ヤオコーロッテスクエア武蔵浦和店が7月28日オープン、至近の惣菜繁盛店・武蔵浦和店とは生鮮強化、ですみ分け
2026.07.31
ヤオコーは7月28日、さいたま市南区にロッテスクエア武蔵浦和店をオープンした。JR埼京線、武蔵野線の武蔵浦和駅から南に約0.6km、駅西口から徒歩約8分の商業施設「ロッテスクエア」の2階に出店。同施設は、もともとロッテの社員寮、研修センターがあった場所という。土地、建物の開発はロッテ不動産が手がけ、これをヤオコーがマスターリースの形で借り受け、テナントを誘致して自らも核店として出店した。

ロッテスクエアには、ヤオコーの他、1階に証明写真機とコメダ珈琲店、2階にセブン銀行のATM、3階に家電専門店のノジマ、歯科クリニック、整骨院、調剤薬局などが入る。テナントの多くは8月上旬以降、クリニック関連は10月下旬以降の順次オープンを予定する。
商圏は成長エリアだ。武蔵浦和駅は都心へのアクセスと2路線の利便性からマンションなど住宅開発が進み、ヤングミドルのファミリー層の比率が高く、人口、世帯数が共に増加を続けている。商圏人口は、1km圏で5万5000人、2万6000世帯。
1km圏内は30歳〜50歳代が46.7%とボリュームゾーンである一方、60歳以上のシニアは22.4%とさいたま市南区平均、埼玉県平均を下回り、10歳未満の割合は埼玉県平均より2%ポイント高い。単身世帯が38%、2人世帯が25.7%と単身、2人で6割超を占めるが、3〜4人世帯も県平均を上回り、子育て世代のファミリー層が厚い商圏となっている。
施設の目の前にはキッズ向けのプログラムも備えた総合スポーツスクールがあり、テニスやダンス、ゴルフなどに親子連れが通う。そのため、商業施設としても、例えば休憩に立ち寄れるカフェをという発想からコメダ珈琲店を誘致するなど、親子連れが施設内を回遊する導線を意識したテナント構成としている。
一方で競合店も多い。スーパーマーケット(SM)では1km圏内に8店、3km圏内には総合スーパー(GMS)も含め約50店がひしめく激戦区だという。共働き世帯が多く、自転車や徒歩での買い物のためまとめ買いがしづらく、平日は駅周辺で限定的に買い、週末は駐車場の広い店まで足を運ぶ層が多いと同社は見ている。
出店の狙いは500mほどしか離れていない至近の既存店である武蔵浦和店(さいたま市南区)との連携による南区中南部のシェア確保にある。武蔵浦和店は2024年5月にオープンした駅前立地の店で、想定以上に順調に推移し、年商は30億円を超える繁盛店となっている。近隣には他に、まるひろ南浦和店(同)が約2.0km、浦和パルコ店(さいたま市浦和区)が約2.2kmの距離に自社店を抱える。
今回は繁盛店の近隣に好物件が出たことによる出店だが、出店を検討したのが武蔵浦和店オープンの前後であることもあって、必ずしも高い売上げを分散する狙いがあったわけでないという。むしろ、足元の人口が多く、かつ若い世代も多いという今後の成長が見込める商圏内での防衛出店の意味もありそうだ。
ロッテスクエア武蔵浦和店のストアコンセプトは「美味しさですべてのお客さまに信頼されるお店 〜毎日のお買物が楽しくなる笑顔があふれるお店〜」。最も多いと想定する客層は40〜49歳の子育て世代のヤングファミリー層で、小学生から中学生の子どもを持つ4〜5人家族。共働きで子育てが忙しい一方でキャリアと家族時間の両立を重視し、むだな出費は避けつつ週末やハレの日の買物は楽しみたい、家族と自身の健康管理、心身の充実を重視しているといった傾向を想定している。
次いで50〜59歳の成熟した生活を送るミドル層を想定。子どもから手が離れはじめ、生活にゆとりが出始めた3、4人世帯。健康への意識が高く、食事でも身体に良いものを食べたい、おいしいものなど食のこだわりが強く、毎日の食事を楽しみたいといった傾向を想定する。
至近の武蔵浦和店との差別化は、生鮮の強化に置く。駅前立地の武蔵浦和店は、夜間の高いデリカの需要を取り込むことでデリカの売上高構成比が21~22%と、デパ地下のような使われ方をしているという。そこで、ロッテスクエア武蔵浦和店はあえて生鮮を強化することですみ分けを図ることにした。特に青果と精肉に力を入れ、いつ来ても飽きない売場づくりと、平日と休日で売場の変化を明確にすることでお客の支持を得る方針だ。

武蔵浦和店が駅前ということで車での来店がやや不便であるのに対し、ロッテスクエア店が、ピロティが多いとはいえ平面駐車場を用意していることも大きい。グロッサリーの売場についてもロッテスクエア店の方が広いこともあって、品揃えの充実や車での来店によるまとめ買いの需要にも期待できることも差別化要素になる。
そのため、それを意識してケース販売を強化しているという。ある種特別な店である武蔵浦和店に対し、生鮮、グロッサリー共にどちらかというと標準的なSMとして利用してもらいたいといったことが念頭にある。

取扱SKUは生鮮940、グロッサリー1万6640、デリカ340の合計1万7920。初年度の売上構成比は生鮮40%、グロッサリー42%、デリカ18%を計画する。デリカの18%は既存店平均より3ポイントほど高く、休日ランチなどファミリーの即食需要を見込むためだが、生鮮を40%の設定にしていることは生鮮を強化していることの表れともいえる。
マーチャンダイジングでは、まず精肉は、ヤングファミリーの多い商圏を踏まえ、牛の焼肉を主役に据える。焼肉をまとめた焼肉コーナーを日々展開し、盛り合わせを中心にしつつ、単品や「プラスもう1品」の提案を重ねて、世帯人数に合った量目で買えるようにする。


自社製造のローストビーフは盛り合わせや季節限定商品も用意する。ミートデリカでは、従来、ブロックやスライスで販売してきた熊谷デリカ・生鮮センター製の蒸し鶏を、蒸し鶏のサラダとしても展開し始めた。また、黒毛和牛については埼玉県深谷市の「尾熊牛」を取り扱う。





鮮魚は、生マグロと近海魚の2つを特に重視する。生マグロは「生まぐろ三昧」といった盛り合わせやサクの食べ比べセットなど「選べる品揃え」を実現する。近海魚は午前中に丸魚を中心に販売するが、一夜干しも展開する他、夕方には姿造りや夕方限定の盛り合わせを強化してその日のうちに鮮度良く売り切る。



今回独自の挑戦として店内で炙った近海魚の炙りの盛り合わせにも取り組む。ただし、これについては他店への横展開は未定という。

青果は、オープン日は夏野菜を中心にアピールし、トウモロコシやハショウガを手ごろな価格で打ち出した。入口すぐの平台では、今回初めて袋売りとしたバンドルセールを展開し、しっかりと量目を買ってもらう売場とした。


果物は旬のモモを提案し、オープン日は福島県産の「あかつき」を並べた。また、トマトや、小量目からオードブルまでそろえるフルーツデザート、季節を感じる洋花も軸に据える。




惣菜は、デリカセンター製のチルド米飯3種を新商品として投入した。「バジル香るガパオライス」「海老だし炊き上げピラフ」「グリルチキンのドライカレー」が並ぶ。寿司はファミリー層を意識し、具だくさんの「具凄!太巻」を中太巻きへと少し小さくした商品を開発、家族でシェアしやすい品揃えに変えた。




ベーカリーは、鉄板で焼き上げる厚焼き卵のカツサンドや、それを使った「パン屋のお弁当」を展開する。スイーツでは、「はちみつレモン杏仁とうふ」を新商品として他店に先行して発売した。




日配の加工肉では、プライベートブランド(PB)として国産肉を使った厚切りソーセージステーキの新商品を投入した。


ドライ食品は、「南」エリアの旗艦店として3月にリニューアルオープンした新浦安店(千葉県浦安市)のMDを大きく取り入れた売場としたのが特徴だ。炭酸飲料は「世界の炭酸飲料」としてコーナー化し、シリカ水もコーナー展開する。

グミは品揃えを厚くし、子ども向けと大人向けを分けて陳列。シリカ水の隣には美容系のグミやコラーゲンを集め、美容・健康コーナーとして打ち出した。


加えて、通常は部門をまたぐベビーフードとベビー菓子を意図的に隣り合わせ、子育て世代が買い回りしやすいレイアウトとした。

酒は、スペイン産の辛口白ワインをPBとして発売し、酎ハイの品揃えも強化する。「南」エリアの店舗として炭酸印象やシリカ水、美容グミのコーナー化など、新浦安店で手応えを得た取り組みを水平展開できているとしている。



レジは、通常時でセミセルフを4レーン(精算機8台)、フルセルフを12台備える。ネットスーパーは設けない。イートインコーナーは20席に加え、子ども用の2席を用意した。
ヤオコーロッテスクエア武蔵浦和店概要
所在地/埼玉県さいたま市南区沼影1-19-1
オープン日/2026年7月28日
営業時間/9時〜21時30分
敷地面積/5749.08㎡(1739.10坪)
延べ床面積/9139.66㎡(2764.75坪、施設延べ床面積)
店舗面積/2067.20㎡(625.33坪、ヤオコー売場面積)
駐車台数/126台(平面26台、ピロティ100台)、
駐輪台数/199台、バイク7台
店長/窪田 聡
従業員数/正社員19人、パートナー・ヘルパー・アルバイト115人(延べ人数)
年間売上高/初年度23億円(予定)
商圏人口/1km圏5万5000人、2万6000世帯、2km圏16万5000人、8万世帯、3km圏31万7000人、15万4000世帯









