おにぎり、調理パンの需要高まる、インストア製造、アウトパックのすみ分けで多様な需要捉える|「これは押さえたい」惣菜編・2024年3月
2024.02.15
城取フードサービス研究所代表 城取博幸
3月の行事、記念日は、1日(金)「釜めしの日」、3日(日)「ひな祭り」「くるみパンの日」「みたらし団子の日」、6日(水)「手巻きロールケーキの日」、7日(木)「花粉症記念日」「生パスタの日」、8日(金)「国際女性(婦人デー)」「ホールケーキの日」、9日(土)「ケーキの日」、10日(日)「ミントの日」「ゼロミートの日」、12日(火)「豆腐の日」、13日(水)「水産デー」「焼きそばの日」、14日(木)「ホワイトデー」、15日(金)「オリーブの日」、17日(日)「いなりの日」、19日(火)「シュークリームの日」、20日(水)「春分の日」「さつま揚げの日」、22日(金)「ショートケーキの日」、23日(土)「乳酸菌の日」、25日(月)「プリンの日」、29日(金)「肉の日」。
3月の最大イベントは3日の「ひな祭り」。ちらし寿司は必須。20日「春分の日」は天ぷら盛り合わせ、煮物盛り合わせ、あえ物、おはぎ、串だんご、桜餅を訴求。
3月から4月にかけて「お花見シーズン」がスタートする。週末にはお花見弁当、助六寿司、オードブル、鶏唐揚げ、フライドチキン、焼き鳥、枝豆、おつまみセットの販売を強化。弁当、寿司は予約販売を行う。
2023年3月の家計調査は、食料品計105.95%の伸び、外食、給食を除く食費は101.73%と微増。外食、給食は131.90%と大幅な伸びであった。
3月はイベント、行事が多いため「行事食」に注力する。また、子どもの春休みもあるため「ランチ需要」をターゲットに「キッズメニュー」も充実させたい。
総務省「家計調査」で23年3月に需要が伸び、前年を上回ったゴールデンカテゴリーは、調理食品(103.30%)、弁当(104.32%)、おにぎり(111.03%)、調理パン(106.50%)、他の主食的調理品(102.37%)、コロッケ(107.18%)、カツレツ(108.24%)、天ぷら、フライ(106.95%)、シューマイ(108.89%)、焼き鳥(111.34%)。
3月に需要があまり変わらないが、前年を上回ったカテゴリーは、惣菜材料セット(108.20%)、3月に需要が落ちたが、前年を上回ったカテゴリーは、寿司(103.70%)。3月に需要が伸びたが、前年を下回ったカテゴリーは、うなぎかば焼き(74.82%)、サラダ(99.81%)、ギョーザ(97.71%)、ハンバーグ(98.50%)。
需要が伸び前年をクリアした「ゴールデンカテゴリー」のおにぎり、調理パンが好調だ。3月はおにぎり(111.03%)vs.調理パン(106.50%)の戦いになるだろう。
3月は卒業、春休み、お花見と「人が動いたり、集まったりする月」。人が動くときはおにぎりとハンバーガー、ホットドッグなどの「調理パン」がよく売れる。どこでも片手で食べられることが重宝がられている。インストア製造とアウトパックのすみ分けをしっかりして販売したい。
コロッケ、天ぷら、フライ、カツレツなどの揚げ物も好調。花見や卒業祝いなどで「人が集まるとき」用に、週末にはオードブル、おつまみセットなどの品揃えをする。彼岸の天ぷらセット、天丼も積極的に販売したい。焼き鳥(111.34%)は2桁伸びた。焼き鳥盛り合わせはチルドと常温の温度帯で販売したい。
ひな祭りのちらし寿司、手まり寿司は、菜の花、タケノコ、梅などの季節の食材を盛り合わせたものを販売したい。赤色の食材を多く使い、彩りの良いものを販売する。「彼岸」のいなり寿司、巻き寿司、寿司盛り合わせも同様に季節の食材を加える。五目いなりや赤飯、山菜おこわも忘れずに品揃えする。
甘味はおはぎ、桜餅、草餅、串だんご、大福、上生菓子などでコーナー化を図る。盛り合わせや大型パックにもチャレンジしたい。
前年を下回ったカテゴリーは、うなぎかば焼き(74.82%)、サラダ(99.81%)、ギョーザ(97.71%)、ハンバーグ(98.50%)。うなぎは「ミニうな丼+麺類」「腹子飯+麺類」を製造する。麺との組み合わせが好調であるため、うなぎもうまく活用したい。惣菜の売上げが好調であるだけに、サラダ、ギョーザ、ハンバーグは販促を強化して前年をクリアする。
弁当
3月の弁当は年間最大の消費支出であった。惣菜部門の最重点カテゴリーだ。3月は行事、イベントが多いため「行事食」に合わせた弁当を販売したい。
売場づくり
売れ筋を中心に季節の食材を加えた弁当、丼を販売する。
おにぎり
おにぎりは13カ月連続で前年クリア。絶好調のカテゴリーだ。好調のカテゴリーだけに前年比120%を狙いたい。
売場づくり
ランチタイムには平台を増設して販売する。バンドル販売もおもしろい。おにぎり弁当もしっかり品揃えする。
コロッケ
コロッケは23年は5月を除けば前年をクリアしている。3月から急激に需要が伸びる。
秋に収穫し室に保管した「越冬ジャガ芋」はでんぷんが糖に変わり甘味が増す。「雪室ジャガ芋コロッケ」などの販売もおもしろい。
売場づくり
「おやつ」に「おかず」に幅広く食べられているため、ばら販売よりパック販売を強化したい。コロッケを使ったグラタンなども提案したい。
天ぷら、フライ
天ぷら、フライは12月、8月に次ぐ、3番目の需要高。3月は、「ひな祭り」「春の彼岸」と和食を食べる機会があるため、天ぷら、天丼の販売を強化したい。
売場づくり
週末には天ぷら盛り合わせだけでなく、フライ盛り合わせ、唐揚げ盛り合わせ、焼き物盛り合わせも提供したい。
うなぎのかば焼き
昨年前年をクリアしたのは6月、10月、11月とたった3カ月であった。土用うなぎも不調に終わった。うなぎ屋さんは年中営業しているため、うな丼、うなぎ重も通年で販売したい。
売場づくり
買いやすい価格の「ミニうな丼」「うな丼+麺類」「腹子飯+麺類」は通年で販売したい。
焼き鳥
3月から8月まで焼き鳥が良く動く。年末年始は焼き鳥の売上げが好調であったようだ。お花見がスタートするため焼き鳥は売りどき。蒸し焼きの焼き鳥にたれを付けて焼き鳥焼機やオーブンでたれを焦がせば見た目がよくなる。
売場づくり
焼き鳥盛り合わせ大型パックを販売する。1本120円がめど。
トレンド商品
アサリご飯
アサリの旬は、春は4月~5月、秋は9月~10月。旬の先取りで3月からアサリご飯を販売する。単品だけでなく弁当やおにぎりも製造したい。
焼き川魚
川魚をもう少し売り込みたい。写真は内臓を取った焼き済商品。冷蔵ケースで2、3日は販売可能だ。電子レンジで温めるだけの商品。
手造りチルドピザ
日配のチルドピザが売れているだけに、インストアベーカリーも焼きピザと同じ原料を使った「手作りチルドピザ」を販売したい。お客はチーズなど好みのトッピングをしてオーブンで焼くだけ。サンドイッチの冷蔵ケースで販売するとよい。
ホットドッグ(フランスパン)
柔らかいソフトロングドックではなく、フランスパンをぱりぱりに焼いてソーセージを挟んだもの。ソーセージはフランクフルト、ボロニア、チョリソー、ハーブなど5種類ほどそろえたい。ハンバーガーの次の商品として育成したい。
サバサンド
トルコ名物のサバサンド。最近は外食のメニューにも採用されるようになった。フランスパンにバターを塗り鉄板で焼き、骨なしのサバ塩焼き(調理積み)と、玉ネギなどの酢漬けの野菜を挟んだもの。新メニューとして販売してはどうか。
クッキー、マフィン
チョコクッキーはドトールコーヒー、マフィンはミスタードーナッツで売られている焼き菓子。スーパーマーケットでもインストアベーカリーでクッキー、マフィン、スコーンを販売する店が増えてきた。消費期限も長いので平台などで大陳して販売したい。