夏にあえて温めて楽しむ酒、冷食中華と合わせるレモンサワーの新たな切り口|「これは押さえたい」酒編・2022年8月

2022.07.20

酒文化研究所 山田聡昭

コロナ禍で3回目となる夏がやってくる。5月の連休では新幹線の利用率はコロナ前の7~8割に回復しており、この夏休みには通常に戻ると予想される。帰省やレジャーで人の移動が増えれば酒類の消費は活発になる。この変化に応える8月の販促テーマは、「友人や家族との久しぶりの再会に乾杯」だ。

プチハレ向けプレミアム商品

テーブルの上の食事
自動的に生成された説明

企画名は、「さあ、久しぶりに乾杯しよう!」。今年の夏休みは8月11日~16日がピークになる。帰省すれば家族とごちそうを囲む機会となり、久しぶりに旧友との再会を楽しんだり、避暑に出かけたりする。

食卓を彩る酒はいつもよりぜいたくなものに手が伸びる。友人との再会では話のたねになる酒を手土産にしたくなる。避暑地では部屋でゆっくり楽しむ酒を宿に持ち込む。こうしたシーンにマッチする商品を取り揃えて、平台やひな壇のイベントスペースで大々的に提案する。

売場展開

商品は立地や地域性に合わせて重点を変える。富裕層の来客が多い店ではワインとウイスキーを中心に据える。どちらもコロナ禍以降、富裕層の家飲みで好調に推移している。ワインはフルボトルで2000円クラスを中心に1000円台前半から3000円の商品から、キャッチーなパッケージデザインのものやアワード受賞商品を選択して、「このラインアップは後悔させません」と打ち出す。

ウイスキーはジャパニーズウイスキーの上級品がベストだが、「シーバスリーガル」「ジョニーウォーカー黒ラベル」「オールドパー」などスコッチのメジャーブランドを中心にそろえる。

一般的な店ではビール、清酒、本格焼酎が3本柱。ビールは一昨年秋の減税以降、潮目が変わり好調。旧盆シーズンは昨年以上に動くのは間違いないだろう。人気の糖質ゼロビール、フルオープン缶、アクセントにプレミアム&クラフトビールで展開する。

清酒は30代~50代では堅調。フレッシュ&フルーティーな720㎖で1000~1500円が仕掛けどころ。酒量の多い60代は焼酎が伸びており、この時季は上級品も動く。

若年層が多い店ではビール、ウイスキー、プレミアムレディトゥドリンク(RTD)をアピールする。コロナ禍後の20代の家飲みでのウイスキーとビールは数倍に伸びて定着した。RTDは中高年で急成長しており、ご当地フルーツを使った高価格帯のものを前に出して売り込む。

ウイスキー&ジン

企画名は、「ハイボール対決、キンキンがうまい」。暑い日が続くときに冷凍庫でキンキンに冷やしたウイスキーとジンのハイボールを提案する。ウイスキーは「サントリー角瓶」「ブラックニッカクリアブレンド」「ジムビーム」、ジンは「ビーフィーター」「ゴードン」「ジャパニーズジン翠」など。

酒を冷凍庫で保管し、たっぷりのロックアイスと冷えた強炭酸ソーダで作るハイボールは、キンキンに冷えて飲用時に0℃前後まで下がる。家庭で飲むドリンクとしては最も冷たいものの1つで、暑い日の提案にぴったりだ。

この時期にアオユズ、スダチ、カボスが店頭に並ぶ店舗では、これらのかんきつ類の果汁や果皮をトッピングすると、ハイボールのおいしさがランクアップすることを伝える。さらにミントやショウガを少量加え、本格的なカクテル感の演出を提案してもよい。

売場展開

キンキンのハイボールのレシピを示し、酒類の他、割り材の強炭酸ソーダ、トニックウオーター、ジンジャーエール、レモン果汁をクロス展開する。生のかんきつ類とのクロス展開にもチャレンジしたい。

温めて楽しむ酒

ガラスのコップ
中程度の精度で自動的に生成された説明

企画名は、「真夏の温活、温かくてうれしいお酒」。夏でも冷たいものの取りすぎや冷房で冷えを感じている人は少なくない。自分の好みの室温を設定しにくいオフィス勤務の人や冷房の効いた電車で長時間通勤する人、在宅ワークでもペットの犬のために冷房を強めにせざるを得ない人など、知らず知らずのうちに身体が冷えて、何となく調子がよくないと感じるようになる方は多い。

そこで夏でも温かい酒で体を中から温めるよう提案する。燗向きの清酒、お湯割りでおいしい本格焼酎、ショウガなどのハーブを使った酒を特集する。清酒は全国燗酒コンテストの入賞酒の中から仕入れやすいものを選択する。

本格焼酎は主要メーカーの基幹商品にお湯割り向きのものが多い。最近の新製品は冷たいソーダ割りで引き立つ華やかな香りのタイプが多い。ハーブ系の酒はユズ酒や梅酒など温めておいしいリキュールも加えて構わない。

売場展開

売場ではエンド1台を「お酒で温活コーナー」として、7月下旬から8月いっぱいまでこの特集を維持してもよいだろう。「温めておいしい日本酒」「お湯割りでおいしい焼酎」「ホットでおいしいリキュール」のコーナーベルトを配し、しょうが湯のもと、シナモンスティック、クローブ、粒黒コショウなどのスパイスをクロス展開する。

トレンド商品

冷食中華にレモンサワー

巣ごもりで需要が急増した冷凍食品をつまみにする晩酌を提案する。冷凍食品ではギョーザ、シューマイ、春巻きなどの点心類が人気。どれもおつまみにぴったりだ。

さらに注目したいのは、近年急成長しているチャーハンだ。チャーシュー入りのオーソドックスなスタイルから、カニチャーハン、ニンニクたっぷりチャーハンなど、味わいのバラエティが豊富。中華料理チェーン名を冠したものもあって、成長期のいまはお客にいろいろ食べ比べてみたいという気分が広がっている。

そこでバリエーションの豊富なかんきつ系酎ハイは、「どの冷凍食品中華との組み合わせが好きか?」をお客に投げかける。かんきつ系酎ハイは価格帯を広く取り、「キリン発酵レモンサワー」「キリン本搾りレモン」「サントリーこだわり酒場のレモンサワー」「宝焼酎ハイボールレモン」「寶極上レモンサワー」「タカラcanチューハイ」など、350㎖で100円程度の安価なものから200円を超えるものまで取りそろえ、酎ハイそのものの飲み比べ気分も盛り上げる。

売場展開

トップボードに「冷食中華にレモンサワー」と掲げ、棚にはギョーザ、シューマイ、春巻き、チャーハンのアイコンを配置。レモンサワーをランダムに並べてアピールする。冷凍食品中華の売場に見本商品と訴求POPを設置する。

リテールトレンドでは、飲料・酒類について各種紹介しています。

詳しくはこちらより、ご確認ください。