秋の食卓から冬へと続く「鍋」関連、ハロウィーンはパーティー関連を攻める|日用品/雑貨・10月の商品と売場

2022.09.06

2023.06.12

トータルプラン 横島宏一

10月は、秋の最盛期から冬へと変化する月である。特に温度が急激に低下し、冬物商品(暖房用品など)が売れ出すのが、10月の下旬ごろからとなる。

売場展開としては、前半は、冬物商品の導入期として、お客にアピールしながら、秋の企画(「秋の食卓」「運動会」「行楽」「秋の長雨」など)を前面に出して、実際の売上げに結び付ける。

季節商品のように長期間継続する売場においては、導入期、最盛期、処分期やその時々におけるターゲットが変化するので、売場を手直ししながら維持していきたい。

後半は、温度変化を見ながら、冬物商品の売場スペースを拡大していく。11月からの年末商戦を前に消費も停滞しがちなので、秋の企画、提案売場を充実させながら、「秋の感謝祭」などのセールを行い、ニーズを喚起する。

秋の食卓

冬の食卓に並ぶのは、鍋料理であり、食卓を彩る土鍋は、キッチン用品の主役である。朝晩が冷え込みだすと暖かいものが食べたくなり、食卓に鍋が並びだす。

鍋料理の順番は、まず、「すき焼き」から始まり、さらに寒くなると、いろいろな種類の鍋料理に移っていく。さらに寒さもピークとなるころ、魚系の鍋料理が増えていく。

料理に対応して、鍋売場では、初めは「すき焼き鍋」からスタートして、オールマイティな鍋料理に使用できる「土鍋」へと移行していく。

ただし、鍋の年末の購買には、正月に来客する人をもてなすための準備という側面もあり、そのため、「すき焼き」「しゃぶしゃぶ」などの高級感がある肉料理が増えることも確か。鍋売場の中でも、売れる商品は変化する。細かな変化に対応した売場づくりを行いたい。

土鍋は、導入期としての展開が行われるが、当初は、1人用土鍋や高級な土鍋が売れる。やがて、ファミリー向けサイズや低価格帯に移行する。この時季は、とんすいやれんげも鍋と同柄でそろえる場合が多いので、注意が必要だ。

この時季の鍋の中心は、鉄器である。中心商品はすき焼き鍋。低価格商品もあるが、木ぶた付きやガラスぶた付き、フッ素加工されたもの、IH対応など機能商品も増えている。あまり種類が多く、価格にばらつきがあるとお客も迷うので、価格とその理由(なぜ、この価格なのか)を明確に、お客が納得できる商品選定と品揃えを行いたい。

すき焼き鍋以外では、1人用の卓上コンロセット、いろり鍋など鉄器ならではの商品を展開する。鉄急須や鉄瓶まで展開すると、鉄器としての品揃えが豊富になり、専門性が増す。

主な商品

土鍋、盛皿、れんげ、れんげ受け、薬味入れ、だし入れ、がら入れ、鍋敷き、穴明きお玉、あく取り網、カセットコンロ、ガスボンベ、ガス抜き、固形燃料、すき焼き鍋、卓上コンロ、いろり鍋、鉄急須、鉄瓶など

いろいろ鍋料理を楽しもう

土鍋やすき焼き鍋は、冬のメイン料理の鍋として、一般的に認知されニーズも高い。そこでさらに進んで料理に合わせた専用鍋の提案を行いたい。

しゃぶしゃぶ鍋…熱伝導の良い銅製を中心にさまざまな素材の鍋がある。「家庭で本格しゃぶしゃぶ」などのPOPを使用し、アピールする。

おでん鍋…多くの具材を入れるため、仕切りが付いている。電気グリルパンや電気おでん鍋などの電気製品との関連販売も実施したい。

うどんすき鍋…関東ではあまり使用しないが、関西ではメジャーな鍋。最近では、関東でも販売するようになってきている。

焼き芋器…ふっくらと仕上がる焼き芋器は、効果をはっきりアピールする。

炊飯用土鍋…最近人気のご飯用の土鍋。電器釜では出ない味。

韓国料理…プルコギ鍋だけでなく、石焼ビビンバ器などと一緒に「韓国料理フェア」として、ビビンバスプーンなどと一緒に展開する。

イタリア料理…パエリア鍋やパスタ鍋、ピザパン、カッター、サーバーなどを展開する。パスタなら、パスタ保管用品からスプーン、フォーク、皿までの、食卓で食べるまでの提案を行う。

主な商品

しゃぶしゃぶ鍋、おでん鍋、うどんすき鍋、焼き芋器、炊飯用土鍋、プルコギ鍋、石焼ビビンバ器、パエリア鍋、パスタ鍋、湯豆腐鍋、タジン鍋など

あったかお弁当

弁当用品は、春に次ぐピークとなる。

学校行事の運動会は、春に行うところも増えてきているが、地域の運動会は秋に行うところも依然として多い。屋外でのイベントの楽しみは「弁当」である。地域の行事を事前に把握して、ファミリーで楽しむ弁当用品の提案を実施する。

個人用としては、ランチジャーやステンレスボトルなどの保温できる商品が中心になる。昔ながらの黒の大型ランチジャーは、職人などの現場で作業する人たちに依然人気であるし、カラフルな小さなサイズのランチジャーは会社勤めの女性に人気がある。保温機能のある弁当箱やフードジャー、スープジャーなど「温かいお弁当」を提案する。

弁当箱は、ステンレス、アルミ、プラスチック、木製などの素材、フラット、2段、丼などの形状、保温機能があるジャータイプなどの種類がある。また、サイズやカラーなどでも男性、女性、大人、子供などの使用ターゲットが変わってくる。ターゲットを想定した品揃えを行いたい。

10月は、行楽や遠足など外で食事をする機会が増える。台風や秋の長雨、冬への準備など、天候や災害に対しての提案も併せて実施。

主な商品

紙コップ、紙皿、割り箸、ランチケース、ステンレスボトル、ウオータージャグ、箸、箸箱、箸袋、保温性の高い弁当袋、ランチョンマット、ランチバッグなど

ハロウィーンホームパーティー

ハロウィーンとは、毎年10月31日に行われる、秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出すお祭りのことである。

特に、アメリカで民間行事として定着し、カボチャの中身をくりぬいて「ジャック・オー・ランタン」を作って飾ったり、子どもたちが魔女やお化けに仮装して近くの家々を訪れて「トリック・オア・トリート」 (Trick or Treat)と言いながら、菓子をもらったりする風習などがある。

日本でも、パーティーやイベントとして定着している。仮装パレードが有名になりすぎてはいるが、最近では、自宅を飾りつけしたり、ホームパーティーを行ったりする家も増えてきている。

ハロウィーンに手作りのクッキーを提案し、クッキー作り用品を展開する。また、紙コップや紙皿などのパーティーグッズ、来客のための準備用品などを展開する。家、友人単位のパーティーを提案することで、家の飾り付けやディスプレー、来客準備用品、パーティー用品などのニーズにつながり、売上げに貢献するようになるはずである。

室内のディスプレーとして、ジャック・オー・ランタンを模した置き物や寄せ植え、アレンジフラワー、リース、オーナメント、ピックなどインスタ映えするハロウィーンの飾り付けの提案をする。

主な商品

パーティーグッズ、菓子作り用品、アレンジフラワー、リース、オーナメント、ピック、コスプレグッズなど

リテールトレンドでは、日用品・雑貨の商品・サービスを紹介しています。
詳しくはこちらより、ご確認ください。