Z世代とは?年齢や特徴、X・Y世代、ゆとり世代、ミレ二アル世代などの違いと併せて解説

2023.12.07

2022.10.28

1990年代後半から2012年頃に生まれた「Z世代」は、今後の消費者として注目されている。生まれたころからインターネットがある世界に育ち、10代・20代の時期をSNSを使いながら過ごすZ世代にはどのような特徴があるのだろうか。

本記事では、Z世代の特徴やなぜ「Z」世代なのか、その他の世代との違いや、Z世代の消費行動について解説していく。

Z世代とは?年齢や特徴、由来とは?

Z世代は何歳から何歳?

Z世代とは、1990年代後半から2012年頃に生まれた世代のこと。2022年現在から見ると、14歳から27歳ぐらいの世代である。「Z世代」と言われるように、他の世代もアルファベットを使用して分類される。Z世代以前を見ていくと、次のような区分だ。

・X世代 1960年~1979年頃

・Y世代 1980年~1995年頃

・Z世代 1996年~2012年頃

・α世代 2013年~2022年頃

Z世代のさらにその先もあり、2013年〜2022年に生まれた0歳から13歳ぐらいの世代を「α(アルファ)世代」と呼んでいる。

Z世代の特徴とは

インターネットが普及したのは1995年から2000年頃のこと。Z世代は1996年以降に生まれた世代のため物心がついたころからインターネットの存在が当たり前だ。

デジタルネイティブ

Z世代は、デジタルネイティブとも言われる世代であり、スマートフォン、インターネット、ソーシャルメディアといったテクノロジーと生活を共有して育ってきている。そのため、Z世代以前の世代と比較してテクノロジーの使用に非常に慣れている。

SNSの使用が当たり前になっているZ世代は、ニュースやコンテンツはリアルタイムで取得し、共有することが普通となっており、これは彼らが日々の生活を通じて形成する価値観や意見にも影響を与えているとされている。

基本的にテレビや雑誌よりも、インターネットやSNSで情報を収集し、モノを買う。インターネットの利用時間も長く、総務省「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると休日のインターネット利用時間は10代で253.8分、20代で303.1分。60代ではテレビの視聴時間が300分を超えているのに対し、10代は73.9分、20代で90.8分と短い。

社会問題への関心

また、また Z世代は環境問題、人権問題、政治問題など、社会的な課題への関心が高いともいわれている。「SDGs」が声高に求められる現代の中で、積極的にそれらの問題解決に取り組む態度を示すことも特徴的といえる。

関連して、ダイバーシティの価値観を持っているのも特徴と言える。Z世代は多様性と包括性を重視する傾向があり、人種、宗教、性別、性的指向など、異なる背景を持つ人々を尊重し、差別や偏見に対しては批判的な姿勢を持つ傾向がある。

体験価値の重視

モノやサービスを消費していくのにも、そこでどんな体験ができるのかや、どんな社会的意味があるのかといった背景に価値を見出す。多様な価値観を容認すると同時に、個人個人の価値観を大切にする世代だ。

個性的な自己表現

Z世代は自分自身を表現することを重視する。服装、ヘアスタイルから、ソーシャルメディア上での投稿、アートや音楽など、多様な手段で自らの個性を表現するのも特徴だ。

Z世代はなぜ「Z」か?

なぜ「X世代」、「Y世代」、「Z世代」とアルファベットの「X・Y・Z」で区分されているのだろうか。

世代をX、Y、Zと分けることは、1950年代に写真家、ロバート・キャパのフォトエッセイ「Generation X」というタイトルを付けたことが始まりだと言われている。

このフォトエッセイは、第二次世界大戦後に成長した若者がテーマであり、こういった背景から1960年〜1979年頃に生まれた世代が「X世代」と呼ばれるようになった。「X」には未知といった意味を含むことがあり、当時、若者たちが未知な存在であったことを表している。

Y世代、Z世代はこの「X世代」からアルファベットを順に追っている背景があるということだ。

Z世代とその他の世代との違い

世代ごとの違い

X世代、Y世代、Z世代は主に欧米で使われてきた言葉で、日本では、「バブル世代」や「ゆとり世代」といった言葉が使われてきた。それぞれの世代はどういった時代だったのか。また、各世代をX、Y、Z世での区切りではどこに当てはまるのかを見ていこう。

生まれ年年齢(2022現在)アルファベット別日本名別
1960~1964年58~62歳X世代バブル世代
1965~1970年52~57歳
1971~1976年46~51歳団塊ジュニア世代
1977~198141~45歳X世代・Y世代ロスジェネ世代
1982~1987年35~40歳Y世代ミレニアル世代・プレゆとり世代
1988~1994年28~34歳ミレニアル世代・ゆとり世代
1995~201210~27歳Z世代

バブル世代

バブル時代に消費行動をしていた世代。高級品、ブランド品などでステータスを確立してきた。男女雇用機会均等法の施行も実施。高度成長の時代であった。

団塊ジュニア世代

バブルが崩壊したのは1991年で、団塊ジュニア世代は、バブル崩壊時期に成人を迎える年齢。1946年〜51年生まれの団塊世代の子どもということで、団塊ジュニア世代と呼ばれる。

ロスジェネ世代

「ロスジェネ」とは「ロストジェネレーション」のことで、失われた世代と言われている。バブル崩壊後から10年間の間の就職氷河期を経験した世代。

ミレニアル世代

景気が良かった時代を知らないが、バブル世代の親の価値観も影響を受けてきた世代。また、「ゆとり教育」と言われる授業時間数を縮小し、自分で考えて学ぶ「生きる力」を身につける教育を受けてきた。

Z世代とミレニアル世代の違い

1995〜2012年生まれのZ世代に一番近い世代は、1982〜1994年ごろに生まれたミレニアル世代だ。それぞれの特徴と違いを見ていこう。

■ミレニアル世代

ミレニアル世代は、パソコン、インターネットの普及、ガラパゴス携帯、スマートフォンの台頭とデジタルテクノロジーが成長する中で育ってきた。テレビや雑誌といったメディアに加えて、ネット上で繋がれるコミュニティや、ガラケー、スマホの画像で楽しんできた世代だ。

また、コストパフォーマンスの高いものや、最低限のモノしか所有しないミニマリストを好んできた。そのため消費行動でも、モノを所有していく「モノ消費」から体験や豊かな時間を重視する「コト消費」に。仕事においてもプライベートをきちんと分けたいといったワークライフバランスの追求がされてきた。

■Z世代

一方で、Z世代は生まれたときからインターネットのある世界で、「デジタルネイティブ」と言われる。スマートフォンが日本で普及した2010年は既に小学生だ。SNSでの発信も活発で、Youtubeといった動画共有サービスも広まった。情報収集もSNSで行い、さらに自分で発信も行っていく。自己実現欲求が強いとも言われている。

また、SDGsが国連総会で採択された2015年時、Z世代は成人前後。環境保全や人種差別、LGBTQ差別といった問題にも関心の高い世代だ。

消費行動の側面においても「イミ消費」と言われ、購入する商品やサービスが地域支援に繋がるか、環境保全に繋がるか、他者に貢献できるかなど、商品・サービスの意味や背景を重視して選択する傾向にある。

■両者の違い

ミレニアル世代とZ世代は年代が近く、どちらも現在デジタルツールを駆使する世代だ。しかし、情報収集の仕方に違いがある。デジタルが成長する中で育ってきたミレニアル世代では、テレビ等のメディアも含めリサーチをするが、物心がついた時からデジタルに囲まれて育ってきたZ世代では、SNSが中心だ。

Z世代の消費行動

世界のZ世代の人口は、2020年で約24%。購買力は15兆円に上ると言われており、今後の消費活動において重要な世代と考えられる。そのようなZ世代は商品・サービスの購入時にどのような消費行動を取るのか。

デジタルの活用

Z世代は、消費行動において当然のようにデジタルを活用する。テレビや雑誌よりも、SNS、検索エンジンなどから商品情報を収集し、他者の口コミもしっかりとチェックした上で、商品を購入するのが特徴

例えば、インフルエンサーや他者のSNS投稿、SNS上で表示された広告などだ。SNSを中心に商品・サービスへの情報を収集し、インフルエンサーや他者がどのような評価をしているかを確認。購入するかは、しっかりとその商品・サービスが自分にとって良いものなのか、実際に来店をするなどして判断する。

購入した後は、SNSでどうだったかのレビューなど、商品に関して投稿をする傾向がある。SNSで投稿する行為は、さらに他者への推奨にも繋がっていく。

コスパ・タイパ重視

Z世代はリーマンショックや東日本大震災、長引く経済不況など、不安定な社会情勢の中で育ってきたこともあり、安定志向が強い点も特徴といえる。そのため、失敗をしたくない、損をしたくないという意識が強くあり、コスパ(コストパフォーマンス)やタイパ(タイムパフォーマンス)などを重視する。

そのため商品の購入のあたっては前述の通り、デジタルとリアル店舗などをフル活用して商品を吟味してから購入に至るという特徴がある。

効率性を重視する点もZ世代の特徴であり、時間当たりのコンテンツの消費量や満足度も気にしている。Youtubeやストリーミングサービスの発展によって膨大なコンテンツにアクセスができるようになり、次から次へとコンテンツが供給されるため、「面白くないコンテンツで時間を浪費したくない」「気になるコンテンツが次々と生まれるため効率的に消費したい」という思いから、タイパを重視するようになっているといえる。

そのため動画を倍速で見たり、面白いかわからないドラマや映画のは結末を見てから鑑賞するかどうか判断するといった行動をしたりする。

カスタマイズ性・自分らしさ

Z世代は自分自身のアイデンティティーを大事するのが特徴だ。したがって、自分だけの特別な商品や、自分の好みに合わせてカスタマイズできる商品・サービスを好む傾向にある。

誰かと同じ画一的な商品ではなく「自分だけのもの」「自分らいしいもの」というのを重視している。

体験価値、イミ消費の重視

「モノ消費」、「コト消費」、「イミ消費」というワードがあり、Z世代はイミ消費やコト消費をする世代だ。

「モノ消費」は、車やカバン、アクセサリーなど文字通りモノそのものを購入していくこと。また、「コト消費」は購入したモノからどのような体験をしていくかを重視して購入すること。Z世代の「イミ消費」は「コト消費」のさらに先、環境や人、社会に配慮した消費のことだ。

Z世代はモノを所有することから、そこにどんな体験があるのかや、環境に良いものなのか、地域に貢献できるのかといった意味や体験に価値を見出している。例えばクラウドファンディングもその一つ

自分が好きなもの困っている人を応援したい、支援したいといった気持ちがある。また「イミ消費」は、SDGsの観点から推奨されている人や社会、環境に配慮した「エシカル消費」という言葉にも大きく影響しているだろう。

社会への貢献意識

Z世代の消費者は、製品が環境に配慮して製造されたものであるか、企業が社会的責任を果たしているかなど、持続可能性と倫理的な価値を重視する傾向がある。

日経MJのZ世代に関する調査で、「価格が高くなっても自らの消費行動を通じて社会の課題解決に貢献したいか」という質問に34.9%が「貢献したい」と回答しているなど、Z世代は自らの消費行動と社会的貢献のつながりを重視する傾向がある。

消費行動が環境に良い影響を与えるものなのか、誰かのためになっているのか一歩立ち止まって考え、人や地域、社会、環境にとってより良い選択をしていくというエシカル消費の特徴がより強い世代ともいえる。

Z世代のパルス型消費とは?

Z世代の消費行動の特徴を2つ紹介しよう。

「パルス型消費」とは、スマートフォンやウェブサイトを操作していて瞬間的に購買意欲が発生し、買い物をする消費行動のこと。スマートフォンでいつでも買い物ができる時代になり、24時間消費行動のタイミングとなり得る

パルス型消費には、影響する直感センサーが6つあり、「衝動買い」とは違って日常品など直感的に欲しいかを判断している。Z世代は、この直感センサーを感じやすく、パルス型消費をしやすいと言われている。

Safety(セーフティ)

「安全かどうか」に反応する。スマートフォンやウェブサイトでの買い物は、どういった会社が販売元なのか分かりづらい。安全に買い物ができるかを見ている。

For me(フォーミー)

自分に合うモノかどうかに反応する。

Cost save(コストセーブ)

お得かどうかに反応する。価格比較がしやすいネットショッピングの特徴ともいえる。

Follow(フォロー)

他者が推奨しているかどうかに反応する。売れているか、第三者が推奨しているかが購入の判断基準となる。

Power save(パワーセーブ)

労力を減らせるかどうかに反応する。例えばネットショッピングは手軽に購入でき、買い物の労力が減る。

Adventure(アドベンチャー)

新しいものなどへの冒険心に反応する。初めて知ったものや、新しいものを試したくなる気持ち。

Z世代では、特に「Safety」、「For me」、「Follow」、「Power save」が強いと言われている。SNSでの第三者の評価の確認や、自分に合っているかどうか、信頼している人が推奨しているかなどZ世代の買い物の仕方の特徴からパルス型消費になりやすい。

Z世代のオープンなコミュニケーションと周囲の目

Z世代の行動の特徴として、SNSを利用してオープンなコミュニケーションを取っていることが挙げられる。出掛けたときや旅行の写真や動画をSNS上に挙げるなど、オンライン・オフラインの境がないオープンなコミュニケーションをSNS上で行っている特徴がある。

一方で、SNSには本アカとサブアカの2つを持ち、投稿内容を変更している人もいる。旅行時の写真を、サブアカをメインにアップし、本アカには良く撮れた写真だけアップするといった使い分けをするケースも。オープンなコミュニケーションを取り、共感や共有をする一方で、周りの目を気にして投稿するという一面もあるのだ。

Z世代に向けたマーケティングを

これから20代〜30代へ突入するZ世代は、消費者としての側面が必然的に多くなる。デジタルネイティブのZ世代はSNSを中心に情報収集をし、直感的に購入するパルス型消費になることも。

Z世代がどのような消費行動をして、モノ・サービスを購入するのかを見極めながらのマーケティングが重要になる。また、商品によっては各世代ごとの消費行動の特徴を掴むことで、顧客に合ったプロモーションを行えるだろう。Z世代だけでない消費行動についても調べてみてはいかがだろうか。

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