開する「ドムドムハンバーガー」である。これら以外にもコラボレーションを含め、新しい発想の下、他企業では見ないような、フレーバーも多様な商品を次々に世に放ってきた。 個性的なハンバーガーチェーンとして存在感を発揮している同社だが、ここに至るまでは紆余曲折があった。長期的な赤字状態から抜け出したのはわずか2年ほど前のこと。そして、その再浮上のキーパーソンが現社長の藤﨑 忍氏…

  • 2023.04.24

    ザ・トップマネジメント リクルートMUFGビジネス 夏目英治社長

    決済手段乱立の日本のキャッシュレスの中で「生活口座」を構築し、お金のやり取りのハブ目指す リクルートと三菱UFJ銀行が共同出資する子会社のリクルートMUFGビジネスは決済ブランドの「COIN+(コインプラス)」と、そのコインプラスを組み込むデジタル口座管理、決済アプリの「エアウォレット」を手掛けている。同社の夏目英治社長に同事業が目指す姿と小売業界のキャッシュレスを含む決済手段の状況と今後について聞いた。 ――コインプラス、エアウォレットはどのようなサービスか。 夏目 「コインプラス」は決済ブランドだが、もともとは決済をやりたいと思って事業を始めたわけではない。 私自身はリクルートからの出向に…

  • 2023.01.05

    ザ・トップマネジメント 2023年の視座と戦略 カスミ 山本慎一郎社長

    新フォーマットの「ブランデ」はR&Dの位置づけで実験繰り返す、本来のバリュープライシング、人でしか出せない価値を追求 ――2022年には新フォーマットとして地盤である茨城県つくば市内に「BRΛND(ブランデ)」を2店出店した。改めてその意図と現状は。 山本 ブランデで一番ポイントになるのは、これはわれわれのR&D(研究開発)であるということ。これをどれだけ展開するのか、次の手などに関心が寄せられるが、もちろん、「次」も考えるが、そもそもブランデは「混ぜ合わせる」との名前のとおり、いろんなものを混ぜ合わせてみようということで取り組んでいる。 つまり、いまのストア、スーパーマーケッ…

  • 2023.01.04

    ザ・トップマネジメント 2023年の視座と戦略 ヨークベニマル 大髙善興会長

    価格転嫁はある程度はやむを得ず、一方で生鮮、惣菜での価値を高める努力をするのがSMの役割、人の成長こそが企業の成長に ――2022年を振り返ると。 大髙 コロナもそうだが、物価高騰、エネルギー・コスト構造(の問題があった)。そうした中、10月、11月には値上げをしたけれども、買上点数は少し落ちたが、商品単価が103%ぐらいで、11月の売上げは昨年比で見ると全店は104%ぐらい、既存店は101%ぐらい。ほぼ計画どおりだった。 やはり価値のあるもの、新しいものはそれなりに売れている。あとは経済性、安さといった二極の購買なのかなと思う。その点では、新しい商品を出している部門、カテゴリーは良い結果が出…

  • 2023.01.02

    ザ・トップマネジメント 2023年の視座と戦略 ヤオコー 川野澄人社長

    価格コンシャス効果もあって下期から既存店客数も前年クリア、値上げ局面はハイ&ローで安さ演出+ミールソリューション強化の両にらみ ――2022年を振り返ると。 川野 22年は、原料高に伴う値上げが大きく進んだ1年だったと思う。われわれにとってみれば、仕入れ価格が上がると同時に非常に光熱費が上がった。それが損益に大きなインパクトを与えた年になった。 売上げについては、値上げに伴って節約志向が非常に強まると懸念していたが、特に下期に入ってからは、当社では客数も前年より若干増えている状況(既存店客数前年比4月~9月が98.9%に対し、10月101.2%、11月101.5%)。 単価のアップに対…

  • 2023.01.01

    ザ・トップマネジメント 2023年の視座と戦略 ライフコーポレーション 岩崎高治社長

    付加価値や生産性向上による収益改善、賃金上昇の流れを作り、小売業を魅力ある産業へ ——2022年はセントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店(東京・渋谷)、カメイドクロック店(東京・江東)、西荻窪店(東京・杉並)、ビエラ蒔田店(横浜市南区)など、旗艦店クラスの出店が続いた。これらの新店の売上げなどの進ちょく、計画と異なる良い部分、悪い部分はあるか。 特に西荻窪店は店舗がなかった杉並区への出店、ビエラ蒔田店は知名度が低く、横浜市内でも空白地帯だった横浜市南部への出店となった。これらの空白地帯について、今後ドミナント形成を急ぐか、それとも既存のドミナントエリアの形成強化を優先するか。 岩崎 今年度…

  • 2022.12.16

    ザ・トップマネジメント「ベイシア 相木孝仁社長」:新リーダーが描く次のステージ

    出店再開で再度成長に舵、商品力も強化し、ベイシアを「尖った」存在に ——もともとアドバイザーのような形でベイシアにかかわっていた。 相木 2021年7月から12月まで経営会議に出たり、個別にミーティングをしたりといった形でお手伝いのようなことをしていた。 ——22年1月から副社長に、7月には社長に就任した。よりかかわりを深くという形か。 相木 そうだ。私もすごくおもしろいと思ったし、ベイシアの方々も興味を持ってくれた。 ——期待される役割をどう考える。 相木 例えば、グループ企業のカインズもワークマンも「尖っている」といえる。ベイシアは着実に、堅実に歩みを重ねてきているが、すごく「尖っている」…

  • 2022.09.07

    ザ・トップマネジメント「ベルク 原島一誠社長」:商勢圏拡大時の戦略

    出店エリアが広がることで地域対応の必要性痛感、海に面した神奈川では魚を強化、惣菜の味付けも南北で変えている ——今回、フォルテ横浜川和町店の出店に際して。 原島 ベルクの社名の由来は、「Better Life with Community」の頭文字を取ってBELCとなっている。改めて地域社会と共に発展していく、より良くしていくという使命を帯びて出店した。「with」には「共に」という意味が込められている。川和町の皆さまと共により良い生活、発展をしていきたいと思っている。 「新鮮な食品」は当然のこととして、やはり「Better」というものを1つのキーワードとしている。品質をより良く、より新鮮に、…

  • 2022.08.10

    なぜ、サンドラッグはBrazeを採用したのか? オンラインをベースとした情報の一元管理への転換

    サンドラッグはドラッグストア、調剤薬局、ディスカウントストアを全国44都道府県で1250店以上展開。さらにウェブ、アプリの販売チャネルを通じたEC(電子商取引)も展開している。 同社では、コロナ禍の影響などによってお客の購買行動が変化、多様化したこともあって、店舗、アプリ、ECなど複数のチャネルでの横断的な購買がされるようになっているという。今回、中長期な視点から、お客を深く理解し、お客の行動データを基に店舗、アプリ、ECなどの複数のチャネルを通じてお客1人1人に寄り添ったコミュニケーションの実現を図るため、Brazeを採用した。 今回、Brazeの採用に至った背景や今後の狙い、さらに「そもそ…

  • 2022.04.04

    小売業のDX化はトップが鍵。スマホ・データ活用でお客様の変化を掴むデジタル時代とは?

    今や世帯単位では8割がスマートフォンを所持している時代であり、消費者の行動も変化していく中で、小売業においてもデジタルの側面は非常に重要です。今回、ネットスーパーを事業の柱に育てられたスーパーサンシ株式会社から高倉照和常務取締役、九州を中心に「ホームセンターグッデイ」を展開する株式会社グッデイから柳瀬社長に「これからの小売業に求められる進化」をテーマに、DX推進におけるポイントや、デジタルが果たす役割、小売業の未来などエピソードをオンラインセミナー(2022年2月22日に実施)でお話を伺いました。 ■セミナー登壇スーパーサンシ株式会社 常務取締役 NetMarket事業本部長高倉 照和 氏 株…

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