夏に向けて伸びる豆腐、中華麺、チルド、冷凍の弁当材料に注力|「これは押さえたい」日配編・2024年4月
2024.03.11
城取フードサービス研究所代表 城取博幸
4月のイベント、行事対応は、1日(月)「エイプリルフール」、入園、入学、初出勤のシーズン、4日(木)「あんパンの日」、5日(金)「チーズケーキの日」、6日(土)「手巻きロールケーキの日」、8日(月)「果物の日」、11日(木)「麺の日」、12日(金)「パンの日」、15日(月)「いちごの日」「菓子の日」、19日(金)「シュークリームの日」、22位(月)「ショートケーキの日」、29日(月)「昭和の日」「肉の日」。
4月は就職、入学、入園、転勤、引っ越しなど出費がかさむ月であるため、外食や食費を切り詰める傾向が見られる。月初から中旬にかけて「基礎食品」を主力に販売。引っ越しそばの提案も実施する。
「お花見シーズン」も迎えるため行楽弁当材料、寿司材料、飲料、和洋生菓子の訴求。月末のゴールデンウィークは焼肉、バーベキュー、行楽用品の販売を行う。
23年4月の家計調査は、食料品計107.21%の伸び、外食、給食を除く食費は104.94%の増。外食、給食は120.27%と大幅増であった。
スーパーマーケットでは23年は精肉部門、日配部門、一般食品、惣菜部門が売上げアップに貢献した。伸び率は日配部門が一番であった。
4月は季節の変わり目であるためウェザーマーチャンダイジングの強化。子どもの入園、入学、就職のシーズン。弁当需要の売り逃しがないようにしたい。「キッズ弁当材料」「キッズメニュー」の販売強化を行う。月初から冷凍食品を含め「お弁当材料フェア」を企画したい。
23年の家計調査から、4月に需要が増え、前年も上回ったゴールデンカテゴリーは中華麺(101.94%)、ちくわ(112.00%)、魚介つくだ煮(115.94%)、卵(133.57%)、豆腐(106.08%)、納豆(106.63%)、梅干し(118.18%)、昆布つくだ煮(116.05%)、ゼリー(101.83%)、アイスクリーム(102.05%)、冷凍調理食品(103.55%)、コーヒー飲料(109.14%)、果実、野菜飲料(102.43%)。
4月の需要はあまり変わらないが前年を上回ったカテゴリーはパン(103.13%)、食パン(101.36%)、他のパン(103.94%)、生うどん、そば(102.52%)、かまぼこ(106.19%)、大根漬け(113.33%)、牛乳(101.21%)、バター(111.96%)、チーズ(112.72%)、他の漬物(102.78%)、マーガリン(110.00%)、調理パン(110.79%)、シューマイ(107.61%)、乳飲料(109.05%)。
4月に需要が下がったが、前年を上回ったカテゴリーは揚げかまぼこ(113.04%)、揚げ、がんも(109.24%)、こんにゃく(108.18%)、白菜漬け(125.00%)、他の主食的食品(102.62%)、乳酸菌飲料(116.33%)。
3月に需要が伸びたが、前年を下回ったカテゴリーはヨーグルト(99.91%)。3月に前年を下回ったカテゴリーは、他の和生菓子(99.00%)、他の洋生菓子(95.63%)、ケーキ(96.18%)、プリン(91.89%)、ギョーザ(93.94%)。
需要が伸び、前年を上回った「ゴールデンカテゴリー」には弁当関連が目立つ。入園、入学、就職で弁当を作る機会が増える。チルドや冷凍の弁当材料に注力して販売する。
節約ムードの高まりから「基礎食品」の低価格訴求を行う。ちくわ、梅干し、魚介つくだ煮」昆布つくだ煮は2桁伸びた。弁当にも使える食材で日持ちがするため大量陳列して販売したい。
需要は伸びたが前年を下回ったカテゴリーにはヨーグルトがある。需要が伸びたが前年比99.9%であった。販促を強化することで前年をクリアしたい。安価な商品だけでなく抵抗力を高めたり、タンパク質(プロテイン)を強化したりなど付加価値の高い商品を販売したい。
前年を下回ったカテゴリーは、昨年は甘味類が不振であった。4月は入園、入学、就職、引っ越しの出費から節約好調が高まり、好調であった和洋生菓子やケーキ、プリンなどのし好品が前年を下回った。こだわり品よりも低価格商品を訴求したい。
4月は「三寒四温」でまだ気温が低い日もある季節の変わり目だ。夏物商品は「走り」。「走り商品」はアイテムを拡大するとともに売場を拡大し、冬物商品は徐々に売場を縮小する
豆腐
豆腐は夏に向けて需要が増える。4月は前年をクリアし需要も伸びるため、売り逃しがないようにしたい。生豆腐から加工豆腐に消費が移っている傾向が見られる。
売場づくり
需要増に備えて売場スーペースの拡大、涼味商品のアイテム拡大を図る。揚げ出し豆腐、麻婆豆腐など電子レンジ対応の商品の充実も図る。
家計調査の月別消費支出をグラフ化したもの。平均単価×購入数量=支出金額購入数量は1g~1kgと幅があるため小数点を変更して計算する必要もある。前年に比「支出金額」「平均単価」「購入数量」が伸びた場合は「赤字」の「○」。前年に比べて数字が下がったものは「黒字」の「×」で表記した
中華麺
冷し中華などの涼味麺は夏に向けて需要が伸びるが、4月は焼きそば、あんかけ焼きそば、皿うどんなど「焼き麺」に注力して販売したい。
売場づくり
冷し中華はロングライフ商品を品揃え。気温の高い日には販促を強化する。皿うどんの揚げ麺は日持ちがするため常に大量陳列して販売する。
梅干し
梅干しは長く前年を下回っていたが、昨年4月は前年をクリアし、消費も増えた。梅を漬けるシーズンに向けて早めに梅干し売場を充実させたい。
売場づくり
4月は需要が伸びるため、常温平台などで「梅干し祭り」を開催し、積極的に販売したい。
かまぼこ
かまぼこは3月に比べ需要は落ちたが前年をクリアした。練り製品はおでん材料、鍋など「加熱用」の需要が減り、サラダ、あえ物などの「生食用」の需要が高まる。
売場づくり
カニ風味かまぼこ、板かまぼこ、チーズかまぼこは売場、アイテムの拡大。生食の他に、揚げ物、炒め物の提案を行いたい。
ヨーグルト
ヨーグルトは5月まで需要が伸びるが、昨年は前年を若干下回ってしまった。5月には前年をクリアしただけに4月から積極的に販売したい。
売場づくり
プレーンヨーグルトは機能性を強化した商品の訴求。フルーツヨーグルトはフルーツ増量のものを販売したい。
チーズ
チーズは5月に向け需要が伸び、13カ月連続で前年クリアしているゴールデンカテゴリーだ。子どもの「お弁当にチーズ」を提案したい。
売場づくり
チーズは子どもの成長を支える存在。弁当にもベビーチーズ、キャンディチーズ、スティックチーズなどを入れて持たせたい。
ゼリー
ゼリーは8月まで需要が高まる。3月は前年を下回ったが4月~11月までは前年をクリアしている。気温が高まる日によく動くため品切れに注意。
売場づくり
常温保存可能のジャンボゼリーは常に大量陳列。ケース売りも行う。チルドのゼリーは、あんやきな粉、くず餅を使うなど、「和洋折中型ゼリー」も訴求したい。
乳飲料
乳飲料は3月に比べて需要が落ちるものの、前年をクリアし、夏に向けて需要が高まる。
カップ入りのミルクコーヒー、カフェオレ、ミルク紅茶、ミルク緑茶を積極的に販売する。
売場づくり
カップ飲料売場の拡大とアイテムの拡大。ブランド別販促コーナーを新設してもおもしろい。
トレンド商品
カリカリぴーなつメープル
「ピーナツみそ」で有名な鳩屋があえてみそを使わず、メープルを使った豆菓子を発売。和のテイストを消した新しい商品。食べ始めたら止まらない商品だ。ファミリー向け大型パックで発売。
バターミルク
バターミルクはクリームからバターを作る過程で残った液体のこと。これはバターミルクを発酵させてヨーグルトにしたもの。濃厚で贅沢な味わい。ホエー(乳清)はチーズやヨーグルトで固化しなかった液体部分で、話題のプロテインの原料となる。
チルド雪見大福
人気のアイスクリームが、「冷凍からチルド」へ保存温度を変更させた。逆もあるかもしれない。これからは「チルドから冷凍」「冷凍からチルド」へと温度帯の違う販売も増えてくるかもしれない。
コーヒークリームもなか
豆あんにコーヒー、クリームを使った「和洋折衷和もなか」。伝統和菓子に洋菓子をうまく組み合わた好事例。洋菓子に和のテイストを加えることもできるハイブリッド技術。これは海外ではできないこと。