規格工夫で単価アップ狙い、果物は洋ナシ、ミカン、リンゴ|「これは押さえたい」青果編・2022年11月
2022.11.08
2022.12.02
創風土パートナー 代田 実
年間最大のマーケットの12月を前に消費意欲が低くなる11月、来店客にできるだけたくさん買ってもらうための「買上点数・単価アップ」が商売のポイントとなる。
特に野菜は、ここ数年11月に卸売価格が年間で最も安くなる傾向が続いており、買上点数アップ施策が売上げを左右すると言ってもよい。均一セールや鍋物材料セールなど買上点数を伸ばすために有効な施策を計画的に実施するとよいだろう。
一方で果物は、ミカン、リンゴが本格シーズン入りすることで消費が一気に伸びるので、これら品目をうまく販売すれば青果全体の売上げをけん引することができる。
売場での品質管理を徹底し、リピート購入に結び付く味の良い商品を販売することを徹底したい。また、11月から本格的に販売が始まる洋ナシ(ラ・フランス)も押さえておきたい品目の1つだ。
キノコ、土物は規格工夫で単価アップ
多くの野菜の消費金額が低い水準となる11月だが、10月に比べて消費金額が増える数少ない品目が「キノコ類」「土物野菜」だ。特に昨年まで高値だった玉ネギ、ジャガ芋は秋以降価格も落ち着き、箱売りや徳用規格で単価を上げての販売がしやすい環境だ。ばら売りのバンドル販売を行うのもよいだろう。
また、生シイタケなどキノコ類も、通常販売しているパック商品に加え、ばら物を仕入れてスタンドパックに詰めて徳用規格を作ることで単価アップを図ることができる。
洋ナシ(ラ・フランス)
バートレットなど早いものは8月から出回る洋ナシだが、国内で生産されている洋梨の約7割は11月から本格的に出回るラ・フランスだ。洋ナシは幸水や豊水などの和ナシと違い、収穫後追熟させたものを販売するが、ちょうどこの時季(10月下旬以降)から食べごろのラ・フランスが出回り始める。
ミカンやリンゴに隠れてあまり目立たない存在の洋ナシだが、写真のようにかごに盛るなどして売場前面の目立つ場所でシーズンの到来をお客にアピールしていきたい。
早生種に切り替わるミカン
ミカンは11月に入ると各産地とも味の良い早生種に切り替わり、食味が一段と向上する。昨年も多雨の影響で食味がいま1つだった極早生ミカンから早生ミカンに切り替わったことで、売場でのミカンの動きが良くなったが、今年も似た傾向になりそうだ。
極早生種から早生種への切り替えをスムーズに行うためにも、早生種入荷開始前に売場の極早生種は売り切りたい。早生種に切り替えるタイミングでは、売場で早生種初入荷をアピールし、食味が一段と良くなったことをお客に伝えていくと良いだろう。
また、販売期間が半年以上に及ぶミカンは、どうしても売り方がマンネリ化しがちだ。そこでお勧めしたいのが写真のように紙トレーやフルーツパックを使った盛り売りだ。その際、そこに和紙を敷くなどの工夫をすれば高級感を出すことができる。
ふじリンゴ
国内で生産されるリンゴの半分以上を占めるふじリンゴ。早生種のふじは10月から出回るが、本格的なふじリンゴの出回り期間は11月になってからだ。不作傾向で単価も高く、売り難かった昨年から一転して今年は豊作傾向で売りやすいので、積極的に販売したい。
また今年は主産地である青森での降雨が多く、大玉傾向なのに加えて実の肥大に果皮が付いていけず、写真のように実割れを起こすリンゴが相当数出ることが予想されている。こうした実割れリンゴは、食味の面では問題ないが、日持ちしにくいため価格も安めだ。
POPで、「日持ちしにくいので早めに召し上がっていただく」ようお客にお知らせし、売場でも早めに売り切るよう心がければ問題ないので積極的に販売していきたい。