「健康+ファッション」追求し、ゲームチェンジに立ち向かう はるやまホールディングス 治山正史代表取締役会長兼社長

2026.04.21

 モータリゼーションの進行に合わせる形で1970年代に登場した郊外紳士服店はその後のスーツ需要の拡大もあって急成長を遂げてきた。しかしながら同業内での競争激化やユニクロを始めとする競合企業の成長、さらには働く際に着る服の多様化などもあって、業界全体としては次第に成長が鈍化。そこに2020年の新型コロナウイルスのパンデミックが重なり、大きな転換が迫られている状況だ。

 4大チェーンの一角を占めるはるやまホールディングスは1974年11月の設立以来、西日本を中心に店舗網と存在感を拡大してきた。若年層をターゲットにしたP.F.SAや大きなサイズを取り扱うフォーエルなど独自の客層拡大策、また機能性を重視した商品の打ち出しなど他社に先行する形での独自の取り組みも同社を特徴付ける。

 目下、大きな構造変化の中にある業界にあって、同社も大きな変革期を迎えている。治山正史(はるやま・まさし)会長兼社長に現状とこれからを聞いた。

販売期間が長い強みを生かした品揃えで成長

 はるやまホールディングスの主力商品であるスーツは徐々に着る人が減っている上、特に在宅勤務が大きく広がった(新型)コロナ(ウイルス)によるパンデミックの影響は大きな打撃となった。およそ6年が経つ中、業容、売上の状況はどのようになっているのか。

 「直近の店舗数は2026年3月末時点で358店舗。われわれの業態としてはビジネスウェアを中心に展開していまして、主な業態としては「はるやま」が218店舗、「P.S.FA」が55店舗、「フォーエル」が80店舗。はるやまとP.S.FAがビジネスウェアの中心の業態で、フォーエルはビッグサイズ中心の事業となります。それで、はるやまとフォーエルはどちらかというと郊外型中心、P.S.FAはショッピングセンター(SC)、あるいは首都圏など大都市中心の出店の展開になります。

 また、子会社で北陸地方の石川県、富山県に展開しているモリワンが6店を展開している他、子会社としてビッグサイズの製造卸をやっているマンチェス(岐阜市)、年間2万着のキャパシティを持つスーツ工場の田原コンサート(大阪市鶴見区)があります。これらが主にわれわれのグループとして活動しています。メインはやはりはるやまで、P.S,FA、フォーエルが続くといった状況です。

 スーツは服装のカジュアル化の影響で一部落ち込んでいますが、落ち込んでいて逆にいわゆるビジネスカジュアルと呼ばれるものが伸びているので、2つ合わせて横ばいになっています。フォーエルはビッグサイズですが、どちらかというとカジュアル中心の業態ですので、これも横ばいです」

 ビジネスウェアのはるやまとP.S,FAはそれぞれどのような位置付けとなっているのか。

 「一番大きな違いは場所が(はるやまが)郊外と(P.S,FAが)都心部、あるいは出店形態が(はるやまが)フリースタンディング、(P.S,FA)がSCという部分で違いがあります。また、メインのお客さま層としてはやはり、はるやまは50代が中心になって、もちろん、10代から80代までいらっしゃいます。P.S,FAはメインは30代、次が40代です。P.S,FAは2000年から展開を始め、長い間ご愛顧いただいている方も多く、お買い上げいただくお客さまの年齢層も若い方だけではなくなってきています」

 店舗の商圏人口についてはどのような考えか。

 「昔は、郊外は10万人に1軒といった基準があったのですが、いまそこまで大きな商圏というよりも、5万~8万人に1軒といった形です。人口が減っていることもありますが、もう1つ、レディスの影響もあります。従来はレディス比率がそれほど高くなく、メンズが中心でしたが、レディス比率が高まるにつれて商圏人口も変わってきています」

 昨今は出店環境が厳しくなっているが、出店の状況、店舗規模や品揃えの現状は。

 「出店コストが非常にかかるようになっています。特にフリースタンディングも独立店が顕著で、非常に建築コストが高まっていますので、郊外型の出店は控えめにしています。

 そのため、スクラップ&ビルドで閉店しながら出店もしていますが、基本的にはSC中心の出店になっていますね。SCの店は一応、60坪ぐらいの定型を設けていますが、SCによって100坪になったりと、いろいろです。郊外の店は150坪から250坪の間です。SCはP.S.FAが中心ですので、小ぶりです。

 スーツ、ワイシャツ、ネクタイ、靴、バッグ、肌着などビジネスに必要なものはそろう形です。そこにカジュアルが加わります」

 この基本的な品揃えについて今後の方針はあるのだろうか。

 「品番が多すぎると思います。多すぎるので、やはり絞っていく方向です。

 もともと郊外型紳士服店の強みとして、よく『価格』のイメージを持たれている方が多いのですが、お客さまのアンケートを取ると、一番の強みは『品揃え』なんです。例えば(大型店の)デパートの売場でも、メンズのフロアで少しずつ展開している程度で、郊外紳士服店ほどスーツがそろっている店はないわけです。

 結果的に郊外型紳士服店は、『品揃え』という部分でアドバンテージを取ってきたわけですね。それだけ品揃えしないといけないということは、(商品)回転率が悪くなることになりますが、一部の定番といわれるスーツは、レディスやカジュアルと比べて、あまりトレンドを意識させず、似たものが長期間にわたって売れていた時代がありました。

 この2つの要素、品揃えを豊富にすることでの競争力と、長期間に渡って売れていたという歴史の2つの要素があって、他のカジュアルなどと比べても郊外型紳士服店はこれまで過剰在庫で商品回転率が悪い状況が続いてきました。

 ただ、やはりいまの時代、SDGs(持続可能な開発目標)や、効率化についても考えないといけない時期になっていますね」

スーツで起こる二極化の波

 特に食分野などを中心に原材料、経緯の増加を背景とした物価高の状況が続き、実際にエンゲル係数の上昇も見られる。消費面、また、商品開発面にはどのような影響を及ぼしているのか。

 「いろんな影響がありますが、一言で言いますと(お買い上げいただく商品の)二極化が大きく進んでいます。高い商品が非常に好調な部分はあります。一方で、安い商品も非常に好調です。中間の、従来の郊外型紳士服店のわれわれのような業態が得意とする部分、スーツで言えば3万9000円~5万9000円の中間の価格帯が減速傾向で、その部分が上に行ったり、下に行ったりしています」

 はるやまやP.S.FAではどのような価格帯を展開しているのか。

 「スーツで言えば、一番高いのは10万円ぐらいまで取り扱っています。お買い求めしやすいものでは最近は1万円を切る9000円(税別)ぐらいから取り扱っています。P.S,FAの場合は少し絞られていまして、1万円台から5万円台ぐらいですね」

 このうちの低価格帯と高価格帯が売れているということになる。

 「(はるやまでは)7万、8万から10万円ぐらいのスーツも多くお買い求めいただいていますし、9000円の商品も非常にご好評いただいています。この傾向は2025年に顕著になっていますね。

 特に低価格帯の商品については、やはり物価高による生活防衛が影響していると思います。給料が多少上がったと言いながらも、それに伴って食料品から始まって必需品(の価格)がどんどん上がっているわけです。その部分の何らかのしわ寄せは来ているのではないかなと思います」

 オリジナル商品の比率も高い。

 「エドウィンと提携してブランドを展開していますし、一部はナショナルブランドもありますが、大半がオリジナルのプライベートブランドです。産地は、10年ぐらい前は中国がメインでしたが、いまはベトナム、ミャンマー、バングラデッシュなどに移っています。やはり、人件費の部分で、縫製賃などの高騰が背景にあり、よりお買い求めいただきやすい価格の商品を販売したいという思いからです。

 売上総利益、いわゆる粗利に関してはそこまで変化はありませんが、一方で、(店舗の)人件費など運営コスト面のアップは家賃なども含めてボディブローのように効いています」

 店舗による売上の傾向はあるのか。

 「幾つかの傾向がありまして、SC同士の競争が非常に激しくなっています。その流れの中で、SCに出店している店舗はSC自体の競争力に左右される場面はあります。

 あとはインバウンドの影響です。東京の店舗であったり、大阪の店舗であったり都市部の店は、インバウンドの後押しがありますので、好調に推移しています。これは少しずつ広まっています。地方でもアクセスが良いところはインバウンドの影響が増えています。

 やはり、円安などの影響で日本の商品はクオリティに対し、安価であるというお声をよくいただきます。そういう面でもインバウンドのお客さまからも非常にご好評いただいています」

 コロナのパンデミックが発生して6年ほど経つ。改めて、どのような変化があったのか。

 「とても影響を受けました。コロナ前までは業績も良かったのですが、コロナで2年連続の赤字でした。いま復活しつつあるのですが、非常にいろいろな影響があった上に、いわゆるドレスコードの変化がおきました。コロナ前からカジュアル化の傾向はありましたが、コロナで加速されたと感じています。そういったお客さまの需要にお応えすべく、品揃えなどを現在進行形で変更しています。

 もう1つは家にいる時間が多かったもので、そうなったときに『家を快適にしよう』ということでたんすの整理をしたりしながら、いらないものをどんどん捨てていったりすることがありました。その中でお客さまの傾向としても、むだなものを買う必要はない、むだなものを家に置きたくないということになって、買物に対しても本当に必要なものなのか吟味されながら買物をしていくという傾向が強まったのではないかなと思います。

 その傾向の延長線上で、先ほどの良いものをお買い上げいただく方が増えた一方で、とにかく(間に合わせで)着なければいけないとか、買い替えしないといけないということで、低価格のものを買うといった形で、二極化が進んだのかもしれないと感じています」

カジュアル化、夏の長期化にどう対応するか

 在宅勤務の影響は大きかったが、それは次第に減ってきている、一方で、カジュアル化についてはある種、不可逆的な流れともみられる。しかも、その傾向はコロナ前から出て来ていた。

 「コロナ前から徐々に対応はしていましたが、それまでの走る速度ぐらいだったものが、コロナ後には新幹線の速度になったような形です。

 特に夏は、ジャケットも、シャツも着ない方がいらっしゃるという面で、やはり夏のウェアが一番変わったかもしれないですね。例えば昨年の夏などはポロシャツやTシャツを非常にお買い上げいただきましたし、カジュアルに寄せたパンツであるとか、ジャケットなども好調に推移しました。

 商品開発もそちらにシフトして、強めたこともあります。例えば、ポロシャツについてはジャケットのインナーとして着たときにきちんと見える、だらしなく見えないことを重要視して開発しています。いわゆるスポーツウェアではなく、ビジネスウェアとしてのポロシャツです。そのために素材、縫製、スタイルなどを変えて、数量も一気に増やして、ビジネスシーンでもお客さまに自信を持って着ていただけるポロシャツを本気で開発しよう、お店も含めてお客さまにご提案していこうというわけです。

 例えば、えり回りを立体的にすることによって、ペタッとせずにワイシャツと同じようなふくらみを出すとか、肩についても日本人の身体に合わせた前肩縫製(肩が前に出ている状態に合わせた縫製)にするといった工夫をしました。これはジャケットやスーツを作るときの技術です。この技術をポロシャツやTシャツに生かして、人間の身体に沿った形で、ふくらみを持たせるなど、立体的に開発したということです。

 ポロシャツ、Tシャツは今後も強化していきます。ビジネスウェア専門店が作る、ビジネス用のポロシャツ、Tシャツという部分で特徴を出していきます。パンツについても、われわれはずっとお尻の形、腰の位置などに沿う、きれいに見える形を考えて開発してきていますので、はきやすい、動きやすいという部分を盛り込んでいます。これらの商品はお仕事シーンでもご着用いただけるビジネスウェアということで、やはりビジネスシーンでもきちんと見える、自信を持っていただける商品をご提案したいという思いでやっています。

 ストレッチについてもただ伸びるというだけでしたら、特殊素材を入れるだけで簡単に作れるのですが、本当の意味ではきやすかったり、動きやすかったりするためにはパターンから変えなければいけないのです。その辺りのノウハウはありますので、それは生かしていきたいと思っています。

 また最近、1つすごく芽があると思うのは、いわゆるリカバリーウェアといわれる健康ウェアです。2011年3月11日の東日本大震災で、われわれのお店は40店ぐらい被害を受け、お客さま、われわれのスタッフにも亡くなられた方もいらっしゃいます。

 そのとき、『われわれは見た目の部分でお客さまを幸せにする』という形で事業を展開してきたのですが、『本当に一番大切なものは命、健康だな』と思いました。2011年のその経験から、何とかわれわれも命、健康に貢献できるような形に、会社を変えていけないかということで、最終的に2015年に『健康宣言』(『スーツで日本を健康にする』宣言)をしました。

 3つありまして、1つは健康になるウェアを開発します。2つ目がお店を健康ステーションにします。3つ目が社員やスタッフの健康を促進します、です。

 それで大学などを訪ね、例えば、ストレス対策として衣服圧(衣服の着用によって身体にかかる圧力)をどうしたら軽減できるかを素材や縫製などを見直しながら人間工学的に研究したりしながら『ストレス対策スーツ』などを開発しました。

 私は、衣食住のうち、衣の服だけが健康と結び付かない、身体に良さそうという基準で選ばないと十数年前からずっと言い続けてきました。それが最近、ようやくイメージが結び付くようになってきていると思っています」

 最近は四季ではなく、「二季」という言葉も聞かれるようになるなど、特に夏の暑さが衣料品販売の動向に大きな影響を及ぼしている。

 「影響は非常にあります。これはアパレル業界でも共通認識になっていますが、春と秋、特に秋がなくなったと感じています。

 対応は一言で言えば、夏の期を長くするということです。アパレル業界は、お盆(旧盆、8月13日~16日)が過ぎたら秋物が入ります。そのためにSS(春夏)物は8月のお盆ぐらいまでに可能な限り、お値段を一部下げてでもお買い上げいただいて、それで秋物を投入するのが1つのサイクルだったんです。

 でもいまは9月になっても暑い。だから、8月に盛夏物を売りつつ、もう1回、「ブリッジ(つなぎ)」と言われる商品を、本来秋物が入っているべき8月末にもう1回入れます。これは夏物とまでは言えない、『晩夏』というか、夏でも秋でも着られるような、いわゆるブリッジですね。これを入れてお客さまの需要に対応していく。

 それで秋物は飛ばして、秋の終わりぐらいから冬物を入れていきます。ブリッジは、もともとレディスの考え方として一部ありましたが、メンズの世界ではなかったものです。これを取り入れて、季節に合わせていきます。

 一方で、非常に暑いので、より多くのお客さまが夏物をお求めになっていると感じています。本来、夏物はTシャツなどわれわれとあまり関係のないものが多く、もともと夏物衣料は半袖ワイシャツやサマー礼服などそれほど数がありませんでした。

 それが、それだけ暑さに対応するために、先ほどのようにポロシャツやTシャツなどの服が求められていますので、これまでなかったお客さまの需要に応えるべく商品開発や販売を進めています」

「スーツで日本を健康にする」宣言は10年以上前の2015年に発表された。昨今の業界の「健康」軸での商品開発のトレンドを先取りするものだった(Photo by 川上博司)

「ドレスコードの変化」だからこそ、新しい需要は必ず生まれる

 ビジネスウェアの縮小傾向は今後も変わらないとみているのか。

 「そうでもないと思っています。私は1960年代、70年代にもあった『ドレスコードの変化』だと思っています。結局、われわれもそうですが、郊外型紳士服店は70年代から急速に伸びました。このとき何が起こったのかというと、高度経済成長と共にホワイトカラーが増え、ドレスコードがスーツになったわけです。それまではスーツは社長や学校の校長先生などの一部の偉い人のビジネスウェアであって、大衆化していなかったということです。

 それでずっと来て、ここ数年でもう1回ドレスコードがいまチェンジしているのです。それが『ビジカジ』です。ドレスコードが変化したときには、次なる需要が必ず生まれます。少子高齢化の影響ももちろん、ありますが、やはり新しい需要の創出がいま起こりつつあるので、それに会社としてどう対応していくのかが求められています。ですから、ビジネスウェアが一辺倒にシュリンクしているとは思っていないです」

 カジュアルに対応しながら、はるやまとして差別化して打ち出すのが健康ということになる。

 「一番大きいのは健康です。それにも関連するのですが、先ほどの健康宣言でお店を健康ステーションにしますとありましたが、いま64店舗で『ほっとひと息ステーション』を展開しています。お客さまがそこの空間でゆっくり過ごしていただいて、心身共に健康になっていただこうというサブスクリプションです。これが多くのお客さまに会員になっていただいており、になってきていまして、まだまだ広げられると思っています」

 そうなると、店舗の役割もますます高まる。

 「やはり、小売業は地域の方々にいかに愛されるか。地域の方々にお役立ちできるかです。だからインフラ企業を目指しています。なくなると困る、あるいはさみしいというのがインフラ企業だと思っていまして、やはり地域において、『はるやまがなくなると非常に困る』『はるやまがなくなると非常にさみしい』という風に、地域の方々に愛されることがポイントです。

 世界中で見ても、いまリアル店舗が発展しているとみています。これは(コロナの影響でネット小売りが伸びたことの)リバウンドなんです。やはり、ネットのショッピングはあまり楽しくないんですね。結局、何かを買うと決まっているときに、ネットほど便利なものはないんです。どこでも注文できて、家でも受け取れて、安い。だけれども、そこに楽しさがあるといったら違うと思います。

 やはりリアルでしか楽しめない要素はあるんですね。例えば書店では偶然の出会いがあるなど、リアルのショッピングには何らかの形のエンタメ性があるのです。だから、ネットに触れる時間が多ければ多いほど、リアルの楽しみが求められるのではないでしょうか。そういった意味では、リアル店舗は間違いなく残りますし、その中でエンタメ性、来ていただいて楽しい部分がやはり必要だと思います。とは言いながらネットでお買物をされる方々も、もちろん、いらっしゃるので、ネットにも力を入れています。

 また、人との触れあいということもあると思います。自慢ではないですが、はるやまはスタッフが素晴らしいですよ。すごくマインドが温かいです。スタッフと話をしていると『私は接客しているときが人生で一番楽しいです』という方もいます。実は私も販売が非常に好きなのですが、お客さまと接しているとき、本当に喜んでいただける、自分がお役立ちになっているということが体感できます。

 接客業は拘束時間も長かったり、土日も働かないといけないとかいろんなことはあるとは思いますが、そういう意味では人と人と接して、エネルギーをもらえる部分はあるのです」

 目下、「シン・HARUYAMA」のビジョンを掲げている。その意味するところは何か。

 「結局、コロナでいろんなビジネスモデルが変化しなければいけない時期だと思いました。1つは商品のアイテム構成。加えて店自体の在り方。先ほどのほっとひと息ステーションなどはその1つです。あとは働き方改革などの中で、人手不足になったりしています。

 いままで長年やってきたビジネスモデルでは、やはり対応できない段階に来ていると思います。そういう意味で、新しいはるやまとしてもう1回、作り直していかなないといけないのではないかということです。

 その中ではるやまに必要なのは、ゲームチェンジです。いままで野球をやっていたと思ったら、サッカーになっているといった変化が起きています。

 『ゲームチェンジ』は社員に向けたメッセージですが、『頭の中を連続性ではなく、非連続性ぐらいにチェンジしてくださいね。ゲームは変わりましたよ』というメッセージを込めたものです。

 この業界はある意味、成功してきたので、その成功の束縛があります。『昔はこうやったら成功した』『こうやったらうまくいく』という部分が非常にありますので、『そうではない』と。『変えましょう』ということです。

 もちろん、そうは言いながらも、『不易流行』で、守るべきものは守る。それは『お客様第一主義』です。また、『ファッションで生きよう』と。ファッションというカテゴリーの中でどう発展していくかを考えて行こうと思っています」

 スーツの需要の高まりによって成長してきた郊外型紳士服店。カジュアル化という大きな流れと、さらにそれを加速したコロナによって、まさにゲームチェンジが起こり、そしてそれは現在でも続いている。

 一方で、衣料品は必需品の要素も持っていることも確か。その需要がなくなることはない。つまり、需要を適切につかめるかどうかが問われることになる。健康を1つのテーマにしながら、あくまで「ファッション」(流行)としての衣料品を追求する。「お客様第一主義」を不易として守りつつ、ファッションを追いかけるはるやまホールディングスの、まさに「不易流行」の実践に期待したい。

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