竹下浩一郎

「リテール・リーダーズ」編集長。1975年長野県上田市出身。中央大学文学部文学科英米文学専攻卒業後、小売業経営専門出版社の商業界に入社。スーパーマーケット経営専門誌『食品商業』編集部、チェーンストア経営専門誌『販売革新』編集部を経て2014年『食品商業』編集長就任。この間、世界最大級の食品見本市SIALパリの新商品国際審査員などを務める。20年5月ロコガイド入社、『リテールガイド』の創刊編集長就任。同10月にロコガイドがリテール総合研究所を設立、代表取締役に就任。23年1月組織改編に伴いリテール総合研究所所長に就任。一般社団法人日本惣菜協会『中食2030』(ダイヤモンド社)「スーパーマーケットにおける中食の未来」執筆の他、コーネル大学リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパン講師、スーパーマーケットGood Action Initiatives推薦委員なども務める。ファイナンス修士(専門職)(中央大学)。モットーは「正直であること」。

  • 新フォーマットは追加ではない、企業自体を変えていく マミーマート岩崎裕文社長

    コンベンショナルなSMでは生き残れない  埼玉県を地盤に首都圏に80店のスーパーマーケット(SM)を展開するマミーマートは、減益圧力が高まる中にあって2024年9月期決算でも増収増益を達成。営業収益、経常利益は過去最高と好調を維持している。ドライバーとなっているのが、数年かけて磨き上げてきた「生鮮市場TOP!」と「マミープラス」という2つの新フォーマットだ。  積極的に既存「マミーマート」バナーの店からの転換を進める他、新規出店も開始し、全体に占める比率ももうすぐ半数に届きそうな勢いとなっている。まさに「転換期」にあるともいえる同社の現在と未来について、岩崎裕文(いわさき・ひろふみ)社長に聞く…

    2025.01.21

  • マミープラスセキチュー東松山高坂店、マミーマート戦略フォーマット小商圏タイプの全貌

    マミーマートは2024年11月30日、埼玉県東松山市にマミープラスセキチュー東松山高坂店をオープンした。「マミープラス」として10店目、全社では80店目のオープンとなった。 マミープラスのコンセプトは「家計にプラス、満足をプラス、美味しさをプラス。」。 マミーマートが新フォーマットとして既存店の転換、出店を進めている2つのフォーマットの1つで今回、マミープラスとして初の新規出店となった。もともとロピアが出店していた場所に居抜き出店した。 もう1つの新フォーマットの「生鮮市場TOP!」がある程度広域をターゲットにした生鮮強化モデルであるのに対し、基本的にマミープラスは小商圏をターゲットとする。特…

    2025.01.17

  • SMだからこそ「メニューでの提案」ができる オギノ荻野寛二社長

    お客は「上手に節約するように」なっている  山梨県を地盤に、新商勢圏の静岡県、長野県を含め47店のスーパーマーケット(SM)を展開するオギノは、利用するお客の需要をデータなどで把握し、さまざまな施策で応える「フリークエント・ショッパーズ・プログラム(FSP)」を長年に渡って実践してきたことでも知られるローカルチェーンである。  多くの店が山梨県という山に囲まれた、ある種の「閉鎖商圏」にある中にあってはFSPの重要性は特に高く、また、人口減少局面に入った日本においては1人1人の需要に向き合う姿勢が一層重要性を増していることは言うまでもない。同社のトップを30年近く務める荻野寛二(おぎの・かんじ)…

    2025.01.10

  • 全ては「生きる糧を分かち合う」ために サミット服部哲也社長

    上期減益も、特段心配せず、「総買上点数は増えている」  人口が集中する首都圏に123店、東京都だけでも90店を展開するサミットは、レイバースケジューリングプログラム(L.S.P)に代表されるようにもともと高いマネジメントレベルの店舗運営を実践する企業として知られていた。2017年からは「サミットが日本のスーパーマーケット(SM)を楽しくする」という事業ビジョンを掲げ、従業員の自律的な取り組みを尊重する運営に転換するなど組織運営を進化させてきた。現在、SM業界は原料、経費が高騰する一方で節約志向が指摘されるなど舵取りが難しい状況が続く。服部哲也(はっとり・てつや)社長はサミットの現在をどう捉え、…

    2024.12.23

  • オーケーが関西に700坪超の大型店で初出店、高い売上げで実現する低い経費率が競争力の同社にとって重要な一手

    オーケーが11月26日、関西出店を果たした。大阪府東大阪市高井田に関西1号店となる高井田店をオープン、2022年10月に東大阪市が保有する土地を、子会社を通じて入札によって取得の上、店舗兼関西事務所として開発した。建物は5階建てで、5階に関西事務所が入る。立地開発や商品調達の担当者の拠点となる。 2階~4階は駐車場。駐車場は192台分を確保した。駐車場は基本30分200円の有料だが、1000円以上買い上げで1時間無料、3000円以上買い上げで2時間無料、1万円以上買い上げで3時間無料といった形で、買上金額によって無料になる。 1階にはテナントのダイソーが入り、オーケーは地下1階に売場を設けた。…

    2024.12.18

  • 東急ストア三軒茶屋店がリニューアル、惣菜強化の最新MDアップデートで年商1割増の51.3億円目指す

    東急ストアは2024年12月4日、三軒茶屋駅直結の商業施設である「キャロットタワー」内の東急ストア三軒茶屋店をリニューアルオープンした。 「より便利で、より快適なスーパーマーケット(SM)を実現することを目指し、店舗のデザインを大幅に刷新し、お客さまのニーズに合わせた売場の再編に加えて最新のMD(マーチャンダイジング)を具現化し、新たなモデル店舗として改装を実施した」(大堀左千夫社長) 東急ストアとしては、キャロットタワーの地下1階~2階に約5600㎡の区画を持つ。直営のSMは地下1階で、売場面積は1606㎡(486坪)。SMとしてはそれほど大型店ではないが、改装後の計画年商は51億3000万…

    2024.12.13

  • イトーヨーカ堂がONIGOと資本業務提携し新たなネットスーパーを開始、撤退を決めた既存ネットスーパーを代替へ

    ネットスーパー事業からの撤退を表明していたイトーヨーカ堂が、外部のプラットフォーマーのONIGOと組む形で実質的にネットスーパーを継続することになった。12月5日、2025年2月から新デリバリーサービスを開始すると発表した。 ONIGOは店舗の商品を近隣に届けるクイックコマース事業を展開している。イトーヨーカ堂はこれまでも同社と協業していたが、今回は資本業務提携に踏み込む他、サービスの内容も一般的なネットスーパーに近づける形で大幅に強化される。 もともとイトーヨーカ堂がネットスーパーに参入したのは01年。葛西店(東京・江戸川)で店舗出荷型のサービスとして開始した。 その後、「順調に店舗数を拡大…

    2024.12.10

  • 毎日使い続けるからこそ、「おいしさ」を「ドまん中」に アクシアル リテイリング原 和彦 代表取締役社長・CEO

    こだわりの新本部が完成、なぜ、柱が1本だけ赤く塗られているのか  新潟県を地盤とする原信・ナルス、そして群馬県を地盤とするフレッセイを擁し、商勢圏を拡大し続けているアクシアル リテイリング。日々の課題に対してPDCA(Plan、Do、Check、Action)を回すことで事業活動の品質を向上させるTQM(Total Quality Management、総合的品質管理)を「お客様のご満足を目的とした全員参加の組織的継続的な経営活動」と定義し、経営の根幹に据ながら着実に業績を向上させている。グループを率いる原 和彦(はら・かずひこ) 代表取締役社長・CEOの今後のビジョンに迫る。  アクシアル …

    2024.12.02

  • バローが旗艦店の多治見店を建て替えリニューアル、未来のバローのあるべき姿の実現に向けた挑戦

    バローが、本部近くの旗艦店クラスの大型店、スーパーマーケットバロー多治見店を11月29日にリニューアルオープンする。全面建て替え工事をしていた。 「食べて美味しい価値ある食材」をテーマに、お客に喜ばれる商品とサービスを提供するとしている。 店舗コンセプトは、「楽しい買い物が出来たといわれる店にせよ」。生鮮部門に関しては、各部門が専門店を超える、鮮度、品揃え、売場作づくりの実現を目指す。また、グロッサリー部門は生鮮部門のパートナーとして品揃えの深化を図った。 それらを踏まえ、各部門が「バロー多治見店でしか買えない」名物商品を販売することで、結果として」「お客の期待」を超える店の実現を図るとしてい…

    2024.11.27

  • ニトリが税込み10万円を下回るドラム式洗濯乾燥機を発売、ニトリとして今後、家電を第4の柱に

    ニトリが10万円を下回る価格のドラム式洗濯乾燥機(標準洗濯容量10kg、標準乾燥容量5kg)の販売を11月22日からニトリ全店舗、ニトリネットで開始した。 ニトリとしては、これまで主に1人暮らし向けなどを主なターゲットとして取り扱ってきた家電に関して、ファミリー向けの商品を本格的に取り扱っていく方向性にある中での象徴的な商品となる。 洗濯から乾燥までを1台で済ますことができるなど利便性が高いドラム式洗濯乾燥機だが、ニトリ調べ(2024年7月)によると家庭での普及率は約25%にとどまっているという。 調査で普及が進まない要因について聞いたところ、「価格が高すぎる」「サイズが大きくて設置できない」…

    2024.11.25

  • 生鮮市場TOPセキチュー上尾店が9月25日オープン、生鮮市場TOP!でのドミナント形成で精肉、鮮魚の圧倒的支持目指す

    マミーマートは9月25日、生鮮市場TOPセキチュー上尾店をオープンした。「生鮮市場TOP!」フォーマットとして27店目、マミーマート全社では78店目となる。売場面積は650坪。 生鮮市場TOP!は、「食の専門店」「いつでも新鮮があるところ」をコンセプトとして掲げ、特に生鮮を強化。強みである精肉、鮮魚の吸引力を生かし、一般客に加え、料理好きや業務用のお客もターゲットとした大商圏型のフォーマットとして確立を目指してきた。 セキチュー上尾店も近隣のJR上尾駅や埼玉新都市交通羽貫駅の乗降客を含む近隣住民に加え、圏央道桶川加納ICからのアクセスも良好なことから車客を中心に広域からの集客が見込める。 今期…

    2024.11.25

  • フードスクエアカスミバイユー江戸川松江店が11月15日オープン、めりはり品揃えで挑む都内3店目

    カスミは、11月15日、東京都江戸川区松江の商業施設であるBy-U(バイユー)江戸川松江内にフードスクエアカスミバイユー江戸川松江店をオープンした。 鉄道駅はJR新小岩駅が北方面に、都営新宿線の船堀駅が南方面にあるが、いずれの駅からも2km前後離れている。公共交通機関では都営バスの東小松川一丁目バス停から200m強、徒歩約5分といった距離で、駐車場もあるものの有料ということで、商圏としては近隣住民がメインになるとみられる。 車でのアクセス面では首都高速7号小松川線小松川I.C出口から新小岩方面に車で約5分といった位置関係。 By-U江戸川松江は、カスミの他、同日オープンの無印良品、ドラッグスト…

    2024.11.18

  • ヨークベニマル大髙耕一路社長が語る「鮮魚売場の強化」「デリカ事業の今後」「SMグループの方向性」

    ヨークベニマルは、日本の中でも早いペースで人口減が進む東北を地盤としながらも、着実に出店をしながら堅調な業績を維持している。この秋には所属するセブン&アイ・ホールディングスの再編で、スーパーマーケット事業がヨーク・ホールディングスとして独立する中で、主要な一角を占める存在になった。苦戦が続くイトーヨーカ堂の改革に及ぼす影響も、今後さらに大きくなる。まさにセブン&アイグループのスーパーマーケット事業のキーマンの1人、ヨークベニマルの大髙耕一路社長が、福島県いわき市の泉玉露店オープンの際して、現在の取り組みと今後について語った。 鮮魚売場の強化と鮮度向上策 「特に競合店と目の前で勝…

    2024.11.18

  • 小売業が目指すべきは「デジタルマーケティング業」 西友大久保恒夫社長

    異端の店舗担当が経営戦略担当に抜擢、そして業務改革の事務局に  総合量販店のナショナルチェーンだった西友は現在では本州での展開に特化したスーパーマーケット(SM)企業になっている。買収によってウォルマート流のディスカウントに向かっていた時期もあったが、昨今では株主変動によって、その要素は残しつつも独自の商品・販売政策の質販店を志向する。まさに激動の西友の社長を務めるのはイトーヨーカ堂出身、コンサルタントの経験も豊富な大久保恒夫氏。大久保氏が目指すとする「デジタルマーケティング業」の姿とは。  西友社長の大久保恒夫(おおくぼ・つねお)氏は、小売業の専門経営者といえる。イトーヨーカ堂出身で、その後…

    2024.11.13

  • ヨークベニマル泉玉露店が11月8日オープン、今期1号店、建設コスト高騰を受け天井をスケルトンタイプに

    ヨークベニマルは、2024年11月8日、福島県いわき市にヨークベニマル泉玉露店をオープンした。JR常磐線泉駅の北口から西に約600mに位置し、駅近店舗となる。 広大ないわき市の南部、泉駅周辺では3店目の出店となり、ドミナントを固める出店となる。売場面積約575坪で比較的大型の売場を持つが、初年度年商計画は15億円と、既存店が至近に存在することを受け、控え目と言える水準になっている。 工場跡地をドラッグストアのウエルシア、100円均一ショップのセリア、サービスからなるショッピングセンターとして再開発したもので、ヨークベニマルが核店となるヨークタウン泉玉露を形成する。 周囲には0歳~49歳の構成が…

    2024.11.11

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