ホットメニューも最終量販期、そば、うどんを売り込む、3月に向けてスナック&冷食も強化|「これは押さえたい」日配編・2023年2月

2023.01.19

城取フードサービス研究所代表 城取博幸

2月の最大イベントは「端午の節句」だが、恵方巻だけで終わらせず、「節分そば」「いわし料理」「節分まんじゅう」などの訴求も忘れずに行う。ホットメニューも最終量販期を迎えるため売り逃しがないようにしたい。

2022年の家計調査のデータで、2月に需要が増え、前年も上回ったカテゴリーは、パン(102.3%)、他のパン(104.8%)、大根漬け(101.1%)、白菜漬け(108.2%)、マーガリン(103.7%)、冷凍調理品(110.0%)、乳酸菌飲料(107.6%)。

2月に需要が増えたが、前年を下回ったカテゴリーは、食パン(97.7%)、2月に需要は変わらないが前年を上回ったカテゴリーは、生うどん、そば(103.3%)、中華麺(106.4%)、揚げかまぼこ(104.3%)、ちくわ(102.9%)、かまぼこ(107.1%)、牛乳(100.1%)、卵(101.5%)、揚げ、がんも(102.45)、梅干し(117.1%)、昆布つくだ煮(111.4%)、バター(100.0%)、ゼリー(112.8%)、プリン(109.9%)、他の洋生菓子(105.9%)、他の飲料(101.5%)、アイス(110.0%)、調理パン(107.5%)、他の主食的食品(105.1%)、乳飲料(107.6%)。

2月に需要はあまり変わらないが前年を下回ったカテゴリーは、魚介つくだ煮(94.9%)、チーズ(98.1%)、納豆(94.9%)、ケーキ(93.7%)、2月に需要が減り、前年も下回ったカテゴリーは、ヨーグルト(92.9%)、豆腐(98.7%)、こんにゃく(101.4%)、他の漬物(97.7%)、他の和生菓子(97.5%)、シューマイ(90.2%)、ギョーザ(96.1%)、コーヒー飲料(86.9%)、果実野菜飲料(92.4%)。

2月に伸びたカテゴリーは、パン、漬物、冷凍食品、麺類、練り製品など、逆に昨年不振であったカテゴリーは豆腐、こんにゃく、中華点心、ヨーグルト、乳製品などであった。2月から需要が伸び、さらに前年を上回った「ゴールデンカテゴリー」は積極的に販売し売り逃しがないようにしたい。

他のパン(菓子パン、デニッシュ)

他のパンは22年は前年比104.8%、3月に向けて消費が伸びるゴールデンカテゴリーだ。28日間の営業であるため1日当たりの消費は4月、5月並みである。

売場づくり

売れる時期であるため平台を1台増設したい。バレンタインデーをターゲットに「チョコパンフェア」を実施する。パン・オ・ショコラ、チョコフランス、コロネ、チョコチップロールなどで平台展開を行う。

生うどん、そば

ホットうどん、そばは最終量販期。3月、4月より1日当たりの消費は多い。消費支出は103.3%と前年をクリアしているため今年も積極的に販売したい。

「ゆで麵」だけでなくおいしい「生麺」もフェースを広げて販売する。

売場づくり

端午の節句には「節分そば」「節分うどん」を訴求する。そば県、うどん県と分かれるため地域に合わせて節分用の品揃えする。鍋付き、プラスチック容器入りの調理麺も「節分そば」「節分うどん」と明記して販売する。

中華麺

中華麺は前年比106.4%で春に向けて需要が伸びるゴールデンカテゴリー。2月は気温も低いためラーメンなどの「ホット麺」を訴求するとともに、「走り」である焼きそば、ちゃんぽんなど「焼き麺」の販売にも力を入れる。

売場づくり

月前半はラーメンを中心に「ホット麺特集」、中旬からは「春の焼き麺特集」を行う。「ソース焼きそば」「あんかけ焼きそば」「皿うどん」「ちゃんぽん」の他に、アジアの「ラクサ」「ミーゴレン」も品揃えしたい。

ちくわ

ちくわは前年比102.9%の伸び、春に向けて需要も伸びるゴールデンカテゴリーだ。ちくわは加熱用、生食用と幅広い料理用途がある。ちくわも春に向けて「加熱」から「生食」へと変わって行くため品切れに注意する。

売場づくり

煮込みちくわは最終量販期を迎える。生ちくわは加熱にも生食でも使えるため量販したい。スライスするだけで「サラダ」や「あえ物」にも混ぜられるため常備食として提案する。

バター

バターは何カ月も需要が低迷しているが、22年2月は前年比100%でかろうじて前年並みになった。12月に次いで需要が高まる。バレンタインデーのケーキ、クッキー、デザート需要である。2月はまだ寒さが続くため煮込み料理、グリル料理やグラタンなど「オーブン料理」の提案も行う。

売場づくり

月初の「雛ケーキ」、中旬の「バランタイン」のデザート需要に合わせて「無塩バター」を大量陳列し、売り込む。「洋食フェア」を企画して「有塩バター」の売り込みも図る。

マーガリン

マーガリンは、22年は前年比103.7%伸び、3月に向けて需要が伸びるゴールデンカテゴリー。3月に次ぐ年間2番目の需要高だ。プラントベース志向やバターとの価格差でマーガリンに需要が移って来ているように思われるため、今年はしっかり売り込みたい。

売場づくり

3月に向けてパンの需要も高まるため、今月からしっかり売り込みたい。サフラワー(紅花)やオリーブ、サンフラワー(ヒマワリ油)などの健康スプレッドも売り込みたい。

他の主食的調理品

スナック類の需要は好調だ。2月は前年比105.1%の伸び、3月に向けて需要も高まるゴールデンカテゴリー。

売場づくり

バレンタインに向けて「チョコがけ」を提案する。チルド「生チョコレート」を溶かし、パンやピザの上からかけたり、ケーキやアイスの上にチョコレートをトッピングするなどの提案をしたい。

冷凍食品

2月から5月にかけて冷凍食品の需要はうなぎ登り。22年は前年比も110%と2桁伸びたゴールデンカテゴリーだ。野菜の高騰があれば冷凍野菜に需要が高まるため十分在庫を確保しておきたい。電気代が高騰しているためケースの掃除は頻繁に実施したい。

売場づくり

2月は受験シーズンであるため「受験生の夜食特集」を企画。冷凍麺(パスタ、うどん、焼きそば、ラーメン)、冷凍米飯(チャーハン、ピラフ、焼きおにぎり)はフェースを広げて販売する。

トレンド商品

ご当地そば(とうじそば)

例えば長野県松本市(奈川)の「とうじそば」。野菜や鶏肉をみそで煮込んだ鍋の中に「とうじ籠」にゆでたそばを入れて温めて食べる。冬は鍋の機会が増えるため締めにそばやうどん、ラーメンを提案する。とうじ籠の代用で「みそこし」を使えば同じことができる。こうすれば鍋底にうどんやそばが残ることはない。一度試してみてはいかがだろうか。

カヌレ

カヌレ(カヌレ・ド・ボルドー)は、フランスボルドーの伝統焼菓子。外はカリカリ、中はしっとりした弾力のある生地が特徴。日本でも最近人気になっているので品揃えしたい。

ベーカリーで販売する場合はカリカリ感を残すためにばら販売、包装して販売する場合はどうしてもカリカリが失われるが中のしっとり感は変わらない。子どもも食べるのでラム酒の少ないものを探したい。写真はナチュラルローソンのカヌレ。

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