新生活予備軍の受験から新生活までのテーマを活用、バレンタインデーは製菓用品|日用品/雑貨・2月の商品と売場

2023.01.12

2023.06.12

トータルプラン 横島宏一

春の売場づくりをしていくが、気候はまだ寒さが続く時季である。受験、発表、卒業、入学、進学、就職、新生活と春の変化に向けて準備する商品を導入すると共に、冬の商品のメンテナンス、ケア商品が必要となる。

カイロやスキンケア、燃料、灯油、カーメンテナンス用品などの冬の消耗品は、きちんと展開していかなければならない。見せる商品としての春の商品と、売れる商品を分けて展開することが必要だ。

また、関東などのあまり雪の降らない地域でも、2月、3月は短期集中的に雪が降る場合が多いので、気象状況に注意し、雪対策用品(スノースコップ、長靴など)の準備も怠らないようにしたい。

売場に余裕ができるため、イベント、フェアなどの普段扱っていない商品を大胆に展開したり、各部門の定番商品を集めたりして、まったく違うくくりで展開することも効果的である。

2月、3月は、従業員の教育を行う月でもある。4月から入社する社員がいるならなおさら、既存の従業員に対してルールの徹底、モラルの向上を行い、店舗レベルの向上に努める。普段は手が回らない、不要什器の処分や書類の整理、事務所、バックヤードなどの整理整頓をし、店舗設備の再点検なども行う。

2月の販売戦略

行事としての大きなテーマは、「バレンタインデー」があるが、チョコレートなどのギフト商品が中心となり、住関連商品としては、大きな売上げにはつながりにくい。

そこで、視点を変えて、学校、会社の行事に目を向けると、3月、4月の新生活を前にした行事が多くある。会社は、年度末を迎え、書類をファイルしたり、掃除、整理をしたりする。

学校は、受験シーズンを迎え、学校説明会や入学準備が始めるのが2月である。特に2月「受験」→3月「卒業、春休み」→4月「入学」という「新生活」をスタートさせる予備軍には重要な月でもある。春の大きなテーマである「新生活」へつなげるテーマとしても、受験応援コーナーを新生活コーナーのイントロとして売れる売場づくりをしていきたい。

受験応援から入学準備

4月に新入学、新社会人になる新生活予備軍は、この時季、新生活を始める前の準備をしている時季である。年代によって行動が違い、そのニーズも違ってくるので、ターゲットの行動とニーズをよく理解して売場づくりに活かしたい。

小学校入学準備…小学校への入学に準備するものとして始めに売れるのは、ランドセルや机などの高額品で、祖父母からのお祝いという例が多く、入学直前になると親が購入する。ランドセルの購入時期は、年々早くなっており、最近では4月、5月頃に予約購入のピークとなっている。そのため、高額品から売れ始め、入学直前には特価商品へと移行する。

準備する用品が分かるのが、2月の中旬ごろに行われる入学説明会である。ここで、近隣の学校の準備用品情報を基に、必要な商品を再度確認し、売場を充実する必要がある。

中高入学準備…中学生や高校生は、この時期、受験シーズンであり、卒業、春休みへと移行する時期である。受験が終われば、卒業式と束の間の春休みがある。

2月14日にはバレンタインデーでもあり、ケーキ用品が売れるときでもある。これに合わせて、幼稚園や小学校の世代には、卒業パーティなどのパーティグッズの提案をする。受験が終われば、高校、大学卒業生は、卒業旅行や免許取得などを行う。卒業旅行用のトラベル用品や免許取得、新車購入に対応する新車メンテナンス用品も展開したい。

新生活を始める前準備…一人暮らしを始める学生は、卒業式が終わってから準備を始めるが、会社員の異動に伴う転居や赴任は、その会社によって違う。

しかし、2月の決算に伴い、3月や4月の異動は多い。辞令は1日付でも、内示は1カ月から2週間前にあるから、引っ越しのための準備は2月から始まる。新生活を始めるための用品は、引っ越しを終えてから買うこともできるが、いまの生活の整理は、それ以前にしなければならない。

引っ越し用品の中心は、段ボールとガムテープであるが、それに付随する用品をきちんと提案したい。梱包するために必要なカッター、ガムテープ用カッター台、はさみ、軍手、フェルトペン(黒、赤…種類別にする)、結束用品などと引っ越し時、すぐに必要になるドライバー、ペンチ、テーブルタップ、延長コードなどである。2月は、荷造り用品や家の整理整頓用品の提案を中心に行い、新生活用品へと売場を変化させる。

受験勉強応援…受験生を持つ親には、受験応援用品として、温かい夜食作りを提案したい。夜食は、ラーメン、雑炊、うどんなどの消化の良い食品を想定して、1人用雑炊鍋やうどん椀などの食器類、1人分だけ作れる小さいサイズの片手鍋やラーメン鍋、簡単につくれる電子レンジ用の食器などを提案する。

勉強中の対策としては、寒さがピークに達する時季なのでカイロや湯たんぽ、小型の暖房器具などを寒さ対策用品として提案する。これらの商品はこの時季を逃すと過剰在庫になりうる商品なので、在庫調整も兼ねて売り切ることが必要である。

また、受験シーズンは寒さだけでなく風邪やインフルエンザのピークとも重なる。多くの親は子どもが当日に万全な状態で受験に望むことを考え、風邪に対する商品もある程度前もって準備をしておく傾向がある。医薬品の扱いがある店舗では、初期症状に対する薬やうがい薬、喉あめ、咳止めシロップなどを中心に展開する。

お母さんのフォーマル…入学説明会や卒業、卒園式など、母親が公式な場所に出る機会が増える。衣類では正装のスーツやこれに合わせて、ビューティケアではヘアカラーなどの身だしなみ用品が売れる。

ヘアケアでは白髪染めを中心としたヘアカラーやアップスタイルに対応したスタイリング商品ぞろえ、メイクアップは清潔感のあるナチュラルな色味の口紅やアイシャドーを品揃えする。ネイル関連はベージュやピンク系のナチュラルなものをそろえる。

衣服関連ではフォーマルスーツに合わせて、ストッキングを購入したり、普段は履かないフォーマルシューズのケアをしたりという行動が予測される。ヌードカラーのストッキング、中敷きや靴墨などのシューズケアを提案する。

意外と忘れがちなのが、携帯スリッパや傘である。20代~30代の母親が買いたくなる柄の商品が必要である。

お母さんの入学準備…幼稚園や小学校の入園、入学準備を行うのは、親の仕事である。その中心は、名前を書いたり、付けたりすることである。ネームペンや名前シールは、入学用品の中に組み込まれているが、さらに「入学準備お手伝いコーナー」として、ソーイング用品を提案したい。

幼稚園などでは、体操着袋などの袋を手作りと指定するところもあるので、ミシンなどの実演販売を行ったり、ゼッケンをつけるソーイング用品の展開をしたりしたい。アイロンプリントによる需要もあるので、アイロンの動きにも注意。ネームシールの作成サービスや手作り風体操着袋、上履き袋、弁当袋、コップ袋などを展開する。

バレンタイン

チョコレートがメインになるイベントではあるが、雑貨部門では菓子、チョコレートの手作りを提案することで、製菓用品、型抜きやチョコレートケーキ作りのための用品を提案する。

そのため、2月は製菓用品が最も売れる時期となる。ラッピング用品と併せて展開しよう。ケーキの型抜き、耐熱食器、ボウル、ミキサー、泡だて器、計量カップ、計量スプーン、スケール、キッチンタイマー、ストレイナー、へら、オーブンシートなど。メッセージカードやラッピング用品も併せて展開する。

チョコレートに限らず、女性から男性へのプレゼント提案として、普段使いのヘアケアと男性化粧品を中心に、メタボリックシンドローム対策商品や運動器具や箸、マグカップ、ハンカチなどバラエティに富んだ品揃えにする。

また、この時期は、卒業や謝恩会に向けて、プチギフトの需要が高まる。低価格でかわいいグッズとして、文具や入浴グッズ、ハンカチなどの用意をしておく。いまの時期ならデザインや柄のかわいいマスクなどもプチギフトになるはずだ。

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