初夏の涼味が本格化、後半は夏モードに|「これは押さえたい」グロサリー編・2023年5月

2023.03.17

フロントオフィス企画代表 近藤 智

生活行動、消費行動が昨年と変わるであろうと予想される。3月13日から新型コロナ感染防止対策のためのマスク着用について、原則、個人の判断に委ねられることになったが、さらに今月の5月8日から「2類から5類感染症」に移行される。

3年以上続いた新型コロナウイルスに対する意識や感染症対策について、消費者側、販売者側も大きく変わると予想される。そういう意味でこの5月は販売促進のテーマを明確にして強化したい。

5月1日(月)から5月7日(日)までの第1週。この週は3日の「憲法記念日」、4日の「みどりの日」、5日の「こどもの日」と3日連続で国民の祝日が続く。コロナの状況にもよるが、ウキウキ、ワクワクする週である。この週は「子どもが大好きなメニュー」のオンパレードで訴求展開したい。

5月8日(月)から5月14日(日)までの第2週。14日の「母の日」がある週で、日ごろの母への感謝を伝える売場演出を強化したい。昨年は九州、四国、中国地方ではこの週に梅雨入り宣言されたが、加工食品売場でも食中毒の発生防止のため、清潔感と清潔そのもの維持のため、定番売場、ゴンドラエンドの清掃を徹底したい。

5月15日(月)から5月21日(日)までの第3週。この週は真夏日が増えはじめ、地域によっては猛暑日も出現し始める。初夏の定番のそうめんなどの涼味メニューを訴求したい。

また、脱水症状が話題となるころでミネラルウオーター、スポーツドリンクなどペット飲料をメインに缶入り飲料も訴求したい。

5月22日(月)から5月31日(水)までの第4週は変則展開。この期間の次週は夏の衣替えですっかり夏モードに切り替わり、身の回りが夏一色となる。食卓もテーブルマットなど夏モードの色や柄に変わる時季で、涼味食品に加え、健康志向メニューや焼肉メニューなど「初夏ばて」防止を前面に打ち出したい。

グロサリー

子どもが大好きな人気メニューフェア!

5月5日は「子どもの日」で、この日の前後は子どもが大好きなメニューを連続で提案したい。売場づくりのポイントは単品や特定メニューだけではなく、同時に複数の商品、複数のメニューを選べるように訴求。

例えば、カレールウ、シチューのもとという単品販売ではなくカレー料理、シチュー料理のおいしさ、楽しさを訴求したい。具体的にはエンドタイトルには「子ども大好き人気メニューコーナー」の旨を表示したい。もう1つのポイントはアレルギー体質の子どももいるのでアレルギー物質の入っていないカレールウなども同時に展開し、すべての子どもが対象になるように注意したい。

重点商品

ハンバーグ、唐揚げ、カレー、シチュー、グラタン、オムライス、ちらし寿司、お好み焼、ホットケーキ、うどんなどの人気メニューの具材、調味料、調理材料を中心に展開し、さらに炭酸飲料、果樹飲料も同時展開したい。

母の日! 「わが家レストラン」へご招待!

5月14日が「母の日」ということで、母には休業してもらうという提案をしたい。1つ目は簡単調理で簡単手軽に調理できる「お助けグッズ」を展開。具体的には「わが家をレストランに」というテーマの下、感謝のホームパーティ用メニューしてちらし寿司、焼肉などの簡単メニューを展開。2つ目は子どもでも簡単にできるプレゼント用の焼き菓子づくりの製菓材料グッズなどを展開する。

重点商品

簡単調理素材としてちらし寿司のもと、焼肉のたれ、中華などのレトルト調味料、それらの関連食材を訴求。同時に大型サイズの緑茶、炭酸飲料、果汁系のペットボトル飲料関連やクッキー用の粉類やチョコレートなどの製菓材料も展開する。さらにはトレンド商品として、オーガニックのハーブティー、マヌカ蜂蜜など健康志向の食品をプレゼント用に同時展開。

初夏の味覚! 涼味そうめんフェア!

夏の味覚のそうめんを中心に視覚と聴覚に訴求したボリュームのある売場をつくる。ポイントは、お客の流れが一番多いところに全面展開すること。まず、「見せる」ことがポイントになる。

そのために、涼感を演出してブルーをイメージカラーにしてPOPの色使いを統一。スペースに余裕があれば、粉をひく水車小屋の模型を置き、水を循環させながら水車を回すなど、注目してもらい、足を止めてもらうための演出も重要。さらに、視覚だけでなく風鈴を売場の一角に取り付けるなど、聴覚にもアピールして初夏を演出する。そうめんをメインにそばなどの関連乾麺類を展開。

重点商品

揖保乃糸そうめん、小豆島そうめん、島原そうめんなど全国各地の人気そうめんを展開。値頃の200円と300円の価格ラインの商品群と特級麺の700円までの価格ラインの商品群を品揃え。製法特許の無塩そうめんも品揃えしたい。

栄養バランスで「初夏ばて」防止!?

真夏になる前から体調管理しながら「初夏ばて」防止のレシピ提案。具体的にはスタミナと健康に良いといわれているメニューとその食材や飲料、特に新商品を提案する。販促のポイントは「価格訴求」ではなく「品揃え訴求」である。スタミナ健康メニューとして「焼肉関連商品」の展開、脂肪を燃やすなどの機能のあるトクホ飲料関連の展開、栄養ドリンク類などを展開して幅広い品揃え展開で訴求力を高めたい。

重点商品

エバラ食品の新商品で黄金の味贅沢林檎。永谷園の新商品でペペロンチーノやカルボナーラなどのパキットシリーズ。味の素の鶏チャーシュー用や鶏のうま煮用などのスチーミーシリーズ、クノールたんぱく質がしっかり摂れるスープ2種など。飲料ではトクホ商品の花王ヘルシア、伊藤園のおーいお茶カテキン緑茶、コカコーラのからだすこやか茶Wなど。

菓子

子どもに人気! 小袋連菓子全員集合!

子どもに人気のポケット菓子、キャラクター菓子、ミニ菓子、4連菓子など小袋菓子を品揃え。小さな子どもたちに親や祖父母が買い与えるだけでなく、低価格帯の菓子をメインに自分の小遣いから自分で選んで買ってもらうための品揃えがポイント。

重点商品

子どもはじめ、若い女性層にも人気のチロルチョコシリーズ。おやつカンパニーのベビースターいろいろ4連、ブタメンシリーズ、鬼滅の刃ポテト丸。湖池屋のポリンキーシリーズ、すっぱムーチョシリーズ、カラムーチョシリーズ。エイワの4連カルピスマシュマロ、新商品のむにむにだよ(青リンゴ味)など。

ありがとうを添えて、ママへのプレゼント!

10歳未満の子どもと母、成人した子と母などさまざま親子の形がある。いずれも感謝の気持ちを添えてプレゼント用のプチぜいたくな菓子類を展開。子どもの小遣いで買える低単価の菓子類も展開。売場づくりとして「お母さんへのメッセージ用紙」と趣旨を書いたPOPを準備してアピールしたい。

重点商品

ブルボンの新商品のバタースコッチサンド、バタークッキー缶ハローキティ、ロアンヌバニラなど。不二家の新商品のカントリーマアム濃い抹茶ショコラ、12粒ミルキーチョコレート、ホームパイなど。

明治の新商品でチョコレート効果3種のアソート大袋、オリゴスマートシリーズ、きのこの山とたけのこの里12袋シリーズなど。ロッテの新商品でチョコパイ苺テイラミス、江崎グリコの新商品のクリームコロン大人のさくら抹茶など。

気温上昇中! 初夏の涼菓フェア!

気温がさらに上昇して20℃を超える日が頻発の時季で涼菓を食べたくなるころ。そこで、涼味デザートで人気アイテムのゼリー、プリンをフル展開。こんにゃくゼリーが子ども以外にダイエットに関心がある若い女性層に支持されて人気が定着した。水分の多い菓子類、デザート類へのニーズが高まってくる中、品揃えで選ぶ楽しさの演出を訴求。

重点商品

水ようかん、こんにゃくゼリー、プリン、寒天ゼリーはじめ、冷やしておいしいようかん、もなかなども展開。さらに若い女性層に人気の梅、メロン、かんきつ類の常温パックフルーツゼリーなどを品揃え訴求したい。

ビールの名脇役! ナッツ類フェア!

気温上昇と共にビール、発泡酒の需要が伸びてくる時季。関連商品として家飲み用のつまみ類をボリューム展開。従来は落花生とさきいかがメインだったが品揃えを深くして、シニアの健康、女性層の美容にも配慮したミネラル豊富なナッツ類を品揃え訴求展開したい。 

重点商品

殻付き落花生の中でもこだわり商品の千葉産はロングセラーの売れ筋商品なので必須で展開したい。最近のトレンドとして健康志向のアーモンド、カシューナッツ、クルミ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、カボチャの種、ブルベリーなど選べる幅を広げ、さらにワカメ類やジャーキー類なども関連展開。

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