MAP包装は定着するか? 新型包装に熱い視線、FOOMA JAPAN 2024は過去最多の989社が出展

2024.06.10

一般社団法人日本食品機械工業会は2024年6月4日~7日までの4日間、東京ビッグサイト東展示棟で世界最大級の食品製造総合展「FOOMAJAPAN2024」を開催した。47回目となる今年は「Breakthrough FOOMA」をテーマとし、出展者数は過去最多となる989社、展示ソリューションは5000に上った。来場者数は11万3777人、うち海外5541人だった。

初出展は119社、昨年と比較して食品製造・加工分野、包装、充てん分野、ロボット、IT、IoT(モノのインターネット)、フードテック分野、環境対策、省エネ、リサイクル分野の出展社が増加傾向にあった。

特に包装に関しては、技術はあってもなかなか普及しなかったMAP(Modified Atmosphere Packaging)包装について踏み込んだ提案も見られ、今後、鮮度保持を意識した包装が日本で普及する上でも重要な局面であることが伺えた。

特に「日本のスーパーマーケット(SM)に“MAP包装”を普及させる」とのメッセージで世界初の一体型MAPトレーシーラー「LX-5600」を初公開した寺岡精工は、展示内容を全面的にMAP包装に寄せ、スーパーマーケットや食品工場で包装する食品の消費期限延長・フードロス削減のメリットを訴求するなど、踏み込んだ提案が目立った。

「LX-5600」は計量、ガスフラッシュ(容器へのガスの噴き付け)、トップシール、値付機能を一体化した世界初の「一体型MAPトレーシーラー」。店舗のバックヤードや小規模食品工場で使用可能なコンパクトな設計で、生鮮食品のロングライフ化(消費期限延長)、フードロス削減の実現に寄与するとしている。

寺岡精工が展示した一体型MAPトレーシーラーのLX-5600。ワンストップ機能を強化して店舗での使い勝手を追求
軽量から包装、値付けまで一括でできることがポイント
寺岡精工ではMAP包装の他、深絞り、スキンパックなど空気に触れない真空包装を含め、鮮度保持につながる包装形態を提案
スキンパックや深絞りの包装は、豚鶏を中心に日本でも次第に導入が進みつつある

同社では、①海外では欧州を中心に店内でのMAP包装が広く普及していて、製造日から1週間以上日持ちする商品も多く販売されていること、②日本でも、生活スタイルの変化やフードロス問題への関心の高まりなどからコンビニの惣菜商品などを中心にMAP包装の導入は進みつつあるとの実態がある中、大がかりな設備や広いスペースの確保が必要なため、店内で製造、包装される生鮮食品のMAP包装はほとんど行われていないとの現状認識を示す。

その点、「LX-5600」は計量、ガスフラッシュ包装、自動値付機能を一体化したことから省スペースでの運用が可能。SMなどのバックヤードや、小規模な食品工場への導入も可能であるとしている。

食品加工や真空包装のための機械販売を行うNASCOは、MAP包装を応用し、一部SMや外食などで展開されているビュッフェに関するMAP包装によるソリューションを提案。ビュッフェの料理1品ずつ、MAP包装で在庫管理、補充、陳列までが完結する仕様とし、ローコストオペレーションと鮮度保持を実現する。

ビュッフェ方式、もしくは量り売り方式による惣菜やサラダ商品の提供は、これまで日本でも多くの企業がチャレンジし、結果として製造作業を含む補充のオペレーションの問題、さらにロス管理などの問題もあって、売場から消える流れになっていた。

NASCOが展示したビュッフェへのMAP包装の応用。製造時にMAP包装をした上で冷蔵で在庫を流通、保管し、そのまま売場で展開できる仕様。補充は容器ごと変えることで、ローコストオペレーションが実現できる

それらの問題をMAP包装によって解決できるか。注目の取り組みといえる。実際、SMだけでなく、サラダビュッフェなどを展開するケースが多い外食チェーンなどの関心も高いという。

MAP包装は、そのメリットが認識されながらも、設備投資の問題、さらに対応したトレー自体が高価ということもあってなかなか普及していない。一方で、日本最大のチェーンストアであるセブン-イレブン・ジャパンが「カップデリ」シリーズでMAP包装を採用したことは大きい。同社としてもウェブサイトなどでそのメリットを積極的にアピールしている上、実際、店頭での販売も好調のようだ。

包装機械の輸入、包装資材の販売などを行うムルチバック・ジャパンもMAP包装などを以前から提案してきた
ムルチバック・ジャパンでは、店内でも導入しやすい小型の機器をヤオコーの導入事例と共に提案
フクシマガリレイなどガリレイグループはブラストチラー、ショックフリーザーなど凍結機器を前面に打ち出していた。冷凍の食材、商品の活用がよりしやすくなる

消費者がメリットを感じ、それらを選ぶようになることと併せ、ロス削減などのメリットが具体化すれば、投資対効果としても導入を推進する動きにつながる。

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