世界の健康重視トレンドはここまで来ている!

2022.02.28

2022.04.12

いま世界で起こっている、最新の5つの健康トレンドを解説する。世界中の食品データを多面的に収集、分析しているINNOVA(オランダ・フードバレー)の、グローバルスタンダードの知見を、ぜひ学び取ってほしい。

新型コロナウイルスの影響で健康意識が高まっているのは周知の事実だが、これにより世界で起こっている「うねり」を読み解くことは、食品業界で働く人間にとって次の時代を生きぬくヒントとなり得る。

現代のグローバル社会においては、海外のトレンドが遅かれ早かれ日本へ影響を及ぼすことは明らか。この先、国境を越えた人の往来が徐々に再開していくと、トレンドの流れはさらに加速するだろう。だから今備えなければならないのだ。それでは早速見ていこう。

腸内環境概念のアップデート

世界の消費者の約3分の2が、腸内環境を整えることはカラダ全体の健康につながると考えている。例えばそれは、免疫力の向上やメンタルの安定など、腸は心身の中心であるという意識の高まりだ。

しかも最先端の研究も相まって、この腸内環境の考え方が、著しく発展を遂げているのがいまの時代の特徴。単にお通じを良くするとか、そういうレベルではなくなってきている。例えば「プロバイオティクス」という言葉を聞いたことがある消費者も多いと思うが、これは人の身体に良い影響を与える微生物(善玉菌)を意味する。

さらにいま世界では「プレバイオティクス」の市場が伸びている。これは水溶性の食物繊維やオリゴ糖など、善玉菌が食べる餌になりうる成分のことだ。プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせた「シンバイオティクス」という概念も受け入れられ始めている。

まだ規模は小さいが「ポストバイオティクス」を活用した製品も少しずつ広がりを見せる。これは、プロバイオティクス(善玉菌)がプレバイオティクスを食べた後に生じる代謝物のこと。この代謝物が腸内環境に重要な影響を及ぼしていることが近年わかってきている。 

国によって消費者の理解レベルはさまざまだが、当社消費者アンケート結果によると、アメリカ人の24%、中国人の22%がポストバイオティクスを知っていると回答しているから驚きだ。

Denmark Plain Yogurt(韓国)「プレバイオティクス、プロバイオティクス、ポストバイオティクス配合」

脳や感情面の健康促進

ここ数年、脳や感情面での健康がとても関心を集めており、コロナ下における不安感がその流れを助長している。 心と体は密接に関連しており、両面からケアしてあげる必要があるのだ。前述の腸内環境も脳の健康に深くつながっており、腸の健康を整えることによって、メンタルが安定するといわれている。

脳の健康の分野は非常に幅が広く、ストレス低減やリラックス効果をアピールした食品もあれば、睡眠の質サポートを訴求したものも多い。高齢者にとっては記憶力など認知機能をサポートが大切だろうし、eスポーツに取り組むゲーマーにとっては、脳の瞬発力すなわち集中力が競技パフォーマンスに直結する。

原材料においては、自然由来の「ボタニカル素材」が好まれる傾向にある。例えば、大麻から抽出される一成分でリラックス効果があるCBDが代表例だ。またその他の注目原料ではキノコ類が挙げられる。とくにアメリカにおいては、集中力を高めるヤマブシタケ(Lion’s mane)が脚光を浴びており、ソフトドリンクなどを含むさまざまな食品に活用が進んでいる。紹介する商品はヤマブシタケを配合したコーヒーだ。

Vitacup Mushroom Power Focus Coffee Premium Ground Coffee(アメリカ)「たった1杯で、集中力、エネルギー、代謝、栄養を高めてパワーアップ」

機能的なナチュラルエナジー

自分のエネルギーレベルを上げる「エナジー」という切り口も見逃せない。近年エナジードリンクのカフェインや糖分が、若者の健康に悪影響を与えているというネガティブなニュースを目にすることがある。

しかしその一方で、エナジーをうたった食品や飲料が、新たなステージに入っていることを見逃してはならない。過去5年において、「エナジー+免疫力」や「エナジー+脳の健康」のように機能性をうたったものが急増しているのだ。

スターバックスは、ペプシコと共同で開発したレディ・トゥ・ドリンク(RTD)飲料で、エナジー市場に参入する。米国で2022年3月に発売の「Baya Energy」と名付けられたこの炭酸飲料には、免疫力サポートのための抗酸化物質が含まれる。

また、ボタニカル原料を活用したものや、天然抽出のカフェインを使用したものも、ゼロシュガー訴求も目立つ。 次に紹介するイギリスの製品は、腸内環境や免疫力を訴求した、ナチュラルエナジースタイルのドリンクだ。

Crave Heart Of The Beat Natural Energy Drink With Pineapple Plus Coconut(イギリス)「ナチュラルエナジー+免疫サポート+ゼロシュガー」

プロテインクオリティの追求

日本でもプロテインを訴求した食品がかなり増えてきた。しかし世界に目を向けると含有量だけでなく、クオリティの戦いが既にはじまっている。 

その1つの重要なキーワードが「Complete Protein(完全なタンパク質)」だ。これは、すべての必須アミノ酸を最適な配合で含んでいることを意味する用語。もちろん、消費者が必ずしもタンパク質がアミノ酸で構成されていることを理解しているわけではない。そして現状において企業がComplete Proteinを語っても、一部の意識の高い消費者を除き、意味合いは正確に伝わらないであろう。

しかしクオリティの概念を念頭に商品開発を進めるべき時代に入ったことは間違いない。昨今、植物性のタンパク質が注目されているが、単体の植物原料ではComplete Proteinを実現できないことが多い。よって複数素材、場合によってはプラントベースと動物性のハイブリッド型がタンパク質のクオリティを高める鍵となり得る。食が細くなっている高齢者にとっては、効率的に栄養摂取をする必要があるため、高齢化が進む国々では質に対するニーズはますます高まると考えられる。

Rightrice Cilantro Lime Rice(アメリカ)「レンズ豆粉、ヒヨコ豆粉、エンドウ豆繊維、米粉をブレンドし、1食当たり10gのComplete Proteinを実現。ヴィーガン対応。」

パーソナライゼーション

前述の4つが世界における健康食品トレンドの基本要素であるが、もう1点、ここにパーソナライゼーションを付け加えたい。誰でも経験があると思うが、健康食品を積極的に摂取しても「本当に効果があったのかな? そもそも自分に必要な栄養だったのかな?」と純粋な疑問を抱いてしまうことがある。

当社で実施した消費者アンケートからも「健康食品がもたらす感覚的なメリットより、科学的根拠やデータの方が重要である」と考える消費者が、若い世代を中心に増えてきている結果が見て取れる。

技術の進歩がパーソナライズの流れを促進している。血液検査、DNA検査、さらにスマートウオッチなどウエアラブルを組み合わせ、身体データ、ストレス状態、睡眠の質などを、綿密に取得することはすでに可能だ。この先、データに基づいた、個々人に最適なサービスがより求められる時代がやってくるであろう。

食品企業にとって重要なのは、これらトレンドをいますぐ取り入れることではない。大切なのは世界の大きなベクトルを理解した上で、一歩先の商品開発を進める姿勢だ。そのヒントが世界には無数にあるということを知ってほしい。

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