気温上昇に合わせたコーヒー飲料、ゼリー、水菓子、アイス、氷菓|「これは押さえたい」日配編・2022年6月

2022.05.23

2022.11.10

城取フードサービス研究所 城取博幸

6月のイベントは1日の衣替え、第3週日曜日の「父の日」、6月21日の「夏至」。父の日のメニューはステーキ、焼肉、ハンバーグ、寿司(にぎり、ちらし、押し寿司)、うなぎかば焼き、パスタ、ピザなど。

おつまみは、板かまぼこ、魚介珍味、枝豆、ソラマメ、焼き鳥、揚げ出し豆腐、シューマイ、ギョーザ、卵焼き、ナチュラルチーズ、スモークチーズなど。

夏至の食べ物は地域によって違うが、トウガン、タコ、焼き餅、イチジク、うどん、ミョウガが食べられている。長雨が続く梅雨の時季は、ネット販売は売上げアップのチャンスである。

2021年6月に需要が伸びたカテゴリーは、中華麺、かまぼこ、魚介つくだ煮、豆腐、梅干し、昆布つくだ煮、ゼリー、アイスクリーム、果肉、野菜飲料、他の飲料だった。

21年6月に需要が伸び、さらに前年も上回っていたゴールデンカテゴリーは、コーヒー飲料、乳酸菌飲料だ。

一方、6月に需要は高いが前月を下回ったカテゴリーは、ちくわ、牛乳、プリン、6月に需要がそれほど変化しなかったカテゴリーは、食パン、菓子パン、生うどん、そば、スナック類、乳飲料、6月に需要が減るが前年を上回ったカテゴリーは、チーズ、卵、揚げかまぼこ、大根漬け、白菜漬け、他の漬物、和生菓子、ケーキ、洋生菓子、冷凍調理品、調理パン、シューマイ、さらに6月に需要が減り前年も下回ったカテゴリーは、ヨーグルト、バター、油揚げ、がんも、納豆、こんにゃく、マーガリン、ギョーザだった。

21年の家計調査では、食費(外食、給食除く)は前月比98.76%と前年割れであった。6月は5月、7月の谷間の月であるように見えるが「小の月」であるためそれほど需要は落ちていない。

7月に向けて需要が伸びるカテゴリー、前年を上回ったゴールデンカテゴリーは積極的に販売したい。一方、7月に向けて需要が減るカテゴリーは、商品はフェースを縮小し売れる商品にスペースを譲りたい。

かまぼこ

かまぼこは昨年前年を下回ったものの、7月に向かい需要が伸びるカテゴリーだ。

カニかまやちくわはサラダやあえ物、冷し麺などの涼味食品や、ビールのおつまみに使われる。「生食用」の需要が高まるとき。

売場展開

生野菜を使ったサラダの需要が高まるため、カニかまはフレーク、チャンク、ステック、チーかまとアイテム、売場を広げて陳列する。

酒のつまみとして板わさを訴求したい。ワサビ漬けはかまぼこの隣りに陳列する。つまみ用の板かまぼこは、おせちの紅白かまぼこと切り方が違う。料理サンプルで拍子切りなど一口サイズの切り方を提案する。

家計調査の月別消費支出をグラフ化したもの。平均単価×購入数量=支出金額

購入数量は1g~1kgと幅があるため小数点を変更して計算する必要もある。前年に比べ「支出金額」「平均単価」「購入数量」が伸びた場合は「赤字」の「○」。前年に比べて数字が下がったものは「黒字」の「×」で表記

梅干し、ラッキョウ漬け

梅干しは昨年需要が落ちたものの、年間2番目の需要高であった。購入数量は年間トップ。平均単価が下がったため支出金額が前年を割ったとも考えられる。6月は梅やラッキョウを漬ける時季。家庭で漬けることは減りつつあるため積極的に販売したい。

売場展開

梅干しは7月がピークであるため6月から売場を拡大して販売。常温保存も可能であるため「梅干し祭り」を企画して平台で展開する。

ギフト用、壺入りなど大型パック、南高梅、個包装梅、刻み梅、練り梅も品揃えする。その他、品揃えとして梅ドリンク、しそドリンク、梅ゼリー、梅酒の梅も販売する。ラッキョウ漬けやニンニク漬けも忘れずに訴求する。

昆布つくだ煮

昆布つくだ煮は気温が上昇する4月から秋まで需要が高まる。昨年6月は需要が落ちてしまった。平均単価は上がったが購入数量が減ったことが原因である。

昆布つくだ煮の特徴は秋から冬にかけ太くなり、夏に向けては切り昆布など細くなる傾向がある。6月は食中毒の季節でもあるため安全な食品として魚介つくだ煮と共に販売する。

売場展開

昆布つくだ煮、魚介つくだ煮は保存が効く食品である。需要が高まる時季には常備菜として大型パックや高級品などアイテムを広げて販売したい。さらに常温保存も可能な商品もあるため、ワゴン販売やサイド陳列で大陳したい。

コーヒー飲料

コーヒー飲料は7月に向けて需要が伸び、昨年も前年を上回ったゴールデンカテゴリーだ。

乳酸菌飲料も同じである。1ℓ紙タイプのコーヒー(無糖、加糖)、カフェオレ、カップタイプ、ポリ入り、紙パック200㎖と包装形態もさまざまであるため、用途に合わせて販売したい。

売場展開

需要が伸びるため陳列ケースの最下段と2段目で1ℓタイプを販売。冷蔵平ケースでは200㎖、カップタイプ、ポリタイプなどのパーソナル飲料を販売する。コーヒーフレッシュ、ガムシロップ、牛乳、生クリームも忘れずに関連販売する。

ゼリー、水菓子

ゼリーも7月にピークを迎える。昨年6月は気温が低かったせいか前年を下回ってしまった。ゼリーはしばらく不振が続いたが、昨年7月には前年を上回り、10月~12月は好調であった。

ゼリーはフルーツゼリーだけでなく、寒天、水ようかん、みつ豆、あんみつ、くず切り、わらび餅などの水菓子も冷蔵ケースで冷やして販売したい。

売場展開

フルーツゼリー、フルーツ寒天、コーヒーゼリーは売場を拡大して販売。水ようかんなどの水菓子、フルーツセリーのギフト需要をしっかりつかむことが必要。売場で商品を詰められるようギフト用箱を用意したり、袋詰め販売、バンドル販売も計画したりしたい。

アイスクリーム、氷菓

アイスクリームの需要は8月までうなぎ上りだ。6月は梅雨の時季にもかかわらず5月の需要を上回っている。残念ながら前年を割ったが今年は積極的に販売したい。梅雨明けから一気に売れ始める。パーソナルタイプは人気キャラクター商品も導入。

売場展開

平均気温が25℃を超えればシャーベット、氷菓、氷がよく売れる。天気予報を見ながら気温マーチャンダイジングを行いたい。

フルーツを使ったカラフルなサンデータイプ、フルーツバーはまとめて陳列する。気温の高い日は氷菓、氷の品切れが発生しないように発注には気を付けたい。ディッシャー、コーン、モナカ、ウエハース、シロップ類も関連販売したい。

トレンド商品

焼きビーフン、米粉パン

小麦粉を使ったパンや麺類の値上げが話題になっている。そうした中、米粉を使った麺類やパンに注目。ライスヌードルの「焼きビーフン」と「ベトナムフォー」「米粉パン」の育成を図りたい。米粉パンやライスヌードルは「グルテンフリー」でもあるためその点も訴求する。関連で「こんにゃく麺」も訴求する。

売場展開

こんにゃくコーナーを縮小して「大豆ミートコーナー」「グルテンフリー、小麦代替コーナー」を設置し、大豆ミート、こんにゃく麺、焼きビーフン、ベトナムフォーをまとめて陳列する。代替ミート、代替フィッシュ、小麦の代替は今後成長が望めるカテゴリーであるため早めにコーナー化を図りたい。

冷凍プラントベースフィッシュ

代替ミートの次にくる食品は代替フィッシュ。プラントベースのツナ缶が登場しているが、最近はこんにゃく粉をベースにした刺身用のマグロの代替品も登場している。刺身こんにゃくと同じ食感で、包丁でマグロのサクのように切れば見た目はまるでまぐろだ。話題性のある商品だけに冷凍食品売場で販売したい

売場展開

寿司、刺身に使われる魚の代替品は、マグロだけでなく、イカ、サーモン、ウナギ、ウニなどの製品も開発されているため、冷凍食品売場にまとめて「刺身用代替魚コーナー」を設置してもおもしろい。スライスナスやミョウガの酢漬けと代替寿司だねを使った「プラントベース寿司」も登場するかもしれない。

リテールトレンドでは、加工商品・グロサリーについてを各種ご紹介しています。

詳しくはこちらより、ご確認ください。