“日本酒を氷で割るロックすらありえない!”…そんな時代が今では懐かしいほど、日本酒は深化している。日本酒離れが進む今、若年層の興味を惹く、味わいや飲み方とは

2022.08.19

ひめこカンパニー 山下智子

冷酒としてストレートで飲むのはもちろん、オンザロックにしたり、炭酸で割って“日本酒ハイボール”にしたり、フルーツやスパイス、ハーブとカクテル風にアレンジしたり。自分にとってのおいしい飲み方を見つけて自由に楽しんでほしいと提案する、新しい日本酒やクラフトサケが登場している。

癒やされたい若者向け、新感覚のチル系日本酒

若者の酒離れが続く中、若宮酒造(京都・綾部)は“若者が飲みたい日本酒”を産学連携プロジェクトで開発。今若者が感じる“Chill(チル)”を表現した日本酒「CHILLな夜に癒しを得る」を醸造し、販売している。

酒米は、京都府綾部市の綾部高校農業科3年生が初めて栽培、収穫した“五百万石”を使用。福知山公立大学地域経営学部の学生が商品企画と酒造りを、京都工芸繊維大学デザイン専攻の学生がラベルデザインを担当した。

“チルい気分”、つまり“リラックスして気分がよい”ときにマッチする日本酒で、クラシカルな日本酒特有の風味とは一線を画す、すっきりとした爽やかな風味が特徴。ほのかな癒やしを感じさせる香りが鼻に抜ける、これまでの日本酒にも洋酒にもない新しい味わいだという。

若者や日本酒初心者にぴったりのカクテル風クラフトサケ

日本酒製造過程で副原料としてフルーツやハーブを添加した“クラフトサケ”の醸造所「LIBROM Craft Sake Brewery」(福岡)は、福岡のカクテルバー「CITADEL」で人気の日本酒カクテル“博多美人”をベースにしたクラフトサケ“博多美人 おりがらみ”“博多美人 澄み酒”を開発し、クラウドファンディングサイトで限定販売した。

 “博多美人 おりがらみ”は白い澱の混ざった発泡性の酒、“博多美人 澄み酒”はすっきりとした澄んだ酒となっており、原料にはどちらも福岡県産山田錦の等外米、副原料にはラベンダーと日向夏を使用。若者や日本酒初心者にも飲みやすい、フローラルでフレッシュなサケに仕上げた。

自由に好きなものを“プラス”する、アレンジ用日本酒

一ノ蔵(宮城・大崎)が数量限定で販売しているのは、“日本酒の枠を広げる”をコンセプトにした「一ノ蔵 酒+(サケプラス)」だ。近年、アルコールのライト化傾向が強まる中、低アルコールとはまた異なる切り口として、“割って飲む”“混ぜて飲む”をテーマに開発した商品で、かんきつ類を思わせる爽やかさとシロツメクサのような甘い香りが漂う。

しっかりとした米のうま味溢れる原酒だからこそアレンジしやすいと、一ノ蔵公式サイトでアレンジレシピを公開。“モヒート風!レモン×ミント×炭酸割り”、ココナッツミルクと割る“まろやかなコク! 酒+ココナッツミルク”、和洋中さまざまなつまみと合わせやすくなる“酒+ブラックペッパーハイボール”、同品を浸み込ませる“大人のスイーツ! 酒+バウムクーヘン”など、好きなものを“プラス”して、自由に日本酒アレンジが楽しめる

名前も見た目もかわいい、パウチ入り日本酒ベースのカクテル

FERMENT8のパウチ入り日本酒カクテル「ぽんちゅ!」は、若い世代に日本酒をもっと身近なものとして楽しんでもらいたいという思いから開発された商品。100㎖飲み切りサイズのパウチ容器に入った、日本酒をベースとしたフルーツカクテルで、「白ぶどう」と「ゆず」の2種類がそろう。

ストローを挿してそのまま味わう他、凍らせてシャーベットにしたり温めてホットカクテルにしたりとアレンジ自在。持ち運びしやすく、容器ごと湯せんできてキャンプやアウトドアにぴったりな上、カラフルでかわいらしいパッケージなので気軽なプレゼントとしても活用できる。

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