プレミアム、わが家のオリジナル、チキン、エビ、カニのごちそうメニューを|「これは押さえたい」惣菜編・2023年12月
2023.11.24
城取フードサービス研究所代表 城取博幸
12月の行事、記念日は、1日~25日(月)「歳末助け合い運動」、ボーナス支給、4日(月)「みたらし団子の日」、7日(木)「生パスタの日」、10日(水)「アメリカンフライドチキンの日」、12日(火)「豆腐の日」、13日(水)「ビタミンの日」、14日(木)「麺の日」、17日(日)「いなりの日」、20日(水)「ぶりの日」、22日(金)「冬至」「かぼちゃの日」、24日(日)「クリスマスイブ」、25日(月)「クリスマス」、28日(木)「官公庁御用納め」、31日(日)「大晦日」。
12月は行事、記念日が多く年間最大の売上げを作る月。惣菜は好調な売上げであるが、12月商戦を機会にさらなる弾みを付けたい。惣菜は「クリスマス」と「大晦日」が最大の需要期となる。売上げが好調なだけに、新商品の導入、大型パックなど「松竹梅」の品揃えで新しい挑戦を行ってほしい。食中毒予防にも注意を払いたい。仕入れた商品もしっかりチェックし、過信しないことも重要。調子がいいときだけに油断は禁物だ。
12月に需要が伸び、前年を上回ったゴールデンカテゴリーは調理食品(108.36%)、寿司(107.74%)、他の主食的調理品(スナック)(111.76%)、サラダ(109.32%)、天ぷら、フライ(107.96%)、焼き鳥(117.35%)。
12月に需要の変化はあまりないが、前年を上回ったカテゴリーは弁当(105.30%)、おにぎり(112.07%)、調理パン(104.59%)。12月に需要が落ちたが、前年を上回ったカテゴリーはコロッケ(107.55%)、カツレツ(107.59%)。
12月に前年を下回ったカテゴリーはうなぎかば焼き(78.62%)、シューマイ(96.67%)、ギョーザ(95.68%)、ハンバーグ(99.23%)、惣菜材料セット(98.25%)。
12月は多くのカテゴリーがおおむね好調であった。12月の需要が伸び、前年をクリアした「ゴールデンカテゴリー」は、調理食品(108.36%)、寿司(107.74%)、他の主食的調理品(スナック)(111.76%)、サラダ(109.32%)、天ぷら、フライ(107.96%)、焼き鳥(117.35%)。
どれもクリスマス、年末年始のごちそうメニューだ。寿司は「海鮮握り 」「海鮮ちらし」、スナックは「ピザ」、サラダは「新作サラダ」、天ぷら、フライは「エビ天」「エビフライ」、焼き鳥は「ローストチキン」「焼き鳥盛り合わせ」に注力して販売する。
前年を上回ったカテゴリーは、弁当(105.30%)、おにぎり(112.07%)、調理パン(104.59%)、コロッケ(107.55%)、カツレツ(107.59%)。
「ハレの日メニュー」だけでなく、「ケの日」「普段」のメニューも好調であった。米飯類も好調であった。弁当は「幕の内タイプ」より「上載せタイプ」や「丼」が売れている。「おにぎり」は2桁の伸びであったため、品切れに注意。調理パンは「バーガー」「カツサンド」に注力。
「苦戦したカテゴリー」 は、うなぎかば焼き(78.62%)、シューマイ(96.67%)、ギョーザ(95.68%)、ハンバーグ(99.23%)、惣菜材料セット(98.25%)。
中華類とハンバーグが苦戦した。中華料理は「ギョーザ」「シューマイ」だけに頼らず、「酢豚」「八宝菜」「エビチリ」「中華盛り合わせ」の販促を強化する。ハンバーグ類は「ハンバーグ弁当」の他に「ミートボール」に注力して販売する。
クリスマス、年末年始対策
キーワードは「プレミアム(上質)体験」「わが家のオリジナルメニュー」。重点商品は「チキン」「エビ」「カニ」。チキンは「骨付きフライドチキン」。鶏肉は3kgくらいの大ひな鳥を8等分にカットして薄めの衣で揚げたものを販売したい。アメリカのウェグマンズの今年の一押し商品。ムネ肉の厚さは5cm以上もある。
また、「エビ」「カニ」メニューに注力したい。赤い食材は見栄えもよく食欲をそそる。「エビ」は安定供給され誰も好まれる食材だ。「エビフライ」「エビ天ぷら」「ガーリックシュリンプ」「シュリンプカクテル」「エビチリソース」など幅広いメニューを提供したい。見た目が赤色であるため、縁起も良く盛り合わせても目立つためメニューを広げて販売する。
「カニ」もエビ同様に赤色食材。「ボイルガニ」「焼きガニ」「ロブスターサンド」「ロブスターテルミドール」などを販売したい。家庭で一手間を加えたり、盛り合わせたりするだけの商品を提供する。
寿司
寿司は12月、2月、8月によく売れる。握り寿司だけでなく、年始用の日持ちのする「押し寿司」「棒寿司」「マスの寿司」「大阪寿司」「ばら寿司」なども品揃えする。
売場づくり
相場を見ながら「生たね寿司」も訴求。アウトパックの寿司もうまく活用し、売れ筋商品の製造に注力する。23日、30日の製造量、在庫に注意し、ロスを削減する。
天ぷら、フライ
天ぷら、フライは13カ月連続で前年をクリアしているゴールデンカテゴリーだ。クリスマス、年末年始の重点商品は「フライドチキン」と「エビフライ」「エビ天」「ボイルガ二」。
売場づくり
「ハレの日」メニューだけでなく、コロッケ、アジフライなど「普段のおかず」のおかずも忘れずに訴求する。
焼き鳥
焼き鳥は8月に消費を落としたものの、他の月は前年をクリアしている。昨年12月は117%と2桁伸びただけに、今年も売上げが期待できる。
売場づくり
「ケの日」は本数を重視し、小さめの焼き鳥を販売、「ハレの日」は大き目の焼き鳥を販売する。「牛串」の販売にもチャレンジしたい。
サラダ
サラダは3月、4月に落としたが、5月から需要が伸びている。青果の「カットサラダ」に押されている感もあるが、冬はマヨネーズベースの練りサラダを訴求する。
売場づくり
従来品の「ポテトサラダ」「マカロニサラダ」「サラダ3点盛り」に加え、今年はカップ入り「新作サラダ」「蒸し野菜」「焼き野菜」の販売を強化したい。
トレンド商品
年越しそば膳
年越しそばは「そば」と「エビ天」の組み合わせが主流だが、今年は「そば(温、冷)」に加えて「天ぷら盛り合わせ」「握り寿司」を加えた「年越しそば膳」を提案したい。エビ天は1人前2本提供したい。
カニ、エビのロースト
カニとエビ、野菜を盛り合わせた豪華版のレディトゥヒート商品。「むきエビ」「軸付きコーン」「ポテト」の上にボイルガニを載せたもの。電子レンジやオーブンで温めるだけの商品。写真は生のむきエビを使っているがボイルエビや加熱済み野菜の方が扱いやすい。エビとカニはごちそうだ。
焼きエビ
焼きエビは串に刺して焼くのが普通だが、背わたを取って塩コショウ、パプリカをまぶしてオーブンで焼くと色鮮やかな「焼きエビ」ができる。サイズにもよるが、殻ごと食べられる。酒のさかなやおやつ、重箱に盛り付けてもよい。
押し寿司
握り寿司は当日消費だが、「マスの寿司」「棒寿司」「大坂寿司」などの押し寿司は2日ほど販売が可能だ。元旦に営業している店は少ないため、31日に元旦用の寿司として販売したい。アウトパック商品を仕入れるのがお勧め。
ロブスターサンド
オマール海老のむき身をマヨネーズであえてロングロールに挟んだ高級サンドイッチ。
単価がかなり張るため、ロールパンに挟むのも一案だ。見れば一度は食べたくなる商品。クリスマス、年末年始の「プレミアムメニュー」としてサンドイッチ売場で販売したい。