ザ・トップマネジメント オーケー 二宮涼太郎社長
2024.03.22
客数が多い銀座店も既存店のようにじわじわ客単価上昇中、11月の大阪出店に向けて関西のし好も勉強中
――今回、日本橋に出店した経緯は。
二宮 かなり前から出店計画があったもので、時間がかかったがようやく日本橋の店が開店したという感じだ。敷地も限られているため、2フロアでこの規模だが、周辺の競合と比べれば、売場面積が取れたこともあって出店を決めた。
――店づくりの特徴は。昨今は都市部にも小型店を出店しているが。
二宮 売場も限られるので、拡縮もあまり極端にはできない部分もある。コンパクトにまとめたという感じだ。2フロアではないが、昨年(5月)にオープンした札の辻店(東京・港)と大体、規模としては似たような感じだ。
――都市部出店で学んだ点はあるか。
二宮 都心だからということでもないが、惣菜、昼食需要は結構高いとは思っている。そこについては売場、製造能力のところを需要に応えられるようにやっていかないといけないということはある。
やはり、都心の店は、当然、昼間の人口も、夜お住まいの方もたくさんいらっしゃる。札の辻店も、日本橋久松町店も、売場面積自体は全体としては小型店に入るが、そこから得られる坪当たりの売上げで見ると結構、高い。
――都市部の店については、黒字化は難しいとの見方もあるが。
二宮 そこは大丈夫だ。札の辻店も開店以来、順調に売上げを伸ばしている。
――昨年10月にオープンした銀座店(東京・中央)の状況はどうか。
二宮 お陰さまで伸びている。われわれとすると、(客動線を)ワンウエーにしているため、中にエスカレーターがあるタイプだと難しいと感じていたが、順調に売上げが伸びている。
当然、昼のお弁当だけ買われる方もいらっしゃるので、客数、客単価でいうと基本的に客数が多くて、客単価が高まらなかったが、われわれの(既存の)お店のように、段々、じわじわと点数が増えて、単価が上がって、という感じになってきている。
惣菜は店内製造の商品について、品切れなどご迷惑をかけていたが、製造能力も増やして、またさらに手を打つ予定もある。
――インフレ基調といったことがいわれ、値上げも続いているが。
二宮 ここ2年ぐらい、だいぶいろいろなメーカーさんの値上げがあった。われわれも当然、商品の価格改定をしてきたが、それでも競合よりはお安くしてきた。そういう中でも基本的には今年度は結構、数値としては順調に推移した。
ドラッグストアでもコスモス薬品さんなどもしっかり(売上げを)伸ばされているし、神戸物産さんも伸ばされている。やはり、「こういうときだからこそ、しっかり節約したい」というニーズはあると思う。
――スーパーマーケットは全般的に業績が良いといわれる。
二宮 そこは(値上げによって)単価が上がっているところで上がっていることも当然あると思う。われわれも当然、単価の部分はあるが、とにかく客数を伸ばそうとしている。
――年間10店程度出店している。出店を重ねながら利益を稼ぐのは大変だと思うが。
二宮 当然、一時的に費用かかるため、そういう面はあるが、これからも年間2桁出店を目指す。今回、開店が遅れた店があって今年度は9店だが、出店ペースは崩さずに出店していく。
建築コストが上がっているが、かといって下がるのかというと、人手の部分にかかわる上昇ということで、下がる話でもないだろう。当然、これはコストが上がっているからどうかではなく、コストについては合理的に見直していく。
――センターについては。
二宮 2019年に常温のセンターが稼働して、5年ほど経つ。今度、冷凍のセンターが5月末に稼働する。
――関西への出店が始まる。
二宮 今年11月に東大阪市高井田に出店する。24年のカレンダーで見ると11月の1店舗だが、25年以降は複数出店できるようにいろいろ仕込んでいる。
ただ、大阪に出店する以上は、大阪で一定の規模になれるようにしていくが、会社として大阪に出店の軸足を移して、関東にあまり出店しないということは考えていない。立地開発の部隊としても関東でもかなり動いている。
それでも、直近では5月末のお店(千葉県松戸市の松戸常盤平店)が開店するとちょっとしばらく期間が空くため、あとは大阪に向けてしっかり準備することに使いたいと思う。
――マーチャンダイジングは変えるか。
二宮 当然、食文化が違うところはあるので、そこはしっかり大阪の方のし好も勉強しながらやっていく。これについては去年からずっとやってきているので、当然、東京と一部品揃えが違うところは出てくると思う。
一年の季節で見ると、例えば年末商戦などでも関東と売るものも違う。その辺りは去年の段階からずっと、競合がどういう商売をされているかをしっかり調査してきているので、その上で展開していくことになる。
――関西についてはバローも出店を強化すると表明している。関西の競合状況をどう見ているか。
二宮 関西は店舗数が多い。ただ、大型のお店ではなく、関東であれば小さいと思うようなお店の数がすごく多いと思う。
関東でも同じだが、やはり、多少遠くても来ていただけるスーパーになりたいと思っている。そこは競合にかかわらず、関西でもしっかりお店を出していきたい。