生鮮市場TOPひたちなか店が4月22日オープン、新商勢圏に標準店で出店の一方で、取扱商品拡大の実験も

2026.04.28

マミーマートは4月22日、「生鮮市場TOP!」の茨城県内2店目となる生鮮市場TOPひたちなか店をオープンした。生鮮市場TOP!は土曜日にオープンすることが多いが、今回のオープンは水曜日。売上げの高まるゴールデンウィークを控え、オペレーションの安定化を図る目的もあって当初計画よりオープンを少し前倒した。立地的に行楽需要も見込まれることから、最需要期の前に少し見極める意図もあった。

ひたちなか店は、既存の生鮮市場TOP!の出店エリアからかなり離れていて、最寄りのアクロスプラザ宇都宮インターパーク店(栃木県宇都宮市)、あるいは龍ケ崎サプラ店(茨城県龍ケ崎市)からも共に直線距離で約60km離れている。その意味ではひたちなか店は、同社としても新たな商勢圏の開拓という位置付けも持つ。

周囲には住宅が立ち並ぶが、JR常磐線勝田駅から東南方向に直線距離で約1.3km、ひたちなか海浜鉄道金上駅からは同約300mということで駅前立地でもある。さらに東水戸道路ひたちなかインターチェンジからは同約4km、車で約10分の距離にあることもあって広域からの集客も見込める。

今回、月極駐車場の跡地をショッピングセンター(SC)として開発する中で、核店として先行オープンした。売場面積は655.6坪で、これは生鮮市場TOP!としては標準的な規模。駐車台数は十分とはいえないまでも224台、駐輪台数は118台分確保している。同じ敷地内に並ぶ形で100円均一ショップのセリアもほぼ同時期の出店で、生鮮市場TOP!オープンの2日後、24日にオープンしている。

鉄道駅至近のSC出店。同店の隣に100円均一ショップのセリアがオープンしている

今回オープンしたひたちなか店は、2026年になってからだけでも4店目の新規出店となるなど、フォーマットとして改装を含めハイペースな開発が進む。同社は25年10月1日付けで持ち株会社体制に移行し、旧マミーマートをマミーマートホールディングスに商号変更した上で、スーパーマーケット事業の運営を新設分割会社であるマミーマートに移管した。中期経営計画(24年9月期〜26年9月期)で掲げる「先行投資フェーズ」の最終年に当たる今期は、新規出店9店、既存店改装3店と、過去最大の出店数を計画する。

ひたちなか店は、ひたちなか市の西部に立地するが、東側に7kmほど行くと海岸になる他、その東側にはホームセンターのジョイフル本田内に出店するジャパンミートがあるため、常務取締役執行役員TOP!事業部長の木場田裕樹氏は、直線距離で約7kmの水戸南インターチェンジ周辺を含む「水戸も商圏にしていかなければいけないと思う」とする。

水戸市との間には那珂川があり、「橋を越えなければいけない」(木場田常務)が、ひたちなか市の人口が約15万1000人に対し、水戸市は約26万5000人とボリュームとしては大きい。「水戸の商圏は商圏として『できてしまっている(既存店である程度すみ分けができている)』と思うが、そこをどうこの先取れるかが、課題になると思うし、それがどうなるかがこの店の売上げの成否にかかわってくると思う」(木場田常務)。そのため、チラシの配布についても水戸市方面も含めて対応していくという。

同店の5km圏の世帯数は約6万世帯で、「出店基準として決して少ないわけではない」(木場田常務)ものの、ひたちなか市側だけでは「少し足りない」(同)とみている。周辺の単身世帯比率は35.5%と高めで、一方で5人以上世帯などの大家族の比率は低い傾向にある。

競合店のジャパンミートはホームセンター内ということもあって週末の集客が大きく、また、バーベキューの需要にも応えているとみられることから、一定のバーベキュー用商品への対応も検討しつつ、ひたちなか店としては、むしろ平日の普段の買物を中心とした日常の食を強化していく。「どちらかというと普段の買物を強く出す。スーパーは足元が強くて、そこの購買率が上がってくるのが一番いい」(木場田常務)との判断からだ。

他方、最も競合する店として、隣の敷地にはドラッグストアなどとの商業集積を形成すヨークベニマル大成店が出店している他、同社としてひたちなか市内だけでも5店を出店、さらに6月にひたちなか馬渡店(仮称)の新規出店の予定もあるなどドミナントを形成する。特に平日の競合としては同社との競合度合いは大きいものとみられる。

そうした中、新商勢圏に出店したひたちなか店だが、売場は生鮮市場TOP!フォーマットの「標準に近い」(木場田常務)形での出店で、あくまで同フォーマットの強みを打ち出す戦略。マーチャンダイジング、品揃えSKU共にこれまでの店舗から大きく変えず、約1万SKUをベースに構成した。

商品はケース売りや大量目での販売がメイン。店頭でも買い得商品を大量陳列し、さらぞろ目を多用した売価で展開する
「八百清」と専門店のような看板を掲げる青果ではSKUを絞り込み、大量陳列することが大きな特徴
大量陳列のためにSKUを絞る半面、「料理好きが通いたくなる」のコンセプトもあって、調理用バナナなど各カテゴリーで展開品目の深掘りがみられる
トマトは青果の中の強化カテゴリーの位置付けで品揃えを強化
ラム肉のコーナー化は生鮮市場TOP!の大きな特徴。専門性を高め、盛り合わせの他、スペアリブ、タン、ハツのホルモンまで取り扱う
牛肉売場は「地域ナンバーワン」の売場を目指す。平ケースに立体感のあるトレーの商品が大量に並ぶ。ケースを覗き込みながらじっくり商品を吟味するお客が多い
強化カテゴリーとして育成してきた牛タン。単独でコーナー展開するまでに品揃えが充実してきている
味付け商品の充実も生鮮市場TOP!の特徴。畜種ごと、多様な味付け商品を展開
ひたちなか店では平ケースの主通路側に鶏の味付け商品を配置し、強化されている
惣菜では弁当を前面で展開。オープン日はお弁当・お惣菜大賞2026弁当部門入選の「人気メニュー三昧!松花堂弁当」を平台に大量に陳列し、売り込んだ
惣菜の定番和スイーツのおはぎでは小さなサイズの「こはぎ」も品揃え

もちろん、ところどころに地域対応を含む新規商品を差し込んでいる。精肉では今回、合いガモ肉の取り扱いを開始した。精肉で4品目、味付けで2品目程度の取り扱いだが、まさにこれからどう育てていくかを考えていく段階だという。

精肉売場のラムコーナーにアイガモ肉4品目を差し込んだ。冬のそばや鍋の需要だけでなく、「焼き」用途の商品化などを交え通年販売を視野に入れる
アイガモは味付け商品も開発し、2品目展開。「焼き」による需要の要ともなる提案といえる

「カモの食べ方は幾つかあると思うが、一番多いのは(冬の)そばや鍋。それを『焼き』で提案すれば用途が広がってきてもう少し量が売れ、しかも通年売れる可能性があるということで仕掛けている。鍋のときだけ売って、夏場になると縮小していくのではなく、『焼き』の方でということになると通年で売れるので、売場として成立してくる」(木場田常務)

一方で豚肉についてはスペアリブなどの骨付き肉に着目し、売場での展開を強化している。

カナダ産スペアリブ、豚バラ軟骨などを大々的に売り込む。ここまで売場で強化する企業も少ないため、差別化になる。部門内での売上高のランキングも高いという
豚バラだけでなく、ロースも骨付きのポークチョップの形で販売。べーべキューにも活用できそうな商品だ

鮮魚は既存店同様、豊洲市場からの調達をメインとしつつ、地域対応として近隣の水戸市場からも買い付けを行い、従来の店と比べて丸物を含む生魚を強化している。

鮮魚は丸物を強化。従来同様、豊洲市場を打ち出しながら地元の水戸市場からも商品を引く
既存店では単独でコーナー化することもあるエビは、今回は売場を縮小。これは丸物を強化したことによる影響で、個店別に品揃えを変えていることの表れ

また、試行錯誤の末、直近では品揃えをしていなかった刺身の盛り合わせについても復活。生鮮市場TOP!では鮮魚刺身盛り合わせはこれまで実験的に展開したこともあったが、特に最近は品揃えしない方針に傾いていた。作業するための人時、さらに作業場やまな板などハード面の条件を踏まえた上であるが、今後、フォーマットとしての必要性を踏まえ、展開を検討する段階に入ったという。

品目は絞り込まれているが、刺身盛り合わせを復活。「本当にテスト的」(木場田常務)な取り組みではあるが、販売と作業負荷の両面を慎重に検証する
握り寿司は鮮魚売場のみで展開。今回、刺身盛り合わせの展開が再開したが、その盛り合わせに寿司からスムースに移行している。いなり寿司、巻き寿司など助六寿司は惣菜で展開する
漬け魚は強化カテゴリーだが、精肉同様、プルコギならぬ「プルコ魚」など、味付け商品も展開

青果では、産地として旬を迎えつつあるアスパラガスやメロンについて強化した他、地域対応として茨城産の干し芋をコーナー化し、実験的に展開。

地域対応として売場入口付近でコーナー化された茨城県ではなじみの干し芋
惣菜では暑くなるこれからの時季に向けて、アジなどの南蛮酢が登場し始めるが、鶏ムネ肉を原料とした商品も投入するなど、唐揚げや鶏天だけに頼らない鶏の新規商品開発に注力
インストアベーカリーでは塩パンを強化。塩メロンパンなどの他、塩パンで具を挟んだ塩パンサンドを商品化し、ソーセージやタルタルフィッシュといった惣菜系の他、あんバター風味といったスイーツまで、バリエーションを増やしている

日配商品ではキムチ売場を強化し、58種類もの商品を展開する他、豆腐、納豆では地域一番価格を

打ち出しながら、納豆については地元でなじみのある商品として茨城県発祥の「くめ納豆」を前面で展開。また、冷凍食品ではギョーザの品揃えを充実させた。

強化したキムチ売場
和日配の定番商品である豆腐、納豆は地域一番価格を打ち出す。納豆は「くめ納豆」を売り込む
ギョーザを冷凍食品の中の強化カテゴリーと位置付け、品揃えを充実、訴求する

生鮮市場TOP!として出店エリアが拡大する中、品揃えについて現状の600坪台、約1万SKUのままで良いかということについて検討を開始しているという。

「この先は、いろんなことを考えないといけないと思っている。もしかしたら、もっと坪数の大きいところもできるのではということは頭の中では描いている。当初のコンセプトで『やらない』としていたところも、生鮮の中で(品揃えで)足りていない部分になっているのではないか。一番分かりやすいのは、今回出しているお造りの盛り合わせ。今後のことも考えて、こうしたものをどう足して行けるか、販売側と作業面も見ながら間延び間なく足して行きたい」(木場田常務)

例えば青果でも、品目ごと規格も絞り込むことで主なSKU展開が量目のバリエーションだけになっていた点についても、複数の規格を持ちながら反応を見ていきたいという。「特に産地だと、あるところで(競合店も含め同じ産地の同じ規格で)固まってきてしまうので、違う産地から違うサイズを持って来ればそれはメリットになるかもしれない」(木場田常務)。今回、産地として規格を複数展開したアスパラガスなどは、そうした展開を模索するための実験の意味合いも持つ。

青果のアスパラガスでは実験的に規格に幅を持たせた。特に産地などでは旬の時季に主力の規格による競争が激化するため、他産地の商品を持ち込むことで差別化を図るなど戦略上の選択肢を広げる

価格戦略についても、売場をあまり変化させないローコストオペレーション志向でエブリデーロープライス(EDLP、毎日低価格)を強みとしているが、チラシなどのハイ&ロー販促の感度が高い商圏も実際にあることから、競合激化の中では大量陳列した上でのケース陳列の追求などEDLPのさらなる強化を含めた対策が期待される。

レディトゥドリンクなどもあくまで常温で販売するなど、ローコストオペレーションに徹する部分は変わらない
ローコストに徹しながらも、洋酒のウイスキーなど、ポイントポイントでは高単価の商品も差し込まれている。日常使いの利便性だけでなく、目的来店性の高い商品もあることが来店動機を生む
レトルトカレーの高単価の商品など、グロサリーの一部カテゴリーではミックスマッチ販売を展開し、買い上げを促している

強いフォーマットとして急拡大が続く生鮮市場TOP!だが、マクロの商品トレンドに合わせた進化と併せ、商勢圏の拡大に伴う新たな競合などの中で、さらなるパワーアップへの模索が続く。

木場田裕樹・常務取締役執行役員TOP!事業部長。3月1日付で販売事業部長からTOP!事業部長に転じた。急速に店舗数が増加する中、生鮮市場TOP!のさらなる進化を模索する

生鮮市場TOPひたちなか店概要

所在地/茨城県ひたちなか市大成町5-1

オープン日/2026年4月22日

営業時間/9時〜21時

駐車台数/224台

駐輪台数/118台

売場面積/655.6坪(2167.26㎡)

店長/杉山正樹

お役立ち資料データ

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