4月も桜餅は継続+イチゴとチーズのケーキ、卵の動向にも注意を|「これは押さえたい」菓子・スイーツ編・2023年4月

2023.02.17

2023.02.20

トルティーノ代表 中村 徹

昨年2022年の4月はウクライナ情勢が深刻化し、ロシアに対する石炭の輸入禁止など5項目の追加経済制裁を行うなどロシアに対する経済制裁が増えていった。またこの影響や円安もあり、エネルギー価格の高騰や小麦価格の高騰など国内インフラ価格や商品価格の上昇が始まっていった。

例年祝日は29日の昭和の日の1回、土曜日5回、日曜日4回だが昭和の日絡みが3連休となっていた。本年は土曜日5回、日曜日5回で祝日は昭和の日が土曜日になるため、3連休のない月となる。月全体ではこの3連休→2連休、日曜増の影響もあり、昨年比プラスマイナスゼロなると考えられる。

4月は初旬の入学、入園、入社祝い、花見、17日からの春土用、末にはゴールデンウィーク(GW)に向けての行楽と長い冬を抜けて本格的に人が動き出す季節となる。菓子関係の催事カレンダーを見てみると、毎月の催事日である6日(木)の手巻きロールの日、15日(土)の菓子の日、19日(水)のシュークリームの日、22日(土)のショートケーキの日など菓子関係の日が多く存在し、曜日回りからいうと土曜日に当たる菓子の日とショートケーキの日は売り込むチャンスになる。

4月は春真っ盛りを楽しむ時季となる。今年の3カ月予報では4月は東日本、西日本の太平洋側では晴れが多めで気温は平年並みか高い予想がされている。降水量はほぼ平年並みの予想となっている。人の動きは2月時点で新型コロナウイルス第8波はほぼ終息に向かいつつあり、3月13日にはマスクの着用を原則個人判断というような指針も出ているし、5月のGW明けには2類相当からインフルエンザと同じ5類へ変更される予定なので、昨年に比べれば人流は大幅に増加するであろう。また、円安傾向と防疫策緩和に伴って海外からの旅行客も増加するであろう。

総務省家計調査の「<品目分類>1世帯当たり年間の品目別支出金額,購入数量及び平均価格」を見てみると、品目別令和3年(2021年)年間の月別支出金額が掲載されている。

菓子類の4月を見てみると、年間平均金額に対し良い商品群があまりなく、まんじゅうが100.0%程度である。3月比で見てもゼリーが119.8%で初夏商品の始まりともいえる。これらの商品群のトレンドを見るために「令和3年年間消費金額/平成12年年間消費金額」を計算してみると、まんじゅうは39.5%と大幅に落ち込んでいる。一方でゼリーは98.7%とほぼ維持をしている。

4月の和洋生菓子系は大きなイベントはないので初旬の花見や行楽、中旬の春土用、終盤のGW行楽といった流れと小さな催事のポイントをしっかり押さえていくかということにかかると思う。

今年の桜開花予報を見てみると3月20日の東京を皮切りに21日福岡、23日名古屋、25日大阪と続く(ウェザーニュース)。この後、仙台4月7日、青森4月17日、札幌4月25日と北上していく。平年だと開花から満開までは7日~9日かかるので東京、福岡、名古屋辺りでは3月下旬が満開となりそうである。各地で満開に合わせて「桜まつり」などが行われると思うので、よく調べておく必要がある。特に昨年新型コロナウイルスの影響で中止されていた祭りも今年は復活する可能性が高いので注意が必要だ。

桜餅

花見の和菓子としてはひな祭りと同様になるが、桜餅を提案したい。桜餅と一言で言っても実はもともとは関西と関東では全くの別物であった。関東の桜餅は別名長命寺で小麦粉等を混ぜた皮を焼いてこしあんを巻いたものになる。

一方関西の桜餅は別名道明寺と言い、名前の通り道明寺粉とつぶあんを使う。どちらも塩漬けした桜の葉を巻いたところが共通する。参考までに写真の右側が道明寺、左側が長命寺になる。

最近では関東でも道明寺タイプも販売しているし、関東、関西の境はあまりなくなっている。こういった桜餅を桜祭りの時などにはしっかり展開したい。

イチゴ関連

4月17日から立夏の5月6日までが春土用の期間となる。夏の土曜は丑の日が重要になるが、春土用は戌の日が重要になる。今年の春土用の戌の日は4月22日(土)と5月4日(木、祝)になる。春土用の戌の日には「い」の付くものや白いものを食べると良いとされているので、イチゴ絡みの和菓子やショートケーキを訴求すると良い。

特に22日はショートケーキの日とも被るので、いちごショートケーキは必須である。イチゴ大福もまだ品揃えされていれば訴求したい。この他白い食べ物として大福などを決め打ちをして訴求をしたい。

チーズケーキ系

今年のGWはあまり曜日回りが良くなく、最長でも4月29日~5月7日の9連休(5月1日、2日は平日)となるであろう。

この季節洋菓子でPI値が高いのはチーズケーキ系になる。チーズケーキといってもいろいろと種類があり、大きく分けてベイクドチーズケーキ、レアチーズケーキ、スフレチーズケーキなどがあり、ベイクドタイプの派生的な物にはニューヨークチーズケーキやバスクチーズケーキなどがある。

それぞれ特徴があって好みが分かれるところであるが、伸びているその他洋菓子としてはベイクドチーズケーキを訴求したい。大手パンメーカーから洋菓子専門メーカーまで、さまざまな商品が発売されているので厳選して売場をつくり「チーズケーキ祭り」などと訴求したい。

4月の売場展開のテーマは春本番から初夏へと向かっていく。旬の果物としては3月に続きかんきつ類が幅を利かせている。かんきつ以外ではイチゴの他、ビワが出始め、ハウス物のアンデスメロンなども並び始める。

特にイチゴは価格的にも安くなり訴求がしやすい。アンデスメロンもGWで、かなり売上げが伸びる商品なので洋菓子にもぜひ使っていきたい。また毎月同じであるが、旬のフルーツと洋菓子や和菓子、ゼリーやフルーツヨーグルトの関連販売は継続したい。旬の時季である「イチゴ祭り」などはもう最後になるが実施したい。

トレンド商品

プヂンと卵

2023年のトレンドスイーツとしてはこれまで述べてきた「進化系」(カヌレやチーズケーキ、ドーナツ)やあんバターなどがはやるとされているが、最近よく見かかるのがプヂン(ブラジル風プリン)である。

もともとプリンも少し硬めのものがトレンドとして流行りつつあるが、プヂンはコンデンスミルク入りの濃厚なプリンで、日本では、カラメルが染み込んだココアスポンジの上に載っている商品が多い。スポンジが入っているので食感としてはプリンとケーキの間になる。ブラジル発というスイーツとしては変わった出身であるが、夏に向けて流行するかも知れない。

トレンド商品からは少し離れるがこの冬期は鳥インフルエンザが各地で発生し、全体の鶏の10%程度が淘汰される異常事態となった。東京におけるMサイズの卸値は1kg当たり325円で、JA全農たまごが統計を公表している1993年以来最高水準となっている。

このため現在は店頭では価格が高騰し、販売数量制限を行っている店舗もある。当然洋菓子の原料になっている液卵も価格上昇し、数量も落ち込んでおり、一部製造できない商品も出てきている。

新たに餌付けされ、卵が出てくるのは早くても7月末くらいであろう。もともと飼料価格の高騰で値上げをしたかった養鶏業者は卵が出てきても安易には値下げを実施しない予想も立つので、鶏卵を原料とする洋菓子にも影響が残ると思った方が良いかもしれない。