ヤオコーコトエ橋本店が5月21日オープン、リニア新駅で期待のかかる橋本駅近隣への出店

2026.05.25

ヤオコーは5月21日、神奈川県相模原市緑区にコトエ橋本店をオープンした。同店が立地するのは京王相模原線、JR横浜線、相模線の橋本駅から西に約1km、徒歩約13~15分、JR横浜線の相原駅から南に約1.7km、徒歩約25分の国道413号線(津久井街道)沿い。コーナン相模原西橋本店として2023年7月30日まで営業していた施設を大和ハウス工業が再開発した32店のテナントからなる近隣型のショッピングセンター(SC)の1階に核店として出店した。

SCの開業は5月29日のため、ヤオコーのみ1週間ほど先行してオープンした形となる。コーナン時代には施設内にロピア西橋本店が出店していたことから、近隣にとってはヤオコーの出店は再度SMの登場ということになる。

エンクローズド型のSCに出店したが、ほぼ奇麗な四角形での売場が確保できた

SCのテナントはヤオコーの他、サブ核店クラスのコジマ×ビックカメラ、ニトリ、他マツモトキヨシ、セリア、ABCマートなどの物販、さらにサービス、クリニック、飲食が名を連ねる。ヤオコーにとって生鮮食品の競合となるわくわく広場も出店する。SCは年間400万人の来場を想定し、全体で100億円の売上高を計画。うちヤオコーは4分の1強となる26億円の年商を予定する。

周辺は平坦な道路で、車だけでなく徒歩、自転車のアクセスもしやすい。近隣には高層マンションが多い一方、店舗南側には工業地帯も広がる住、職混在型のエリアとなる。橋本駅周辺はリニア中央新幹線の駅計画があり、今後継続的な人口増加が見込まれる将来的な成長エリアであることも、出店判断の決め手となった。

1km圏内の人口は約3万人、約1万5000世帯と多く、30歳〜50歳代がボリュームゾーンで43.2%を占める。一方で60歳代以上のシニア世代は29.3%にとどまり、相模原市緑区の平均よりも5ポイント以上少ない。

世帯構成は単身が45.1%、2人世帯が25.2%で、両者を合わせると67.3%と少人数世帯が圧倒的に多い。特に20歳代の大学生や社会人など未婚の単身世帯が多いとみる。1km圏の人口増加率は98.9%とわずかな減少傾向にあるものの、世帯数増加率は105.3%で増加しており、少人数世帯の増加が読み取れる。

今回の出店は、相模原市北部のドミナント強化の一環。自社の八王子鑓水店(東京都八王子市)が北東方向に直線距離で約2.2km、相模原下九沢店(相模原市中央区)が南東方向に同約2.5kmの位置にあり、今回の出店で八王子市、相模原市の既存商圏をつなぎ、シェア向上を図る狙いだ。

ストアコンセプトは「毎日の食生活に美味しさ・楽しさを提案し続けるお店~ヤオコーにしかない美味しさで『食』の喜びを伝えたい~」。メインターゲットに据えるのは、50歳〜65歳のミドル層2人世帯。子どもが独立し生活にゆとりがあり、おいしさへのこだわりが強く、少しの量でもおいしいものを食べたい、食べ方を楽しみたいというニーズを持つ層だ。健康への意識が高まる世代であり、健康、美容に良いものを食べたいニーズを想定している。

サブターゲットは2つ想定していて、1つ目は30歳〜49歳のヤングファミリー層の3、4人世帯。子育てが忙しく、普段の買物は安く簡単に済ませたいが、週末やハレの日にはおいしい食事を楽しみたいというニーズを想定する。もう1つは20歳〜30歳代のヤング層の単身、2人世帯。共働きで忙しく、普段の食事には簡便、即食を求める一方、し好品やつまみにはこだわりたいというニーズを持つ。

ヤオコーの売場面積は600坪弱で、同社としては標準的な規模となる。初年度の年商は前述のように26億円を計画、売上高構成比では生鮮38%、グロッサリー45%、デリカ17%を見込む。SKU数は生鮮1040、グロッサリー1万4140、デリカ330で合計1万5510。今回、生鮮売場をドミナント周辺店舗より広く取り、SKU構成にも厚みを持たせたという。ドミナント内の商品構成を微妙に変えることで、使い分けも想定する。コトエ橋本店は特に生鮮に強みを持つ店の位置付けとなる。

結果、売場のレイアウトでは今回、生鮮、デリカを両側に振り分けた上で、生鮮を第1主通路にまとめたゾーニングを採用。ヤオコーに限らず、スーパーマーケットでは第1主通路に和日配を配置するケースが多いが、今回和日配を第2主通路壁面中心の展開にし、第1主通路に青果、精肉、鮮魚を集約した。もっとも、このパターンはヤオコーではしばしば採用される。

第1主通路に生鮮をまとめるレイアウトとしたため、和日配は第2主通路で展開

第1主通路でにぎわいを演出する効果を狙うが、和日配の露出も増えることから粗利益確保への貢献も見込める。ドミナントの中心に位置する店舗として、品揃えと専門性で「コトエ橋本店ならでは」の特色を作り、ドミナント周辺の店舗より生鮮売場の面積自体も広く確保したという。

マーチャンダイジング面ではまず、精肉は健康志向のミドル層に向けた取り組みとして赤身の和牛モモを中心に、牛焼肉の盛り合わせの他、専門店並みの希少部位まで取りそろえる。

和牛の中でも赤身寄りのモモを主力に盛り合わせを含めた焼肉商材やステーキ商材を平ケースで売り込む

ホルモンも強化し、オープン日には鶏関連ではキンカン(卵巣の中で卵になる前の黄身の部分)なども取り扱った。夕方には自社製ローストビーフを出来たてで提供する他、ローストビーフはステーキ、オードブルの商品化での展開もし、夕市ではのっけ盛りの単品量販も実施。

焼肉ではホルモンも強化した
鶏ホルモンでは「キンカン」(写真右上の黄色い球体のもの)なども品揃え
精肉売場のミートデリカとして冷惣菜を平ケースで訴求。「冷たいまま食べるチキン南蛮」といった新しい切り口の商品の他、核商品であるローストビーフなどを多様な商品化で売り込む

特に精肉は「メニュー」軸での提案を模索し、素材、もしくは半加工商品を開発し、提案していく方向だ。特にひき肉は畜種ごと、量目だけ変えて販売しがちだが、ひき肉についても味付けを意識し、商品開発。特に「豚つくね」などは育成中の商品で、売上げも順調に伸びているという。

精肉ではあえて「ひき肉」に注目。畜種や量目のバリエーションだけでなく、味付けの観点で「豚つくね」を育成している。販売時点ではつくねの形状をしているが、ひき肉と同様、大きさや形など自由に使ってもらうことを想定している
味付け商品については、平ケースで精肉と鮮魚を合わせた形でばら売り、ミックスマッチ販売する方式が定着

鮮魚は、季節ごとの旬の魚、特に近海魚の品揃えにこだわる。5大魚種(アジ、サバ、イワシ、サンマ、イカ)に特殊近海魚も加えた形での丸物のばら売りを含めた売り込みを強化とする他、夕方限定の盛り合わせなども強化する。その他、一夜干しの干物、パン粉漬けの商品など半加工品も品揃えしていく。

ドミナントの中でも一際生鮮を強化する一環で、対面の鮮魚売場は重視。充実の品揃えで「街の市場」のような売場を目指すとしている
平ケースでは「本日のおすすめ!」コーナーを設置。オープン日にはアワビ、ハマグリやカメノテ(貝、写真右端)などの旬の貝類が並んだ
マグロは専門性を高め、刺身はもちろん、大々的に展開した上で、テールや味付けなども品揃え

対面販売とクッキングサポートでは生鮮の他、グロッサリーと連動した食べ方提案を行う。鮮魚売場では専門のアテンダントが食べ方提案や試食販売も実施するという。

売場先頭の青果は、既存店同様、こだわりのトマトで品揃えと鮮度を打ち出す。平日は適量目で買いやすさ、週末は高糖度商品の売り込みでおいしさを訴求する。

トマトは継続的に強化している
青果ではより量販がしやすい平台の導入を進めている。朝に大量に並べることで補充の頻度を減らしつつ、その分、店内加工に集中するオペレーションへのシフトを目指している

果物ではカットフルーツからアソートギフトまで展開し、オープン時にはメロン、スイカ、完熟の輸入チェリー、タイのマンゴーの「マハチャノ」など多彩なラインアップをそろえた。

カットフルーツはデリカ売場で展開しているが、スイカ、メロンなど一部商品は平台で販売
輸入チェリーやタイマンゴーのマハチャノなど輸入果物なども量販
デリカ売場側のカットフルーツ。ベーカリーのスイーツと連動させる店もあるが、今回はサラダと連動させている
壁面では500円よりどり3種のミックスマッチ販売を実施

惣菜は、米飯と冷惣菜を強化。米飯は夕方限定で「極味幸米」弁当や「煮込みロースかつ重」を出来たてで投入する。バックヤードが広く確保できたことからローラー什器なども導入し、作業効率を上げながら品揃えを充実させる。

店内製造が多いデリカでは作業効率を上げることが商品展開の肝となる。バックヤードが広く取れたことからローラー什器などを駆使して作業効率を上げる

期間限定の抹茶のおはぎなど、ワンハンドや個食ニーズに合わせた商品も並べる。

冷惣菜では3月にリニューアルオープンした「南」エリアの旗艦店である新浦安店から投入が始まったボウル商品の「サラダ幸玄米」なども水平展開
核商品のおはぎは粒あん、きなこ、ずんだに加え、期間限定で「抹茶」を投入

寿司は、握り寿司でグレード感のある商品を投入。オープン日は本体価格980円で本マグロとキンメダイが入った握りの11カン入りを打ち出した。「具凄!」シリーズの太巻、「紅鮭・ツナ・明太・高菜」の4種の具材を入れたを大ぶりの「ばくだんおむすび」(本体価格298円)などおにぎり各種、冷やしたままでもおいしく食べられる高知県産青のりを使った茶わん蒸し(同298円)など、価格と質感の両軸で品揃えを厚くする。

デリカの寿司はグレード感のある商品を強化。オープン日に売り込んでいた「金目鯛入りご馳走握り11貫」(本体価格980円)
4種の具が入って本体価格298円の値頃感を訴求する「ばくだんおむすび」
「寿司屋のおつまみ各種」で展開する茶わん蒸しは冷やしたままでもおいしく食べられるという

ベーカリーは、北海道産小麦の生地を丁寧に手伸ばしし、店内専用ピザ窯で焼き上げる本格ピザを目玉に据える。また、新商品も多数で、「ブリオッシュドーナツ」(ホイップカスター、カラフル、チョコホイップの3種)、「GU」(具)シリーズの「甘夏とクリームチーズ」、酒粕玄米パンをあんで包んだおはぎのような商品の「手包みあんぱん」(本体価格99円)などを投入。

ピザは専用窯を用いて400℃近い高温で焼き上げていることをアピール
ブリオッシュドーナツを先行販売
ベーカリーの新商品の「手包みあんぱん」。一見、おはぎにしか見えない

グロッサリーは、和日配ではキムチコーナーを強化し、プライベートブランドを主力に少量パックやつまみ向けを展開する他、高タンパクの豆腐や地元商品をそろえる。洋日配ではデザートの生菓子を強化、パイシューやワンハンド、個食スイーツで地域一番の売場を目指す。また、冷凍食品売場は近隣では最大級の広さを取り、品揃えを充実させた。

プライベートブランド商品を含め、多様な商品を展開するキムチ売場
和日配は第2主通路で展開
洋日配はスイーツを強化
周辺の既存店と比べ、冷凍食品は売場を拡大した

ドライ食品では、大学生や単身者が多い商圏特性に合わせ、「タイパ(タイムパフォーマンス)、コスパ(コストパフォーマンス)対応」としてカップ麺売場を拡大し、ご当地カップ麺などもコーナー化し品揃えを強化。豆菓子はチーズやワインとのペアリング、素焼きナッツはメニュー提案など、グロッサリーから食シーンを切り出していく。清酒では地元神奈川県相模原市緑区の清水酒造の「巌乃泉」の商品を販売する他、季節に合わせた商品、飲み方提案も実施していく。

ご当地商品やこだわり商品をコーナー化するなど、カップ麺売場は強化されている
ポテトチップスでもご当地商品をコーナー化
酒売場ではナッツなどつまみを関連販売
地元の日本酒である「巌乃泉」を導入

他、ヘアケアでは「多段的なケア」がトレンドということを受け、カテゴリー割引を採用し、打ち出しを強化ている。従来から強化中のオーラルケアでも同様のカテゴリー割引を実施。

ヘアケア、オーラルケアでカテゴリー割引を実施

レジは、通常時はフルセルフ10台、セミセルフ4台とし、フルセルフ主体の運営としていく。

人口の多いエリア、かつ再開発ということで安定したマーケットがあることも確かだろう。さらにSCということで比較的広域からの集客も見込める。リニアの駅ができるのはまだ先の話ではあるが、ドミナントの間を埋める出店としても大きな意義がある。

一方で、再開発に際して3年ほど期間が空いていることから閉店中に分散していたお客をいかに呼び込むかが問われる。特に核店のヤオコーに対する期待も大きなものがあるだろう。

ヤオコーコトエ橋本店概要

所在地/神奈川県相模原市緑区西橋本5-4-3

オープン日/2026年5月21日

営業時間/9時〜21時30分

駐車台数/638台(駐輪場320台、バイク17台)

延べ床面積/2925.05㎡(884.83坪、ヤオコー床面積)

売場面積/1964.22㎡(594.18坪、ヤオコー売場面積)

店長/田村浩之

従業員/正社員19人、パートナー・ヘルパー・アルバイト140人(延べ人数)

年間売上高/初年度26億円(予定)

商圏人口/1km圏内 約3万人(1万5000世帯)、2km圏内 約9万3000人、4万6000世帯)、3km圏内 約17万1000人(8万1000世帯)

お役立ち資料データ

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