調理麺セット、揚げ物の動きに注意|惣菜編・「これは押さえたい」2022年6月

2022.05.18

日本フードサービス専門学院学院長 林 廣美
城取フードサービス研究所 城取博幸

6月第3週日曜日の父の日のメニューはステーキ、焼肉、ハンバーグ、寿司(握り、ちらし、押し寿司)など。ミックスステーキ、フライドチキン、ステーキ丼、うな重、海鮮ちらし寿司、上だねの握り寿司を販売する。揚げ物売場はフライから唐揚げ、天ぷらにシフトする。

夏に向けて需要増が期待できるカテゴリーは、弁当、おにぎり、調理パン、スナック類、うなぎかば焼き、サラダ、天ぷら、フライ、焼き鳥など。

一方で6月に需要が落ち込むカテゴリーは、寿司、コロッケ、カツ、シューマイ、ギョーザ、ハンバーグなど。コロッケ、カツなどの需要が落ちる半面、天ぷら、唐揚げ、焼き鳥などの需要が高まる。米飯類は寿司(8月除く)が落ち込むが弁当、丼、おにぎりは需要増が期待できる。

天ぷら、フライ

6月は「小の月」であるため消費支出が落ちているように見えるが31日換算とするために1.033を掛ければそれほど消費は落ちていない。むしろ7月に向けて消費を伸ばしているカテゴリーもある。

6月の天ぷらは前年を上回っているため今年も売上アップが望める。天ぷら盛り合わせ、天丼、海老天丼、天丼、涼味麺は重点販売商品だ。

売場展開

6月はコロッケ、カツのフェースを縮小し天ぷらのばら販売、天ぷら盛り合わせ、天丼、麺セットのフェースを広げて販売する。

家計調査の月別消費支出をグラフ化したもの。平均単価×購入数量=支出金額購入数量は1g~1kgと幅があるため小数点を変更して計算する必要もある。前年に比「支出金額」「平均単価」「購入数量」が伸びた場合は「赤字」の「○」。前年に比べて数字が下がったものは「黒字」の「×」で表記

うなぎのかば焼き、うな重

6月のうなぎのかば焼きは、7月の「土用に丑」に次ぐ需要高である。昨年は前年を上回っているカテゴリーだ。米飯では「うな重」「うな丼」「ひつまぶし」「うなぎ&イクラちらし」「うな玉」「うざき」「肝吸い」などの品揃えを強化する。

売場展開

焼き魚コーナーでは「うなぎのかば焼き(1匹、ハーフ)」「うなぎ串」「肝串」を品揃えする。平日は低価格の「うな丼」、週末は高価格の「うな重」と分けて販売する。

サラダ

サラダも夏に向けて消費が伸びる。支出金額に1.033を掛ければ487.6円と7月とほぼ同じだ。前年も上回っていて今年も売上アップが望める。

サラダは大きく2つに分かれる。ポテトサラダ、マカロニサラダ、スパサラダのようなマヨネーズをベースにした「練りサラダ」と、フレッシュ野菜にドレッシングをかける「生野菜サラダ」だ。夏は練りサラダより生野菜サラダの需要が高まる。

売場展開

マヨネーズベースのフェースを縮小し、ドレッシングベースの生野菜サラダのフェースの拡大。青果売場のカット野菜の価格を意識してドレッシングなしの野菜サラダも品揃えしたい。

焼き鳥

焼き鳥を31日換算すれば212円×1.033=219円。年間2番目の消費金額だ。やきとりは8月まで消費が伸びる。前年も上回っているため今年も売上アップが期待できるカテゴリーだ。

売場展開

店内製造の焼き鳥、冷凍炭火焼きやジャンボ焼き鳥など用途を広げて品揃えする。

トレンドアイテム

天丼

短時間で食べられる丼、調理麺を強化。ナンバーワンはカツ丼で2番目は天丼だ。カツ丼や天丼は手間がかかるため家ではなかなか作れない。カツ丼は夏に需要が減る。天丼用の天ぷらは手間があれば店内製造するが、手間がかけられなければ冷凍のプリフライを使用して終日販売を心掛ける。

売場展開

天丼コーナーの品揃えは、「天丼」「ミニ天丼」「えび天丼」「天丼&ざるそば」「天丼&うどん」。常温平台の通路側でコーナー化する。夏に向けて天丼と涼味麺の組み合わせがよく売れるため品切れがないように注意。また、えび天丼も人気であるためフェースを広げて販売する。

皿の上の料理
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肉だんごと肉だんごを使った料理

肉だんごは和洋中エスニック料理に広く使われている。単体で売る場合は「中華黒酢肉だんご」「トマトソースの肉だんご」「和風あんかけ肉だんご」「鶏つくねあんかけ」「エスニック肉だんご」などアイテムを広げて販売したい。

また、肉だんごはいろいろな料理にも使える。パスタのトッピング、中華料理の肉代わり、和風のあんかけ料理などのキット商品を開発したい。

売場展開

単品の肉だんごは、「中華黒酢肉だんご」「和風あんかけ肉だんご」「トマトソースの肉だんご」の3種類の品揃えし、フェースを広げて均一価格で販売。肉だんごを使った料理は「肉だんご酢豚」「肉だんご八宝菜」「肉だんごあんかけ焼きそば」などで中華フェアを企画することも一案。

皿の上の料理
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強化するアイテム

6月は惣菜にとっては売り込みが難しい季節である。梅雨時期になるので天候が雨、晴れなどの変化で、気温が激しくしく高低することで、惣菜の売れる商品がコロコロと変わるからである。商品の発注が難しい時季でもある。天気予報を参考に十分に注意する。

気温の低い日は冬型のカツ丼やハンバーグ弁当、気温が高い日は夏型の冷麺系商品、ちらし寿司、サラダをなど3、4品入れ替えて、冬型、夏型と目立つ陳列でコーナを作るなど、天候に合わせて、面倒でも切り替えをまめに行うようにする方針をたてる。

揚げ物商品については、最高気温が上がるにつれて、フライから唐揚げ系の商品に切り替えていくこと。 

茶そばと小寿司冷麺セット

プラスチック容器に入っているサラダ
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うどんを使った冷麺商品や冷やし中華麺という定番以外に、目新しい季節感を持たせた商品である。もう1つの狙いは茶そばを使うこと。さわやかな涼しさを強調するのと同時に、時間がたつと麺が伸びて風味が変わってしまうことを茶そばの香りでカバーするという商品コンセプトを持っている。

冷麺の品揃えは、うどんの冷麺セット、冷やし中華麺セット、目新しい茶そば冷麺セットを加えて売場の季節感を高める。

組み合わせる寿司は、一口で食べられる手まり寿司とのりを内側にした細巻きなど。茶そばは、緑の色がポイントになるので、色の良い物を探すようにする。値入れの加減は手まり寿司の数で加減するとよい。寿司以外では小型のおにぎりとの組み合わせもよい。

量販するメインはうどんを使った冷麺商品だが、茶そばを使った商品は目立つので合わせて陳列をすると冷麺売場が引き立つ。うどんの冷麺が8に対して茶ばは2くらいの割合で陳列すると季節感も出せる。

カラッと海老かき揚げ

肉料理とブロッコリー
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かき揚げは定番商品で、一年中売れる商品の上に気温の変化に関係なくコンスタントに売れることが多い。作るのが難しいように思っている人も多いが、クッキングシートを使えば簡単。こつさえ覚えれば誰にでも作れる。シートを10cm角くらいにカットして何枚か作っておき、揚げるときにかき揚げの丸い原料を載せて使う。

作り方のこつ

①ボウルに業務用の天ぷら粉を入れ、少なめに水を加えて固めにどろりと(グラタン状に)溶き、小さめのむきエビを入れておく。これはトッピング用のエビの分なので大量には作らない

②玉ネギ、ニンジン、ゴボウの野菜の千切りを水で洗って濡れたままボウルに入れる

③②に天ぷら粉を粉のまま少しずつ直接入れて、両手を使って軽く野菜と混ぜ合わせる。決して力を入れずに混ぜ合わせること(水は入れない)。「ベタッ」となったら粉が少ない証拠なので、さらに少しずつ粉を加え、混ぜてしっかりと天ぷら粉の衣ができたら空気も入れてふんわりと丸めるようにする

④③を丸めたままクッキングシートの上に載せ、シートごと油の中に入れてカラリと揚げる(シートから外れたら取り出す)。

⑤油の中のかき揚げの表面が固くなったら、①のえびを手で適量を取り、かき揚げの上に載せて続けて揚げる。えびに火が通ればでき上がり。クッキングシートは2、3回使えるので1回で捨てずに2、3回使うようにする。写真のように円筒形に揚げるには、ステンレスの型があるので、この型の中に具を入れ、型と共に油の中に入れて揚げる。

スイートコーンとマカロニのサラダ

プラスチック容器に入ったトウモロコシ
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季節のサラダ。青果売場に生のトウモロコシが出る前に売り込むこと。これが決め手。ただし、トッピングに使うスイートコーンに売れる鍵があるので十分に気を付けること。業務用の幾つかのスイートコーン(冷凍と大きな1号缶の缶詰がある)を必ず試食し、甘いスイートコーンを選んで使うのが売れるこつの基本。缶詰のスイートコーンの方が甘いことが多い。これを定番のマカロニサラダの上に、多めにトッピングをするだけの商品化。

6月はマヨネーズ系のサラダ、特にポテトサラダやマカロニサラダが良く売れることも多いので、チャンスを逃さないように売り込む。

青果部門に生のトウモロコシが出はじめたらやめること。季節感を先取りする商品。

パクチー香るタイ風春雨サラダ

白いバックグラウンドの寿司
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最近のアジアンテイスト商品の人気は大きく、売上げが伸びている。できればトレンド商品として取り入れて売り込む必要がある。一見普通に作られている春雨サラダのように見えるが、調味料のベースにナンプラー(東南アジアで使われる魚介で作られる調味料)を使って、味付けをすることで独特のアジアンテイストの風味が出るので、必ず使いたい。

このサラダにはえびが付きものであるため、パクチーと共に忘れずに入れるようにしたい。青果のパクチーが売れている店は積極的に売り込むが、あまり売れない店では、少しずつPOPなどを使って売り込むようにすると良い。

タコとワカメの酢の物

肉と野菜の食事
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昔から初夏の必須商品として外すことができない超定番商品としてよく知られる商品。ただし、最近では薄切りタコの原料原価が高騰してしまって、手ごろな価格で販売ができなくなっている。安くタコの原料が手に入れば、必須定番として売り込みたい。

甘みを生かした酸っぱくない酢を使う味付けが人気。薄切りタコを仕入れて、ワカメ、キュウリスライス、タコ薄切りを甘めの三杯酢(酢、塩、砂糖)であえる。

三杯酢を使って作るが、お勧めは、寿司に使う合わせ酢(惣菜の酢飯の合わせ酢のメーカー品)を使うのが隠れた人気となっている。試してみることを勧める。

中華プチオードブル

プラスチック容器に入れられている食事
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週末の売り込み商品。6月は祝日がないので、週末に力を入れるようにする。ボリュームがあって価格が手ごろな人気メニューとして、中華プチオードブルを売り込む。

ミニ春巻き2個、油淋鶏2個、肉団子2個、中華玉子焼き2個、プチトマト半分を2個、漬物、ザーサイなどを詰め合わせる。ビールなどのつまみや、食事用としてボリュームと価格で買い得感を出すことが可能な商品。

中華メニューのオードブルは人気が高いが、売場にある定番の中華商品を使うことで、作りやすく大量販売の販促企画も可能となる。メニューも春巻きの代わりにシューマイ、油淋鶏の代わりに酢豚、中華の玉子焼きの代わりにカニ玉というようにバリエーションも可能。週末には何種類かのメニューを作り2パックで800円などという販促も組むことができる。

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