インタビュー

  • 2024.04.01

    ザ・トップマネジメント カスミ 塚田英明社長

    3月から約1500品目値下げで客数、客単価、売上げが回復基調、今期はブランデ3号店の出店も計画 ――旗艦店フォーマットのBLΛNDE(ブランデ)では有料会員プログラムの「ブランデプライム」の導入を開始したが、いまはブランデではない店でも会員を募っている。その意図は。 塚田 カスミの場合、セルフレジの利用率は全社で69%ある。うちスキャン&ゴー(のスマホPOS)で買物されている方は全社で約6.5%。一方、(有料会員プログラムを導入している)ブランデでは最初からセルフレジしかないため100%セルフレジで、スキャン&ゴーで買物されている方が約38%いらっしゃる。 新店でこの会員を募っ…

  • 2024.03.22

    ザ・トップマネジメント オーケー 二宮涼太郎社長

    客数が多い銀座店も既存店のようにじわじわ客単価上昇中、11月の大阪出店に向けて関西のし好も勉強中 ――今回、日本橋に出店した経緯は。 二宮 かなり前から出店計画があったもので、時間がかかったがようやく日本橋の店が開店したという感じだ。敷地も限られているため、2フロアでこの規模だが、周辺の競合と比べれば、売場面積が取れたこともあって出店を決めた。 ――店づくりの特徴は。昨今は都市部にも小型店を出店しているが。 二宮 売場も限られるので、拡縮もあまり極端にはできない部分もある。コンパクトにまとめたという感じだ。2フロアではないが、昨年(5月)にオープンした札の辻店(東京・港)と大体、規模としては似…

  • 2024.02.19

    ザ・トップマネジメント サミット 服部哲也社長

    実績積み重ねてきた生鮮総菜が強みに、ネットスーパーは店の1つの「部門」、実店舗のプラスの要素と捉える ――中期経営計画の「頂2025」のアクションプランにはMD(マーチャンダイジング)強化、コストコントロール、プロセスセンター&物流改革、DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組み推進などの項目があった。うまくいったところ、逆に課題について。 服部 まだまだ全然、方針どおりの状態になっていないのが、MDの強化。そんなに簡単に結果が出るものでもないと思っているので、改装店などでチャレンジしたり、コンサルタントにも入っていただいたりしながらやっている。 特に加工食品などは、まず「整理…

  • 2024.01.05

    ザ・トップマネジメント ヤオコー 川野澄人社長

    「1品単価が既存店売上げを押し上げ、高い伸びが実現、落ち着いてくる今後は会社の力が試される」 ――2023年の振り返りと24年の方針について。24年からは新中期経営計画が始まるが、その大方針を含めて。 川野 お陰さまでこの(2023年)11月までの数値では売上げ、利益共に非常に当初想定を上回るような状況で来ている。予想外に1品単価の上昇が業績を引っ張ったなという1年になったと思っている。 来期(24年度)以降、第11次の中期経営計画がスタートするわけだが、対外的な発表を5月以降に行う予定で、まだまとまっていないところもあるが、大きな方向性等についてお話をさせていただきたい。 今期(23年度)で…

  • 2023.08.21

    ザ・トップマネジメント 「新」スーパーマーケット論 カスミ 山本慎一郎社長

    アプリの後にあえてプラスチックカードを導入、デジタルの買物の入口に ――カスミは茨城県地盤で、どちらかというと地方での展開が中心だ。首都圏の人口密集地とは違う難しさがある。 山本 人口動態の問題がある。われわれのところでも、(自社で手掛ける)移動スーパーがどんどん増えていて、いま60台ぐらい展開している。増えていくのは買物アクセス困難者の数が増えているということだろうし、やはり高齢者が増えて、胃袋が小さくなる、あるいは施設に入り家庭内での喫食の機会がどんどん減っていく。 短期ではなくて、中長期的な課題に対して、どうやって対応していくかということが、まずある。1つは高齢者が増えるなど、世代がシフ…

  • 2023.04.24

    ザ・トップマネジメント リクルートMUFGビジネス 夏目英治社長

    決済手段乱立の日本のキャッシュレスの中で「生活口座」を構築し、お金のやり取りのハブ目指す リクルートと三菱UFJ銀行が共同出資する子会社のリクルートMUFGビジネスは決済ブランドの「COIN+(コインプラス)」と、そのコインプラスを組み込むデジタル口座管理、決済アプリの「エアウォレット」を手掛けている。同社の夏目英治社長に同事業が目指す姿と小売業界のキャッシュレスを含む決済手段の状況と今後について聞いた。 ――コインプラス、エアウォレットはどのようなサービスか。 夏目 「コインプラス」は決済ブランドだが、もともとは決済をやりたいと思って事業を始めたわけではない。 私自身はリクルートからの出向に…

  • 2022.12.16

    ザ・トップマネジメント「ベイシア 相木孝仁社長」:新リーダーが描く次のステージ

    出店再開で再度成長に舵、商品力も強化し、ベイシアを「尖った」存在に ——もともとアドバイザーのような形でベイシアにかかわっていた。 相木 2021年7月から12月まで経営会議に出たり、個別にミーティングをしたりといった形でお手伝いのようなことをしていた。 ——22年1月から副社長に、7月には社長に就任した。よりかかわりを深くという形か。 相木 そうだ。私もすごくおもしろいと思ったし、ベイシアの方々も興味を持ってくれた。 ——期待される役割をどう考える。 相木 例えば、グループ企業のカインズもワークマンも「尖っている」といえる。ベイシアは着実に、堅実に歩みを重ねてきているが、すごく「尖っている」…

  • 2022.09.07

    ザ・トップマネジメント「ベルク 原島一誠社長」:商勢圏拡大時の戦略

    出店エリアが広がることで地域対応の必要性痛感、海に面した神奈川では魚を強化、惣菜の味付けも南北で変えている ——今回、フォルテ横浜川和町店の出店に際して。 原島 ベルクの社名の由来は、「Better Life with Community」の頭文字を取ってBELCとなっている。改めて地域社会と共に発展していく、より良くしていくという使命を帯びて出店した。「with」には「共に」という意味が込められている。川和町の皆さまと共により良い生活、発展をしていきたいと思っている。 「新鮮な食品」は当然のこととして、やはり「Better」というものを1つのキーワードとしている。品質をより良く、より新鮮に、…

  • 2022.01.10

    ザ・トップマネジメント 令和4年新春特別編 ヨークベニマル 大髙善興会長

    「コロナ特需が終息する中、生き残りを懸けた競争時代に、開発中の都市型300坪型を磨き込み、ドミナンス強化で生き残る」 ——2021年を振り返ると。 大髙 20年の2月からコロナ特需でマーケットが大きく変化した。その中で、スーパーマーケット(SM)は非常に恵まれた業態だった。 ただ、21年10月から緊急事態宣言が解除され、10月はそうでもなかったが、11月は(20年春の特需の影響が大きかった21年4~6月を除いて)久しぶりに(既存店売上高が)前年比割れになった。11月に入ってからかなり外食、あるいは大型店など(にお客が戻ることで)いろんな意味でSMのコロナ特需が終息を打った。 11月は19年対比…

  • 2022.01.07

    ザ・トップマネジメント 令和4年新春特別編 ヨーク 大竹正人社長

    「サテライトキッチン活用都心型モデルに手応え、22年度は個店別にもう一度マーケット調査をして品揃えを見直す」 ——2021年度を振り返ると、どのような年度だったか。 大竹 一番の変わり目は9月から10月のところ。潮目が変わったような気がする。 お客さまの消費行動も、やはりどちらかというと節約志向に入ってきたのかなという感じがしている。買われ方もいままでは、まとめ買いが多かったが、必要なものを必要なだけに変わってきた。 一方で、やはり二極化の傾向はある。(セブン&アイグループのプライベートブランドの)セブンプレミアムはいま苦戦しているが、(高クオリティラインの)ゴールドは2桁以上伸びてい…

  • 2022.01.06

    ザ・トップマネジメント 令和4年新春特別編 ヤオコー 川野澄人社長

    「原材料高、コスト高、マーケット縮小の厳しい環境下、ゼロサムゲーム抜け出して新しい価値提供目指す」 ——2021年度はどのような年だったか。 川野 一番は、新型コロナウイルスの影響が強く出たというのが、前期に続いて今期であったと。7月、8月、9月と、夏場に感染拡大があり、それに伴う巣ごもり需要が大きかったと思う。 ただ、巣ごもり需要に加えて、前期から取り組んでいる価格政策については、一定の効果が出てきたと思っている。客数を増やすことに効果を発揮してきた。なかなか数字上、分析しにくいが、手応えは感じている。 20年と大きく違うところは、デリカの3部門(惣菜、寿司、ベーカリー)が大きく伸びたこと。…

  • 2022.01.05

    ザ・トップマネジメント 令和4年新春特別編 サミット 服部哲也社長

    「SDGsもDXも、あくまで自分事にして取り組む、1人1人の小さな取り組みをいっぱい集めて大きな成果につなげる」 ——2021年は、中期経営計画「GO GREEN2022~社会に必要とされる新しいSMの創造~」2年目で、折り返しだった。 服部 もともと「GO GREEN2022」の中計自体が、「スーパーマーケットの枠を超えた存在を目指す」というテーマのため、定量的な目標があまりはっきり掲げられていないこともあって、「事例」がどれぐらい集まってくるのかが2年目となる21年だと位置づけていた。 その意味では、本当に(中計を通じて目指す)「生きる糧を分かち合うお店」につながっていくような「種」となる…

  • 2022.01.04

    ザ・トップマネジメント 令和4年新春特別編 ライフコーポレーション 岩崎高治社長

    「いまこそマインドセットを変え、『質の競争』に転換すべきとき、SM業界は、いかに付加価値を付けられるかの競争を」 ——2021年はどのような年だったか。 岩崎 21年はコロナ感染症が猛威を振るい、第5波は多少収まっているものの、オミクロン株の話も出ているので、結果的には1月から12月までほぼコロナ対策の1年だったかなと思う。 そのような環境で、前年から継続して「守る」「攻める」「変える」ことを軸に取り組みを進めてきた。「守る」ことについてはとにかく従業員、お客さまの安心、安全を重点的に、「まず、これが大事」ということで進めてきた。 店内環境、ワクチン接種、特別有休休暇制度、それから従業員には相…

  • 2021.11.05

    ザ・トップマネジメント「ヨークベニマル 大髙善興会長」:コロナ禍を経て改めて目指すSM像とDXの本質

    これまでの特需がなくなり、人口減、高齢化が再度表面化、生き残りを懸けた競争はこれからが本番 ——この間、コロナ禍での経営が続いた。 大髙 新しい生活様式、新しい日常ということで、お客さまの購買行動、あるいはライフスタイルも変わった。スーパーマーケット(SM)は、外出しない、巣ごもりという点では、この1年8カ月は非常に恵まれた産業だった。 ただ、これはコロナ特需だけであって、これからが、コロナが収束した後は、大変な厳しい時代になる。人口が減っていく、高齢化もしていく。 コロナによって非常に厳しくなってしまった産業で働く人たちの所得も上がらない。これからが(競争の)本番ではないだろうか。 ただ、厳…

  • 2021.06.14

    ザ・トップマネジメント 「西友 大久保恒夫社長兼最高経営責任者(CEO)」:新生西友の経営戦略

    食品スーパーナンバーワンの規模を生かし、商品開発を強化し、売り込むことで日本の流通構造を変える ——3月1日から株主構成が変わり、大久保氏がCEOに就任することでマネジメントも変化した。変わること、あるいは変わらないことは。 大久保 もともと西友として大きく成長したが、その後ウォルマートの資本下になり、それで今回、また新たな資本構成に変わったということで、「軸がぶれているのではないか」という見方もあるかもしれない。しかし、私としては積み重ねられて非常に良くなっていると思っている。 もともと西友は革新的な企業だったし、日本で非常に成功していた。そのDNAの上に、マネジメントレベルなど世界最大の小…

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