ハレの日メニューすき焼き、しゃぶしゃぶは丁寧な商品化を、馬刺しに再度注目|「これは押さえたい」精肉編・2023年1月

2022.12.20

2022.12.21

月城流通研究所代表 月城聡之

近年、ハレの日に力を入れない傾向が強くなっているが、2023年の正月はウィズコロナではあるものの、コロナ禍からようやく解放され、久しぶりに親族が集まる対面正月が想定される。

おじいちゃんやおばあちゃんが、子どもや孫のために、少し奮発して「すき焼き」や「しゃぶしゃぶ」を中心に夕食を作ることを想定。

地方の企業は特に、2018年以来の「大容量すき焼きパック」が売れるタイミングとなる。昨年や、一昨年とは品揃えやトレーの発注にも気を付けて計画を立ててもらいたい。

牛肉

国産黒毛和牛肩ロースすき焼き用 160g1480円

年始を飾る初売りは、黒筋トレーを用いたすき焼き用やしゃぶしゃぶ用の「ハレの日メニュー」を中心に展開する。奇麗なバランや寿バランを一緒に入れて「ハレの日」を演出することもポイント。

年始一発目の牛肉の作業はノーマルスペックの「和牛カタローススライス」がお勧め。

売場を一気に「すき焼き用」で作り上げる。スライス商材からネック側の切り落としまで、幅広く商品を作る。

和牛カタロースは、リブ側は「カタロース芯部分」を見せる面としてしっかりと盛り付ける。ロース部位を購入するよりも割安に芯部分を購入することができる、カタロースの目玉部分である。

中央部分は、「ザブトン」を魅せる商品化を行う。ネック側になるにつれて肉質は硬くなるため、気持ち程度薄くすると良い。

ノーマルスペックのネック付きの場合は、和牛切り落としや小間切れに商品化して、年始は奇麗な商品を展開する。

年始商材については、年末から商品を持ち越さないことが大切である。加工日が前年日付となると、鮮度感が落ちるだけでなく、一年の最初から古い商品を売っているという印象が続いてしまうため、気を付けたい。

年末年始になると、「分厚い肉の方がすき焼きはうまい」と考え、作業量を減らすためにすき焼き用スライスを通常よりも1~2mm分厚くする作業者がいる。地域にもよるが、すき焼き用は2mmより分厚くすると、火の通りに時間がかかり、食べにくくなるため通常通りの厚みで商品化すること。

豚肉

カナダ産豚カタふぞろい焼肉(イチオシ本格焼肉) 100g当たり158円

味付け商品の定番となりつつある「ふぞろい焼肉」は、味のバリエーションが増え売場を活性化させている。売れる売場の傾向としては、単なる焼肉のたれや塩だれなどの味付け商品ではなく、有名焼き肉店監修のたれなど、こだわりのたれを使用することで付加価値を見いだしている。

販促シールやPOPを使用して、商品の魅力や特徴を伝えることも売上げを左右する。

商品化は、比較的原価の安いボンレスバット・キャピコラバットなどを使用し、スライサーで焼肉大の大きさにカットする。

たれはもみ込み、全体にたれの色が付くようになじませる。見た目には、刻みネギや白ゴマなどをトッピングするだけでも、印象が大きく変わるため、少しの努力を惜しまないように商品化する。

トレーは高ぶたにすることで、ボリューム感が出るだけでなく、ふたにたれが付かないため奇麗な商品化に見えることもポイントとなる。ふたをする際に、たれなどで汚れないように気を付けて商品化する。

生食

生食カテゴリーで勢いを伸ばしているのが「馬刺し」。特にハレの日には食べたくなる商品の一つ。

年始商戦にはぜひ品揃えしたい馬刺しであるが、店内加工するには、生食用の別室が必要である。最近では冷凍スライス済みのスキンパックなども出回っているため、比較的扱いやすくなった商品の一つである。

馬は、牛のと畜場とは異なり、馬専用のと畜場がある。また、牛の体温よりも馬の体温の方が高く、雑菌が繁殖しにくいという性質を持っている。牛や豚と異なり、反すうをしないため、体温が高く菌を保持しづらいといわれている。

別名「桜肉」とも言われるが、馬刺しという言葉の方が近年一般的である。売場では法律の問題で表現に注意が必要だが、低カロリー、低コレステロール、低飽和脂肪酸で、鉄分、カルシウム、ビタミンA、ビタミンEが豊富という、栄養素としても優れた畜種である。

国産鮮馬刺し盛り合わせ 150g2580円

馬肉そのものが和牛のように単価が高いため、価格訴求するようなアイテムではない。

そのため、折り箱や品位を落とさないような商品化、盛り付けとし、売場にも高級感を持たせることが重要である。馬刺しの販売で、部位を販促シールやことPOPで掲示することも安心感のある販売方法となる。

牛肉にない部位としては、真っ白なコーネとフタエゴがある。コーネは、たてがみとも言われ、馬肉の中で人気のある部位。脂分とゼラチン質で構成されており、刺身で独特の食感と甘みが特徴である。

フタエゴはあばら部分の三枚肉。牛肉でいうバラの部分であり、コリコリとした食感で、刺身やユッケで食べることが多い。

食べ方は、馬刺し用のたまりじょうゆに、すりおろしニンニク、すりおろしショウガを好みで付けて食べるため、添付する。

知っておきたい豆知識としては、国内の生産量で一番多いのは熊本県で、日本の生産量の4割を占める。福島、青森、福岡などでも生産されている。ただし、日本で流通している馬肉のうちの6割は輸入に頼っており、カナダやアルゼンチン、ポーランド、メキシコなどから輸入されていることも知っておきたい。

しかし、世界的にも馬に関しては、コロナの影響や動物愛護の観点からも、生産量は減っているのが現状であり、今後大きく生産量が増える畜種ではないと考えられる。

肉惣菜

企業によって販売場所は異なるが、精肉が管轄する肉惣菜カテゴリーは、肉にこだわりのある商品を展開することで惣菜との差別化を図っている。

可能であれば、精肉で展開している銘柄を使用した肉惣菜を販売することで、銘柄の認知度も強化される。また、精肉と異なり、そのまま喫食する商材となるため、見た目にもこだわった商品化を行うことがポイントとなる。

ローストビーフにぎり寿司5カン 398円

薄くスライスした「ローストビーフ」を寿司飯に乗せ、好みのソースで仕上げて完成させたローストビーフにぎり寿司。

ローストビーフソースは、しょうゆベースの粘度が低いものが多いので、粘度の高いソース、スパイスの効いたたれや甘めの照り焼きソースなどが合う。

ローストビーフソースを別添して付けだれ提案でも良い。トレーは高級感のある黒金を用いたふた付きトレーを使用する。たれがふたやトレーに付かないよう奇麗に商品化することで、ロス率が大幅に減る。

トレンド商品

牛タン拡販のタイミング到来

21年後半から輸入牛肉の輸入量が激減し、出回り量が減ったことにより輸入牛肉の相場が高騰したことは記憶に新しい。

22年に入り、夏ごろから、徐々に輸入量は回復の兆しを見せ始めている。相場に関しては、高騰して余剰となり始めている在庫を消化していくため、一時期に比べるとやや落ち着きを取り戻し始めているが、依然高い状況が続いている。

23年以降で、少しずつ価格や物量も含めて回復する話は出ているが、円安傾向、日本の輸入牛を購入する価格が安いために、外国に買い負けをする現実は解消しない。適正な価格で販売し、付加価値を付ける販売方法は今後も続けていく必要がある。

輸入牛肉と共に、相場が動くのが内蔵。一時は価格が高すぎたため、販売を見合わす企業も出ていた牛タンが、再び売場に戻ってきている。

牛タンの再販売には、売場で牛タンの存在感をアピールする必要がある。そこで、大きく目立つPOPと販促シールを使用した売り込みを行う。牛タンの商品化は、定番の焼肉カットとする。

縦長のトレータイプの場合は、多段ケースであれば、シールが目立たないため平台で展開することで商品の価値がより伝わる。

商品価値を伝えるにはトレー、販促物、商品化だけでなく、販売する場所も含めた総合的なコーディネートが必要となる。いま一度、トレーや販促シールも見直してもらいたい。

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