新生活と春の提案、下旬のGW準備に向けた売場づくりを|日用品/雑貨・4月の商品と売場

2023.03.15

2023.06.12

4月下旬からは、GWが始まる。GW前半までは、「GWの準備」を展開し、それ以降は、「GWを楽しむ」売場として、家にいる人たちができる楽しみ方や行動を提案する。旅行や行楽のための準備をきっちり行いたい。

また、新生活のスタートである4月は、GWに向けて売場を変化させる時期である。「新生活用品」のニーズから「春」のニーズへと比重が変化していく。「新生活」が、ある意味、限定された人(生活環境が変化する人)がターゲットであるのに対して、「春」のニーズは、ほとんどの人がターゲットとなる。そして、気温の変化とともに、お客のニーズは、体に直接触れるもの、身に付けるものから変化していく。気温の変化とともに変化するニーズをきちんと提案しよう。

新生活用品

すでに新生活がスタートし、学校、会社が始まったころである。家電製品や家具、インテリアなどの大型商品は、すでにそろえているが、生活に密着した商品などは、意外と買い忘れが多い。新生活用品を生活用品にシフトして、新生活者ターゲットに絞らずに、幅広い提案を行いたい。

新生活買い忘れ提案

アイデア商品だけでなく、あると便利な必需品を提案していきたい。例えば、キッチンツールでは、包丁やまな板は、用意するが、缶切りは意外と忘れやすい。普段はメインの商品ではないが、必ず必要な商品を提案する。

キッチン用品ならば、最初は、フライパンや炊飯器などの調理器具を用意するが、実際には、調理の手間をかけない場合が多い。電子レンジを利用した調理などの便利グッズを提案する。ヘルス&ビューティケアのメインはシャンプーやコンディショナー、スキンケア化粧品などのいわゆる消耗品だが、一緒に使うべくヘアブラシやコットンなどの脇役小物は買い忘れしやすい。

春の学校行事

最近では、春に運動会や体育祭を行う学校が増えている。もしも、春に運動会などを行うならば、その準備を提案しなければならない。ステンレスボトル、弁当用品などの商品は、行楽用品と重なるので、タイトルをきちんと打ち出して、お客に訴えることが大切である。

春の提案

春といえば「桜」である。春の色は桜色が好まれる。桜の柄や商品は数多くあるので、春限定の桜フェアで、春のイメージを提案し、購買力を高めたい。

桜フェア

テーブルウエアとして飯椀、汁椀、箸や漆器などの桜模様の商品を集め提案する。インテリアでも、ラグやクッションカバー、のれんなどでは、桜の柄の商品が多い。和テーストの部屋をイメージした商品提案を行ってはどうだろうか。

春のコスメ

この時季はピンクを基調とした春らしさを目で感じ取れる「かわいい」売場を作る。メイク品を中心にポーチや手鏡等の小物までを品揃えする。今年は、口紅やパック、ファンデーションなど口周りのコスメの提案を。

ダイエットスタート

歓迎会などで飲食の機会が増え、人間ドックや健康診断などが行われる時季なので、ダイエットを始める人が増える。ランチの代替になる栄養補助食品やインスタント食品などを中心にした品揃えにする。一人暮らしや新生活で新たに体重計を購入するニーズがある時季なので、体組織計を中心に体脂肪計、体重計の品揃えを厚くする。

新商品フェア

化粧品を始めとして、春は、新商品が発売されている。大手メーカーならば、テレビCMなども多く認知度が高いが、それ以外のメーカーでも、新商品は多い。スターターキットやお試し品などの提案を行い、新商品の提案を行いたい。

GW準備

GWは、気温の上昇により、外で活動しやすい状況となることにより、屋外でのイベント(行楽、花見、遠足、アウトドアなど)がしやすくなると共に、人も活動的になる。衣服は冬物から春、夏物へと変化し、部屋を冬から夏の準備へ変化させていく。これにより、部屋の模様替えや冬物収納という行動が起こり、それがニーズになっていく。

GWの購買動機が高まるもう1つの要因は、GWという長期休暇の存在である。この、長期休暇の存在が、温度変化による行動をさらに促進し、それによるニーズを高め、商品の購入時期を集中させているのである。「休みだから出かけよう」「休みだから衣替えをしよう」という、普段の短期的な休みではできないことも長期休暇の存在によって、まとめて行おうとする意識が高くなるのである。

GWの売場づくり

GW期間は多くの店舗でGWに向けて、売場をつくり、GWが終わるまで、売場を維持しようとする。しかし、お客のニーズを考えてみよう。GWにすることは、「外に出かける(ドライブ、旅行、行楽など)」と「家で過ごす(ガーデニング、家の補修や掃除、衣替えなど)」である。

GW前は、GWにすることの準備をそろえる。外に出かけるための準備は、GWの前半までで終えてしまい、GW中は、出かけてしまう。従って、外に出かける準備提案は、GW以前の4月中旬から展開し、5月に入ってから徐々に縮小が可能となる。

縮小した売場に増やすのは、GW中に家で過ごす人が、来店して楽しむ売場である。4月からGW前半までは、「GWの準備」を展開し、それ以降は、「GWを楽しむ」売場として、家にいる人たちができる楽しみ方や行動を提案するようにしたい。

外へ出かける準備

長期の休暇は、アウトドアや旅行など外出することが容易になる。目的や交通手段、外出期間などによって、必要なものは違ってくる。「どのような場合に、何が必要になるのか」「こんな時に、こんなものが便利」などの提案を行うことが必要である。

アウトドアへ出かける…GWには、本格的なキャンプにはまだ早いが、家族で河川などに行き、バーベキューを楽しむ。キャンプ用品よりもバーベキュー用品を中心に展開する。バーベキューコンロ、鉄板、網などのバーベキュー用品に木炭、着火剤などの消耗品は、きちんと提案したい。

行楽へ出かける…アウトドアと同じではあるが、行楽の方が観光的な要素が強い。バス旅行やピクニックなどを想定した商品提案を行いたい。商品としては、ステンレスボトル、ランチバック、クーラーボックス、紙コップ、紙皿、水筒など。アウトドア用品とリンクした提案を行いたい。

トラベルに出かける…宿泊する旅行も長期休暇であるGWには、海外への旅行も想定した提案を行いたい。スーツケース・バッグを中心に、トラベル用品の提案を行う。子どもも一緒だとさまざまな用品が必要になるので、ベビー、キッズのトラベル用品の提案を行いたい。

ドライブに出かける…移動の交通手段として、乗用車は欠かせない。ロングドライブに備えて、カー用品の提案を行う。ワックス、シャンプー、洗車用スポンジ、ブラシ、踏み台などの洗車用品、ロングドライブを快適にするクッションや芳香消臭剤、サンバイザーなどの車内小物を提案する。

紫外線予防…GWになると、紫外線の量は真夏と同じぐらいの量に達する。紫外線に対する正しい知識を分かりやすくPOPなどで伝え、日焼け止めクリームや日傘、サングラスなど関連商品も提案をする。紫外線対策商品はこの時期から7月中旬までが販売のピークとなる。

自宅で過ごす準備

自宅で過ごす人でも、1日中じっとしている人はいないだろう。ショッピングにも行くし、家事や掃除もする。春の特性を考慮しつつ、テーマを持った企画、提案の売場を行い、来店した人にアピールしていきたい。

収納…GWの時季は、衣類や部屋が変化する時季でもある。「衣替えをする」ということは、収納場所から収納物を一度出して、新しくしまうことでもある。そのとき、普段見つけられない汚れなどを見つけて、掃除が必要になる。

例えばこたつをしまうときにも、掃除をしてからしまうし、カーペットを冬物から春物に変えるにも、一度掃除をする。基本的には、衣類収納であり、防虫剤や衣裳ケースが中心となるが、布団や暖房用品などの収納袋などのシーンを考えた展開も忘れずに行いたい。

掃除…普段使用しない押入れなどを入れ替えるときには、ついでに掃除をする。また、部屋の衣替えをするときに、掃除も行う。年末の大掃除に塗ったワックスも塗り替えの時季でもある。大掃除ほど大掛かりではないが、床を中心とした部屋の掃除用品を提案していく。

洗濯…衣類を収納する時には、クリーニングに出したり、洗濯をしてから収納する。また、洗濯には最適な気候となることもあるが、子どもたちが外で遊ぶ機会が増え、洗濯物も増えてくる。定番的商品ではあるが、ブルー系の爽やかなカラーを中心として、低価格商品と便利な商品を組み合わせた品揃えで、提案していきたい。

ガーデニング…外の作業に適した気温になったことと植物を植えることに適した気温のため、ガーデニングはGWに最大のピークとなる。

この時季は、花、苗の植え付けの時季であり、花苗などの生物はもちろんだが、付随する用品をいかに提案するかがポイントだ。花苗を植えるには、肥料や土などが必要であり、さらには、スコップや散水用品、エプロンや長靴などの衣類などが必要となる。

さらには、花や野菜を育てたり長持ちさせるには、手入れが必要であり、殺虫、殺菌剤などの薬品や肥料、支柱、噴霧器やスプレーなどの作業用品などが必要である。これらのガーデニングの楽しみ方をタイミングよく提案することが必要なのである。