改めてハンバーグ、肉惣菜強化、意外に品揃えされていない「キッズメニュー」も開発を|「これは押さえたい」惣菜編・2023年11月

2023.10.19

2023.11.24

城取フードサービス研究所代表 城取博幸

11月の主なイベント、行事は、1日(水)「寿司の日」「紅茶の日」、3日「文化の日(金)」「高野豆腐の日」、8日(水)「立冬」「立冬」「とんかつの日」、10日(金)「アメリカンフライドポテトの日」、12日(日)「豆腐の日」、15日(水)「七五三」、16日(木)「ボジョレーヌーボー解禁」、21日(火)「フライドチキンの日」、22日(水)「小雪」「ショートケーキの日」、23日(木)「勤労感謝の日」「赤飯の日」「乳酸菌の日」、24日(金)「和食の日」、25日(土)「プリンの日」、26日(日)「鉄分の日」、29日(水)「肉の日」。

「寿司の日」「高野豆腐の日」「とんかつの日」「フライドポテトの日」「豆腐の日」「フライドチキンの日」「赤飯の日」「肉の日」などの記念日に合わせて該当商品の訴求を行う。

「七五三ホームパーティ」は縁起の良い焼きダイ、エビ天、茶わん蒸し、赤飯、ちらし寿司、煮しめ、紅白なます、紅白すあま、七五三ケーキなど「赤色」を使った料理を提案する。

安さのイメージを与えるためのばら販売、少量パックの品揃えの他に、コストコのような「ファミリーパック」「メガパック」も品揃えする必要がある。1kg弁当やダブル丼、ファミリー寿司、ミニオードブルなど2食分の容量の物も品揃えする。

分野としては肉惣菜に力を入れて販売したい。日配部門の売れ筋商品を商品化することも一案だ。青果や水産など生鮮素材が苦戦しているため、生鮮部門も即食できる惣菜を製造販売する傾向が見られるため、他部門の売れ筋商品にも注目。

11月に需要が伸び、前年を上回ったゴールデンカテゴリーはハンバーグ(103.08%)。

11月に需要の変化はあまりないが、前年を上回ったカテゴリーは調理食品(104.44%)、弁当(106.71%)、寿司(101.20%)、おにぎり(112.59%)、調理パン(105.49%)、スナック(109.72%)、コロッケ(104.19%)、カツレツ(103.51%)、天ぷら、フライ(105.20%)、ギョーザ(101.23%)、11月に大きく需要が落ちたが、前年を上回ったカテゴリーはサラダ(113.18%)、焼き鳥(106.82%)、惣菜材料セット(73.76%)。

11月に前年を下回ったカテゴリーはうなぎかば焼き(88.35%)、シューマイ(90.63%)。

11月のゴールデンカテゴリーは「ハンバーグ(103.08%)」1品のみであった。それだけにハンバーグ、ミートボールに注力して販売したい。ハンバーグは「ハンバーグ弁当」「ロコモコ丼」と2枚、3枚入りの「ファミリーパック」を販売。ミートボールは小粒タイプと大粒タイプを販売する。黒酢、トマト、きのこクリームなどソースのバラエティも広げたい。

前年を上回ったカテゴリーには季節指数は低いが、大の月に換算すれば10月とあまり変わらないカテゴリーも多い。注目は米飯類。新米が出回り米の重要も高まっているため弁当、寿司、おにぎりの訴求。冬の味覚である冬野菜、キノコ、豆類、秋サケなどを使った「弁当」「炊き込みご飯」「おにぎり」「おこわ」「腹子飯」「五目いなり」などを積極的に販売する。

需要は前月に比べてあまり伸びなかったが、「サラダ(113.18%)」は2桁成長であったためカップサラダも加えてアイテムを拡大する。「粉物」も売れる時季。焼きそば、焼うどん、お好み焼き、パスタ、ピザ、調理パンは売上げアップが期待できる。「やきとり」は串の他にローストチキン(ハーフ、4分の1)も販売したい。

苦戦したカテゴリーはうなぎかば焼き(88.35%)、シューマイ(90.63%)、惣菜材料セット(73.76%)である。売上げには大きく影響しないが、ごちそうメニューとして「腹子めし」「うな重」「うな丼」「ひつまぶし」を販売する。「ミンチ物」の「シューマイ」は苦戦したが、ギョーザ、小籠包、ハンバーグ、ミートボール、中華まんは積極的に販売したい。料理メニューを「焼き」から「煮る」「蒸し」に変更し、チルドの「水ギョーザ」「スープギョーザ」「煮込みハンバーグ」「つみれ汁」を販売したい。

ハンバーグ

ハンバーグ類は11月唯一消費が伸びて、前年もクリアしたゴールデンカテゴリー。海外では日本のような合いびき肉のハンバーグはあまり見かけない。ハンバーグと言えばハンバーガーパティを指す。ハンバーグは「ハンバーグ弁当」「ロコモコ丼」「ハンバーガー」で販売。今月は「ミートボール」の販売に力を入れたい。

売場づくり

和風ハンバーグ、ミートボール、キノコクリームハンバーグ、ミートボール、トマトソースハンバーグ、トマトソースミートボールは弁当と単品で「味比べセール」を実施する。ミートボールは小粒の物と大きめな物があればなおよい。

アメリカ東部のスチューレオナルドで販売されていた大型パックの「ミートボールパスタ」。トマトスパゲティの上にミートボールが10個も盛られている。主食と副菜が逆転している。ミートボールは「パスタ」だけでなく「あんかけ焼きそば」「カレー」など和洋中、エスニックとも相性も良い

おにぎり

おにぎりの11月は消費が落ちるように見えるが、大の月に換算すれば10月とあまり変わらない。13カ月連続で前年をクリアしている優良カテゴリー。ハンバーガーと並び「ハンディフーズ」として消費が伸びているので積極的に販売した。

売場づくり

安価なアウトパック「フィルムおにぎり」に加え250円~300円クラスの具材にこだわったおにぎり、400円~500円クラスの「おにぎり弁当」をインストア製造したい。ハンバーガーと隣り合わせで販売してもおもしろい。

東北地方でよく売れているみそ焼きおにぎり。おにぎりに甘めのみそを塗りオーブンで焼いたもの。気温が下がるにつれて温かいおにぎりを販売したい。写真のように盛り合わせてもおもしろい

天ぷら、フライ

天ぷら、フライも大の月で換算すれば10月と消費はあまり変わっていない。13カ月連続で前年をクリアしているが、伸び率はそれほど高くない。今月は天ぷらうどん、天ぷらそば需要に対応してエビ天と天ぷら盛り合わせに注力して販売したい。

売場づくり

天丼、天ぷらセットを大量生産するためには「冷凍野菜天ぷら」の力を借りたい。年末の「年越しそば」のエビ天需要に備え、手揚げの「大エビ天ぷら」も販売したい。

外食の天丼や天ぷら盛り合わせをよく見るとエビ天は1人前2本であることが多い。天丼もエビ天2本を見かける。2人前の天ぷら盛り合わせはエビ天4本入りを提供したい。原料のエビは安定供給されているためさらなる売上げアップを図りたい

サラダ

サラダ類の11月は消費が10月に比べて落ち込むが前年をクリアしている。前年比113.18%と2桁成長であった。いままでのポテトサラダや生野菜サラダだけではさらなる売上げアップは望めない。「新作サラダ」の開発が必要だ。

売場づくり

ひじき、ツナ、サラダチキン、チーズなどを混ぜたサラダ専門店風の「新作野菜サラダ」を販売したい。話題のカップサラダを導入しサラダコーナーに縦割り2尺ほどの売場を確保したい。

カップサラダ。コンビニなどを中心にカップサラダの品揃えが増えている。今までのサラダをカップに盛り付けただけでなく、内容やトッピングに凝ったサラダ専門店のような「新作サラダ」を提供したい

トレンド商品

あおさおにぎり

島根県の名物おにぎり。のりの代わりに「あおさのり」を使ったおにぎり。磯の香りが強く同じく名物のシジミ汁ともよく合う。山口県のうどん店「どんどん」の「わかめおにぎり」も有名。新作メニューとして中国地方のあおさおにぎり、ワカメおにぎりを導入してはどうだろうか。

厚揚げ煮

日配部門の豆腐や油揚げの需要が伸びている。「プラントベースブーム」も一周回って伝統食品に戻っているかもしれない。惣菜売場も豆腐、揚げを使ったメニューを拡大したい。

揚げ出し豆腐、豆腐ハンバーグ、厚揚げ煮、がんも煮、高野豆腐煮、栃尾揚げ、豆腐田楽などで売場づくりをするとよい。

ロースト肉

ライフコーポレーションの精肉売場のロースト肉盛り合わせ。惣菜売場でも牛豚鶏、カモ、ラム肉などを盛り合わせたロースト肉盛り合わせを品揃えしたい。半加工された食材をスチームコンベクションオーブンで焼けば商品化できる。これからは単価の張る肉惣菜を育成したい。アメリアやヨーロッパでは肉惣菜が主流になっている。

キッズ弁当

ベルクの新フォーマットの「クルベ」で販売されていたキッズ弁当。スーパーマーケットは「お子さまランチ」「お子さまプレート」「お子さまパン」「お子さまデザート」などのキッズメニューの品揃えが少ないため、子どもの好む料理やデザートを集め新カテゴリーとして育成したい。