魚肉練り製品、豆腐、揚げ、和洋生菓子、浅漬けに注力|「これは押さえたい」日配編・2023年12月
2023.11.20
城取フードサービス研究所代表 城取博幸
12月の行事、記念日は、1日~25日(月)「歳末助け合い運動」、ボーナス支給、4日(月)「みたらし団子の日」、7日(木)「生パスタの日」、10日(水)「アメリカンフライドチキンの日」、12日(火)「豆腐の日」、13日(水)「ビタミンの日」、14日(木)「麺の日」、17日(日)「いなりの日」、20日(水)「ぶりの日」、22日(金)「冬至」「かぼちゃの日」、24日(日)「クリスマスイブ」、25日(月)「クリスマス」、28日(木)「官公庁御用納め」、31日(日)「大晦日」。
12月に需要が増え、前年も上回ったゴールデンカテゴリーは生うどん、そば(107.14%)、中華麺(104.89%)、揚げかまぼこ(111.07%)、ちくわ(108.13%)、魚介つくだ煮(101.24%)、牛乳(106.05%)、ヨーグルト(103.06%)、バター(100.00%)、チーズ(101.25%)、卵(107.20%)、豆腐(104.23%)、揚げ、がんも(107.38%)、こんにゃく(105.38%)、白菜漬け(103.51%)、他の和生菓子(110.03%)、ケーキ(103.07%)、他の洋生菓子(115.38%)、冷凍調理食品(116.42%)、他の主食的食品(111.76%)、乳酸菌飲料(118.85%)。
12月の需要は変わらないが前年を上回ったカテゴリーはパン(104.89%)、食パン(107.34%)、他のパン(103.77%)、マーガリン(107.69%)、ゼリー(113.98%)、アイスクリーム(106.94%)、調理パン(104.59%)、乳飲料(112.83%)、果実、野菜飲料(101.66%)、コーヒー飲料(106.99%)。12月に需要が増えたが前年を下回ったカテゴリーはかまぼこ(97.89%)、大根漬け(93.39%)、他の漬物(99.36%)、昆布つくだ煮(98.96%)。
12月に需要は減ったが前年を上回ったカテゴリーはプリン(113.67%)、12月に前年を下回ったカテゴリーは納豆(95.52%)、梅干し(78.15%)、シューマイ(96.67%)、ギョーザ(95.68%)。
相変わらず魚肉練り製品、豆腐、揚げ、和洋生菓子が好調。新商品の導入と品切れに注意する。気温が低下することで、麺類や牛乳、乳製品も売れているため積極的に販売する。パン類は需要の変化が少ないが売上げは好調。気温が下がっても飲料、ゼリー、アイスクリームは伸びているため売り逃しがないようにする。プリンは2桁成長であったため、販促を強化する。
一方で8カテゴリーの消費が減った。特に納豆、漬け物が不振であった。今年の冬は野菜相場の高騰が予想されているため、漬け物の販売がチャンスである。浅漬けに注力する。
クリスマス、年末年始対策
今年のテーマは「プレミアム(上質)体験」と「わが家のオリジナルメニュー」。いつものモノとは違う、いつものコトと違う体験を消費者は期待している。せっかくだから「クオリティの高い商品にも挑戦してみたい」という願望もある。品揃えがなければこれに応えられない。
コロナの経験から家庭で料理をする習慣が広がった。すべて加工された商品だけでなく、家庭で一手間加える商品も提供してほしい。
クリスマスは「家庭でトッピングするクリスマスケーキ、ピザ」「切って重箱に詰めるだけの適量おせち材料」、「つゆやトッピング食材を充実させた麺売場」などの提案が必要。「新しい提案、新しい体験がなければ需要は伸びない」
ケーキ
ケーキは年間最大の需要高。前年もクリアしているし、直近8月の需要も高まっている。
パンメーカーのケーキ、専門店のケーキ、手作りケーキとお客の好みも多様化しているため、その期待に応える品揃えをしたい。
売場づくり
予約販売で売上げが決まるため、積極的に販売する。当日販売は大型店に在庫を持ち、状況に応じて店間移動を行い、なるべく売り切るようにする。
チーズ
チーズは値上げがあったものの、昨年10月から8月まで連続11カ月前年をクリアしている。12月は年界最大の需要高だけに積極的に販売する。つまみやおやつだけでなく料理提案も行う。
売場づくり
シュレッドチーズの大袋、アソートチーズ、カット済みチーズのフェースを広げて陳列ケース最下段で販売する。
他の主食的調理品(スナック)
スナック類は13カ月連続前年クリアの好調カテゴリー。パスタ、ピザ、グラタン、中華まん(チルド、冷凍)などが含まれるため、冬休みの間食、おやつとして提案する。
売場づくり
クリスマス、年末年始にチルドピザを積極的に販売する。関連商品としてシュレッドチーズ、フレッシュモッツァレラチーズ、生ハム、ブラックオリーブ、セミドライトマトを訴求し、「オリジナルピザ」を提案する
乳飲料
乳飲料は12カ月連続前年をクリア。1ℓタイプ、カップタイプのカフェオレ、カフェラテが代表的商品。チョコレートドリンク、ココア、紅茶のカップ飲料も一緒に品揃えしたい。
売場づくり
カフェオレ、カフェラテ、コーヒー、ココアの上にホイップクリームをトッピングする提案をする。カップ入り乳飲料はバンドル販売も行う。
かまぼこ
昨年12月は前年を下回った。セットものが主流なので積極的に販売する。高級品はハーフサイズを訴求する。
売場づくり
紅白かまぼこ、伊達巻、なると巻きのセットものは多段ケース最下段、冷蔵平ケースで大量陳列する。雑煮などの加熱用は低価格品を提案。
魚介つくだ煮
魚介つくだ煮も年間トップの需要。おせち料理には「田作り」が多く使われるが、伝統食品として川魚、淡水魚のワカサギ、コブナ、コアユ、ゴリ、川エビ、シジミなどのつくだ煮もおせち重に加えたい。
売場づくり
つくだ煮盛り合わせやつくだ煮ギフトセットもしっかりと品揃えし、年末に平台などで販売する。縁起物でもあるためその由来もPOPで訴求する。
昆布つくだ煮
今年は2月から8月まで前年をクリアしている。昨年12月は残念ながら前年を割ってしまったが、今年2月から8月まで前年をクリアしているため12月も期待できる。
売場づくり
日持ちがする商品だけに、試食を兼ねて中巻きの1本入り、2本入りを11月からケース最下段で大量陳列して販売する。
他の和生菓子
和洋生菓子は13カ月連続前年をクリアしているゴールデンカテゴリー。お祝いの和菓子は3月、5月、12月によく動くため、売り逃しがないようにする。1月は思ったより動いていない。
売場づくり
際物の上生菓子も日持ちのする商品も発売されているため、保存期間が短いものとうまく組み合わせて販売する。
トレンド商品
パンプキンプリン
「冬至カボチャ」に対応したプリン。写真はカボチャやニンジンに麹を加えた「発酵野菜プリン」。惣菜専門店で売られている商品だが、日配部門でもより手造りに近いプリンを販売したい。
温+冷デザート(ホットファッジなど)
ホットファッジの本来の意味はアイスクリームにかけるチョコレートシロップのこと。温かいパンケーキ、ベルギーワッフル、焼きまんじゅう(写真)の上にアイスクリーム、ホイップクリーム、チョコレートシロップやカットフルーツをトッピングしたデザートを提案。冬には冬の「温」「冷」ミックスのデザートを提案する。
年越しそば
年越しそばも多様化が進んでいる。「天ぷらそば(温か冷)」だけでなく、ざるそば(冷)+鴨南蛮(温)など「冷温ダブルつゆ」で食べる年越しそばを提案したい。つゆ売場でも「温」と「冷」を分けてPOPなどで訴求する。
袋入り惣菜
おせち用「煮しめセット」を提案。通常の煮しめにクワイ、里芋、ギンナン、生麩など季節の野菜、麩を加えた真空パック(2人前)を販売する。惣菜部門と競合するが日持ちがするため早くからの大量陳列が可能。