支出は一気に洋菓子モードへ、月間通しでハロウィーン展開、和菓子は十三夜対応で|「これは押さえたい」菓子・スイーツ編・2022年10月

2022.09.07

2022.11.09

トルティーノ 中村 徹

昨年2021年の10月は1日に新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が解除となり、徐々に行動制限が解除される月となった。

祝日は本来11日(月)が「スポーツの日」であるのだが、東京オリンピック開催延期の影響で祝日が7月に移動し祝日のない変則的な10月であった。本年の10月は10日(月)がスポーツの日となり、土曜日からの3連休となる。月全体では昨年と比べ金曜減の月曜増で週末型の店舗では0.5%程度の減収要因となるが、平日の増減なのでおおよそ同じ程度の曜日周りと考えてよいだろう。

10月はハロウィーンがあるがピークは30日(日)と31日(月)になるだろう。菓子関係の催事カレンダーを見てみると、8日(土)は「十三夜」である。また毎月の催事日である6日」「手巻きロールの日」、15日「菓子の日」、19日「シュークリームの日」、22日「ショートケーキの日」など菓子関係の日が多く存在する。

また、10月は収穫のシーズンになる。今年の3カ月予報では東西太平洋側では雨が多めで、気温は平年並みか高い予想がされている。昨年と同様、旅行など外出機会は増加するであろう。一方でかなりまだ新型コロナの第7波の影響も残り、客数の予測が難しい10月になりそうである。

総務省家計調査の「<品目分類>1世帯当たり年間の品目別支出金額,購入数量及び平均価格」を見てみると、品目別令和2年年間の月別支出金額が掲載されている。菓子類の10月を見てみると、年間平均金額に対し、まんじゅうが108.0%、プリンが106.1%、他の洋生菓子が103.4%と、洋生菓子系が比較的好調な月となる。

一方で9月好調だった他の和生菓子が97.1%と若干落ち込む。これらの商品群のトレンドを見るために「令和2年年間消費金額/平成12年年間消費金額」を計算してみると、プリンは101.0%とわずかであるが伸長しているが、まんじゅう43.6%、他の和生菓子85.1%と激減している。

洋生菓子系は指数的に徐々に上昇してくる月となる。これらを総合的に考えると和菓子の催事のポイントをしっかり押さえてハロウィーンなど洋風の企画に乗って洋菓子系を伸ばしていくと良いと思う。

十三夜

10月8日(土)は十三夜に当たる。先月も述べたが十五夜は旧暦の8月15日に当たり、旧暦9月13日の夜に十三夜がある。この十三夜は、十五夜とセットでお祝いすることが良しとされており、どちらか片方しかお祝いしないと「片月見」などとして忌むこととされていた。

十三夜は別名「豆名月」「栗名月」とも呼ばれ、豆や栗の収穫を祝うものでもあった。一般的には十三夜には13個の団子をピラミッド状に積んで、ススキなど秋の七草と共に月見ができる場所に飾るものであるが、名前の由来通り栗まんじゅうや豆大福などを飾ってもよいものだろう。

プリン

冒頭でも触れたが、10月はプリンの指数が上がってくる。8月までは圧倒的にゼリーの指数が高いが、気温も低下してくるとやや甘味の強いプリンの味と食感が好まれる。従って10月には「プリン祭り」「プリンフェアー」などと仕掛けていきたい。

10月のカレンダーからすると8日(土)~10日(月、スポーツの日)までの3連休を含む期間が適当であろう。一言で「プリン」といっても「プッチンプリン」のような定番商品から洋生菓子に近いプリン・ア・ラ・モードまでさまざまである。これらを一堂に会して平台などで展開するのだ。もちろん、販促物をしっかり準備して分かりやすい売場づくりをする必要がある。写真

洋菓子

10月は12月に向けて他の洋生菓子の指数が上がり始める。スポンジを使用した商品もこの時季辺りから徐々に売れるようになってくる。夏場でもあまり落ち込まないロールケーキをはじめ、カップケーキ類もスポンジ系に移行していく。

10月の旬のフルーツには柿や梨、巨砲、栗、リンゴ、早生のミカンなどがあるが、こういった食材とうまく合わせたカップケーキは好まれる商品となる。また和菓子でもこういった旬のフルーツをイメージした上生菓子などが提案できると菓子類も華やかになるであろう。いずれにしても10月は「秋の収穫」をイメージした展開をして旬の訴求をしていき、12月のピークに結び付けたい。

ハロウィーン

10月にはハロウィーンがあり、月間を通じてハロウィーンの売場づくりが必要になる。

商品としてもカボチャ関連の商品を月間で提供していく必要がある。ハロウィーンの歴史は古く、世界の各文化圏で独自の進化をしている。日本では主に仮装パーティー、カボチャの菓子を食べるといったことが定着している。特に10月31日の仮装は年々盛んになっている。カボチャの菓子としてはカップデザートやパンプキンプリン、カボチャモンブランなどさまざまなものが展開される。こういった波にうまく乗り、売上げに結び付ける必要がある。

売場展開

10月の売場展開のテーマは「秋真っ盛り」「食欲の秋」「実りの秋」といった切り口になる。気温も下がり、過ごしやすくなり、食が進むシーズンになる。こういった時季は旬をいかに取り入れて一番おいしいところを提案するかにかかってくる。

フルーツはリンゴや柿、梨などが旬になってくるが、リンゴは産地での夏の長雨での被害が心配である。潤沢に商品が出回れば価格も値ごろになってくるので、洋菓子などの材料としても使いやすいであろう。

「フルーツ祭り」は毎月行いたい企画である。毎月8日が果物の日であり、10月は26日が「柿の日」なので他の企画との兼ね合いを考えると20日くらいから仕掛けると気温も下がっていて良いのではないだろうか。

この時季はカットフルーツもブドウや柿を中心に秋のフルーツに変わってくる。これに合わせてプレーンヨーグルトやフルーツヨーグルト、フルーツゼリーを一緒に訴求すると統一感が出て良いだろう。

トレンド商品

7月のトレンド商品でも少し触れたが、旬とも重なってサツマ芋がブームになりそうである。最近では真夏でもスーパーマーケットなどで焼き芋を販売しているが、加工品としてもロールケーキやサンドイッチの中身やカップデザートの材料としてトレンドになりつつある。

モンブランでも栗だけではなくサツマ芋を使ったりしている。洋菓子だけでなく和菓子でも芋ようかんや大学芋、芋けんぴなどがあり、どれも定番として人気がある。ネットなどで見てもサツマ芋スイーツの取り寄せ商品が多くあり、どれも人気のようである。10月は旬を迎えるのでサツマ芋の種類などにもこだわって商品を見ておきたいものである。

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