ローソンが首都圏ターゲットの「Lミニマート」の出店を開始、あくまで「ミニスーパー」「実証実験」のスタンス貫く

2026.05.29

ローソンと子会社はローソンストア100と協業し、ミニスーパーマーケット(ミニSM) の新フォーマットとなる「Lミニマート」の出店を開始した。1号店の小平仲町店を5月28日、東京都小平市にオープンした。もともとローソンストア100として運営していた直営店を改装し、新フォーマットに転換した。売場面積は約57坪。

Lミニマート1号店の小平仲町店。ロゴマークではローソンとローソンストア100のブランドカラーを融合させた。ローソンのブランドカラーはブルーとピンク、ローソンストア100のブランドカラーはグリーンとレッドだが、今回、ローソンのブランドカラーの1色であるピンクと、ローソンストア100 のブランドカラーの1色であるグリーンを組み合わせたデザインを採用。両社の強みを融合し、新たな価値創造とお客様の暮らしに寄り添う店舗づくりへの思いを表現している

ローソンはグループとしては2005年から「ローソンストア100」を展開し、また、14年にはローソンストア100の進化型店舗としてやや大型の「ローソンマート」を出店するなど、生鮮食品を含めたSMの商品構成を持つフォーマットを模索してきた。一方でかつては1200店を超えていたローソンストア100の店舗数は現在では600店を下回るなど半減し、一方でローソンマートの屋号の店も姿を消すなど、事業としての模索が続けられていることは確かだ。

ローソンとしては、今回のフォーマット開発の背景として「都心回帰への強まりや首都圏における生活様式の変化」、それを受けての日常の買物において「短時間で必要な分だけ購入したい」といったニーズがあるとするが、その意味では同社としてのSM商品構成への再挑戦ということもできる。

もっとも、今回、ローソンは新フォーマットについて、あくまで「実証実験」を開始するというスタンスであることはポイントとなる。今後、6月12日に東京・板橋に板橋西台三丁目店、6月26日に神奈川県平塚市に平塚明石店がオープン予定で、今年度中に6店ほど出店し、そこで検証をしていくという。

また、今回のフォーマット構築の考え方として象徴的といえるのは、「あくまでミニスーパー」として開発している点だ。ローソンストア100も、その進化型であるローソンマートも、同社としては「生鮮コンビニ」と位置付けていた。つまり、従来得意とするコンビニに、SMの商品構成を「加えた」フォーマットといえた。

その点、今回は「コンビニ」の表現はなく、始めから「ミニスーパー」を開発するスタンスになっている点に、フォーマット開発としての覚悟を感じる。「首都圏における生活様式や購買行動の変化に対する新たな店舗フォーマットとして、既存業態とは役割を分け、特に『日常の食材・食品購入』にフォーカスしたミニスーパーの有効性を検証いたします」とローソンは強調する。

Lミニマートのコンセプトは、「日常生活に必要なものをいつでも・おトクに、地域に寄り添いマチをハッピーにするミニスーパー」。限られた売場面積で生鮮、日配、冷凍食品、惣菜など「日々の暮らしに欠かせない商品」を「お求めやすい価格」で提供することで、「地域のお客様の毎日の生活をより豊かにすることを目指します」としている。

ポイントとなるのは4月の決算説明会で紹介された3つの要素に集約される。「鮮度にこだわった青果・果物(いつ行っても新鮮な生鮮品を品揃え)」「食卓に便利な商品の品揃えを強化(日配食品・冷凍食品・精肉などの売場を拡大)」「お値ごろ感のある価格(普段使いでき、お求めやすく、お得感のある価格で生活をサポート)」。生鮮食品と日配の取り扱い、そして価格の強化の3つだ。

青果については、家庭料理の土台となる玉ネギやニンジンなどの定番野菜はローソングループの調達力を活用し、値頃の価格を打ち出す他、市場直送の野菜、果物類の取り扱いも実験的に実施していく。また、精肉についてもアウトパックながら日常の献立に欠かせない商品を牛肉も含め豚肉、鶏肉の各畜種、幅広く品揃え。鮮魚も一部、アウトパック商品を取り扱う。

青果の常温売場
青果の冷蔵ケース
精肉はローソンストア100と比べ、牛肉を増やした。鮮魚は限定的な品揃えながら、塩干中心に上段で品揃えされる

卵、豆腐、牛乳などの日配食品についてはコンビニでも取り扱いはあるが、例えば豆腐53円(税込み)、納豆96円(同)など、ミニSMとして値頃な価格に設定した上で毎日低価格(EDLP)で提供。定期的なチラシ配布やクーポン施策を行わず、シンプルな価格設計とすることで、日常使いしやすい低価格の実現を目指す。

牛乳も主力商品の陳列量が多くなっている
ペットボトル飲料、レディトゥドリンクなどの酒はリーチインケースで冷蔵販売
冷凍食品はリーチインケースで展開
調味料など、素材系の商品はSM的に充実している
カップ麺売場

一方で特価特売として「週間」「月間」の販促も定期的に実施していく。特に週間の販促については「週替わりお買い得カレンダー」を店内に掲出しながらアピール。買物の「習慣化」と頻度高い来店をしてもらう意図が見て取れる。

週替わりお買い得カレンダー(これはイメージ)を店内に掲示し、来店を促す
レジ脇の壁面では催事のようなスペースを設置。オープン日には福袋を展開した

また、惣菜については小平仲町店では店内で調理した唐揚げ、コロッケ、春巻、焼き鳥など温惣菜を展開。コンビニのカウンターフーズと同様の展開だが、中心となるアイテムは「おかず」になる商品としている。

コンビニのカウンターフーズのように店内調理の惣菜を展開。これは店内加工をしないまいばすけっとやトライアルゴーとの最大の違いといえる
惣菜はアウトパックの弁当やおにぎりなども展開
冷惣菜はアウトパックのため、コンビニの売場の強みが生かせる

一方で、EDLPを実践していくこともあって、店舗運営についてもSMに寄せ、よりローコストを志向したものとしている。例えば、多くのコンビニで取り扱いの商品以外に提供するカウンターサービスについては必要な機能に絞ったシンプルな構成としている。

ATM は設置する一方で、収納代行など対面対応を伴うサービスは取り扱わず、その分、商品や価格、売場づくりに集中する。レジについては全台でセルフレジに対応可能なレジシステムを導入。ミニSMとして、物量も多くなると見込み、有人対応もできるカウンターのレジに加え、キャッシュレスの常時フルセルフで運用するレジも設置。さらに一部のセルフレジでは酒類、たばこなどの年齢確認が必要な商品にも対応したものとしている。

営業時間についても、24時間営業ではなく、より多くの人が買物する時間帯に合わせて朝7時開店、夜23時閉店とし、コアタイムにウエートを置くことで効率化を目指した店舗運営としていく。また、今回、従業員ユニフォームにはエプロンタイプを採用した。

今回、首都圏をターゲットにミニSMのフォーマット開発が始まった形だが、特に首都圏ではミニSMとしてイオングループのまいばすけっと、やや大型店にはなるがマルエツ プチがそれなりの勢力を築いている他、昨年から展開が始まったトライアルゴーも、首都圏の肥沃なマーケットを視野に出店を模索している。

店舗網を広げているまいばすけっととマルエツ プチは実際のところ、フォーマット開発の過程においてそれなりの試行錯誤を経ている。また、特にローソンマートが開発当初、3年間で東名阪500店体制を目指すことを表明しながらフォーマットがなくなったという経緯を踏まえれば、今回、実証実験という形で取り組みを開始したローソンの姿勢は妥当であるといえる。その意味では、Lミニマートのこれからの「変化」にこそ、注目したいところだ。

Lミニマート小平仲町店概要

所在地/東京都小平市仲町251

オープン日/5月28日

営業時間/7時~23時

取扱商品/青果、精肉、日配品、冷凍食品、デザート、ベーカリー、調味料、飲料、菓子、日用品など

店舗面積/249㎡

売場面積/189.1㎡

お役立ち資料データ

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