竹下浩一郎

リテール総合研究所所長『リテールガイド』編集長。1975年長野県上田市出身。中央大学文学部文学科英米文学専攻卒業後、小売業経営専門出版社の商業界に入社。スーパーマーケット経営専門誌『食品商業』編集部、チェーンストア経営専門誌『販売革新』編集部を経て2014年『食品商業』編集長就任。この間、世界最大級の食品見本市SIALパリの新商品国際審査員などを務める。20年5月ロコガイド入社、『リテールガイド』の創刊編集長就任。同10月にロコガイドがリテール総合研究所を設立、代表取締役に就任。23年1月組織改編に伴いリテール総合研究所所長に就任。一般社団法人日本惣菜協会『中食2030』(ダイヤモンド社)「スーパーマーケットにおける中食の未来」執筆の他、コーネル大学リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパン講師、スーパーマーケットGood Action Initiatives推薦委員なども務める。ファイナンス修士(専門職)(中央大学)。モットーは「正直であること」。

  • 2023.11.14

    日本でも広がりを見せる「ブラックフライデー」企画、その意味と意義を考えてみた

    日本でも「ブラックフライデー」の商戦が年々存在感を増している。もともと11月第4木曜の北米の祝日、「感謝祭」の翌日の金曜日から始まる商戦で、実質的な年末商戦のスタートとして米国ではなじみのある大型商戦だ。 米国では各社が早朝からさまざまなセールを仕掛け、お客もそれに期待して大きな売上げが上がることから店が黒字になるということで、「ブラックフライデー」と呼ばれるとされる。今年は11月24日の金曜日からスタートする。 北米の祝日に基づく商戦のため日本ではなじみがなかったが、例えばイオンは2016年からブラックフライデーの商戦を仕掛け始めるなど、少しずつ日本でも見られるようになってきた。 オンライン…

  • 2023.11.07

    フードスクエアカスミつくばスタイル店が新たな旗艦店としてリニューアル、マルチフォーマットの再構築目指す

    カスミは10月27日、茨城県つくば市の大型複合商業施設「イーアスつくば」の1階に出店しているフードスクエアカスミつくばスタイル店をリニューアルオープンした。約1カ月の改装期間を経てのリニューアルとなった。 同店はもともと2008年10月にオープン、つくばエクスプレスの研究学園駅から徒歩約5分、圏央道のつくば中央インターチェンジから車で約5分というアクセスの良い商業施設の集客力もあって、地域の旗艦店の機能を担うフードスクエアフォーマットとして存在感を発揮してきた。 一方で、昨年22年2月には直線距離で約1kmの至近に同社の新フォーマットである「BRΛNDE(ブランデ)」の2号店として研究学園店が…

  • 2023.10.30

    ベイシアが新フォーマット都市型対応1号店「Foods Park津田沼ビート店」をオープン、その狙いと全貌

    ベイシアが10月25日、JR津田沼駅前の商業施設「Viit(ビート)」にテナントとして出店、「Foods Park津田沼ビート店」としてオープンした。首都圏の乗降客の多い駅前商業施設への初出店ということで、ベイシアとしては新たな成長エンジン構築への挑戦として大きな位置づけを担う。 Foods Park(フーズパーク)はベイシアが昨年11月から大田原店(栃木県大田原市)を改装する形で展開する新フォーマットで、コンセプトは「“毎日のおいしい”が揃うお店」。食品の新鮮さとおいしさにこだわり抜いた食品強化の店となった。目指したのはその名前のとおり、「食のテーマパーク」。 その上で、品揃えを広げるという…

  • 2023.10.24

    オーケー銀座店が10月17日オープン、都心部に640坪以上の売場を確保し、ディスカウント&ワンストップで攻める

    10月17日、オーケーが銀座に出店した。 ファーストリテイリングがユニクロのグローバル旗艦店「UNIQLO TOKYO」をはじめ、ジーユー、PLST(プラステ)、Theoryなどグループブランドを展開する商業施設「マロニエゲート銀座2」の地下1階、地下2階の2フロアに647.47坪の売場を確保。都心部としては異例となる広さのスーパーマーケット(SM)が誕生したことになる。オーケーとしても東京都中央区初出店となる。 昨年7月、施設を管理しているファーストリテイリングからオーケー側に出店の打診があり、受けた形だ。もともとは飲食店などのテナントが出店していた場所となる。「B1、B2に食で生活者に密着…

  • 2023.10.23

    マルエツ プチ品川橋店オープン、建物建て替えによる再オープン、都市型小型店フォーマット最新店

    マルエツは10月20日、東京都品川区にマルエツ プチ品川橋店をオープンした。実際は入居ビルの建て替え工事による旧店の閉店から約3年をへて、再度、都市型小型店フォーマットのマルエツ プチとしてオープンしたものだ。 京浜急行本線新馬場駅から東側約300m、徒歩約6分に位置し、店舗前には旧東海道が南北に走り、人の往来が多い住民の生活道路となっている。店舗周辺には低・中層マンション、戸建てが立ち並ぶ住宅地となっている。 主要な商圏となる300m圏内の人口は7147人、世帯数は4037世帯。世帯伸長率は22年対比23年段階で103%と伸長傾向にある。世帯当たり平均人員は1.77人だが、単身世帯が58.3…

  • 2023.09.12

    第2回全国スーパーマーケット「おいしいもの総選挙」金賞商品の開発秘話 野川食肉食品センター「ガリスパ!(ガーリックスパイス)」

    くふうカンパニーグループにおいて、チラシ・買い物情報サービス「トクバイ」を運営するロコガイドは第2回全国スーパーマーケット「おいしいもの総選挙」を実施しました。2023年5月1日(月)〜24日(水)の期間で集まった一般生活者からの投票件数は、昨年の約3倍となる12万6313票。今回、リテールガイドでは4部門の「金賞」に輝いた商品の開発物語を取材しました。今後の商品開発の参考に、ぜひ、ご覧ください! ⇒第2回全国スーパーマーケット「おいしいもの総選挙」結果はこちら グロサリー部門 週末びっくり市 ガリスパ!(ガーリックスパイス) 430円(税込み) サガリの販売促進のための調味料を開発、しょうゆ…

  • 2023.09.07

    第2回全国スーパーマーケット「おいしいもの総選挙」金賞商品の開発秘話 セイミヤ「三元豚のとんかつ」

    くふうカンパニーグループにおいて、チラシ・買い物情報サービス「トクバイ」を運営するロコガイドは第2回全国スーパーマーケット「おいしいもの総選挙」を実施しました。2023年5月1日(月)〜24日(水)の期間で集まった一般生活者からの投票件数は、昨年の約3倍となる12万6313票。今回、リテールガイドでは4部門の「金賞」に輝いた商品の開発物語を取材しました。今後の商品開発の参考に、ぜひ、ご覧ください! ⇒第2回全国スーパーマーケット「おいしいもの総選挙」結果はこちら デリカ部門 金賞 セイミヤ 三元豚のとんかつ 321円(税込み) 総菜部門の断トツ売上げナンバーワンのロングセラー&売れ筋、…

  • 2023.09.07

    第2回全国スーパーマーケット「おいしいもの総選挙」金賞商品の開発秘話 丸久「贅を尽くしたハンバーグ」

    くふうカンパニーグループにおいて、チラシ・買い物情報サービス「トクバイ」を運営するロコガイドは第2回全国スーパーマーケット「おいしいもの総選挙」を実施しました。2023年5月1日(月)〜24日(水)の期間で集まった一般生活者からの投票件数は、昨年の約3倍となる12万6313票。今回、リテールガイドでは4部門の「金賞」に輝いた商品の開発物語を取材しました。今後の商品開発の参考に、ぜひ、ご覧ください! ⇒第2回全国スーパーマーケット「おいしいもの総選挙」結果はこちら 生鮮・日配部門 丸久 贅を尽くしたハンバーグ 734円(税込み) 精肉の主力商品「宮崎県産牛」で加工肉のオリジナル商品を開発、カテゴ…

  • 2023.08.22

    ローソンが「冷凍おにぎり」6品の実験販売を福島県と東京都の21店で開始、物流効率化やロス削減が狙い

    ローソンがファストフードの主力商品の1つであるおにぎりの冷凍化の実験を開始した。8月22日から11月20日までの3カ月間、福島県と東京都の21店で、常温販売しているおにぎり6品を冷凍おにぎりとして発売する実験の実施に踏み切った。 物流関連の人手不足対策の一環として冷凍流通による物流効率化の狙いもある。同社では「物流の2024年問題」、エネルギーや人件費コストの上昇など受け、今年の12月からチルド物流による店舗への配送について、現在のエリアによって1日2、3便から「一律物流2便化」への削減を予定している。 その中で、現状1日2回以上のチルド物流に乗せているおにぎりを1日1回以下の冷凍に移行するこ…

  • 2023.08.21

    ザ・トップマネジメント 「新」スーパーマーケット論 カスミ 山本慎一郎社長

    アプリの後にあえてプラスチックカードを導入、デジタルの買物の入口に ――カスミは茨城県地盤で、どちらかというと地方での展開が中心だ。首都圏の人口密集地とは違う難しさがある。 山本 人口動態の問題がある。われわれのところでも、(自社で手掛ける)移動スーパーがどんどん増えていて、いま60台ぐらい展開している。増えていくのは買物アクセス困難者の数が増えているということだろうし、やはり高齢者が増えて、胃袋が小さくなる、あるいは施設に入り家庭内での喫食の機会がどんどん減っていく。 短期ではなくて、中長期的な課題に対して、どうやって対応していくかということが、まずある。1つは高齢者が増えるなど、世代がシフ…

  • 2023.08.07

    ザ・トップマネジメント バローグループの「現在」 バローホールディングス 小池孝幸社長

    生鮮に強いデスティネーション・ストアの店を拡大しつつ、これからは多業態抱えるグループの強みにさらに磨き ――「中期3ヵ年経営計画」(2022年3月期~24年3月期)の最終年度の総括は。 小池 大きいところでは、「商品、顧客、社会を繋(つな)ぐというところに向けて」という中長期の話の中でやっているが、やはり商品のところでは、商品力を向上させるのは製造小売業を進化させることだろうなと思ってやってきている。顧客、社会をつなぐというところではDXを使って、情報連携していくところをやってきている。 大体のところはうまくいっている。この中計でやろうとしている「繋がっていこう」というところに関しては、具体的…

  • 2023.08.02

    クルベ江木店が誕生、ベルクが「限界に挑戦する」ディスカウント新フォーマットを読み解く

    ベルクが群馬県高崎市の江木店をリニューアルし、新フォーマットとなる「クルベ」の1号店として7月29日、オープンした。既存の「ベルク」フォーマットの文字を入れ替え、ディスカウントフォーマットを開発した形となる。 JR高崎駅から直線距離で約1kmの住宅地に立地する店舗で、ヤオコー高崎高関店とは約200mの距離で競合している。 チラシ、売価、サービス、キャンペーンなどは既存のベルクフォーマットとは変え、ナショナルブランドの低価格販売、もしくは自社調達による「驚きの安さ」を実現する他、決済手段を現金のみにするなど、あえてサービスを絞り込むことによる「潔いサービス」、さらに売場を「宝の山」に見立て、買物…

  • 2023.04.25

    いなげやがイオン子会社を経てU.S.M.Hとの経営統合視野、関東SM1兆円構想目指す、コロナ後の反動が後押し

    イオン、いなげや、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)の3社は、「関東における1兆円のSM構想」実現を目指し経営統合に向けた基本合意書を締結したと発表した。 イオンは2002年5月に秀和からいなげやの発行済株式26%を取得したが、いなげやの自主経営路線を尊重し、持分保有比率を15%以下に引き下げることに合意。 その後、イオン保有のいなげや株式の一部をいなげやが取得する覚書の締結などを通じながら首都圏におけるSM事業の商品面、店舗開発面、その他分野における業務提携に関する契約書を締結するなど長年にわたって信頼関係を深めてきた。現在、イオンはいなげや株式の17.01…

  • 2023.04.24

    ザ・トップマネジメント リクルートMUFGビジネス 夏目英治社長

    決済手段乱立の日本のキャッシュレスの中で「生活口座」を構築し、お金のやり取りのハブ目指す リクルートと三菱UFJ銀行が共同出資する子会社のリクルートMUFGビジネスは決済ブランドの「COIN+(コインプラス)」と、そのコインプラスを組み込むデジタル口座管理、決済アプリの「エアウォレット」を手掛けている。同社の夏目英治社長に同事業が目指す姿と小売業界のキャッシュレスを含む決済手段の状況と今後について聞いた。 ――コインプラス、エアウォレットはどのようなサービスか。 夏目 「コインプラス」は決済ブランドだが、もともとは決済をやりたいと思って事業を始めたわけではない。 私自身はリクルートからの出向に…

  • 2023.04.14

    ローソン増収増益、国内コンビニは回復基調、コロナ禍で捉えた日常生活需要に加え、従来のコンビニ需要回復に期待

    ローソンの2023年2月期決算は、連結営業利益が550億5600万円だった。前年差約79億円増、計格差約20億円増といずれもプラスだった。 国内コンビニの伸長が大きく作用した。営業総収入は9886億2100万円、前期比41.6%の大幅増加となった。国内コンビニの既存店売上高前年比は103.6%、総粗利益率は31.0%だった。 親会社に帰属する当期純利益は246億8900万円で37.9%増。営業利益が増益だったことに加え、既存店の利益回復による店舗の減損損失が減ったことによる。 営業増益約79億円の要因を5億円単位で分解すると、まずチャージ収入等は前年差で200億円増加。国内コンビニの商品刷新、…

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