ゴールデンウィークや母の日等に向けた提案強化。涼味も取り入れる | グロサリー編・2022年5月 「これは押さえたい」重点商品と売場展開

2022.03.07

2022.11.11

フロントオフィス企画 近藤 智

まず、重点商品、売場展開の前に「これは押さえたい」5月の暮らしのたたずまい、販促の流れを週単位で確認しておきたい。

5月のイベント

第1週

5月1日(日)から5月8日(日)の週は3日の「憲法記念日」、4日の「みどりの日」、5日の「こどもの日」と3日連続で国民の祝日や8日の「母の日」が続き、コロナ状況にもよるが、ウキウキ、ワクワクする週である。この週は「子どもが大好きなメニュー」のオンパレードで訴求展開したい

第2週

5月9日(月)から5月15日(日)の週は、早いところでは梅雨入り宣言する地域も出てくるころである。日用雑貨売場ではカビ発生防止グッズ、蚊やハエなど害虫対策グッズなどの拡販態勢に入るが、グロサリー売場では食中毒の発生防止の意味でも「食べきりサイズ」「お一人さまサイズ」など、ミニサイズ商品を訴求展開したい。

第3週

5月16日(月)から5月22日(日)の週は夏の衣替えの準備で防虫剤、収納用品などのニーズが高まるころである。真夏日が増えはじめ、地域によっては猛暑日も出現し始める。脱水症状が話題となるころで、ミネラルウオーター、スポーツドリンクなどペットボトル飲料をメインに缶入り飲料などを訴求したい。

第4週

5月23日(月)から5月31日(火)の期間の次週は、夏の衣替えですっかり夏モードに切り替わり、身の回りが夏一色となる。食卓もテーブルマットなど夏モードの色や柄にかわる時季で、涼味食品や飲料類、焼肉メニューなど夏を前面に打ち出したい。

販促アプローチと売場展開

グロサリーの5月の販促アプローチ、テーマを4つに分けて売場展開と重点商品、トレンド商品を確認しよう。

加工食品

ちびっ子人気メニューオンパレード!

売場展開…5月5日は子どもが主役の「こどもの日」で、この日の前後は子どもが大好きなメニューを連続で訴求提案したい。単品や特定メニューだけではなく、同時に複数の商品、複数のメニューを訴求。例えば、カレールー、シチューのもとなど単品販売ではなくカレー料理、シチュー料理のおいしさ、楽しさを訴求したい。

複数メニュー材料をエンドに同時に陳列するので、訴求ポイントがぼやけないように注意。エンド陳列商品群のまとまりが分かるように、訴求ポイント、コンセプトを明確にすること。

具体的にはエンドタイトルには「子ども大好きメニューコーナー」といった内容を表示。アレルギー体質の子どももいるのでアレルギー物質の入っていないカレールーなども同時に展開し、すべての子どもが対象になるように注意する。

重点商品…ちらし寿司、唐揚げ、カレー、シチュー、ハンバーグ、グラタン、オムライス、お好み焼き、ホットケーキ、うどんなどの人気メニューの具材、調味料、調理材料を中心に展開。

母の日! 家事代行とプレゼントで感謝! 

売場展開…5月8日が「母の日」なので、なるべく家事が軽くなるようにする企画。三大家事の掃除、洗濯、料理を家族で分担して、特に料理では母に休業してもらう提案を実施。感謝の気持ちとして、家事代行とプレゼントの2つを提案。

1つは簡単調理。掃除、洗濯は電化製品が代行してくれるが、ここでは料理について簡単手軽に調理できる「お助けグッズ」を展開。感謝のホームパーティ用メニューとしてちらし寿司、焼肉などの簡単メニューをレシピで提案。もう1つは子どもでも簡単にできるプレゼント用の菓子づくりの製菓材料グッズなどを展開。

重点商品…簡単調理素材として中華などのレトルト調味料、ちらし寿司の素、焼肉のたれ、それらの関連食材を訴求。同時に大型サイズの緑茶、炭酸飲料、果汁系のペットボトル飲料関連やクッキー用の粉類やチョコレートなどの製菓材料も展開する。

のどごし爽快! 初夏の涼味そうめん祭り!

売場展開…夏の味覚のそうめんを中心に、視覚に訴求しながらボリューム展開。エンドでそうめんをメインにそばなどの乾麺類を展開する。売れ筋商品だけでなく見せ筋商品として新しい商品や関連商品も品揃え。

売場づくりのポイントとしては、お客の流れが一番多いところに全面展開すること。まず、「見せる」ことがポイントになる。そのために、涼感を演出しするために水色をイメージカラーにするなどPOPの色使いにも配慮。スペースに余裕があれば、粉をひく水車小屋の模型を置き、水を循環させながら水車を回すなど、注意を引きながら足を止まらせるための演出も実施。さらに、視覚だけでなく風鈴を売場の一角に取り付けるなど、聴覚にもアピールして初夏を演出する。

重点商品…揖保乃糸そうめん、小豆島そうめん、島原そうめんなど全国各地の人気そうめんを展開。値頃の200円と300円の価格ラインの商品群と特級麺の700円までの価格ラインの商品群を品揃えするなど品揃えの幅を広げる。

暑さ迎撃! スタミナ&健康レシピフェア!

売場展開…長期予報での気温予想は高いといわれている。そこで、本格的な夏に入る前にお父さんのスタミナと健康に良いといわれているメニューとその食材や飲料、特に新商品を提案。

販促のポイントは、「価格訴求」ではなく、「健康情報」という付加価値を付けた品揃え訴求である。3段エンドの下段にはスタミナ健康メニューとして「焼肉関連商品」の展開、エンド中段には脂肪を燃やすなどの機能のある特定保健用食品(トクホ)飲料関連、エンド上段には栄養ドリンク類を展開して幅広い品揃えで訴求力を高めたい。

訴求力を高めるキーワードとして、「脂肪を燃やす」「肝機能を強化する」「免疫力を高める」などがあるが、商品の裏面表示を丁寧に読み込み、トクホ商品の特長を丁寧にPOP案内して訴求していく。

重点商品…トクホ商品群の中からの選定商品以外に健康に良いとされる発酵食品の漬物が作れる米ぬか、塩こうじのもとなどの他、簡便調理として味の素の豚チャーシュー用、スペアリブ用などの「スチーミー」シリーズ、和風、洋風、中華風、韓国風の合わせ調味料、永谷園の麻婆茄子や麻婆豆腐などの「レンジのススメ」シリーズなど展開。

菓子

こどもの日!人気のミニ菓子フェア!

売場展開…子どもに人気のミニ菓子、ポケット菓子とキャラクター菓子に加え、4連菓子、小袋スナック菓子を展開。小さな子どもたちに親や祖父母が買い与えるだけでなく、低価格帯の菓子をメインに自分のお小遣いから自分で選んで買うという「食育」の1つとしてもPOP案内。「価格訴求」ではなく、新商品などの「品揃え訴求」がポイント。

重点商品…おやつカンパニーのブタメン、ベビースターラーメンなどはおやつだけではなく、トレンドとしておつまみやサラダのトッピングとしても重宝がられている。湖池屋のポリンキー、エイワの4連カルピスマシュマロ、森永製菓の強炭酸シュワコーラ、若い女性層にも人気のチロルチョコシリーズなど。

感謝の気持ちを添えて、母の日プレゼント! 

売場展開…母と子の関係では10歳未満の子と母、成人した子と母、老母などさまざまだが、いずれも感謝の気持ちを添えてプレゼント用のプチぜいたくな菓子類を展開。子どものお小遣いで買える低単価の菓子類も展開。売場には「お母さんへのメッセージ用紙」と趣旨を書いたPOPを準備してアピールしたい。

重点商品…小学生用には不二家の「アンパンマン」のひとくちビスケットや新商品のカントリーマアム抹茶ショコラ、大人用には明治の新商品でメルティーキッスのモンブラン、ロッテの新商品でチョコパイこだわりのティラミス、ブルボンの新商品でパウダーケーキのミルネージュ、江崎グリコの新商品のメンタルバランスチョコレートGABAフォースリープなど。

冷やして初夏の味を満喫! 涼菓フェア!

売場展開…気温が20℃を超え、初夏の涼菓を食べたくなるころ。そこで、涼味デザートで人気アイテムのゼリー、プリンをフル展開したい。最近ではポリ入り飲料がすっかり下火になってきたが、こんにゃくゼリーが子ども以外にダイエットに関心がある若い女性層に支持されて人気が定着した。水分の多い菓子類、デザート類へのニーズが高まってくる中、涼味デザート以外で冷やすとおいしくなる菓子類も同時にボリューム展開したい。

重点商品…水ようかん、こんにゃくゼリー、プリン、寒天ゼリーなどの水菓子はじめ、冷やしておいしいようかん、もなかなども展開。さらに若い女性層に人気のチアシード入りこんにゃくゼリーもボリューム展開で訴求したい。

ビールのおいしさ引き立つおつまみフェア!

売場展開…気温上昇とともにビール類の需要が伸びてくる時季。関連商品として家飲み用のつまみ類をボリューム展開。従来はラッカセイとさきいかがメインだったが品揃えを深くして、シニアの健康にも配慮したミネラル豊富なナッツ類も展開。ナッツ類はつまみ用だけでなく、おやつ用や製菓材料など用途が広いので小袋から大袋まで品揃え。

海産珍味だけでなく農産珍味も充実させ、乾き物の中でも、水分含有率が高く、こだわり度が深いわかめ類やジャーキー類なども展開する。重点商品…乾き物つまみの必須定番のさきいか、殻付きラッカセイは息の長い売れ筋商品でボリューム展開。健康志向のアーモンド、カシューナッツ、クルミ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、パンプキンシード、ブルベリー、一粒チョコなどを展開。

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