中華麺、乳酸菌飲料などゴールデンカテゴリーの売り逃しを防ぐ|「これは押さえたい」日配編・2022年7月

2022.06.28

2022.11.09

 城取フードサービス研究所 城取博幸

7月の行事は、1日「海開き」「山開き」、2日「半夏生」、7日「七夕」、10日「納豆の日」、13日「盆の迎え火」、15日「お盆」、18日「海の日」、23日「大暑」、25日「かき氷の日」「夏休み」。行事に対応した商品を販売する。

梅雨が明けて気温が上昇するため夏物商品の売りどき、下旬からは夏休みもスタートするため「待ち伏せ的売場」をつくり早めに売場展開したい。

2021年7月家計調査を振り返ると、7月に需要が伸び、前年も上回ったゴールデンカテゴリーは、中華麺、梅干し、昆布つくだ煮、ゼリー、他の洋菓子、アイスクリーム、冷凍食品、調理パン、スナック類、コーヒー飲料、野菜、果実飲料、乳酸菌飲料、乳飲料。

次に7月に需要が前年を上回ったカテゴリーは卵、大根漬け、白菜漬け。

さらに7月に需要は高いが前年を下回ったカテゴリーは、かまぼこ、牛乳、豆腐。

7月に需要がそれほど変化しなかったカテゴリーは他のパン、ゆでそば、ゆでうどん、バター、チーズ、プリン、シューマイ、ギョーザ。

7月に需要が減ったが前年を上回ったカテゴリーは他の和菓子、ケーキ。7月に需要が減り前年も下回ったカテゴリーは食パン、揚げかまぼこ、ちくわ、魚介つくだ煮、ヨーグルト、マーガリン、油揚げ、がんも、納豆、こんにゃく、他の漬物であった。

2021年7月家計調査では、食費(外食、給食除く)は前年比97.6%と前年を下回った。

7月は12月、8月に次ぐ3番目の売上げ。8月に向けて需要が伸びるカテゴリー、前年を上回ったゴールデンカテゴリーは積極的に販売したい。一方、8月に向けて需要が減るカテゴリーの商品は、フェースを縮小し売れる商品に売場スペースを譲りたい。

中華麺

中華麺は8月に次ぐ需要で21年は103.8%と前年を上回った。需要が伸びて前年を上回っているゴールデンカテゴリーだ。調理麺の売上げが好調なため、売り逃さないようにする。冷し中華やざるそばなどの「涼味麺」は気温に大きく左右されるため、天気予報を見て発注する。

売場展開

調理麺の売上げが伸びているため、惣菜売場だけでなく日配売場でも「冷し中華」「冷やしうどん」「冷し担々麺」などの涼味麺、「あんかけ焼きそば」「上海焼きそば」「焼きビーフン」などの調理麺をコーナー化して展開したい。行楽地近くの店は「焼きそば」の品切れに注意したい。

カテゴリー別13カ月トレンド(家計調査二人以上世帯より)

家計調査の月別消費支出をグラフ化したもの。平均単価×購入数量=支出金額

豆腐

昨年7月は99.8%とわずかに前年を下回ったが、年間2番目の需要が高い月であるため売り逃しがないようにしたい。購入数量は増えているが、平均単価が下がったことが足を引っ張った。豆腐も天候、気温に敏感な商品であるため発注には注意する。豆腐売場では「大豆ミート」も販売したい。

売場展開

厚揚げ、油揚げ、こんにゃく売場を縮小して「涼味豆腐」と「料理用豆腐」のスペース拡大。やっこ需要が高まるため、刻みネギ、ミョウガ、ショウガ、かつお節、山形だしは陳列ケースにはめ込んで定番化する。また買上点数アップ対策に「麻婆豆腐」「肉豆腐」「炒り豆腐」「スンドゥブ」「豆腐サラダ」などの料理提案を積極的に行いたい。

白菜漬け

昨年の白菜漬けは6月が底であったが10月に向かい需要が伸びた。7月は109.52%と大幅な伸びであった。2桁近く需要が伸びて、上昇傾向にあるため積極的に販売すればさらに売上げアップが望めるカテゴリーだ。

昨年の白菜漬けは5月から12月まで前年をクリアした。また大根漬け(101.4%)や梅干し(120.4%)も好調であったため7月は漬物に注力して販売したい。

売場展開

白菜刻みカップ、白菜ミックスカップなどカップ入りの商品を訴求。白菜キムチは日持ちがするため焼肉やバーベキュー関連で大陳して販売する。以前は品揃えされていた「白キムチ」「発酵白菜」「水キムチ」などの導入も考えたい。

牛乳

牛乳は95.0%と前年を下回った。それでも気温が高いため年間で2番目の需要高である。豆乳、アーモンドミルク、オーツミルク、甘酒などの「プラントベース飲料」に需要を取られている可能性もあるが、需要期には積極的に販売したい。

飼料が値上がり、牛乳の値上げも予想されるため、販売価格には注意して利益を落とさないようにしたい。

売場展開

需要期であるため売れ筋商品のフェースを十分確保して品切れを防止すると共に、補充回数も減らしたい。「牛乳寒天」「杏仁豆腐」「ババロア」「プリン」「フルーツ牛乳デザート」などクールデザートの提案も行いたい。関連商品は牛乳売場で販売する。

卵は101.4%と前年を上回った。6月から12月まで前年をクリアしている。夏は相場が上がり購入数量が減る傾向が見られるが8月に向けて上昇トレンドとなる。卵は購入数量が減っているが平均単価の上昇から支出金額が上がった。「米と卵は物価の優等生」といわれているが、穀物相場が上がっているため値上げも必至となる。それでも基礎食品であるため積極的に販売したい。

売場展開

地元の卵の他に有名産地のブランド卵も販売したい。そこで「卵かけご飯食べ比べ」といった企画を実施してはどうか。ばらで販売できる店は4~5品にバーコードを付けて販売する。2個入りパックを作り売場で販売するのも一案だ。

温泉卵や卵焼き、冷し茶わん蒸しなどの卵製品も積極的に販売する。

乳酸菌飲料

乳酸菌飲料は年間で一番需要が伸びる月。前年比でも111.9%と大幅に伸びたゴールデンカテゴリーだ。さらに6月から翌年1月まで需要が伸びた。夏の健康、食中毒防止など機能性飲料は伸びているため積極的に販売したい。

売場展開

売れ筋商品の他、地方の乳業メーカーの商品も品揃えしたい。また、ポリ飲料は縦割り陳列を行い、最下段で売れ筋商品の箱売りを行う。

トレンド商品

チルドプラントベースの揚げ物

大豆ミートを使った「唐揚げ」や「メンチカツ」「ギョーザ」「シューマイ」などのチルド商品や冷凍商品が発売されている。

写真はチルドのロングライフメンチカツだ。冷凍したり、冷蔵庫に入れておけば弁当やベジタリアンカレーなどのトッピングにも便利に使える。プラントベース商品はさらに成長が望めるため、チルドと冷凍売場でコーナー化して育成したい。

冷凍アジアンメニュー

アジアンメニューはナショナルブランドメーカーでも販売されているが、今後は業務用一食タイプの冷凍食品、ロングライフチルドの品揃えが必要だ。内食、中食、外食がボーダレスになっているためスーパーマーケットでもレストランレベルの商品も品揃えしたい。冷凍一食タイプのアジアンカレーもコーナー化して品数を増やして販売したい。

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