実は「プラントベース」の日本の伝統食に注目、揚げ、がんもで新機軸|「これは押さえたい」日配編・2022年8月

2022.07.27

 城取フードサービス研究所 城取博幸

8月は「青森ねぶた祭」「仙台七夕まつり」「徳島阿波おどり」「高知よさこい祭り」など全国で祭りが開催される。

コロナの状況にもよるが、今年は多くの人が動くことが予想され、盆商戦(13日~16日)の盛り上がりも期待できる。帰省客の「おもてなし料理」として郷土料理を提案し、該当する商材を提供。土産需要も期待できるため、売り逃しがないようにする。盆明けからは「秋の味覚」を訴求するが、月初から関連食材は顔見せをしておきたい。

昨年の家計消費のデータで、8月に需要が伸び、前年も上回ったゴールデンカテゴリーは、魚介つくだ煮、卵、白菜漬け、昆布つくだ煮、チーズ、プリン、調理パン、シューマイ、ギョーザ、スナック、乳酸菌飲料、乳飲料。

同様に8月の需要が前年を上回ったカテゴリーは、大根漬け、バター、マーガリン、ケーキ、洋生菓子。8月の需要は高いが、前年を下回ったカテゴリーは、中華麺、豆腐、梅干し、牛乳、ゼリー、アイスクリーム、コーヒー飲料、野菜、果実飲料、他の飲料、和生菓子。

一方で、8月に需要がそれほど変化しなかったカテゴリーは、生うどん、そば、かまぼこ、ヨーグルト、納豆、他の漬物、8月に需要が減ったものの、前年を上回ったカテゴリーは、冷凍食品、他のパン、8月に需要が減り、前年も下回ったカテゴリーは、食パン、揚げ、がんも、揚げかまぼこ、ちくわ、こんにゃくといったものだった。

今年は外食の復活が予想されるため内食、中食は注意が必要となる。8月は12月に次ぐ2番目の売上げとなる。8月に需要が伸びるカテゴリー、前年を上回ったゴールデンカテゴリーは積極的に販売したい。一方、9月に向けて需要が減るカテゴリ―は、盆明けからフェースを縮小し、売れる商品に売場スペースを譲りたい。

揚げかまぼこ

8月は前年を下回ったが12月に向けて需要が高まるカテゴリー。夏物商材の販売は盆まで、盆からはおでん、煮物材料としての需要が高まる。すり身の高騰で値上げが進んでいるが、魚のすり身を油で揚げるという「付加価値の高い製品」であるため、魚の代わりに幅広い料理に使ってもらう提案を行うことが必要だ。

売場展開

おでん材料、煮物材料は8月初旬から積極的に販売したい。日持ちのする「無菌パックおでん」や「真空パックのさつま揚げ」などフェースを広げて販売する。温かいうどん、そば、ラーメンのトッピングを提案。「揚げかまぼこ」と「麺類」の組み合わせを提案し新しい需要を掘り起こす。

揚げ、がんも

「大豆ミート」は注目されているが日本の伝統食品である「豆腐」「油揚げ」「厚揚げ」「がんも」の需要は伸びていない。これらも大豆加工品として、新しい商品の販売に力を入れたい。

売場展開

豆腐、揚げなどの大豆加工品の隣に「大豆ミート」のコーナーとして縦割り3尺ほどの売場を新設。ウエットタイプの「フレーク」「チャンク」「ブロック」の大豆ミートを品揃え。さらに、「麻婆豆腐」「ガパオライス」「ビビンバ」などアジアの人気メニューの「ミールキット」で構成する。焼肉味の付いた「ロングライフチルド商品」もそこに加えたい。

こんにゃく

こんにゃくは冬に向けて需要が伸びるが、昨年9月、今年の3月は前年を上回ったものの苦戦が続いている。こんにゃくもおでんや煮物提案だけでは今後売上げアップはあまり期待できない。

こんにゃくは魚の代替品として海外からも注目が集まっている。台湾のメーカーではマグロ、イカ、サーモンに似た刺身が開発され、アメリカではマグロにそっくりな製品も開発されている。日本人としてはなじみ深い刺身だと抵抗があるかもしれないため、刺身ではなく、「海鮮風サラダ」を提案するとよい。

売場展開

「プラントペース海鮮刺身こんにゃく」「こんにゃく麺」「刺身こんにゃく」「こんにゃくみそ漬け」「しょうゆ漬けこんにゃく」は、既存の加熱用と分け、生食用、サラダ用こんにゃくコーナーを設置。 売場から姿を消した「おからこんににゃく」「粒こんにゃく」も再導入を図りたい。

大根漬け

大根漬けは10月に向けて需要が伸びる。昨年は6月~10月まで前年を上回り、前年比109.2%であったため、今年も力を入れて販売したい。今週は古漬け大根より夏大根を漬けた「浅漬け大根」「ミックス漬け」や「糖絞り大根」を訴求する。

売場展開

パリパリ感のある「浅漬けたくあん」「なた漬け」「ハリハリ漬け」「べったら漬け」で「夏のパリパリ大根漬け祭り」を実施。「甘酒」は夏の季語にあるように、夏に飲まれているので冷蔵平ケースでべったら漬けの隣で販売したい。

チーズ

チーズは12月、5月に次ぐ三番目の需要高。気温が高くてもチーズの需要は多い。8月は前年比104.9%であった。チーズは「加熱料理用チーズ」「生食、サラダ用チーズ」「おやつチーズ」「おつまみチーズ」に分類され幅広く食されている。

売場展開

即食系チーズはサラダ、おやつ、おつまみを訴求する。加熱用はピザの他に、バーベキューで串にマシュマロのように刺してチーズを焼いたり、フライパンや鉄板にシュレッドチーズを広げて焼けば板状の「焼きチーズ」ができる。このように新しい食べ方も提案したい。

冷凍調理品

冷凍調理品は夏休みで弁当需要が減るため、1月に次ぐ需要の低さであった。しかし昨年は3月~11月まで好調で、前年を上回ってきている。8月は前年比109.2%と2桁近くの伸びであった。それだけに売る物、売り方を変えれば伸びしろが大きいカテゴリーだ。

売場展開

弁当材料売場を縮小して、冷凍野菜、米飯、麺類、パスタ、スナックを拡大する。冷凍野菜はつまみ、おやつ用の枝豆、茶豆、ソラマメ、ゆでピーナツの訴求。BBQ用として軸付きコーン、ホールベイクトポテトを訴求する。焼肉用としてチャーハン、焼きそば、焼きうどん、スパゲティ、ビビンバ、焼きおにぎりも提案する。

調理パン

調理パンは絶好調。昨年3月から今年の3月まで負け知らずの需要高。8月は前年比110.3%の2桁成長であった。インストアベーカリーの調理パンとホールセールパンの調理パンは消費期限が違うため、「別物」と考え、それぞれのメリットを訴求する。

売場展開

ホールセールの調理パンは2、3日の消費期限があるため翌日でも安心して食べられる。ハンバーガー(コロッケ、メンチカツ、チキンカツ)、ホットドッグ、チーズドッグ、カレーパン、焼きそばパンなど肉類を具材にしたものを訴求

他の主食的食品(スナック類)

品目としては、「冷凍食品を含む中華まん、お好み焼き、たこ焼き、グラタン、ピザ、レトルト米飯、冷凍ピラフ、冷凍パスタ」などが含まれる。他の主食的食品は12月に次ぐ2番目の需要高で前年比113%の伸びであった。昨年は6月から需要が伸び8月は前年も上回っているためチルド、冷凍を問わず今年も期待ができるゴールデンカテゴリーだ。

売場展開

子どもの夏休み中は冷蔵平ケース、冷凍平ケースで「おやつ、昼食コーナー」を新設し該当商品を販売したい。冷凍食品はストック用として大型パックも提案する。

トレンド商品

味付けがんも、味付け厚揚げ煮

豆腐、揚げ物コーナーにありそうでなかった商品。「味付けいなり」はすでに市民権を得ている。「がんも煮」や「厚揚げ煮」も味付けロングライフチルド商品があってもよい。

プラントベースが注目されているが、日本の伝統食品もレディトゥヒート(電子レンジ加熱)で温めるだけで食べやすくすることも必要だ。「揚げ出し豆腐」「肉豆腐」「そぼろ豆腐」「麻婆豆腐」などを加え3尺程度の「大豆加工品惣菜売場」をつくりたい。

ポリ飲料

冷蔵ケースで販売されている100㎖ほどのポリ入り飲料が話題を集めている。同じ売場に陳列されているが、それぞれ「種別」が違う。「発酵乳」「乳製品乳酸菌飲料」「清涼飲料水」などとさまざまだが包装形態は同じであるためコーナー化が図られている店もある。地方の牧場生産の「発酵乳」も加えてポリ飲料の買いやすい売場をつくりたい。

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