春物商材が活発化、生食、刺身、寿司関連|「これは押さえたい」鮮魚編・2023年2月

2023.01.12

エバーフレッシュ研究所 堀内幹夫

「冬型」の売場に、春物商材が単品レベルでポツリポツリと入り込んで来るのが2月の商売。売場は煩雑にはなるが、春物商材を積極的に導入したい。ただし、気温が下がった日は鍋物セット、鍋物関連商材の拡大など臨機応変な対応が必要となる。2月3日(金)「節分」の翌日からは「湯煮品」中心に生食、刺身類、寿司関連を拡大したい。

図表① 早期春物商材例

目次

寿司

2月は寿司への支出が12月に次いで多い。2月の寿司支出のほとんどは上旬に集中している。

①手巻き寿司セット、ちらし寿司セット(コロコロ寿司含む)のセット企画と食材提案

②吸い物提案、タイ、貝類(アサリ、ハマグリ)、海そう

3年前のある「企業での成功事例として、砂抜きアサリの試食販売がある。節分の日当日に各店200~300kgを完売、売上げは20万~30万円という成果が出た。

また、感染対策はしつつも、有人試食販売も実施してはどうか。

商品企画

のりの長さ(21cm×19cm)を意識して作る。サクが短い場合は、ハーフをつなげる形でも良い。

売価設定にもよるが1 本 30g~ 40g程度。セット物は最大公約数的な具材を中心に盛り付ける。マニアックな食材、し好性の強い食材は、単品での訴求強化。必ず「○人前」、あるいは「〇本分」を提示する。写真は2、3 人前。食材の相場高騰のため、売価設定に注意する。

最近では、1本物だけでなく「ハーフセット」も売れ始めている。ハーフセットも必ず品揃えする。

手巻き寿司セット(2本分)

参考売価:1280円

ハーフセット4本分と3本分セット

参考売価:1480円                        参考売価:1280円

ばらちらし寿司(コロコロ寿司)セット(2、3人用)

参考売価:1280円

トレンド商品

養殖マダイ

マダイは産卵期前の2月~ 4月、脂がのって最もおいしい時季。相場的には2021年の夏過ぎには原体1kg当たり600円台まで値下がりしたが、現在は1kg当たり1050~1100円と大幅な相場高となっている。

産卵を控えたマダイは体色が美しく「桜鯛」とも呼ばれる。2月は「合格祝い」、3月は「卒業祝い」、4月は「新入学、新社会人」と、これから人生の節目となる重要な行事が続き、タイの最大の需要期を迎える。

長く続く相場高に負けない商品企画と売場展開でマダイの拡販を図る。

商圏内の中学校、高等学校などの合格発表、卒業式の日程の把握をし、「姿盛り」の予約販売の告知や商品のサンプル陳列を早めにスタート。最近ではタイの頭や骨は生ごみの問題もあって、さらに本格的な姿造りとなると包装、持ち帰りの煩わしさも加わり敬遠されがちだ。

一方で、頭や尾のない切り身だけでは現状の相場下では割高感があるので、最低限のパーツ(頭片身と尾)を使った簡易型姿造りがお勧め。

タイだけでは物足りない場合は、マグロ赤身、ブリ、サーモンなどを盛り合わせる。具体的なSKU作りとしては図表①のようにさまざまなものが考えられるが、気温の変化、平日、週末、合格発表などに連動して売り込み商品を変化させ月間の売上げ最大化を狙う。脂ののった時期でもありタイ湯引きを加えれば色目的にも春らしさが強調できるのでお勧めだ。

ひな祭りに向けて、ハマグリ、アサリに並ぶタイの吸い物を提案することも必須。三つ葉や花麩、豆麩を添付すると吸い物用途のイメージが訴求できる。

図表② タイのSKU展開例

商品企画例

タイの姿造り…頭を立てるため、ふたができないのがネック
タイの簡易型姿造り(背1本使用)にマグロ、イカを盛り合せた仕様。ふたが通常通りできるのがメリット
タイを野菜とドレッシングで味わうタイサラダセット。シンプルな商品仕様
三つ葉と花麩を添えお吸い物セット。三つ葉、花麩を付けない場合はPOPで「お吸い物」訴求をする

売場展開例

6尺平ケースでの展開を想定。左の約半分が刺身、サラダなど生食用途。右半分が切り身、吸い物セットなど加熱用途の提案。

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