節約モードが浸透、後半はGWにかけて初夏モードへ|「これは押さえたい」グロサリー編・2023年4月

2023.02.20

フロントオフィス企画代表 近藤 智

新型コロナウイルス感染対策の生活モードに入って丸3年が経過した。ここに至って、マスク着用は個人の判断に任せるなど、生活シーンによっては緊張感が和らいできた。

国は5月8日をもって、感染防止策を緩和する。4月は春で心理的にも生活行動範囲が広がり、買物を含む外出の頻度が増えると予測される。

そこで、売場づくりは視覚的にはピンク色を基調として、また聴覚的には明るく体が小躍りするような軽快なBGMでの演出がポイントとなる。

また、昨秋から続いた値上げ、特に電気料金高騰などで、節約、倹約モードが浸透していることを再認識したい。具体的には、台所、冷蔵庫の中に常備しているような、調味料類、カップ麺などの即食類や飲料類などは競合店と価格の比較調査をして高くないようにし、メニュー提案をしながら買上点数が落ちないように訴求していくことがポイントとなる。

3月27日(月)から4月2日(日)までの第1週を含む期間。桜前線が一気に北上するころである。進級、新入学、異動転勤など新生活スタートの時季である。売場づくりでは、春ならではのウキウキ感を出すために、POPなどイメージカラーを桜色で統一しての演出が重要となる。販促ポイントはハレ食材の品揃え訴求と予約販売の強化の2つがある。

4月3日(月)から9日(日)までの第2週。気温が上昇し、紫外線が強く感じられる時季でUVカット、UVケアに関心が高まるころとなる。食卓ではタケノコ、タラの芽、フキ、新玉ネギ、新ジャガ芋、アスパラガスなどの春野菜を楽しむシーンが増えるころでもある。提案訴求ポイントは春サラダ、春の天ぷらなど春野菜を使った旬の味の打ち出しとなる。

4月10日(月)から16日(日)までの第3週。気温が20℃を超える日も多くなり、食品以外でも制汗剤の品揃え訴求など一部の地方では早くも初夏モードへ突入してくるころとなる。新茶の予約で家庭用以外に会社などの業務用の需要も取り込み、緑茶、炭酸水などのペットボトル飲料のケース売りも含め拡販訴求の徹底がポイントとなる。

4月17日(月)から23日(日)までの第4週。国の新型コロナ感染対策の方針が5月8日から大きく緩和される。三密を避けながら、ゴールデンウィーク(GW)の家族や友人など特定の少数メンバーとの旅行やホームパーティの準備でワクワク感が高まるころである。食品以外では園芸用品、DIY(ドゥイットユアセルフ)グッズなどの需要が高まってくる。涼味食品など、全国的に夏モードに切り替え準備を完了させることがポイントとなる。

4月24日(月)から4月30日(日)までの第5週。29日が「昭和の日」で祝日に当たり、さらにホームパーティ用のハレの日メニューや行楽用ニーズが高まってくる。この時季は新茶の季節でもあり、新茶と伝統和菓子の桜餅、柏餅、カステラ、ようかん、まんじゅう、だんごなど関連販売の強化をして機会ロスに注意したい。

加工食品

新生活スタート! 朝食応援フェア!

学校では新入学や進級で、一般社会では新入社や異動、転勤で新年度、新生活がスタートする4月。活力の源泉は睡眠、栄養、軽い運動だが、朝食応援フェアで栄養面のサポート提案をしたい。

朝食はややもすると、同じメニューでマンネリ化になりがちだが、和風、洋風をメインにバラエティを訴求する売場展開に努めたい。具体的には、メニュー提案と飲料系の品揃え提案がある。さらに、値上げ状況下、生活防衛意識の高い消費者には米を炊き、おにぎりにして冷凍し、小出しに食べるという提案もしたい。

重点商品

和風系では米飯の各種ブランド米、パックご飯、フリーズドライみそ汁、味付きのり、瓶詰のりのつくだ煮、瓶詰梅干し、瓶詰なめたけ、洋風ではポタージュスープ類、コンソメスープ類、飲料では各種野菜・果物果汁のペットボトル、レギュラーコーヒーなど。

おいしさいろいろ! 春の炊き込みご飯!

鍋料理の種類の多さと同じぐらい、炊き込みご飯の種類も多いことを訴求。例えば、海の幸を使ったものではアサリの炊き込みご飯、ツナと新玉ネギ、エンドウ豆の炊き込みご飯、サケそぼろと菜の花の混ぜご飯、山の幸をメインにしたタケノコと牛肉の炊き込みご飯、ゴボウと鶏肉の炊き込みご飯、シイタケ・マイタケ・シメジのキノコの炊き込みご飯などを品揃えして提案。

おいしさと楽しさを訴求した売場づくりがポイントである。具体的な商品はレトルト調味料の品揃えを豊富に展開して選べる楽しさを訴求。 

重点商品

丸美屋の新商品の鮭めしの素をはじめ、とり釜飯の素、きのこ釜飯の素、ひじき五目釜めしの素、ヤマモリのあさり、きのこ、地鶏、彩り五目などの各種釜めしの素、ミツカンの五目釜めし、鶏釜めし、だし炊き鶏ごぼう釜めし、だし炊き五目釜めしなど。また、混ぜご飯の素シリーズとして、キッコーマンのとうもろこしご飯、牛ガーリックご飯、鶏そぼろ、五目ごはん、ビビンバなどがある。

春野菜たっぷり! 春の健康サラダ! 

3月の中旬ごろから青果売場では春野菜が前面に打ち出され、旬の野菜を使ったメニューレシピが提案される。グロサリー売場では青果売場と連動させて、すべての来店客に訴求したい。ポイントは食べ方、楽しみ方の提案POPと緑色をメインにカラフルで鮮やかな売場づくりである。

例えば、スナップエンドウ、アスパラガスなどの緑色、トマトの赤色はじめ新玉ネギ、新メイクイーンジャガ芋などを使ったサラダメニューを提案。また、フルーツサラダとデザートを兼ねて、グレープフルーツ、デコポン、甘夏、博多あまおうなど青果売場と連動した訴求を実施。

重点商品

3月に続き、サラダメニューとして玉ネギドレッシング、深煎りゴマドレッシング、すりおろしオニオンドレッシング、フレンチドレッシング、イタリアンドレッシング、中華ドレッシング、ゴマ油&ガーリックドレッシングはじめ、健康を意識した消費者にはノンオイルドレッシング、低カロリーのマヨーネーズなど。フルーツサラダ、デザート用にフロストシュガー、加糖練乳など。

ゴールデンウィーク! 行楽食品フェア!

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けをゴールデンウィーク明けの5月8日から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることになった。行楽に出かけるのを待ちきれない人も多いはず。また、コロナ禍のためにレジャーの生活シーンが変わった人も増えた。

例えば、三密を避けて、1人キャンパーとしてアウトドアを楽しむ人が増えた。そこで、内食にも、アウトドアにも重宝な行楽食品を品揃えする。

重点商品

まずは、必須アイテムとして重宝なイワシ、サバ、サンマなどの魚缶詰、牛肉、クジラ肉、焼き鳥などのつまみ缶がある。ふりかけ類の梅カツオ、梅風味ヒジキ、ゴマ油風味ワカメ、塩昆布などがある。

菓子

新生活スタート! 朝食応援フェア!

菓子部門としてもグロサリー部門とリンクさせて、朝食というテーマで売場づくりをしたい。具体的にはシリアル商品の展開となる。ポイントは大袋の徳用袋入りや個食対応の小袋入りがある。また、乳酸菌入り、鉄分強化、ビタミン入り、プロテイン含有など、健康志向かつ栄養バランスを提案した売場としたい。

重点商品

カルビーのフルグラ糖質オフ、グラノーラプラスプロテイン&コラーゲン、フルグラビッツ、日清シスコの「ごろグラ」シリーズの彩り果実、糖質60%オフまるごと大豆、3種のナッツとオーツ麦、日本ケロッグの「素材まるごと」シリーズのプロテインバーキャラメル&ナッツ、グラノラ糖質オフチョコ&ラズベリーなど。

黄砂・花粉症に! お助けキャンディ!

売場展開:コロナ禍、黄砂、花粉とトリプルの環境下、少しでも楽にしてくれると思われるキャンディを品揃えしたい。ポイントはバッグの中、机の引き出しの中など、「常備」を提案すること。特に製薬会社や漢方薬専門店とのコラボ商品などを展開したい。

重点商品

カンロ健康のど飴黒糖ミルク、春日井製菓のどにスッキリ、ノーベル製菓の各種VC-3000のど飴、救心製薬のどにやさしい金銀花のど飴、大正製薬ヴィックスのど飴プレミアムなど。

ママ友・女子会に! プチ贅沢菓子!

コロナ禍ながら新入学、新入園の子ども関連や地域関連、職場関連などで女子を中心とした集まりは増えると予想される。そこで、茶話会がより楽しくなる脇役としての菓子を訴求店したい。

重点商品

個包装の菓子が入った大袋のチョコレート類、クッキー類、せんべい類や各種連菓子や女性人気のマシュマロなど訴求展開。

伝統のコラボ! 新茶に和菓子!

衝動買いの多い商品群なので、レジ近くでの売場づくりがポイント。緑茶と相性の良い和菓子を中心とした訴求がポイント。

重点商品

濃いお茶に合う菓子で各種どら焼きシリーズ、タルトシリーズはじめ、おなじみの大福もち、きんつば、柏餅、桜餅、一口ようかん、カステラ、最中、まんじゅうなど。