新生活に向けた準備に全力、タイムリーに行事用品を展開|日用品/雑貨・3月の商品と売場

2023.02.15

2023.06.12

トータルプラン 横島宏一

3月になると暖かくなり始め、人は活動的になる。行楽、花見など屋外に出かけるようになり、人の行動が増えることで、ニーズも増える。ニーズに対応した商品の提案が必要である。

4月は、新入学・就職、新年度や新学期などがあり、3月はその準備の時季となる。新しい生活を始めるための準備期間である。「新生活用品」は、雑貨部門にとって年末、ゴールデンウィーク(GW)に次ぐ大きなテーマとなっている。

「新生活」をメインテーマとして、花見、行楽、卒業旅行、彼岸、ガーデニング、ひな祭りなど行事用品をタイムリーに展開して、売場を活性化させることが重要である。売場は、ピンク(桜色)やグリーン(若葉色)など春のイメージカラーを多用して、春の売場を構成しよう。

新生活用品

新生活用品は、ホームセンター(HC)や家電専門店、ホームファッション店などにおいては、大きなテーマになっている。それは、一人暮らしを始めとして、新しく生活を始める人たちは、今まで家族として共有していた生活に関する商品を新たにそろえることからニーズが生まれている。

また、新しい生活環境になることで、ニーズが生まれる。これらのさまざまなニーズに応えることで、大きなテーマとなってきたのである。

しかし、食品を中心とするスーパーマーケット(SM)では、入学や就職祝いの食卓、料理が中心となる。家具や照明、カーテンなど住環境を整える商品を扱っていないため、雑貨部門でもコーナー展開が難しい。

ベッドや家電は無理でも、テーマを絞り込むことで、普段からSMの雑貨コーナーで扱っている商品を中心に、新生活用品を展開することはできる。ニッチなテーマや便利さを提案して、新生活用品を展開しよう。

一人暮らしキッチン用品

一人暮らしを始める人をターゲットに、キッチン用品を提案する。調理用品は、特にサイズにこだわり、1人分の食事を想定した商品を提案する。サイズの小さいフライパン、ケトル、炊飯器、包丁、まな板、調理ばさみなどである。お玉やターナーなどのツールはセットにしてまとめて提案する。

テーブルウエアとしては、飯わん、湯飲み、マグカップ、箸、ランチョンマットなど。

消耗品としては、ラップ、スポンジたわし、三角コーナーごみ袋、食器用洗剤、キッチンペーパーなど。耐熱保存容器など電子レンジや冷蔵庫に使用する商品、便利グッズなどを提案する。

弁当用品

弁当用品は、容器である弁当箱、飲み物を入れるステンレスボトル、弁当づくりのための用品がメインとなる。新入学、入社に伴うターゲットとして、年齢層や性別などを明確にして、品揃えする。

弁当箱は、低年齢層にはキャラクターや色、柄、女性にはサイズとテースト、男性用はサイズがポイントとなる。女性ユーザーが多い店なら、弁当箱、箸、フォークセットなどと一緒に、巾着やランチバッグなど持ち運ぶ用品も関連販売する。スープジャー、カフェボトルなど新商品も加えたい。

ステンレスボトルは、サイズと色も重要だが、飲み口やマグタイプ、洗いやすさの形状、機能など、数多くの種類がある。特徴がお客に分かるようにPOP表示をすること。

弁当づくり用品は、おにぎり型、抜き型、カップ、バレン、ミニフライパンなど。キャラ弁づくりの提案をそえる。

通勤、通学快適グッズ

新生活によって通勤通学も変化する。駅までの交通手段として自転車を利用する人に、自転車用のカギ、U型キーやワイヤーキー、取り外し式のLEDの懐中電灯などを提案する。雨の日の傘差し運転は道交法の違反になるので、レインコートやポンチョ、ヤッケなどの提案もする。

ビジネスシューズや革靴、ヒールは、慣れないうちは足を痛めやすい。そこで、インソール商品を提案する。クッションとしてのインソールだけでなく、女性用にはヒール用部分インソールやジェルパッドなど、外反母趾対策商品、消臭効果のあるもの、など効果を明確に提案したい。

また、通勤途中の電車やバスの中でのイヤフォンやバッテリーなどのスマホ用グッズの提案をする。低学年の安全対策として、防犯ブザーや蛍光テープ、防災頭巾などの子どもの安全を守る商品を展開する。

ひな祭り

3月3日のひな祭りには「ひな祭りパーティ」と題して、パーティ用品を提案する。この時季は、学生は卒業式や春休みになっており、謝恩会や卒業パーティなどの集まりがある。ひな祭り→卒業、入社、入学→花見へと変化するパーティ用プロモーションを展開しよう。

ひな祭りの料理の定番商品としては、ちらし寿司やハマグリの吸い物などがある。紙コップ、紙皿、割り箸などのパーティ用品と巻きす、しゃもじ、飯台などのちらし寿司や手巻き寿司の用品を提案する。また、漆器の汁わんを提案する。サイズ、柄、レンジ耐用などの用途機能に注意したい。

玄関飾り用のミニひな人形や桜の模様のハンカチなど春らしい雑貨を一緒に展開する。

ひな祭りの後には、ひな人形を収納する。人形用防虫剤が売れる時季である。数少ない人形用防虫剤の売れるタイミングを逃さず販売したい。

防災用品

2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、防災用品は、常に常設している店舗も多くなった。地震や水害、雪害、台風など自然災害への対策は、災害大国日本の中では、必須である。

東日本大震災の教訓を生かして、再度、災害に対する意識を高め、震災後に用意した防災グッズの点検や新しい防災グッズなどの提案を行いたい。

非常用持ち出し袋の中身としては、すでに用意している家庭も多いので、防災用品の点検と新しい商品の提案をする。水や食料は賞味期限があるし、乾電池などにも期限がある。普段使用しないものなので、非常時に使用できるように点検を提案する。また、新しい商品や便利な商品が数多くあるので、その便利性を提案することも大切だ。

最近では、停電時に使える非常用ポータブル電源が人気だ。商品によっては、ソーラーパネル付きのものなどがあり、キャンプなどのアウトドアにも使える。

彼岸用品

春分の日の3月21日を中心に前後3日間、合計7日間を彼岸の期間とされている。

中心となるのは、線香、ろうそく、仏多当、ライターなどの消耗品を中心に、お墓や仏壇の掃除用品を提案する。ガーデニングを展開している店舗では、仏壇用、墓参用の花を計画的に販売する。

特に線香は、最近では種類も豊富になり、お客のニーズも多様になっている。線香は、墓参用と仏壇用に分かれており、仏壇用は煙の少ないものや人気のアロマ系、香りのあるものなどがある。香りには、伽羅や白檀のような香木系、桂皮、丁字のような漢方系、桜、バラ、ラベンダーのような花系などがある。

商品としては、仏壇用と墓参用を分けて展開する。秋の彼岸以来、半年が経ち、墓の掃除が必要なころ。線香、ろうそくだけでなく、墓の掃除をする墓石専用のスポンジやブラシ、苔用洗剤などの提案を行いたい。

仏壇用品では、仏壇クリーナーなどの掃除用品と仏具を展開する。線香を焚く香炉の灰は、汚れやすいので、替え用の灰や掃除用具を提案する。

花見、行楽用品

3月から春の行楽用品がスタートする。開花時季は地域によって違うが、お花見がGW前の最初のピークとなる。地域の開花予想などを参考に商品展開を行ってほしい。

商品の中心はレジャーシートと紙食器、割り箸である。バーベキューができる場所での花見は、バーベキュー用品が動き出す。夜桜見物は春とはいえまだ寒いので、携帯カイロの提案もしたい。

GWへの前哨戦となる花見行楽用品をきちんと売場づくりをすることが、GWの行楽用品を成功させるポイントである。