2回ある土用丑の日の売り込みと外食の復活に留意したい|「これは押さえたい」惣菜編・2022年7月

2022.06.29

日本フードサービス専門学院学院長 林 廣美
城取フードサービス研究所 城取博幸

7月の行事は、1日「海開き」「山開き」、2日「半夏生」、7日「七夕」、10日「納豆の日」、13日「盆の迎え火」、15日「お盆」、18日「海の日」、23日「大暑」、25日「かき氷の日」「夏休み」。スーパーマーケットの惣菜の売上げは好調であるが、外食のテイクアウト弁当とデリバリーの動きにも注意したい。盆の寿司、オードブルの注文カタログも早めに準備したい。 

夏に向けて需要増が期待できるカテゴリーは弁当、おにぎり、調理パン、他の主食(スナック)、うなぎのかば焼き、サラダ、カツレツ、天ぷら、フライ、焼き鳥、ハンバーグ。一方で7月に需要が落ち込むカテゴリーは寿司、コロッケ、シューマイ、ギョーザ、惣菜セット。

2021年7月の家計調査では、食費(外食、給食除く)は前年比97.6%と前年を下回った。さらに今年は外食の復活が予想されるため内食、中食は注意が必要。外食の弁当もスーパーマーケット(SM)の弁当も「テイクアウト」には変わりがない。SMの惣菜も外食に負けないレベルの料理の提供が今後必要になる。

弁当

昨年7月の弁当需要は年間トップであった。さらに前年を上回る(120.0%)ゴールデンカテゴリーだ。今年は外食のテイクアウト弁当に負けない価値ある商品を販売したい。キッチンカーの弁当価格は600円から800円が売れ筋。それに負けない内容の弁当を販売したい。

売場展開

弁当、おにぎり、スナック、握り寿司など週末には外食レベルの商品の品揃えを行いたい。さらに、「アジアンカレー」「ルーロー飯」「カオマンガイ」「ナシゴレン」「ビビンバ」などアジアンプレートも暑い時期にはコーナー化して販売。目玉焼きをトッピングすれば見た目が豪華になる。

家計調査の月別消費支出をグラフ化したもの。平均単価×購入数量=支出金額購入数量は1g~1kgと幅があるため小数点を変更して計算する必要もある。前年に比「支出金額」「平均単価」「購入数量」が伸びた場合は「赤字」の「○」。前年に比べて数字が下がったものは「黒字」の「×」で表記

おにぎり

おにぎりは8月、10月に次ぐ年間3番目の需要。昨年は116.2%と前年比も大きく超えている。最近は200円を超える高額のおにぎりが売れ始めてきている。

売場展開

インストア製造のおにぎりはおにぎり芯を大きくするなり、グレードを上げるなりなどして200円以上のものを販売したい。また「白おにぎり」「玄米おにぎり」「混ぜご飯おにぎり」「赤飯おにぎり」「おこわおにぎり」などのベーシックなおにぎりも忘れずに品揃えする。

他の主食的調理食品(スナック)

月後半は夏休みの昼食需要が高まるためスナック類は上昇する。昨年も114.7%と前年を超えているため今年も販売を強化する。特に子どもの夏休み需要をさらに掘り起こしたい。夏の料理は「涼味」「焼く」「炒める」である。

売場展開

涼味は「冷し中華」「ざるそば」「ざるうどん」「そうめん」などを訴求。「焼く」「炒める」は、「お好み焼き」「たこ焼き」「焼きそば」「焼きうどん」「あんかけ焼きそば」「ナポリタン」などで、「焼き焼きセール」を企画する。焼き麺も目玉焼きをトッピングすれば付加価値が高められ単価アップにつながる。

焼き鳥

焼き鳥は8月に次ぐ2番目の需要。昨年も108.7%と前年を超えているゴールデンカテゴリーだ。ビールのつまみだけでなく、子どものおやつとしても訴求したい。串なしの炭火焼きも販売したい。

売場展開

インストア焼き上げ串はばら販売とパック盛り合わせ、さらに卵焼きと組み合わせて「焼き鳥丼」を販売。冷凍のジャンボ串はトレーパックして常温販売またはチルド販売を行う。

トレンドアイテム

アジアンメニュー

暑い夏は暑い国の料理を販売したい。タイの「カオマンガイ」「タイカレー(グリーン、レッド、イエロー)」、インドネシアの「ナシゴレン」、中国の「ルーロー飯」、韓国の「ビビンバ」、「インドカレー」など。業務用冷凍食品のソースやたれがあるため、うまく使うとよい。惣菜部門は今後外食問屋との取引も検討したい。

プラントベース料理

「大豆ミートのキノコカレー」。玄米や穀物を使ったベジタリアンメニューの提供。動物性プロテインや乳製品を摂取しない人のためのカレーの品揃えも必要。なお、「ビーガン」についてはビーガンの食材を使っても、他の料理と同じバックヤードで盛り付ければ「ビーガン」と表示できないので注意する。

強化するアイテム

7月前半と後半では惣菜商品の売れる商品が変化する。子どもたちの夏休みが始まり、それによって家庭の食事が変わるため、惣菜でも売れる商品が変わるので要注意だ。

8月の前半は6月の続きだが、梅雨明けが早いか遅いかで気温の高いとき、低いときで売れる商品が変わるのでこちらも要注意。

気温が低ければ揚げ物やマヨネーズ系のサラダが売れるが、気温が高くなると売上げが減る。また、気温が高くなると酢の物や冷麺関連の商品が売れるようになる他、揚げ物はフライから唐揚げへと変化。

サラダはマヨネーズ系からドレッシング系、酢の物に変わってくるので事前に長期天気予報で販売計画を立てるように気を配る必要がある。前年など過去のデータに気温のデータを重ねて商品予測を立てるようにすると良い。

7月の後半になると子どもの夏休みが始まり、昼の弁当や、焼きそばなどのスナック系などが動き、気温の上昇と共に冷麺等夏型商品が一気に売れるので出遅れないように商品計画を立てておくこと。くれぐれも長期天気報組み入れて夏季長期計画をたてる。

夏休み期間は米飯類商品が売れる時季。特に7月の後半から8月の盆までの期間は、弁当、おにぎり、寿司が一年で一番売れるときとされるだけに、メニューを今から見直すことが必要になる。

さらに鶏の唐揚げが一番売れる時期なので味の見直しを。衣の触感などテストをしてさらにおいしい商品にするように準備をすることが必要だ。週末にはスナックやプチオードブルなどで売上げアップを考えた計画とする。

味胡瓜と蒸し鶏の中華風おかずサラダ

売場に季節感を出す販促商品。ただし単なるキュウリの商品では人気も出ない。鶏肉のタンパク質を加えておかず商品のパワーを出す。加えて地元のキュウリが出盛りのときに商品化でボリュームを付けて季節感と共に売り込む。

気を付けたいこととしては、キュウリは両端に雑菌が多いのでこれを切り取り、同じく雑菌の多いいぼをこすり取って洗浄、棒状にカットする。塩、砂糖で冷蔵庫に一晩漬け込み、下味を付ける。鶏肉は鶏ムネ肉を低温で蒸してほぐし、塩コショウで下味を付けて加える。業務用のチキンサラダ用の「蒸し鶏」を使っても良い。

ごま油とラー油、ショウガを利かせた中華ドレッシング(キュウリの緑色を生かしたいのでしょうゆを使わないドレッシング)であえると出来上がり。業務用ドレッシングを使っても良い。トッピングには水菜を加える。

物価上昇気味の世の中なので安さとおいしさを強調して販売する。鶏ムネ肉をおいしく仕上げることで人気を取ることができるので、鶏ムネ肉を蒸すときはスチームコンベクション(スチコン)などを使って低温(80~90℃)で、蒸し上げるように気を付けて加熱料理をする。

冷やしてからドレッシングとあえ、ボリュームを付けながら安さを演出して売り込む。

鰻尽くし

土用の丑の日の提案商品。左からうなぎの握り寿司(帯のりで止めて高級感を出す)、うなぎの太巻き寿司(ボリュームを出す)、うなぎのちらし寿司(白ご飯でも良い)の3点セット。うなぎを食べる楽しさを強く提案する商品。

土用の丑の日の本命商品は、高売価だが国産の「鰻重」。ここ数年の人気商品なので中心の商品となる。その他、「おかず入り鰻弁当」(鰻スライスを使った、のり弁風)など工夫によって低価格とした商品も考えるなど、価格帯を考えて品揃えをする。さらに今年は土用の丑の日が2度あるのでロスを出さないよう留意。初日は国産うなぎ中心、次は中国産と国産うなぎを併売するといった工夫も必要と思われる。

その他、土用には「う」の付く食べ物がよいといわれているので、「冷やし土用うどん」や土用梅干し(梅干しは「う」の付く食べ物)の入った「おにぎり」「弁当」なども売り込み、うなぎ商品群の厚みを持たせた売場をつくりたい。

だしの効いたゴーヤチャンプルー

沖縄のゴーヤーチャンプルーは中華風ではなく、だしの効いた和風の味付けが本来の味。

かつお風味の和風だしをたっぷり使い、中華風だしを下味に使って作ることが多い。

作り方はいろいろある。簡単に炒めて作れるのが良いが、それは家庭での話。惣菜で売れるゴーヤーチャンプルーはどこが違うかというと、売場のパックのゴーヤーが青々と緑色でなければならないことである。

炒めてしばらくするとすぐに緑が黄色になり売れなくなることが多い。本場沖縄でもゴーヤーが黄色くなると売れなくなるので。ゴーヤーを長い時間、青々であるまま保つにはゴーヤーと他の材料とを別々に調理する必要がなるのでこれを覚えることが必要。

  • 豚肉、玉ネギのスライス、モヤシを炒め、かつおだし(粉末)と中華だし(粉末)を加えてさらに炒め、その後、塩で味付けしてから、卵を入れて炒め、これを冷ましておく。
  • スライスのゴーヤーは、フライヤーの高温の油でさっとフラッシュ、素揚げして火を通す。次に素早く水に入れて良く冷やし、青々とした緑色にしてから、かつおだし(粉末)を合わせて味を付ける。
  • ①を盛り付けてから青々とした②をトッピングする。あれば紅ショウガなどを飾る(なくても良い。沖縄では使わない)。

味醂風味豚ロースステーキ弁当

夏のステーキ弁当。成功させるには「食べておいしく」はもちろんのこと、食べたときに柔らかい触感に仕上げるのが大切だ。豚ロースを100g前後にカットして、そのまま焼くのではなく、まず、みそ5、しょうゆ5、砂糖6、みりん3~4、水少々(好みで割合を変える)の割合で漬け込む。肉の漬け込みは、長時間漬け込むと塩辛くなるので漬け込み時間をテストして作ること(肉とたれの分量などをテスト)。一晩くらいの漬け込みにすると作業性が良い。

豚ロースを一晩漬け込んで味を付けて焼く。やわらかく焼くには、スチコン160℃のオーブンモードで焼き、火が通ったら焦げ目はバーナーで付けるなどの作り方にする。

肉のステーキ類は冷めた時のやわらかい触感は漬け込むことと焼き加減で作れる。これはチキンステーキなどでも必要な調理技術なので研究が必要。手作りが難しければ外部で味付けした豚肉を使っても良い。この商品は冷めてもおいしいステーキ肉料理なのでこの利点を生かして商品化するとよい。

香味野菜餡かけ揚げ出し豆腐

安くておいしいおかずとして、豆腐が見直されている。「揚げ出し豆腐」は惣菜の定番中の定番商品で、特に夕方ピーク時に作り立ての商品として「鶏唐揚げ」と共に、毎日のように売り込むことを勧める。

食べ飽きない商品の代表的な商品だけに、和風のたれをかけた揚げ出し、中華風のあんかけ、洋風野菜のあんかけ揚げ出し豆腐など幾つかのメニューを売り込むようにし、売場に活気を出すように工夫をする。

揚げ出し豆腐の衣にも工夫が必要。よく片栗粉をまぶしたり、天ぷら粉のバッターを付けたりして揚げているが、これでは時間がたつと衣がふやけて破れて取れてしまう。

そこで失敗しない方法を。天ぷら粉を卵液(生卵、液卵など)で溶いたバッターを作り、これを付けて揚げればたれやあんで衣が破れたりすることがなくなり、長時間おおいしさが持続する。味付けのあんやたれはいままでどおりで良い。業務用のたれを使っても良い。野菜はさっと油でフラッシングしてトッピングとして飾る。

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