癒やしを求める現代の生活者の気持ちにぴたりとマッチ。心身ともに健やかさを保つ“ととのう食”とは!?

2022.11.15

ひめこカンパニー 山下智子

サウナ愛好家から広まった、“ととのう”という言葉。食業界でも、心身を良好に保ちたいというニーズが強まり、“食べてととのう”ことをテーマにした商品や提案が増えている。

画像はイメージ

乳酸菌配合の“ととのう”温スープ

日清食品は、“ビタミンと乳酸菌が摂れる温かいポタージュスープ”がコンセプトのカップスープ「ととのうポタージュ」を販売している。乳酸菌を配合した商品に注目が集まる中、ほとんどの商品は乳飲料のような冷たいものばかり。そこで、温かさにほっこり癒やされ、気持ちも身体もととのう同品を開発した。

1杯でビタミン11種と同社独自の“リフレクト乳酸菌 (T-21株)”100億個を摂取できる。素材を生かしたクリーミーで濃厚な味わいの「トマト」「コーン」の2種類で、前者はトマトが溶け込んだような舌触りが、後者はなめらかな舌触りが楽しめる。

ほっとひと息つきたいときにぴったりの、片手でも持ちやすい小ぶりなカップ入り。身体が温まる濃厚ポタージュで“ととのう”時間を過ごしてほしいと訴求する。

つまんで“ととのう”スチーム芋

スチーム食パン専門店「STEAM BREAD(スチームブレッド)」を手掛けるTHINGxは、蒸し芋ブランド「STIMO(スチイモ)」を立ち上げ、“おイモをつまむ、身体ととのう。”がコンセプトのさつま芋を使った商品を発売した。

過熱水蒸気でじっくりと火入れし、芋本来の風味やうま味、栄養素を閉じ込めている。スチームにより、焼き芋と比べGI値を約2分の1以下に低減。低GI食品は血糖値の上昇を緩やかにするとされ、仕事中の間食など、眠気を引き起こしたくない時や集中力を高めたい時に最適だ。加えて、スチーム後に芋を冷凍することで、酪酸(短鎖脂肪酸)を作り出すレジスタントスターチが増加。睡眠の質向上、体脂肪燃焼といった身体を“ととのえる”多くの効果が期待できる

食感は、しっとりねっとり。ひと口サイズにカットした芋がジップ付きパウチに入っているため、携帯しやすく、いつでもどこでも、食べたいときにつまんで“ととのう”ことができる。オンラインショップのほか、“ととのう”の象徴であるサウナや温浴施設でも販売している。

ご飯で“ととのう食べ方”提案

はくばくは、生活者の健康意識が強まり、内側からの身体づくりを通じて健康な状態にととのえたいという需要が高まっていることに着目。“うるち麦”や“雑穀”といった健康的なご飯をニーズに合わせて選ぶ「ととのう食べ方」として提案している。

外出先の食事でも「ととのう食べ方」を広げるため、飲食店向けに特設サイトをオープン。600人を対象にした同社の調査では、「ご飯の選べる店に魅力を感じる」と答えた人は半数以上に上ったといい、ご飯が選べる店は生活者が通いたくなる店だとアピールしている。

特設サイトでは協賛企業向けの「ととのう食べ方」のコンセプト動画を公開。ダウンロードして店舗に貼れる「ととのう食べ方」ロゴステッカーを提供したり、リゾットやドリア、炒飯など、名店シェフ監修の穀物レシピを紹介したりしている。

若い女性に好評の生活リズムが“ととのう”ブランド

セブン-イレブン・ジャパンとドットミーは、一日の生活リズムをととのえるブランド「Cycle.me(サイクルミー)」をセブンイレブンで売り出している。サイクルミーは毎日の生活リズムを整えることをコンセプトに、朝・昼・夜それぞれに合わせたウェルビーイング食品を展開。スーパーフードやGABAを使用した飲料や菓子をラインアップする。

朝向けのボトルドリンク“フルーティプロテイン”には、WPI(ホエイプロテインアイソレート)と呼ばれる純度の高いプロテイン、エネルギー源のブドウ糖とパラチノースを配合した。“ブラッドオレンジ”と“レモネード”の2種がそろう。

昼向けには、スーパーフード“キャロブ”を使った“ワーキングクッキー キャロブ”と“同 ピスタチオ”をラインアップ。いずれもGABAを配合したひと口サイズのクッキーを、チャック式パウチに入れている。

夜向けとして、6種のスパイスとハーブ、GABAをブレンドした、牛乳などに溶かして飲む粉末ドリンク“ムーンミルク”を提案。味は“ジンジャー&ルイボス”と“シナモン&カモミール”をそろえた。

テレワークの定着で食生活や健康について見直す人が増える中、気軽に“カラダを整える”体験をしてもらいたいとの思いから販売を始め、若年層の女性を中心に好評を得ている。

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