秋冬の定番のキャンプ飯や鍋もひと工夫で今年らしく|「これは押さえたい」グロサリー編・2022年11月

2022.11.15

2022.12.02

フロントオフィス企画 近藤 智

冬の賞与シーズンとなり高額品の購入や貯蓄など思案するころとなる。

すき焼きなど鍋用牛肉ではA4、A5など肉質の等級を上げ、刺身盛り合わせ、プレミアムビール、ワインなど高額商品を品揃え訴求したい。

具材だけにこだわらず、料理をおいしくする「魔法の水産乾物」を特集訴求して、おいしさとぜいたく感を演出したい。

加工食品

作って楽しく、食べておいしくキャンプ飯!

書店ではキャンプ料理本が数多く見受けられる。アウトドアだけでなく、ツーバーナーを使い、家庭の台所でも作ることができる。新型コロナ禍の「巣ごもり」を楽しめることを訴求したい。

ポイントはたき火台を使用したレシピを中心に案内訴求すること。直火で焼く料理だけでなく、11月は家庭でダッチオーブン、スキレット、ホットサンドメーカーも使用した楽しみ方をPOPで案内し、売場をつくりたい。

家庭でも楽しめる調理方法として、例えば、グリル(網焼き)、ロースト、直置きグリル、ソテー、つるし焼き、ホイル焼き、煮込み、ホットサンド、炊飯がある。食べるだけでなく、作る楽しみ、食べてもらう喜びが体感できることを訴求したい。

重点商品

経験法則として、スパイス類が売れる店は客単価が高い。スパイス類は幅広く訴求したい。例えば、ローリエ、タイム、ブラックペッパーがメインとなる。その他にパスタ用にもオリーブオイル、粒マスタード、天日塩、藻塩、岩塩などのこだわり塩などはおいしさを増してくれる必須調味料である。

スモークジャーキーを作る際の甘いしょうゆ、ポットローストポークや薪焼きカルボナーラなどを作る際のはこだわりの塩は必須である。

今年の鍋物は高タンパクレシピで!

秋冬の代表的な定番メニューの1つが鍋物料理である。石狩鍋、すき焼きはじめ魚介類、肉類、野菜類を使った和風鍋物や同じように海の幸、山の幸を使った洋風鍋物の代表のシチューなどを「高タンパクレシピ」を案内して訴求展開したい。

シチューミックス粉などの加工食品部門のみならず、素材として肉、魚、野菜の生鮮食材を煮込む料理なので食品売場全体での販促となる。

売場づくりのポイントは厚生労働省の「2020年版食事摂取基準」より、1日のタンパク質の摂取目標量の「男性75g」「女性57g」を案内したい。超高齢社会に突入している今、販促アプローチとして、2つの健康対策を訴求したい。

1つは筋肉量が減って筋力や身体能力が低下する「サルコペニア」、もう1つはその結果として身体が虚弱になる「フレイル」である。

重点商品

和風ではすき焼きのもと、スダチ、カボスなどのポン酢、ごまだれドレッシングはじめ、おでんのもと。洋風ではシチューミックス粉、各種スパイス、韓国風ではキムチ鍋のもとなど、おいしくする調味料を品揃え訴求。

ファン待望のボジョレヌーボー

今年は11月17日の木曜日がファン待望のボジョレヌーボーの解禁日。一時ほどではないにしても、まだまだ解禁日を待ちわびているファンは少なくない。

そこで、メインのワインを引き立たせる脇役のおつまみであるマリアージュを訴求して、相乗効果のある関連販売を展開したい。

売場づくりのポイントが2つある。1つは、マリアージュの意味の説明。フランス語で「結婚」の意で「相性が良い」から「ワインに合う」という意味である。もう1つは11月22日が「いい夫婦の日」なので、若い夫婦からシニア層までワインのある楽しいシーンを連想させる演出にトライしたい。

重点商品

グロサリーではオイルサーデイン、ツナ缶、サバ缶、オリーブピクルス、日配部門とタイアップしてブラックペッパー入りカマンベールチーズ、ハーブ&ガーリンク入りのクリームチーズなど、品揃え訴求展開。

作ることが楽しみになる伝統乾物を極めよう

新型コロナ禍、年内での終息の見通しがつかない中、インフルエンザも同時並行して感染リスクがあると報じられている。

そこで、巣ごもりを継続している人に料理を作ることで巣ごもりを楽しくぜいたくに過ごそうと提案したい。具体的には、和風鍋物料理はじめ、いろいろ日本料理の基礎の味となる水産乾物の煮干し、かつお節、昆布の見直し訴求でもある。

特に若い人は簡単便利な化学調味料、レトルト調味料に慣れているが、情報提供によって、知る楽しみ、作る楽しみ、食べる楽しみ、食べてもらう楽しみを案内したい。

重点商品

煮干し。だしは頭とわたを取り除いてから煮ると苦みや雑味がなくなる。煮干しのうま味のイノシン酸は味噌のうま味のグルタミン酸と相性がよく、よりおいしくなる。かつお節では、湯は煮沸させず、うま味のイノシン酸は85℃で一番多く溶け出す。煮込まず、絞らないことで生臭さや雑味のない香り高いだしが取れる。

昆布は、表面に白い粉があってもマンニットといううま味成分なので取らない。水の状態から60℃で1時間煮出すとグタミン酸のうま味成分が最も出るといわれている。

菓子

寒さと乾燥に負けるな! 喉あめフェア!

新型コロナとインフルエンザの同時流行が懸念される中、少なくとも風邪には注意したい。そこで、手ごろな風邪予防策として手洗い、うがいに加えて喉あめを常時携帯できるように提案訴求の売場をつくりたい。

ポイントは選択肢を広げた品揃えである。材料別には、梅、かんきつ類、ブルベリー、ブドウ、カリン、ショウガなどの野菜、果実類、漢方薬入りの薬品メーカー商品など。口腔内の殺菌や喉の腫れ、痛みを抑えるなど商品特徴を明確にPOPで案内する。

重点商品

黒糖入りやマヌカハニー入り、ミント、ハッカなどの味も楽しめる商品群やノンシュガー類、喉あめなどの商品群。

ボジョレヌーボー解禁、マリアージュフェア

11月17日はボジョレヌーボー解禁日。そこで、ワインと相性の良いマリアージュを訴求展開したい。ポイントは選べる楽しさを演出した品揃え感を打ち出すこと。

ゴンドラエンド以外にも、定番売場でも棚板にPOPで案内して目立たせる。

重点商品

スモークチーズ、スモークサラミ、チーズ柿の種、チーズタラ、ナッツ類、ドライフルーツ類、ハイカカオチョコレート、クラッカー、ポテトチップスなど。

千年以上のロングセラー!? 米菓フェア!

まず、老若男女、米菓のファンは少なくない。赤ちゃん用の米菓や小麦粉アレルギーの子どもやダイエット中の若い女性層などシニア層以外のファンである。

米菓の歴史は千年以上さかのぼるが、日本の菓子のルーツでもある。もち米でつくったあられ、うるち米で作ったせんべいに分類される。そのことをPOPで案内して、いろいろな味を楽しめるように品揃え訴求の売場づくりがポイントとなる。

重点商品

しょうゆ味、梅味、ワサビ味、トウガラシ味などの味で分類での訴求。また、ザラメ付き、のり巻き、大豆入りやピーナッツ入りなどの付け加えの味も楽しめる米菓を訴求。