カスミ西千葉店が5月29日オープン、400坪クラスの小型店だが、新フォーマット構築視野に入れたMD進化版
2026.06.01
カスミは5月29日、千葉市稲毛区にカスミ西千葉店をオープンした。同社地盤の茨城県の110店に次ぐ店数を出店する千葉県の41店目の出店。全社では199店体制となる。
カスミとしては昨年10月に改装した茨城県守谷市の松ヶ丘店から低価格を強化した「新スタンダードモデル」の構築を図っているが、今回もその要素を踏襲。地域のお客への提供価値の向上を目指し、鮮度にこだわり、商品の品質の高さを第一にしながらも、店舗作業が最適化される売場構成と什器の導入を図ることで効率化を目指し、毎日実感できる「安さ」を提供することを強調している。

3月に就任した折本文孝新社長は、今回のオープンに際して改めて次のように決意を語った。「スーパーのあるべき姿があるし、カスミはもともと生鮮が強いということもある。売場づくりにしろ、陳列技術にしろ、鮮度管理にしろ、少し崩れた部分が私はあると思っている。そこをしっかり立て直すことがまずやることだと思っている」
西千葉店はJR中央線、総武線の西千葉駅から徒歩約8分の再開発中のエリアに出店。もともと東京大学の西千葉キャンパスがあった跡地を文教複合都市の「千葉 学美の杜」として分譲マンション、戸建て住宅、サービス付き高齢者向け住宅、複合施設、介護施設、商業施設からなる大規模複合開発が進行中で、その商業施設としてオープンした。2階部分に美容室や歯科などのテナントが出店しているものの実質的にフリースタンディングに近い形で、売場面積は400坪弱と同社としてはやや小型の店となる。


駅前のエリアの一部といえ、周辺には住宅が広がる他、千葉 学美の杜内の分譲マンションは512戸、サービス付き高齢者向け住宅は110戸、学生マンションは312戸など、これから入居が進む他、同エリアは千葉大学の西千葉キャンパスにも隣接していることから、学生の利用も多いものとみられる。
周辺500m圏は千葉大学の存在や居住施設が2027年度から28年度をめどに開発中ということもあって約2600世帯、約4900人ほどのマーケットだが、1km圏にまで広げると約1万4000世帯、約2万7000人と多数の人口を抱える。足元は学生であることが想定される20歳前後の1人世帯が半分以上を占めるという。

松ヶ丘店では効率化のために絞り込みを図り、SKU数を標準店比で4割ほど削減した8400ほどにまで絞り込んだが、その後の検証など踏まえ、大きく絞り込むのは隣りに自社の旗艦店などがある店では有効だが、そうではない単体でエリアに存在する店では売上げの伸びが限られるケースもあることから、「(松ヶ丘店ほどの絞り込みが)正解だとも思っていないし、場所によってはSKUの数を絞り込み過ぎるとお客さまに迷惑がかかるので、ロケーションによって変える必要がある」(折本社長)。
今回は南西方向約1.3kmに自社の千葉みなと店(千葉市美浜区)、西方向約3.3kmに同稲毛海岸店(同)があるが、特に足元商圏が異なることから絞り込みの度合いは低い。「売場面積が狭いので少なくなっているが(9507SKU)、絞り込めないと思っている」(折本社長)

一方で、家賃も高いことから坪当たり年間売上高で400万円を超える水準が求められるため、生鮮食品を主力としながら高回転で販売していくことを目指す。例えば青果でも旬を追いながら単品大量販売を心がけながらSKU、量目対応をしていくといった考え。

「特に(カスミの地盤の)茨城は野菜王国なので、そこは打ち出したい。いままでアピール度が弱かったので、しっかりそこは表に出していきたい」(折本社長)。青果では他、カットフルーツ、カット野菜、ばら販売や小分け野菜など買い求めやすい即食商品、SKUをそろえる。

鮮魚では刺身の単品、盛り合わせなどの品揃えや店内仕込みの手造り漬魚、生の大きなたねを使った握り寿司の「魚河岸寿司」などを展開。特に鮮魚では足元に多い単身者を視野に、つまみ用の個食刺身などを新規に展開。


一方で、丸魚を含めた生魚については売場づくりも含めて強化していく方針。「魚は生魚の取り扱いが減ってしまったので、もう1回見直しをしている。技術が低下した部分もあるので、人材育成もしていかないと扱いができないので、そう簡単にはできる話ではないと思うが、そこは残された道だと思っているので強化していきたい」(折本社長)

精肉はプロセスセンター(PC)を活用したアウトパックによる展開だが、簡単便利な味付け肉などを強化した他、週末のファミリー層やストック需要に対応した大量目商品も押さえる。


単身世帯に向けた即食商品として重要になる惣菜では弁当や揚げ物など温惣菜を店内加工もしっかり行いながら展開。商品の見直しも順次進めていて、例えば焼き鳥については今回、U.S.M.H共通の商品化を視野にイオンフードサプライからの原料供給として5月からリニューアル。西千葉店ではさらに6尺でばら販売を展開することで、買いやすさの実現を目指した。



その他、若年層に向けてドーナツなど新たなコーナーを設けた他、米飯で新たなカテゴリーとしてだんごなど和菓子を新規コーナー化するなど、新たに売れる商品の発掘にも勤しむ。





一般食品、和洋日配ではイオンのPBであるトップバリュの売り込みが目立つ他、ナショナルブランド(NB)についても「毎日!お買い得」「月間厳選100品+Plus」といった打ち出して価格訴求。NBについてはエブリデーロープライス(毎日低価格、EDLP)や比較的長期スパンの打ち出しが目立つ。




また、販促という意味では生鮮、惣菜も含め、以前、掲示していたが、なくなっていた「おいしさ見つけた!」のPOPを復活した。自信を持って売る商品を開発するというバイヤー教育の一環として、「産地、製法、味付けなど、何でも良いので3つのこだわりを作った商品を開発する」(折本社長)。

カスミでは主に郊外をターゲットに、主力フォーマットの「フードスクエア」では600坪~800坪の規模での出店が多かった。今回の西千葉店も基本的に「フードスクエアの小型版」(折本社長)と捉えるが、400坪弱の規模での出店となった。今後は都市部攻略も視野にこの規模も含めて出店していく意向だという。
また、同社では昨年から出店フォーマットを「カスミ」としていて、今回もバナーは「カスミ」となっている。今後も「フードスクエアの進化版」(折本社長)として主力フォーマットを磨き込んでいくが、バナーは「カスミ」となっていく模様だ。

カスミ西千葉店概要
オープン日/2026年5月29日
所在地/千葉県千葉市稲毛区弥生町8-1
営業時間/9時~22時
駐車台数/105台
駐輪台数/75台
売場面積/1310㎡(396坪)
店長/三浦雄太
従業員数/正社員12人、パ-ト・アルバイト42人(8時間換算)
年商目標/約16億円
主要商圏/1万4046世帯(1km圏)、1次2580世帯(0~0.5km)、2次1万1466世帯(0.5~1km)









